NHK大分放送局
平成28年9月8日
剣道部死亡賠償訴訟で弟が証言
7年前に県立竹田高校の男子生徒が剣道の部活動中に熱中症で倒れて亡くなった事故をめぐって、生徒の両親が剣道部の顧問ら2人に賠償金を支払わせるよう県に求めている裁判で、同じ部活動に参加していた生徒の弟が出廷し、当時の状況などを証言しました。
この事故は、平成21年8月、当時、県立竹田高校の2年生だった工藤剣太さんが剣道の部活動中に熱中症で倒れ、その後亡くなったものです。
両親が県と顧問の教師ら2人などを訴えた裁判では教師2人が適切な措置を取らなかったことが認定され県などに4600万円あまりの賠償を命じる判決が確定しました。
しかし法律の規定から公務員が職務中に与えた損害は県が代わって賠償すべきだとして2人は賠償責任を問われず、両親は、これを不服として去年12月、大分地方裁判所に訴えを起こしました。
裁判では、教師2人に個人として責任を負わせるだけの重大な過失があったかどうかが争点できょうの裁判には当時剣道部で同じ練習に参加していた弟の風音さんの証人尋問が行われました。
この中で風音さんは「兄は、練習中に竹刀を落としたことに気づかないなど異常な状況でしたが、顧問の教師は『演技をするな』と言って平手打ちをするなど適切な措置をとらなかった」と証言しました。
裁判のあと母親の奈美さんは「悲しい事件をなくすためにも、悪いことをすれば個人で責任を負わなければならないという前例を作って、全国に広げていきたいです」と話していました。
次回の裁判は来月20日の予定で、顧問の教師への証人尋問が行われる予定です。
http://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/5075394861.html?t=1473379397512