平成28年1月26日読売新聞静岡版

父親「いじめこれで終わりに」…浜松中2自殺和解

「(男子生徒が自殺した)6月12日をいのちについて考える日として取り組みを続ける」と話す

浜松中和解2

花井教育長(右)(25日、浜松市で)

浜松市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が2012年6月、いじめを受けて自殺した問題を巡る損害賠償請求訴訟で、両親と、市、同級生ら11人との和解が成立した25日、父親は訴訟を振り返り、「どんな結論が出てもすっきりするわけではない。(息子に)ありのままの報告をしたい」と思いを語った。市には同じ悲しみを繰り返さないためのいじめ対策の取り組みが求められる。(平山雄大)

25日午前、和解成立後に原告側代理人と亡くなった生徒の父親が記者会見した。

代理人によると、和解条項には、前文が設けられ、「男子生徒は12年2月以降、塾や部活動、学級で被告の同級生らを含む複数の生徒からいじめ行為を受け、それらが重なり、自ら死を選ぶ事態に至ったと捉えている」と明記された。

その上で同級生ら11人と市が解決金として計495万円を支払うことや被告側が男子生徒に対する遺憾の気持ちを示し、市がいじめ防止や再発防止の対策を約束することが盛り込まれた。

父親は、和解手続きが行われる中、地裁支部の会議室で花井和徳教育長ら市の担当者と同級生の親と同級生の一部から直接謝罪を受けたという。

和解条項について原告側には、「(全体としては)こちらの要求とはほど遠い内容」と不満があった。

ただし、原告側代理人の塩沢忠和弁護士は「同級生らの行為に対する法的責任にかかわらず、今後のいじめ防止のため、同級生らが謝罪と哀悼の気持ちを持ち続けるように裁判所が促してくれたことで、両親が和解受け入れを決めた」と話した。

生徒の父親は「嫌がらせ行為によって1人の命が失われている。裁判長が同級生らに息子の死を一生背負ってほしいと言ってくれたことが和解を受け入れる気持ちになった」と言い、「いじめはこれで終わりにしたい」と声を詰まらせた。

25日午後には浜松市教委も会見した。

花井教育長は「学校の対応を含めて指導が十分ではなかった。ご遺族にはつらい思いをさせてしまい、教育委員会や学校に対する不信感を持たせてしまった」と反省の弁を述べた。

市教委の第三者委員会は12年12月に生徒の死を自殺と判断し、背景にいじめがあったとする報告書をまとめている。この生徒の自殺を受け、浜松市教委では対策に取り組んできた。

市教委は、12年9月に各校でいじめ対策の推進役を担う教員を置いたほか、12年11月に教職員向けのいじめ対応マニュアルを作成し、市立の小中学校に配布するなど、対策を講じたほか、13年から生徒の亡くなった6月12日を「いのちについて考える日」として、市内の各小中学校で全校集会や講演会などのイベントを実施している。今後もこうした再発防止に向けた取り組みを継続していくという。

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平成28年1月26日中日新聞

浜松の中2自殺 地裁浜松支部で和解成立

 ◆いじめ防止に重点

浜松市立中学校二年の片岡完太君=当時(13)=が二〇一二年に自殺したのは、いじめで追い詰められたためだったとして、両親が市と同級生ら十一人に計約六千四百万円の損害賠償を求めた訴訟は二十五日、静岡地裁浜松支部で和解が成立した。被告側による謝罪と遺憾の気持ちの表明、解決金計四百九十五万円の支払いなどが柱。地裁側が再発防止を重視した見解を示し、提訴から約二年半をへて法的に決着した。

訴訟では市や同級生側が請求棄却を求め、市側は学校対応と自殺との因果関係を否定。

法的責任をめぐり争ったまま、昨年三月から和解協議に移っていた。

原告側の塩沢忠和弁護士によると、古谷健二郎裁判長は和解条項の前文で「法的な因果関係を確定的に認めるものではない」とした上で、同級生らに「反省かつ謝罪し、いじめ行為の意味や影響を真摯に受け止め、哀悼の意を持ち続けることが強く期待される」、市側には「二度と不幸な事件が発生しないよう最大限の対策を模索すべきだ」と求めた。

いじめ自殺が続く一因として、加害者の「軽い気持ち」と、被害者が「死を選ぶほどの深刻な被害」を受けるという「認識の大きな隔たり」を挙げた。

会見で片岡君の父道雄さん(51)は「どんな結論でもすっきりはしない。法としては一つのけじめだが、被告側が今後どのように背負っていくのか、人として何をしていくかが大事」と複雑な心境を明かした。

市の花井和徳教育長も「心より哀悼の意を表し、このような痛ましいことを二度と起こさせないよう最善を尽くす」と会見で再発防止を誓った。同級生側の弁護士は「人の気持ちを理解し、命の大切さを理解する人として生きていきたい」などと同級生を代弁するコメントを発表。塩沢氏によると、この日の協議で、同級生ら十一人の保護者と一部の同級生は起立して頭を下げた。

訴状によると、学校や塾で悪口を言われたり、暴行されたりと、片岡君へのいじめは常態化。学校側は「いじめのサイン」がありながら、詳しい情報収集を一切しなかったとしている。

浜松中和解

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平成28年1月26日 朝日新聞

「いじめで自殺」訴訟で和解成立 浜松の中2遺族ら

浜松市立中学2年生だった片岡完太君(当時13)が2012年に自殺したのはいじめが原因として、両親が同学年の生徒だった11人や市に計約6400万円の損害賠償を求めた訴訟は25日、静岡地裁浜松支部(古谷健二郎裁判長)で和解が成立した。被告側が解決金計495万円を支払う。

和解の文書によると、地裁支部は、片岡君が被告を含む複数の生徒から12年2月以降いじめを受け、最終的に同年6月に自殺したとする一方、法的な因果関係を確定したものではないとした。支部は昨年3月、和解を提案。和解条項に基づいて25日、被告である当時の生徒らが謝罪し、市教育長らは遺憾の意を表明した。

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