平成31年2月1日付河北新報

<いじめ母子心中>「丁寧に対応していれば」寺岡小で臨時保護者会

寺岡小2

保護者会に参加する保護者=31日午後6時40分ごろ、仙台市泉区の寺岡小

昨年11月、仙台市泉区で寺岡小2年の女児(8)へのいじめを苦に母親が2人で無理心中したとみられる事件を受け、寺岡小は31日夜、臨時の保護者会を開いた。女児の死亡後、保護者会は初めて。瀬戸幸子校長がいじめの内容や学校の対応を説明した。  保護者会は非公開で約450人が出席した。終了後に取材に応じた瀬戸校長によると冒頭、全員で黙とう。女児が朝顔の支柱を振り回されたり、登校中に置いていかれたりしたことを瀬戸校長が時系列で説明した。質疑応答では、11人が児童の心のケアやいじめへの対応方法について質問した。  瀬戸校長は取材に「尊い命を失い痛恨の極みだ。今後は認識を改めて、保護者との連絡を密に対応する」と述べた。  出席者からは学校の対応についてさまざまな意見が聞かれた。出席した母親の一人は「説明を直接聞き、学校はちゃんと対応していたと思えた」と受け止めた。別の児童の父親は「より丁寧に対応していれば、ここまで痛ましい結果にはならなかったのではないか」と推し量った。  ある保護者は「亡くなった母子と学校はいじめの問題意識を共有できていなかったのだろう」と指摘。別の出席者は「学校が経緯を説明せず、(いじめが)なかったことになってしまうと思っていたが、経緯が聞けて良かった」と話した。

 

<いじめ母子心中>学校の対応不適切 議会理事会に仙台市教委が説明

仙台市泉区で寺岡小2年の女児(8)と母親がいじめを苦に無理心中したとみられる事件に関連し、死亡直前のいじめ調査で母子が「いじめがあった」「現在は続いていない」の両方に丸を付けていたことが、31日分かった。市教委の担当者は「(回答をうのみにせず)細やかに対応すべきだった」と学校側の対応が不適切だったとの認識を示した。  同日開かれた市議会いじめ問題等対策調査特別委員会理事会で、市教委が明らかにした。調査は昨年11月14日に母子から提出されたもの。  杉山勝真学校教育部長は「昨年10月以降、新たにいじめの相談がない中で調査した。女児らと十分に相談しなかった」とした上で、「油断があった。細やかに対応すべきだった」と釈明した。  同小の瀬戸幸子校長は「しにたいよ」と書いた女児の手紙を見た昨年8月24日に詳しい事情を聴いておらず、杉山部長は「学校の対応が良かったかどうかは、反省を含めて検証が必要だ」と述べた。  関係児童の保護者との面談の際、質問のメモを瀬戸校長が無断で相手側に渡したことには「校長の判断で相手側の心の用意として渡した。了解を得ておらず、学校としての対応は良くなかった」と語った。

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