2023年2月10日 付北海道新聞
専門家、法律への理解欠如指摘 旭川中2いじめ 「問題と向き合い検証を」
2023年2月5日 付北海道新聞
旭川中2いじめ 元校長、当時の学校の対応は「適切」「本人に聞き取りできなかった」
元校長は20年3月に退職し、現在は無職。1月下旬に旭川市内で2回にわたって取材に答えた。
学校がいじめの認定に至らなかった理由について、加害者側から聞き取りはできていたが、広瀬さんが入院していた病院側から川で自殺を図った経緯を本人に聴取しないよう求められたという。広瀬さんが19年8月に転校したため「本人に確認できなかった」と弁解した。
2022年12月22日北海道新聞
旭川いじめ再検証開始 市の再調査委 委員長に尾木直樹氏

旭川市内の公園で昨年凍死した中学2年の広瀬爽彩(さあや)さん=当時(14)=へのいじめ問題をあらためて調査する旭川市の再調査委員会が22日、東京都内で初会合を開いた。
市はいじめと自殺の因果関係の有無の再検証など3項目を諮問した。
再調査委は委員長に教育評論家の尾木直樹氏、副委員長に弁護士の野村武司氏をそれぞれ選んだ。
委員はこのほか、精神科医の斎藤環氏、児童心理に詳しい立命館大教授の仲真紀子氏、弁護士の伊東亜矢子氏のいずれも道外を拠点とする計5人。
初会合では、委員ら出席者が広瀬さんに黙とうをささげた後、今津寛介・旭川市長が《1》いじめと自殺の因果関係《2》いじめの事実関係《3》当時の学校と市教委の対応と再発防止策―の3項目の検証を盛り込んだ諮問書を尾木氏に手渡した。オンラインで公開した冒頭以外は非公開で、今後の調査の進め方などを協議した。
尾木氏は、終了後の記者会見で「遺族の悲しみ、苦難に寄り添い、法に従って調査を進めたい」と述べた。調査期間については明示を避けたものの今後、月に複数回、会合を開き、市教委の第三者委(1年4カ月)より短い期間で検証結果をまとめる意向を示した。
今後、遺族への聞き取りや、第三者委から引き継いだ資料を用いるなどして事実関係を再検証する。
市教委の第三者委は、9月に公表した最終報告書で、深夜の呼び出しなど6項目のいじめを認定し、凍死を自殺とする見解を示したが、いじめと自殺の因果関係は不明確としたため、遺族側は、結果を不服とする所見書を市と市教委に提出。今津市長が再調査を行うことを決めた。
(綱島康之、山口真理絵)
2022年12月2日付北海道新聞
旭川いじめ問題 当時の在籍校で生徒向け説明会 校長が陳謝
旭川市内の公園で昨年凍死した中学2年の広瀬爽彩さん=当時(14)=へのいじめ問題で、広瀬さんが当時在籍していた中学校は1日、全校生徒を対象とした説明会を開き、校長がこの間の対応を陳謝した。市教委の第三者委が最終報告書をまとめたことに伴い実施した。
複数の関係者によると、全校生徒約230人を対象に約10分間行われた。冒頭に校長が「学校の対応が間違っていた」と頭を下げた。
再発防止策として、学校側がスクールカウンセラーや警察と協力態勢を構築し、生徒が悩みやトラブルの相談をしやすい環境をつくると説明。事件の概要についての説明はなかった。
終了後、学校側が生徒にアンケートを配り感想の記入を求めた。不明な点があれば、さらに説明するとしたという。
学校側は「生徒に説明した内容は答えられない」と話している。(山口真理絵、綱島康之)
2022年12月1日付朝日新聞デジタル
再調査委員会に「尾木ママ」ら 旭川いじめ、自殺との関連検証

北海道旭川市の市立中学2年生だった広瀬爽彩(さあや)さん(当時14)がいじめを受け、市内の公園で凍死体で見つかった問題で、市は1日、再調査委員会の5人の委員を、「尾木ママ」の愛称で知られる教育評論家の尾木直樹氏らに委嘱することを明らかにした。
ほかの4人は、筑波大教授で児童心理に詳しい精神科医の斎藤環(たまき)氏、発達心理学が専門で立命館大教授の仲真紀子氏、いずれも弁護士でいじめ問題に詳しい東京経済大教授の野村武司氏と第2東京弁護士会の伊東亜矢子氏。
