平成29年9月12日伊勢新聞
三重県側、争う姿勢 県立高SNSいじめ訴訟 津地裁で第1回口頭弁論

 同級生からインターネット交流サイト(SNS)に悪口を書き込まれるいじめを受けて不登校となり、学校側が事実把握後も適切に対処しなかったとして、津市内の県立高3年の女子生徒(17)が県に約170万円の損害賠償を求めた裁判の第1回口頭弁論が11日、津地裁(岡田治裁判長)であり、県は請求の棄却を求めて争う姿勢を示した。
 訴状などによると、女子生徒は高校1年生だった平成27年10月ごろ、所属していた部活動の同級生から無視や仲間外れなどのいじめを受けて不登校となった。2年生に進級後、登校を再開した直後にSNSのツイッターなどで「学校に来ていないのにどうして進級できたんですか」などと匿名で書き込みをされ、再び不登校となったという。
 女子生徒はその後、「心的外傷後ストレス障害」と診断を受けた。女子生徒の父親は不登校となった直後の27年11月に、学年主任らを通じて学校側に被害を伝えて改善を要求。しかしいじめと認識されず、適切な対応がされなかったため被害が拡大したとして、学校側に注意義務違反などがあったとしている。
 原告代理人は取材に対し、「学校がいじめ問題を適切に対処していれば、このような事態にはならなかったと考えている。争う姿勢を示したのは残念。現時点で学校としてできることを提案してもらいたい」と父親のコメントを伝えた。
 県側は「事実と訴状の中身で違う部分がある」とし、具体的な事実関係の認否については、原告側がいじめ行為を具体的に特定するまでは留保するとした。

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平成29年8月11日付朝日新聞名古屋本社版
「いじめ申告せぬよう教頭が勧告」提訴の高校生側が主張

 同級生から受けたいじめについて学校が指導や対策を怠り、その後、ツイッターなどに「不登校になってくれませんか」などと悪口を書き込まれて被害が拡大したとして、津市の県立高校3年の女子生徒が三重県を相手取り、慰謝料など約170万円の支払いを求める訴訟を先月、津地裁に起こした。
 訴えによると、生徒は1年生だった2015年10月ごろから部活の同級生らに集団で無視されるなどのいじめを受け、不登校になった。父親が翌月、学校に被害を申し出たが、学校側は「いじめではない」と判断していたという。
 また生徒側は、当時の教頭から「いじめ重大事態に認定してもよいが、(同校に在籍する)生徒の姉の大学受験に悪影響が出る」などと、いじめの申告を思いとどまるよう勧告されたとも主張している。
 その後、生徒は2年生に進級して登校を再開したが、悪口の書き込みが原因で再び不登校になった。
 訴えに対し、学校長は10日の会見で、教頭がいじめの申告を思いとどまるよう言ったかどうかについては「調査委員会で確認しているところ」と話した。
 県教育委員会は書き込みが元で不登校になったことについて、いじめの重大事態と認定。いじめ防止対策推進法に基づき、学校が昨年10月、弁護士や教員らでつくる調査委員会を設置した。

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平成29年8月10日中日新聞
三重県立高でSNSいじめ 女子生徒が県を提訴

 高校の同級生からインターネット交流サイト(SNS)に悪口を書き込まれるなどのいじめを受けて不登校になり、その後も学校側が適切に対応しなかったとして、津市の県立高校3年の女子生徒(17)が三重県を相手取り、約170万円の損害賠償を求める訴えを津地裁に起こしていたことが分かった。
 訴状などによると、女子生徒は高校1年生だった一昨年10月ごろ、所属していた部活動の複数の同級生から無視や悪口のいじめを受けて不登校になった。2年生に進級するとSNSのツイッターに「登校していないのにどうして進級できたのか」と投稿され、3年生の現在も登校できない状態が続いており、高校を管理する県に生徒指導を怠るなどの注意義務違反があったとしている。
 女子生徒の父親らによると、両親は娘が不登校になって間もなく学校に対応を求めたが、学校は「いじめではない」などとして応じなかったという。
 両親は昨年末、三重県警に被害届を出し、県警はツイッターに女子生徒を中傷する文言を投稿したなどとして、同級生の女子1人を侮辱容疑で書類送致した。津家裁は今年5月、この生徒を保護処分に付さないとの決定を出している。
 女子生徒は7月、いじめが原因の「心的外傷後ストレス障害」と診断された。父親は「学校側はいじめを隠蔽していたとしか思えない。同じ被害者を出さないためにも対応を改めてもらいたい」と話している。
 校長は取材に「学校として残念。(SNS以外の)いじめの有無については現在も調査中で慎重に確認したい」と説明した。県教委に対しては昨年9月、女子生徒に関するSNSへの投稿について「いじめの重大事態」として報告したという。
 県教委の小林宏行子ども安全対策監は「SNSへの書き込みについては、いじめの重大事態として認定している。
それ以外の事案への対応が適切であったかどうかは、訴訟の内容にかかわるのでコメントできない」としている。

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