平成31年3月19日付NHK新潟放送局

いじめ自殺 加害者氏名開示せず

おととし新発田市でいじめを受けて自殺した男子中学生の母親が、加害者とされる8人の生徒やその保護者と直接、話がしたいとして、市の教育委員会に加害者の氏名の開示を求めていましたが、教育委員会は18日、個人情報保護条例に則して開示できないと回答しました。 この問題は、おととし6月、新発田市で中学2年の男子生徒が自殺し、市の教育委員会の第三者委員会は去年、「自殺の原因はいじめにあったと推定される」という調査報告書をまとめました。 これについて生徒の母親は、加害者とされる8人の生徒が調査報告書で匿名になっていることから、8人やその保護者と直接会って話がしたいとして、加害者の氏名を開示するよう市の教育委員会に求めていました。 これについて教育委員会は18日、「過去のいじめに関する裁判で調査報告の説明責任を理由に加害者の氏名の開示が認められたことはない」としたうえで、「公正で能率的な業務の遂行を妨げる

おそれがあり、市の個人情報保護条例に従わざるを得ない」として開示できないと回答しました。 その後の話し合いでは、遺族側から「前例がないことは理由にならない」として、開示できない具体的な理由について説明を求めたのに対し、教育委員会は「加害者に訴えられるリスクがあるためだ」と答えました。 生徒の母親は「出口の見えないトンネルをずっと歩いているような気持ちだ。加害者の生徒がどう感じているのかを遺族がどうして知ることができないのか」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20190318/1030007144.html

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平成30年10月11日読売新聞

いじめ自殺謝罪の教育長、遺族を「お前」と呼ぶ

新潟県新発田市立中学2年の男子生徒が昨年6月、いじめを理由に自殺したとみられる問題で、男子生徒の父親と代理人弁護士が10日、市教育委員会に対し、第三者委員会の調査報告書の提言に基づいて、教員の増員やいじめに関する組織的な情報収集などを実行するように申し入れ書を提出した。

第三者委は「自殺の原因はいじめと推定される」とした調査報告書で、再発防止に向けて「教員定数の増加」「教職員によるいじめに特化した情報収集」など、職場環境の改善や体制づくりを提言した。

申し入れ書を受け取った市教委学校教育課は「いじめの早期発見、未然防止、二度とこのようなことがないようにやれることを精一杯やりたい」と応じた。

父親は申し入れ書を提出した後、報道陣に対し、5日に市教委から自宅で調査報告書の説明と謝罪を受けた際、山田亮一教育長に「お前」と呼ばれる不適切な発言があったことを明らかにした。

山田教育長は、父親が小学生の頃の担任教諭で、年に数回は顔を合わせる仲だったが、父親は「息子のことが軽く見られているのではないか。怒りとあきれの気持ちだ」と厳しい表情で語った。

市教委と山田教育長は10日、学校説明会への出席を父親に問う際に不適切な発言があったことを認めた。山田教育長は「ご遺族を深く傷つけたことにおわび申し上げる。私の不徳の致すところで、これまで以上にご遺族のつらく悲しい思いをしっかりと受け止めて対応する所存」とのコメントを発表し、改めて謝罪する意向を示した。

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平成30年10月6日付朝日新聞

新潟の中2自殺「教員多忙でいじめ見逃し」第三者委報告

新潟県新発田市で昨年6月に中学2年の男子生徒が自殺した問題で、市教育委員会の第三者委員会は5日、「自殺の原因はいじめにあると推定できる」とする調査報告書を提出した。

教師が生徒と向き合う時間が不足したことがいじめを見逃す要因になったとして、教員定数を増やすよう国や県に提言した。

第三者委によると、男子生徒は中1の夏休み明け以降、あだ名で呼ばれてからかわれるようになり、進級後もエスカレートしていったという。第三者委はこうした「からかい」や「いじり」をいじめと認定した。

昨年4、5月には男子生徒が担任に「あだ名で呼ばれている」と伝えたが、担任はいじめと認識せず、保護者にも伝えなかった。第三者委の工藤ひとし委員長は「教員の事務作業や課題が多すぎて、生徒からじっくり話を聞くことが少なくなっている」と述べた。

男子生徒は昨年6月、自宅の作業小屋で首をつった状態で見つかった。家族に「俺はいじめられていると思う」などと話していた。

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平成29年11月21日朝日新聞新潟版
いじめ第三者委、「捜査でなく提言」? 調査力は

