平成28年6月17日 河北新報

<仙台いじめ自殺>調停不成立 遺族が提訴へ

  仙台市泉区の館中1年の男子生徒=当時(12)=が2014年9月、いじめを苦に自殺した問題で、生徒の遺族が市と加害生徒7人に責任の所在確認などを求めた第3回調停が16日、仙台簡裁で不成立となり、遺族側は同日、損害賠償を求めて仙台地裁に提訴する考えを明らかにした。
 遺族側は話し合いを中心とする調停での解決は難しいと判断し、訴訟を起こすことを決めた。

訴訟の対象や提訴の時期は今後、検討する。
 遺族側によると、いじめに関する新しい事実を示すよう求めたが、加害生徒側は16日の調停までに
「新しい事実はない」などと書面で回答。これまでの調停でも、遺族側が複数の行為をいじめと指摘したが、加害生徒側はいじめの存在を繰り返し否定。市側はいじめと自殺の関連を認める一方、賠償責任はないと主張していた。
 生徒の父親は取材に「調停のままでは平行線。一歩前進するため、一つ上の行動を取らないと
いけない。いじめをしたことをまず認めてほしい」と話した。
 市教委の大越裕光教育長は「真摯に対応してきたが、調停は不成立となった。最優先課題のいじめ
防止対策に今後もしっかり取り組む」との談話を出した。
 生徒の自殺を巡っては、市教委第三者委員会が3月、日常的ないじめが自殺につながったと結論
付ける答申書を大越教育長に提出した。

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 平成28年6月17日 朝日新聞宮城版

中1いじめ自殺提訴へ

 仙台市泉区の市立中学1年の男子生徒がいじめを受けて自殺した問題で、遺族は16日、いじめの当事者らに損害賠償を求めて提訴する考えを明らかにした。この日、民事調停が不成立に終わったのを受け、生徒の父親は「(加害側は)やったことを認め、心から反省してほしい」と訴えた。

 遺族は、自殺に至った事実関係や責任の所在を確認したいと仙台簡裁に民事調停を申し立て、市や関係した生徒7人と話し合いを重ねてきた。

 しかし、16日にあった3回目の調停のあと、取材に応じた男子生徒側の代理人弁護士によると、関係生徒側は2回目と同様、「からかいはあったが、いじめではない」との認識だったという。

 事実関係で新たに分かったこともなく、「話し合いでの解決は難しい。裁判官という第三者に認定してもらった方がよいと判断した」と、訴訟に踏み切ることを決めた。提訴時期や訴える対象者については、今後検討するという。

 男子生徒の父親は報道陣に、「やったことを素直に認めてほしいという姿勢でやってきたが、平行線だった。前進させるため、おやじとして息子にやれることは全部やりたい」と話した。からかいやあざけりといって軽く捉えるのではなく、いじめと自覚することが、今後のいじめ防止に不可欠だとも訴えた。

 市教育委員会の大越裕光教育長は「最優先課題であるいじめ防止対策に今後もしっかりと取り組みたい」とのコメントを発表。父親による提訴の考えについては言及しなかった。

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 平成28年6月17日 NHK仙台放送局

いじめ自殺 賠償求め提訴へ

仙台市の中学1年生の男子生徒がおととし、いじめを受けたあと自殺した問題で、男子生徒の遺族と市やいじめに関わったとされる生徒側との間の民事調停が不調に終わり、遺族は損害賠償を求め裁判に訴える考えを示しました。
おととし仙台市の中学1年の男子生徒がいじめを受けたあと自殺し、生徒の遺族は仙台市やいじめに
関わったとされる生徒に対し事実の究明と責任の所在を明らかにするよう求め裁判所に民事調停を申し立てました。
調停は、ことし2月から、仙台簡易裁判所で行われていましたが16日最終的に不調に終わりました。
理由について遺族と弁護士は記者会見で▼関係する生徒側から新しい事実が出てこなかったため
これ以上事実の究明はできず、▼責任の所在についても話し合いによって明らかにすることは難しいと説明しました。
その上で、責任の所在などを明らかにするため、損害賠償を求める裁判を仙台地方裁判所に起こす
考えを示し、今後、相手取る対象を検討するとしています。
亡くなった男子生徒の父親は「このまま調停を続けても平行線のままだと感じ裁判を起こすことを決めました。

息子に報告できることが何もなく、悔しいけれど父親として頑張りたい」と話していました。
仙台市教育委員会の大越裕光教育長は「調停は、本市としても真摯に対応してきたが、不成立となった
ところです。最優先課題であるいじめ防止対策に今後もしっかりと取り組んで参りたい」というコメントを出しました。

http://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20160616/3214681.html

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