平成29年3月23日NHK青森放送局

いじめ初動調査 体制確立要望

 いじめを苦に自殺したとみられる青森市の女子中学生の父親などが文部科学省を訪れ、深刻ないじめが起きた場合に、直後に情報を集める「初動調査」の体制を確立させることなどを要望しました。
文部科学省を訪れたのは、去年8月に列車にはねられて死亡した青森市の中学2年生、葛西りまさんの
父親の剛さんと、いじめの被害者などを支援しているNPO法人のメンバーです。
要望書のなかで、学校で深刻ないじめが起きた場合に、直後に広く情報を集めて調査しなければ真実が
明らかにならないとして、学校での初動調査の体制を確立させ、その情報を被害者と共有することや、調査委員会は利害関係のないほかの都道府県のメンバーで構成することなどを求めています。
父親の剛さんは、「情報共有がしっかりなされておらず、事実関係がまったく知らされていない。遺族は
苦しめられ、ただ待たされている気持ちになる」と話していました。
また、NPO法人「ジェントルハートプロジェクト」の小森美登里さんは「第三者調査委員会が立ち上がる
前に学校がきっちり調査しているかを文部科学省が監視するべきだ」と話していました。

http://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/6084943351.html

 

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

平成28年28年12月26日 東京新聞

 

葛西りまさんのスマートフォンに残されていた、LINEの書き込み。仲間はずれにされたことがうかがえる=画像の一部を加工しています、遺族提供
 %e3%82%8a%e3%81%be%e3%81%95%e3%82%93line

 

インターネットを通じた悪口に苦しんだことを訴え、青森市立浪岡中二年の葛西りまさん(13)が自殺した問題で、

青森県警が二十日に書き込みなどをした生徒数人を児童相談所に通告した。ネットでの中傷で通告するのは異例で、

学校現場には動揺が広がる。遺族は対応を評価する一方、詳しい通告内容を知ることができず不満を残した。

「ネットで人を傷つけてはいけません。悩み事があれば相談してほしい」。二十一日、浪岡中の全校集会で、

生徒指導担当の男性教諭が約四百三十人の生徒に語り掛けた。

りまさんが自殺した八月以降、学校は教室に追悼スペースを設け、生徒らは菓子や、折り紙で作った花を供えている。

だが同級生(13)は校内の様子を「先生は話題に出さない。生徒にも話してはいけない雰囲気がある」と打ち明ける。

ネット上には加害者とされる生徒の実名や顔写真、住所などが次々と投稿された。県警が「生徒の特定を防ぐ」として、

通告した人数や性別を明かさなかったため、誰が対象なのか臆測も飛び交う。市はサイト管理者らに五千件超の削除を

依頼、対応に追われた。

県警はりまさんのスマートフォンを調べ、生徒が無料通信アプリLINE(ライン)で「きもい」「死ね」などと書き込んだことを

確認。侮辱などに当たると認定した上で「児童福祉司の指導を求める」との意見を付けて通告した。

警察庁のまとめでは、少年によるネットいじめのうち、警察が介入したのは二〇一三~一五年で計七十一件。大半は、

被害者の服を脱がせた画像を拡散させるなど児童買春・ポルノ禁止法違反に当たる事案で、言葉の暴力はわずかだ。

今回の通告について、りまさんの父剛さん(38)は「言葉の暴力を甘くみてはいけないという教訓になった」と評価。

だが「生徒の名前や詳しい通告内容は教えられないと言われた」と悔しさをにじませた。

元家裁調査官の佐々木光郎氏は「いじめは被害者も加害者もつらい思いをする。社会全体で子供に言動を制御する

能力を身に付けさせることが大切だ」と語った。

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

12月25日付東奥日報社説

 青森南署と県警少年課が、いじめを訴えて自殺した青森市の浪岡中学校2年の女子生徒を無料通信アプリLINE(ライン)上などで中傷したとして女子生徒10人弱を侮辱や名誉毀損の疑いで児童相談所(児相)に通告した。

警察は異例を避ける。司法権乱用になりかねないからだ。通告という法的手続きに踏み切ったのはよほどの覚悟の末だろう。教育現場には戸惑い、反発もあろうが、過度な司法介入を招かないためにも、児相通告は、いじめ対策強化を促す叱咤と捉えたい。

 今年は、陰惨ないじめ問題が、本県を含め全国で噴出した。福島第1原発事故で横浜市に自主避難した中学1の男子生徒がいじめを受けていた件では、金銭を要求されたトラブルについて神奈川県警が学校に直接情報を提供したにもかかわらず、学校も市教委も放置していた。

