平成28年3月16日河北新報

子ども自殺対応で指針 館中事案を教訓に

  仙台市は新年度、児童生徒が自殺した際の市教委や学校の対応を定めた指針を策定する。

泉区の館中1年の男子生徒=当時(12)=が2014年9月、いじめを苦に自殺した問題で在校生への事実説明が大幅に遅れたことなどを教訓に、遺族への対処や情報発信の在り方を明文化する。
 奥山恵美子市長が15日の定例記者会見で明らかにした。「館中の事案では、公表を希望しない
遺族の意向を基に対応したが、結果として一定期間、生徒に真実を伝えられなかった。どんな姿勢で臨むべきか、専門家の意見も踏まえて議論したい」と述べた。
 文部科学省は10年3月、子どもが自殺した場合の対応を解説した「緊急対応の手引き」を策定。
スクールカウンセラーを含めた学校内の態勢づくりや遺族との接し方、広報対応を紹介しており、市はこの手引きも参考に指針をまとめる。
 館中の男子生徒の自殺後、市教委は関係生徒だけに事実を伝えて聞き取りしたが、調査を受けた
生徒の1人の代理人弁護士から「公に反論する機会がなかった」との指摘があった。奥山市長は「公表した上で、意見を聞かれたり述べたりできればよかった」と話した。

 

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

Post Navigation