2022年12月14日付熊本日日新聞
上級生らの「行き過ぎた指導」所属部活動で41件 熊本工高1年自殺 「死ね」「殺すぞ」暴言や1時間正座
自殺した生徒が所属していた部活動内で行き過ぎた指導があったことについて謝罪する
熊本工高の柿下耕一校長(左)ら=14日、熊本市中央区
熊本工高(熊本市中央区)は14日、10月に自殺した1年の生徒が所属していた部活動の
部員を対象に調査した結果、暴言など明らかに改善が必要とされる上級生らの「行き過ぎた指導」が41件確認されたと明らかにした。
学校は4月~11月上旬の間、所属部活動内で行き過ぎた指導などがなかったかアンケートや聞き取りを実施。3年生31人、2年生22人、1年生25人が回答した結果、1、2年生が41件の行き過ぎた指導を受けていた。「死ね」「殺すぞ」といった暴言や約1時間の正座も確認された。
生活や服装などに関する「厳しい指導」は1、2年生で13件確認。3年生は全員が行き過ぎた指導も厳しい指導も「受けたことがない」と回答した。
ほかの部活動は教員らに聞き取った。柿下耕一校長は「(生徒が所属する部活動は)突出していた。もっと早く把握していれば対応できたかもしれない」と説明。「行き過ぎた指導の未然防止と再発防止に全力で取り組む」と強調した。
所属部活動内の指導に関する調査は、県教育委員会が「上級生による厳しい指導が自殺に影響した可能性を排除できない」として、学校に指示していた。(上島諒)