平成28年12月27日 河北新報

  青森県東北町の上北中1年の男子生徒=当時(12)=が8月にいじめ被害を示唆する遺書のような書き置きを残して自殺した問題で、町いじめ防止対策審議会は26日、男子生徒へのいじめを認めた上で、複数の要因で自殺したと結論付ける答申書を町教委に提出した。
 答申などによると、男子生徒は別の生徒から「菌」扱いされたり、一部の女子生徒から「汚い」と言われるなどの
いじめを受けていた。
 男子生徒は5月以降、保護者や同級生らに「(自分は)死んじゃえばいい」などと自殺を示唆する発言をした。

保護者は教員に伝えていたが、情報は学校全体で共有されず、男子生徒の死に関する発言が減ったことから、危険性はないと判断した。
 学校は男子生徒の学習を支援するため、授業に集中していない場合、後ろの席の生徒に合図を送るよう依頼した。

後ろの席の生徒は男子生徒のいすを蹴るなどして合図を送ったが、本人と保護者に説明をしていなかったため、6月の教育相談で男子生徒が「後ろの席の生徒がいすを蹴ってくる」と訴えた。
 他にも小学4年の頃から「生きにくさ」を感じ、自殺を考えていたことや小規模の小学校から人数の多い中学校へ
進学したストレス、思春期の影響、2学期を迎える直前の緊張などを自殺の要因に挙げた。
 記者会見した審議会の荒谷国人会長(元小学校長)は「各委員の専門的な知見から慎重に調査を進めてきた。

デリケートで難しい事案だった」と話した。
 町教委から答申の説明を受けた男子生徒の母親は「調査に足りない部分があり、納得のいく内容ではなかった。

内容をよく読み、再調査を要請するつもりだ」と涙ながらに語った。

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