平成30年4月3日付東京新聞

いじめ自殺で児相通告 埼玉県警 金銭要求の同級生2人

埼玉県鶴ケ島市で昨年十一月、小学六年の女児=当時(11)=が自宅で自殺した問題で、女児に金銭を要求するなどしたとして、県警が同級生だったいずれも十二歳の女子二人を児童相談所に通告していたことが捜査関係者への取材で分かった。通告は三月二十六日付。

市の第三者審議会は、同級生からのいじめがあったと認定し「いじめが自殺の契機と推認できる」との報告書を三月二十七日に答申していた。

捜査関係者によると、女子二人は昨年九月以降、被害女児にカラオケや飲食の代金を度々支払わせたほか、いじめを隠すために「嫌なことは嫌と言う」との趣旨の内容を言わせて、スマートフォンで動画を撮影したとされる。

報告書によると、主に女子二人は被害女児に悪口を言ったほか、亡くなる直前には、無料通信アプリLINE(ライン)で自殺に追い込むようなやりとりをしていた。

報告書は学校について「児童と信頼関係を築けていなかったため、いじめを把握できなかった責任がある」とした。

県警によると、女児は昨年十一月十七日午前、自宅敷地内で死亡しているのが見つかった。二階の窓から飛び降りたとみられる。

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

平成29年12月28日朝日新聞

小6女児、いじめ受け自殺か SNSで同級生から悪口

埼玉県鶴ケ島市で11月、自宅敷地内で死亡しているのが見つかった小学6年の女児(11)が、いじめにあっていた可能性が高いことが市教委の調査でわかった。市教委は27日、いじめ問題調査審議会を設置し、第1回の会合を開いた。

女児は自宅2階から転落して自殺したとみられている。審議会は弁護士や小児科医ら5人で構成。会合後の会見によると、父親が学校側に提供した女児のスマートフォンの画像には、SNS上に書き込まれた同級生からの悪口などがあったという。児童らへのアンケートや聞き取りでも「いじめの疑いがある複数の事象」を把握したという。市教委はいじめられていた可能性が高いとみている。

父親は、女児がいじめられていたとの認識を学校側に伝え「事実を明らかにしてほしい」と求めているという。審議会は、いじめの有無を検証して死亡との関係を調べ、来年3月中に再発防止策の提言とともに報告書をまとめる予定。(西堀岳路)

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

平成29年11月29日東京新聞埼玉版

いじめ問題で調査審議会 小6自殺 鶴ケ島市教委設置へ

外部の専門家を招き、いじめの有無を調査する方針を発表する鶴ケ島市の浅子藤郎教育長=鶴ケ島市で

埼玉小6女子

鶴ケ島市立小学校六年の女児(11)が今月十七日、自宅敷地内で死亡しているのがみつかった問題で、市教育委員会は二十八日、女児が自殺したとみられることを重視して、外部の専門家を招いた「市いじめ問題調査審議会」を近く設置すると発表した。

自殺の原因などは明らかになっていないが、浅子藤郎教育長は「六年生の卒業の時期も踏まえ、できるだけ早く審議をお願いしたい」と述べた。

学校や市教委によると、女児は五年生のときに「(同級生から)嫌なことを言われた」と三日続けて欠席。学校はいじめとして対応した。

今年六月に行ったアンケートでは、女児や他の児童から、いじめの記述はなかった。

浅子教育長によると、事件を受けて学校は二十日、四~六年生を対象にアンケートを実施。回答の中に「女児が悪口を言われているところを見た」との記述があったという。

浅子教育長は「いじめに当たるのか、いつごろの話なのか、ていねいに確認する必要がある」とした上で、「学校には、いじめがあるだろうという姿勢で事実確認させ、調査結果を専門家に判定してもらう」と語った。

県警によると、女児の携帯電話から自殺をほのめかすような文章が見つかっており、自宅二階から飛び降りたとみられる。

(中里宏)

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn