平成29年5月10日埼玉新聞

<飛び降り中3死亡>顧問に「リーダー続ける」…決意の2日後に死亡

  川口市立中学3年の女子生徒(14)が歩道橋から飛び降りて死亡した問題で、生徒が通っていた中学の男性校長(55)が9日、埼玉新聞の取材に応じ、女子生徒が死亡の2日前に部活のことで顧問に相談していたことを明らかにした。女子生徒は「続ける」と決意した2日後の5日朝、部活の練習に向かう途中に死亡した。

 校長は女子生徒について「部活の中で人間関係のトラブルを抱えていたことは把握していたが、いじめとは認知していなかった」と述べ、「生徒の保護者に連日面会した結果、いじめがあったのかどうかを視野に入れた客観的な調査が必要と判断し、市教委に伝えた」と語った。

 校長によると、女子生徒は吹奏楽部の人間関係でトラブルを抱えていた。しばしば衝突があり、顧問教諭が話を聞いて和解を指導。その都度解決を図り、校長にも報告があった。このトラブルを学校として、いじめとは認識していなかった。

 しかし女子生徒の死亡後、校長が連日保護者と接触した際、保護者から「娘からいじめられた、と聞いていて、その都度学校に相談してきた」と強い訴えがあり、校長は客観的な調査が必要だと判断したという。

 女子生徒は打楽器のパートリーダーを務めてきたが3日、部活顧問の女性教諭に「このままリーダーを継続するかどうか」について相談した。顧問は、このまま続ける▽2年生部員に譲る▽ほかの3年生に譲る―のいずれかを選ぶように勧めた。女子生徒は10分近く考えている様子だったが「もう1回やります」と話した。顧問は「バックアップするよ」と激励したという。

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平成29年5月9日埼玉新聞

女子中生、飛び降り死亡 顧問らに「部活やめたい」、母も相談/川口

  川口市立中の女子生徒(14)が歩道橋から飛び降りて死亡した問題で、女子生徒が今年1月「部活をやめたい」などと部活の顧問や担任教諭に相談していたことが8日、市教委の調査で分かった。

同じ時期、母親も校内の教育相談室に「娘が人間関係で悩んでいるようだ」と相談していたという。

 女子生徒は吹奏楽部に所属、打楽器部門を務めていた。しばらく部活を休んでいたがその後、女子生徒は「音楽は続けたい」と話し部活に戻ってきたため、担任や顧問は見守っていたという。

 市教委の井上清之教育部長(57)は「相談に乗っている最中のことであり、学校としては気に掛けていた生徒だった。それだけに生徒の死は学校にとっては大変つらいことだった。市教委としても女子生徒の死の背景について慎重に調べなくてはいけないと思う」と語った。

 今年4月の校内アンケート調査で、女子生徒は勉強のことや将来の進路、部活などで悩んでいると書いたが、いじめを受けたとは書いていなかった。

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