異性31年3月19日 神戸新聞NEXT

尼崎中2自殺 教員6人、兆候に接するも対応せず

尼崎中2自殺

2017年12月、兵庫県尼崎市立中学2年の女子生徒=当時(13)=が自殺した問題で、クラスの担任教諭ら少なくとも6人の教員が、いじめなどをほのめかす女子生徒の言動に接しながら、対応していなかったことが分かった。6人はこうした女子生徒に関する情報を、他の教員や校長、教頭ら管理職にも伝えていなかった。(大盛周平)

生徒は17年12月20日、「学校がしんどいです」などと書いたメモを残して自殺した。調査した同市教育委員会の第三者委員会が18日、クラスや所属していたソフトテニス部でのいじめと、教員の不適切な対応が自殺の原因と指摘した。

調査報告によると、生徒は自殺する1カ月以上前の11月上旬、アンケートで2回にわたり、同級生からの嫌がらせや心の悩みなど、いじめを示唆する回答を記した。だが担任教諭は本人から聞き取りをせず、他の教員にも伝えなかった。

さらに担任教諭は、自殺の5日前にあった生徒、母親との期末面談で、母親に娘の人間関係を尋ねられ「問題ない」と答えていた。

他にも部活顧問や別のクラスの担任、学年主任ら少なくとも5人の教員が、女子生徒や友人から部員間のトラブルなどについて聞かされながら、放置したり、女子生徒が「トラブルを言いふらしている」と誤解して叱責したりしていた。

校内には、いじめなどに対応するため、管理職らでつくる委員会があったが、女子生徒に関する情報は伝わらず、校長や教頭は把握していなかったという。

学年主任も委員会のメンバーで、いじめの情報を知った場合は報告する役割を担っていた。だが女子生徒から、亡くなる当日に部活のトラブルを訴えられた際、別のクラスの担任と同様に「言いふらしている」と誤解して口止めしていた。

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平成31年3月19日付朝日新聞東京本社版夕刊

担任、5日前の懇談で母に「問題ない」 尼崎中2自殺

兵庫県尼崎市立中学2年の女子生徒(当時13)が2017年12月、「学校がしんどい」とメモを残して自殺した問題で、生徒が亡くなる5日前にあった期末懇談で、学校での人間関係を尋ねた生徒の母親に対し、担任の教諭が「問題ない」と答えていた。生徒はその約1カ月前に学校が実施した2度のアンケートに、いずれもいじめをうかがわせる回答をしていたという。

経緯を調べた弁護士らによる市教委の第三者委員会が報告書で指摘した。

報告書によると、女子生徒は17年10月ごろ、クラスのグループから「きもい」「うざい」と陰口を言われ、11月には悪口を直接浴びせられるようになった。

学校が11月1日に実施した生活状況を問う定期アンケート(選択式)で「最近、同級生から何か嫌なことをされたか」との質問に「時々ある」と回答。同6日には、いじめの有無などクラスの状況を問うアンケート(マークシート式)があり、「友達に嫌なことをされたり言われたりする」という質問に「すごく当てはまる」と答えた。

担任は1日のアンケートは確認したが、面談時に生徒から詳しく状況を聞き取らず、他の教諭とも共有しなかった。6日のアンケートは内容を確認せず、集計する他の教諭に渡した。

そんな中、生徒への悪口は次第に攻撃的になり、「死ね」という言葉を周りの生徒も聞くようになった。

市教委によると、担任は「生徒に『大丈夫?』と声をかけたら、大丈夫と返事があった」と調査に答え、当時、状況の重大性を認識していなかったという。

同じ頃、女子生徒は部活動でも人間関係のトラブルに悩んでいた。3年生の進路指導を担当していた顧問や副顧問は練習にほとんど立ち会えず、部員は六つのグループに分かれ、陰口を言い合う状態になった。

