2022年12月8日付熊本日日新聞
県央高3いじめ自殺、開示命令に不服 県、最高裁に特別抗告
県の第三者機関がまとめた調査報告書の黒塗り部分を示す遺族=10月中旬、熊本市中央区
2013年4月にいじめを理由に自殺した県央の県立高3年の女子生徒=当時(17)=の遺族が県と当時の同級生8人に損害賠償を求めた訴訟で、県は7日、いじめに関与した生徒の氏名を黒塗りにしていない県の第三者機関の「調査報告書」を熊本地裁に提出するよう命じた福岡高裁
決定を不服として、最高裁に特別抗告した。同高裁にも許可抗告をした。
県教育委員会は特別抗告の理由について「係争中で申し上げられない」とした。遺族は「娘に何が起こったのか知りたいだけなのに、なぜそこまでする必要があるのか。信じられない」と話している。
11月29日付の高裁決定は、報告書のうち聞き取り調査などに回答した証言者の氏名以外の部分は、公務の遂行に著しい支障が生じる具体的な恐れは認められないと判断した。(臼杵大介)