平成30年1月31日NHK長崎放送局

いじめ 第三者委の報告書再公開

4年前新上五島町で中学3年生の生徒が自殺したことをめぐり、原因をいじめと判断し再発防止策などをまとめた、第三者委員会の報告書について、町は、取りやめていたホームページでの公開を生徒の両親の求めに応じて再開しました。 4年前に新上五島町で男子生徒が自殺した原因を、弁護士などが調べたの第三者委員会は町と自殺した生徒の両親が協議して設置され、報告書はいじめが自殺の原因だと結論づけたうえで、学校や教育委員会の対応を厳しく批判するものでした。 町は、2年前の3月からいったんは公開しましたが「事実の確認ができないか所が含まれている」として、およそ3か月で削除していました。 両親が町などに損害賠償を求めた裁判が去年9月に和解したあとも、両親が報告書の全文を公開するよう町に求めていましたが、町のホームページに全文を再び掲載することで両者が合意し、31日から公開されました。 これを受けて生徒の両親は31日会見を開き、父親の松竹裕之さんは「同級生にも読んでもらい、どういったことがあったか直接聞きたい」と話しました。報告書は100ページあり、生徒と同級生とのSNSのラインでのやりとりも掲載されています。 新上五島町は「生徒の自殺の原因として悪口や無視など暴力以外のいじめが含まれており、再発防止のために公開することを決めました」としています。

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

平成29年9月5日朝日新聞
長崎いじめ自殺、親と町・県が和解 防止策怠ったと認める

 長崎県新上五島町で2014年、中学3年の男子生徒が自殺し、両親が町と県に計約6250万円の損害賠償を求めた訴訟が4日、長崎地裁で和解した。学校での悪口などによるいじめによって自殺に至ったことや、教職員がいじめを防止する措置を怠ったことを認め、町は解決金として4千万円を両親に支払う。
 訴状によると、町立中学3年生だった松竹景虎君(当時15)は3学期の始業式の日、「LINE(ライン)」に自殺を示唆する書き込みをした後、自宅近くで首をつった。昨年1月、町が設置した第三者委員会は、いじめと自殺の因果関係を認め、教員らがいじめに気づくきっかけがあったと指摘した。しかしその後、いじめに関する十分な検証がされていないとして、両親が昨年8月に提訴した。
 和解では、級友たちによる悪口や嫌がらせなどのいじめの存在や、教員がいじめの存在に気づくことができたにもかかわらず防止措置を怠ったことを町などが認め、第三者委の報告書も尊重するとした。江上悦生・新上五島町長は記者会見を開いて謝罪した。両親にも直接謝罪するという。
 この日、法廷で意見陳述した父・裕之さん(53)は会見で「学校には、子どもの命を守ってほしい」。いじめに悩んでいる子どもたちに向けて「誰でもいいから、相談してほしい」と呼びかけた。(田部愛)

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn