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市尼崎高 全校アンケートで34人「体罰受けた」

市立尼崎高の校舎
市立尼崎高の校舎

 兵庫県尼崎市立尼崎高校の体罰問題で、同市教育委員会は10日、全校生徒955人を対象にしたアンケートで34人が「体罰を受けた」と答えた、と発表した。また保護者へのアンケートで、既に教員の体罰が確認された男子バレーボール部と硬式野球部以外に、四つの部活動で体罰があったとの指摘も上がった。さらに、新たに2人の教員が過去の体罰を認める記述をしたことも分かった。

市教委は、男子バレー部の3年生部員が平手打ちされ鼓膜が破れるけがをした暴行を受け、5月下旬にアンケートを実施。この日の総合教育会議で結果を報告した。生徒は大半の917人、保護者は901人、教員は全70人が回答した。

市教委によると、73人の生徒が「体罰を目撃した」とも回答。教員では既に体罰が認定された男子バレー部の監督(51)とコーチ(28)、硬式野球部のコーチ(25)のほか、2人が体罰を認めた。市教委の松本眞教育長は「男子バレー、硬式野球部を中心に体罰を容認する空気があったと思う。子どもの安全を守る学校として極めて問題だ」と厳しい表情で受け止めた。

保護者が男子バレー部と硬式野球部以外に体罰があると指摘した四つの部活動のうち、三つは生徒のアンケートでも記載があったという。

また全校アンケートとは別に硬式野球部員に体罰の有無を尋ねたところ、回答した部員77人のうち、8割以上の65人が30代男性部長の体罰を「見聞きした」と答えた。一方、部長は市教委に対し「記憶にない」と話しているという。監督の体罰を見聞きしたとする部員も1人いた。

市教委は体罰に関する調査を進める一方、今月中にも再発防止を目的に専門家でつくる「有識者会議」を発足させる方針を示した。(大盛周平)

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