市教育委員会の第三者委員会は9月に公表した最終報告書で、上級生らによるいじめを認定したうえで凍死を自殺だと判断したが、いじめとの因果関係は「不明」とした。市が再調査委に諮問する内容は、①いじめの事実関係の再検証②いじめと死亡の関連性の再検証③学校・市教委の対応の問題点と再発防止策になる予定だ。(奈良山雅俊)
学校関係者に事情聴取へ 旭川中2死亡、市教委が会見
2021年8月31日北海道新聞
【旭川】旭川市内で3月、中学2年の広瀬爽彩(さあや)さん=当時(14)=が死亡しているのが見つかり、背景にいじめがあった疑いがある問題で、旭川市教委は30日、記者会見を開き、弁護士らでつくる第三者委員会が今後、当時の教員ら学校関係者への事情聴取やアンケートなどを行うと説明した。ただ、資料の調査に時間がかかっており、事情聴取などに着手する時期は決まっておらず、調査結果がまとまる時期も示せなかった。
市教委は4月、広瀬さんの死亡についていじめで重大な被害を受けた疑いがある「重大事態」と認定。5月に弁護士や精神科医ら計11人で構成する第三者委が初会合を開いた。
市教委によると、第三者委は8月までに6回の会合を開き、アンケートの実施方法などを協議。また、市教委から提供されたA4判千ページ以上の資料の読み込みに時間がかかっているという。今後、中学校の当時の教職員や生徒ら関係者への事情聴取のほか、アンケートなどを行う予定だが、具体的な時期は未定という。
事情聴取など調査の遅れについて、黒蕨真一教育長は「複数の関係者、複数の学校にまたがる事案。(第三者委は)膨大な資料を読み込んだ上で調査を組み立てている」と釈明した。
広瀬さんの母親は今月、公開した手記で、遺族に対して調査状況などの情報提供が少ないと指摘。西川将人市長が、第三者委員会の進(しん)捗(ちょく)を遺族らに伝えるよう、市教委に指示していた。
旭川で死亡の中2女子 民間の相談室にいじめ明かす
2021年6月17日北海道新聞
【旭川】旭川市内で3月に遺体で見つかった当時中学2年の女子生徒が昨年11月、市内の民間の子ども向け相談室にいじめの悩みを明かしていたことが16日、分かった。相談室関係者が明らかにした。
相談室によると、昨年11月、女子生徒とみられる女性から電話で「小学校の頃からいじめられていた。中学校でいじめがひどくなった」との訴えがあった。「拡散された」と会員制交流サイト(SNS)を通じたいじめも示唆し、「リストカットした」「死にたい」と漏らしたという。
担当者が面談を持ちかけたが、連絡はこの時限りだった。名字は言わなかったが、下の名前や通っていた学校名を明かしていたため、同室は女子生徒の死亡が報じられた後、当人だと気付いたという。
市は4月、女子生徒がいじめで重大な被害を受けた疑いがあると認め、第三者委員会で調査している。市教委は女子生徒が相談室に電話していたことについて「把握していなかった」としており、第三者委員会に報告する。
旭川中2死亡 「基本方針に準じ対応」 市教委、当時いじめと認知せず
2021年5月14日付北海道新聞
【旭川】旭川市内の公園で3月に遺体で見つかった当時中学2年の女子生徒について、旭川市教委は14日の市議会経済文教常任委員会で、女子生徒がいじめを受けた疑いがある2019年に関係する生徒らに聞き取り調査を行うなど、市のいじめ防止基本方針に準じ「いじめ発生時と同様に対応した」ことを明らかにした。
市教委によると、女子生徒は19年6月、他の生徒らとトラブルになった後、自ら川に入る行為があり、学校などが女子生徒本人や関係する児童、生徒に経緯や当時の状況などを聞き取った。ただ、「いじめを認知するまでには至らなかった」という。
女子生徒を巡っては、週刊文春の電子版「文春オンライン」が今年4月に「いじめを受けていた」と報道。市教委はいじめで重大な被害を受けた疑いがある「重大事態」と認定し、あらためて市の第三者委員会で調査すると決めた。