平成29年9月26日東京新聞夕刊
「いじめと判断 極めて困難」 都立高生自殺 都教委が報告書

 二〇一五年に自殺した東京都立小山台高校一年の男子生徒=当時(16)=へのいじめの有無について、都教育委員会は二十六日、「いじめがあったと判断することは極めて困難」とする調査結果を公表した。
調査は約一年八カ月間に及んだが、自殺の原因も「遺書はなく、解明は困難」とした。
 報告書は、いじめ防止対策推進法に基づき、学識経験者らでつくる調査部会がまとめた。無料通話アプリ「LINE(ライン)」や短文投稿サイト「ツイッター」への書き込みや、生徒が級友から体形をからかわれたと母親に相談していたことなど、いじめを疑わせる五つの行為について検討した。
 LINEには、生徒が複数の級友に対し、感謝の書き込みをしていたなどとして、心身の苦痛を感じていたと認めるのは困難とし、級友らへの聞き取りなどでも「いじめは認定できない」とした。自殺の原因についても「解明は困難であり、調査部会の能力や権限を越えている」とした。
 報告書を受け、遺族側は「調査が不十分」として、小池百合子知事宛てに再調査を求める意見書を提出。
都は、報告書の内容を精査した上で、再調査するかどうかを決める。都教委は「今後とも各学校におけるいじめ防止と自殺予防の徹底に向け、全力を尽くす」とコメントした。
 生徒は二〇一五年九月二十七日、JR中央線の大月駅(山梨県)のホームから飛び込み、特急電車にはねられて死亡した。都教委は校内アンケートなどから、いじめの可能性を調べる必要があると判断。
都教委のいじめ対策委員会が一六年一月、初めて調査部会を設置し、調査を進めていた。委員計八人のうち四人は生徒の遺族が推薦した。

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平成28年12月24日 東京新聞

都教委が黒塗りで回答した資料を示す、自殺した男子生徒の遺族=東京都内で
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昨年九月に自殺した東京都立小山台高一年の男子生徒=当時(16)=に対するいじめの有無を巡り、都教育委員会が今年四月、遺族の情報公開請求に「都教委に設置した有識者らの調査部会が、干渉や圧力を受ける恐れがある」として、教員や友人らへの聞き取り調査結果を黒塗りで回答したことが、分かった。

遺族は「真相を究明したいとの思いを圧力とみなすのはおかしい」と不服を申し立て、都個人情報保護審査会が十一月から開示方法の再検討を始めた。いじめ問題の専門家は「調査部会を優先して遺族の知る権利を制限するのは異例で、不当な判断」と批判している。

都教委は取材に「調査途中のため、事実関係に不明確な部分があり、調査部会が結論を出すまで待ってほしいという趣旨だった」と説明した。

男子生徒は昨年九月二十七日、山梨県大月市のJR中央線大月駅のホームから飛び込み、特急電車にはねられ死亡した。生徒のツイッターや自殺後に級友らへ実施したアンケートに「孤立していた」などとトラブルをうかがわせる記述があり、都教委は今年一月、第三者による調査部会を設けた。

遺族は二月、高校側が調査結果を提供しないため情報公開を請求。都教委は、高校の資料二十四点の全体や一部を黒塗りにし、うち九点について「外部からの干渉や圧力により調査部会の自由な意見交換が妨げられる恐れがある」などと説明した。

教員への聞き取り調査結果は、資料名が分からないほど紙全体が黒く塗りつぶされていた。

二〇一一年に起きた大津市の中二男子いじめ自殺で市の第三者委員会副委員長を務めた渡部吉泰弁護士(兵庫県弁護士会)は「いじめ防止対策推進法は行政が被害者側へ適切に情報開示するよう定めており、都教委の対応は不合理だ」と話した。

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