自殺前日の12月19日、顧問の指示で部員のミーティングが開かれたが、終わった後は「ギスギスした状態」に陥った。

第三者委は「担任はクラスを統率できず、授業中も私語が目立つ状態になっていた」とし、「いじめが裏に隠れているという認識でアンケートを見ず、いじめを積極的に把握する姿勢に欠けていた」

と批判。顧問についても「部活動を生徒に任せる指導方針だったが、適切な対処をせず、混沌とした状況に至らせた。保護者から適切な対応を求められたのに、複数の教諭で対応することをせず、

単独で判断した」とした。

第三者委は、さらに別の教諭が誤解を元に理不尽に叱責したことなど複合的な要因が絡み合って自殺に至ったとし、「学校が適切に対応すれば、自殺を防ぐことができた」と指摘した。

(崔埰寿、飯島啓史)

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平成30年2月15日朝日新聞本社版

「学校しんどい」中2女子が自殺 母親、学校側に不信感

兵庫県尼崎市立中2年の女子生徒(当時13)が昨年12月、「学校がしんどい」などとするメモを残して自殺していたことがわかった。市教委は生徒間のトラブルが背景にあった可能性があるとして、いじめの有無などを調査する学識者らの第三者委員会を立ち上げる方針を固め、準備を進めている。

遺族や市教委によると、女子生徒は昨年12月20日夕方、自宅で首をつった状態で発見され、死亡が確認された。現場には「学校がしんどいです。

もう無理です」などと本人が書いたメモが残されていたという。

学校は全校生徒対象のアンケートや一部生徒への聞き取りを実施。市教委は1月下旬、「長期にわたる暴行などの情報はないが、生徒間でトラブルがあった可能性はある」と判断し、詳細調査のため第三者委設置を遺族に打診したという。

これに対し、女子生徒の母親は14日に会見を開き、「アンケートなどで得られた情報について学校に説明を求めても、ほとんど教えてもらえない」「学校や市教委が十分な調査をしないまま第三者委を立ち上げても、真相解明ができるのか疑問」と不信感を表明。同日、これまでの調査結果の開示などを求める申入書を市長と教育長に提出した。(宮武努)

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平成30年2月15日神戸新聞

学校しんどい」中2自殺 第三者委設置へ

兵庫県尼崎市内の中学2年の女子生徒=当時(13)=が昨年12月に自殺したことを受け、同市教育委員会は14日、有識者らによる第三者委員会を設置する方針を明らかにした。生徒は「学校がしんどい」とのメモを残して亡くなっており、いじめの有無などについて専門家が詳しく調査する。

生徒は12月20日に亡くなった。学校はその後、全校生徒へのアンケートや個別の聴き取りを実施。しかし、学校の調査に限界があるとして、市教委が第三者委の設置方針を決めた。

一方、生徒の母親らが14日、市役所を訪れ、市長と教育長宛てに申入書を提出。学校側が当初承諾したアンケート結果の開示を後に市教委が拒んだことや、調査結果の情報がわずかしか伝えられなかったことなどで不信感を持ったといい、調査結果の速やかな開示▽遺族の意向が確認されないまま生徒の死が報道された経緯の説明▽在校生に対する十分なケア-などを求めた。

会見を開いた母親は「もう無理です」とも書かれていた生徒のメモに触れ、「心がどんどん重くなるような積み重ねがあったのかもしれない」と話した。

(岡西篤志)

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平成29年12月25日神戸新聞

「部活疲れた」中2女子自殺か 部屋にメモ残し首つ

兵庫県尼崎市立中学2年の女子生徒(13)が20日に自宅で首をつった状態で亡くなっていたことが24日、関係者への取材で分かった。女子生徒の部屋には「学校の部活動に疲れた」という内容のメモが残されており、自殺の可能性があるという。

関係者によると、20日午後4時45分ごろ、尼崎市内の自宅で家族が発見し、119番。搬送先の病院で死亡が確認された。

2段ベッドの上部にかけた電気コードのようなものが、首に巻きついていたという。女子生徒は中学校で運動部に所属。尼崎市教育委員会は、いじめの有無も含め関係者から事情を聴いている。

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