平成28年3月8日中国新聞社
中3進路指導後に自殺
学校側別人の非行誤認
広島県安芸郡 昨年12月
 広島県安芸郡内の町立中学校の3年男子生徒(15)が昨年12月、過去の非行歴を理由に志望する私立高への推薦を認められないと学校側から伝えられた後、自殺していたことが7日、分かった。しかし自殺後、その非行歴は別の生徒のものだったことが判明。誤った情報を基にした学校の進路指導が自殺につなかった可能性がある。町教委と同中は遺族に謝罪した。8日、保護者説明会を開く。
関係者によると、生徒は昨年12月8日に進路を話し合う保護者、担任教諭との三者懇談に出席せず、同日夕、自宅で自殺していたのを家族が見つけた。遺書めいたメモがあったが、理由には触れていなかったという。
学校側は、三者懇談前の本人との進路指導で、1年生の時に万引した記録があるため志望校に推薦できない旨を生徒に告げた。だが生徒の自殺後に聞き取り調査した結果、当時万引したのは別人だったことが判明した。いじめなどはなかったという。
記録は、1年生当時の生徒指導の会議資料に記されていた。その場でミスが分かり、訂正された。しかし、資料の元データは訂正されず、そのまま引き継がれていたとみられる。
町教委は「個人情報の管理がずさんだった」としている。学校推薦を受けられないことが自殺の原因になつたかどうかについては 「可能性はあるが断定できない」とする。第三者委員会を設けて詳細な調査を進める。町教委によると、高校受
験の推薦に際し、非行歴を判断基準に加えるかどうかは、各中学校長の判断としている。ただ県教委幹部は 「1年生の時の軽微な非行歴までさかのぼる必要はないのではないか」と指摘している。
遺族の代理人弁護士は「遺族の悲しみは深い。公正な第三者機関を通じた調査を求めたい」と話している。
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