【11月14日付 河北新報】

天童一中1年の女子生徒=当時(12)=が昨年1月にいじめを苦に自殺した問題で、同校は13日、当時同じクラスと運動部に所属していた生徒約40人に、いじめに関する個別指導をしていることを明らかにした。来週をめどに終了し、生徒らは遺族に謝罪する。
校長によると、第三者調査委員会が「いじめが自殺の主要な原因」と認定した報告書などを元に、卒業生を含め、いじめをしていたと名前が挙がった生徒と、傍観していたとみられる生徒に対し、校長が保護者を同席させて面談してきた。
指導では、悪口や嫌がらせなどのいじめが、亡くなった女子生徒に著しい苦痛を与えたことの重み、傍観せず教師らに事実を伝える大切さなどを理解させているという。
遺族には、生徒らが教員に付き添われ、今月下旬から謝罪に出向くことを伝えている。
校長は「生徒は事実を受け止めて深く反省し、素直に遺族らに気持ちを伝えてほしい」と話した。
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【11月13日付 山形新聞】

天童・中1自殺、同級生ら40人を指導 校長、いじめの重大さ諭す

天童市の中学1年の女子生徒が学校でいじめを受けて自殺した問題で、学校側が当時の全クラスメートのほか、同じ部活の同学年生と卒業生の一部約40人を対象に指導したことが12日、分かった。指導は個別面談で行われてほぼ終了し、今後は生徒らが個別に遺族への謝罪や弔問を行うという。
女子生徒が通っていた学校によると指導対象は同級生だった30人、当時1年生の部員10人前後と先輩で既に卒業した生徒の一部。対象範囲について同校は「調査報告書で(いじめに関与して)名前が挙がった生徒以外については傍観者の線引きが難しく、関係の度合いではなく、周囲のみんなで今回の問題に向き合うために選んだ」という。
指導は、校長が保護者同伴の上で全生徒と個別に面談。報告書に名前が挙がった生徒に対しては、それぞれのいじめ行為を確認した上で、自分が行った行為の重大さ、相手に与えた影響などを理解させ、「当時を振り返った気持ちを相手(遺族)に表すように」と諭した。いじめを見ていた生徒らについては「大人でも悪い人を制するのが難しい場面もある」などとしながら、見て見ぬふりをしない勇気や周囲に知らせることの大切さを伝えた。
指導に当たった校長は「頭ごなしに叱れば生徒は殻に閉じこもる。甘いかもしれないが、気持ちを解きほぐして、生徒が亡くなった重大さと責任を感じてほしかった」とし、多くの生徒が涙を流すなど反省した様子だったという。
遺族への謝罪は強制せず、学校が仲介しながら個別に進められる。

遺族への見舞金、市教委が給付請求
天童市の中学1年の女子生徒が学校でのいじめで自殺した問題で市教育委員会は12日までに、独立行政法人日本スポーツ振興センターが運用する災害共済給付制度に基づき、同センターに死亡
見舞金を請求した。
市教委によると「第三者委員会の報告書で女子生徒の死亡といじめの因果関係が示されたことを受け、先月中に請求手続きを行った」という。今回のケースは「学校管理下の事由による死亡」に当たり、同センターの審査会で認定されれば、規定の2800万円が遺族に支払われるという。同制度は児童生徒らの共済掛け金で運用され、学校管理下での負傷、疾病などに医療費や見舞金が支払われる。

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