授業で作ってくれたカレンダー、選んでくれた時計。男子生徒と父親の思い出の品だ=新潟市中央区

 ――どんな子でしたか?
 「小遣いをはたいてプレゼントをくれた。とにかく優しい息子でした」
 ――家での様子は?
 「家で荒れることもなく、ほかの子と同じように過ごしていたと思います」
 10月18日夕。6月に自殺した新発田市の中学2年の男子生徒の父親が、第三者委員会の聞き取りに臨んだ。
10問ほどの質問書を手渡された後、委員全員に質問を受け、答えていった。
 生徒は6月25日早朝、自宅の作業小屋で首をつった状態で発見された。その後の調査で、昨秋から他の生徒に悪口を言われ始め、5月の担任との面談で悩んでいると相談したが、いじめと認識されなかったことも明らかになった。
「(担任から)早く連絡をもらえていれば」。悔やみきれない思いが残る。
 学校や市教育委員会は「第三者委の調査結果を待ってほしい」と話すだけ。率先して真実を明らかにしようとしない姿勢に不信感が募った。父親は8月、第三者委に対し、学校や市教委の報告をうのみにするのでなく、自ら聞き取りをするよう
要請した。
     ◇
 父親が期待をかける先となった第三者委員会。実はその設置、人選、運用は各教育委員会に任されているところが大きい。
 2011年の大津市立中学2年のいじめ自殺事案では、学校や市教委の隠蔽が指摘され、第三者委は加害生徒ら50人以上、
90時間超の聞き取りを実施。報告書には「労を惜しまず、収集した資料の正確性を可能なかぎり検証しなければならない」と記した。
 遺族が推薦した委員を入れるなど大津市の第三者委は注目を浴びた。だが、この問題を契機に成立した「いじめ防止対策
推進法」(13年9月施行)に基づく第三者委の姿勢には、各地で温度差がある。
 昨年11月、福島第一原発事故で新潟市に避難した男子児童が担任や同級生に名前に「菌」をつけて呼ばれた問題が起きた。第三者委は、児童や同級生への聞き取りはせず、今年3月に報告書を提出。「調査は不十分な面がある」と前置きした上で、菌発言と原発事故の間に直接の関係はない、と結論づけた。
 委員の1人は市教委の希望する期限に間に合わせることを意識したとし、「第三者委の目的は提言を答申すること。捜査機関ではない」と話した。
     ◇
 新発田市庁舎の一室。代理人弁護士と席についた父親の前には、市教委に依頼された第三者委の6人が並んでいた。
息子の死の真相解明を託す人たちだ。
 約1時間の聞き取りを終え、父親には不安が残った。信頼しきれない市教委が選んだ、よく知らない委員たち。委員長は
元市立中学校長が務めているという。「正直、報告書が出るまで半信半疑です。学校や市教委からの報告で、私たちが
『おや?』と感じる部分を突っ込んでくれるのか」
 父親は心に疑問を抱いたまま、日々を過ごす。「なぜ、うちの子がこうなったのか。それを明らかにし、包み隠さず教えてほしい」。
第三者委は今月15日に校長や担任など教員への聞き取りを終えた。来年6月の生徒の一周忌までに報告書をまとめる方針だ。
     ◇
 子どものいじめが後を絶たない。第三者委員会は真実を求める被害者側の頼みの綱の一つで、再発防止の役割も備える。
県内の第三者委を巡る動きを追った。(狩野浩平)

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平成29年6月27日朝日新聞
家族に「俺はいじめられている」中2男子が自殺 新潟

新潟県新発田市は26日、家族にいじめ被害を訴えていた市立中学2年の男子生徒(13)が自殺したと発表した。遺書はないが、家族に「クラス全員に仲間はずれにされている。俺はいじめられていると思う」などと話していたという。市教委は第三者委員会で原因を調べる。
市教委によると25日午前4時ごろ、男子生徒が自宅の作業小屋で首をつっているのを父親が発見し、その後死亡が確認された。4月に学校が全校生徒に実施した定例のアンケートでは、男子生徒へのいじめに関する記述はなく、担任も異変に気づかなかったという。家族から学校への相談はなかった。
家族は学校側に「原因を徹底的に究明してほしい」と求めているという。

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