平成30年1月12日朝日新聞鹿児島版

知事と面会した遺族 再調査に安心と期待

鹿児島市の県立高校1年の男子生徒(当時15)が2014年8月に自殺した問題で、三反園訓知事が知事部局による再調査の方針を11日に示したことを受け、遺族側は県庁で記者会見し、調査に期待を寄せた。

この日、母親(55)と代理人の横山巌弁護士が県庁を訪れ、約40分にわたり三反園知事と面会。2人は県教委が設置した第三者委の報告書について、不十分な調査でいじめと認定しなかった、と指摘。また県教委の対応に不信感があるため知事部局による再調査を求めることを伝えたという。

母親は「県教委にまた話をしなければと思うと、きつかった。知事部局の再調査でほっとしている」と胸の内を語った。その上で「調査が続くのはつらいが、息子がどんな気持ちで過ごしていたかを知りたい」と再調査に期待した。横山弁護士は「県教委の調査は公平中立性に問題があり、再調査をすべきだ。知事に正しい判断をしていただけた」と歓迎した。

会見で再調査に望むことを問われた母親は、委員選定の段階から委員候補の実績や活動状況などを県が明らかにすることや、調査

対象やスケジュールなども遺族側に示しながら進めることを挙げた。

また横山弁護士は、第三者委の報告書で示された、隠された男子生徒のスリッパがトイレから見つかったり、生徒のカバン棚に納豆巻きが置かれていたりした事実を、いじめと認定してほしいと強調。さらに生徒たちへの聞き取りの範囲を広げてほしい、とした。

また2人はこの日、県教委の担当者らとも面会し、第三者委の報告書と遺族の意見書を県のホームページで公開することを求めたという。

(斉藤明美、町田正聡)

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