2020年4月14日 8:00
1年時に同級生から暴言、卒業まで不登校に 滋賀の中学校、いじめ疑いで第三者委設置へ
立命館守山中(滋賀県守山市)の元男子生徒(15)が、在学中だった1年生の時に同級生からいじめを受けて学校に行けなくなり、同校がいじめ防止対策推進法に規定する重大事態の疑いがあるとして第三者委員会を設置する方針であることが13日、京都新聞社の取材で分かった。元生徒は今春卒業するまで長期間不登校となっており、当時の学校側の対応が適切だったかどうかが問われそうだ。
関係者によると、元生徒は1年生だった2017年5~8月ごろの間、硬式テニス部の練習中にミスをすると同級生から「目が見えへんのか」「耳聞こえへんのか」などと暴言を吐かれ、下校中に無理やりお菓子やジュースをおごらされるなどしたという。
保護者が同年7月、部活の顧問兼担任に相談したが状況は改善せず、元生徒は8月中旬から部活を休み、2学期から不登校になった。保護者がその後、学年主任に対し、いじめに対応するよう申し出ると「調べてみます」と返答されたが、調査結果の連絡はなかったという。
学校の対応に疑問に感じた保護者は昨年6月、滋賀県総務課に相談した。県から相談記録の交付を受けた同校はその後、学内調査を実施し、12月に保護者に第三者委員会を立ち上げる旨を伝えたという。
不登校中、元生徒は塾などで学習を続けたという。保護者は「これまでずっと問題が放置されてきた。学校が早い段階で誠実に対応してくれていたら、息子は普通の学校生活を送れていたのではないか」と話す。
同校を運営する学校法人立命館広報課は取材に対し「重大事態に該当する疑いのある事案が発生したことは事実。現在、第三者委員会の立ち上げに向けて人選を行っている」とし、事案の内容に関しては「第三者委員会で調査が進められることなので現段階では答えられない」としている。