 生徒本人が身体的な暴力被害を訴えてもいた。いじめ防止対策推進法が施行されて3年。「重大事態」を過小評価し、向き合おうとしない、事なかれ主義が教育現場になお根強いことをうかがわせる。

 まして言葉の暴力は、軽く見られがちなことは容易に想像がつく。専門家は本紙取材に、いじめる側の多くが「遊びの延長」の感覚だと指摘している。まずは、遊びどころか、心身を破壊する悪質な行為だと認識を改める必要がある。

警察の通告は、それを求めるメッセージでもあろう。犯罪の可能性があるなら、学校、教委も放置はできまい。

 いじめが起きると「いじめられた方にも原因はある。いじめたからといって、その子たちの教育を受ける権利、将来の芽を奪っていいのか」という声が、教職員や保護者から決まって出る。それは筋違いだと、今回の警察の児相通告は明示した。

違法行為の加害者も守れと言うなら、被害者の命・人権がもっと守られるべきなのは当然だ。学校、先生が味方になってくれないことが、いじめ被害者を絶望に陥れ、死に追いやる。その根っこを改めよ、とも警察は促しているのだろう。

 もちろん、学校だけに責任を押しつけるのでは改善はおぼつかない。本県はネットいじめを防ぐ啓蒙活動が遅れていることも指摘されている。法律や児童福祉の専門家を総動員し、いじめの現状、原因を把握し、解決に結びつける第三者委員会的なシステムを県内に構築すべきだ。

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

平成28年12月24日NHK

ことし8月、青森市の中学2年の女子生徒がいじめを苦に自殺したと見られる問題で、市の教育委員会が設けた審議会は23日の会合で、携帯電話の通話アプリのやり取りなどを検証した結果、女子生徒へのいじめがあったと認定しました。

青森市の中学2年生、葛西りまさん(13)は、ことし8月、列車にはねられて死亡し、スマートフォンにいじめの被害を訴えるメモが残されていました。 青森市教育委員会はいじめを苦に自殺したと見て医師や弁護士などで作る審議会を設け、関係者120人余りから聞き取りをするなど詳しいいきさつを調べています。 審議会は23日、青森市で5回目の会合を開き、この中で、葛西さんのスマートフォンに残されていた通話アプリ「LINE」のやり取りなどを検証した結果、葛西さんを中傷する内容の書き込みが多数確認できたことを明らかにしました。 このため審議会は、これまでに行った聞き取り調査も合わせ、「相当に乱暴な言葉により、不快にさせる行動が長期間、断続的に存在した」として葛西さんに対するいじめがあったと認定しました。 審議会は、さらに詳しいいきさつや自殺との因果関係などを調査したうえで、年度内をめどに報告書をまとめることにしています。この問題で警察は、通話アプリなどで女子生徒を中傷する書き込みをしたとして、中学生数人を

児童相談所に通告しています。

父親「自殺との因果関係調べて」

葛西りまさんの父親の剛さんは、「複雑な気持ちだが、りまの訴えが認められたのはよかった。自殺との因果関係も

しっかり調べてほしい」と話しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161224/k10010818371000.html

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

平成28年12月24日 中国新聞社

青森市立中2年の葛西りまさん(13)が8月にいじめ被害を訴えて自殺した問題で、事実関係を調査する市教育委員会・いじめ防止対策審議会の櫛引素夫会長は23日の記者会見で「相当に乱暴な言葉で、りまさんを不快にさせる行動が断続的に存在した。いじめがあったと認定できる」と述べた。
櫛引会長轄111月の記者会見で、いじめの存在は「極めて濃厚」と発言。その後の追加調査で、いじめがあったことは間違いないと判断したという。自殺との因果関係については「精査中」と述べた。報告書は年度内にもまとめるとしている。
櫛引会長によると、審議会は同級生ら延べ120人から聞き取りをしたほか、りまさんのスマートフォンを調査。りまさんが昨年の夏休み前ごろから、校内や無料通信アプリLINE(ライン)などで「死ね」「きもい」などと言われていたことを確認した。
りまさんは今年8月、列車に飛び込んで亡くなり、スマホには悪口が「もう耐えられない」と記したメモが残されていた。

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

平成28年11月20日 中国新聞社

「いじめ撲滅願い感じて」

8月にいじめを訴えて自殺した青森市立中学2年の葛西りまさん(13)の生前の姿を捉え、コンテストで青森県黒石市長賞を受賞した写真が19日、同市の祭り会場で展示された。会場を訪れたりまさんの父剛さん(38)は「命を懸けて『いじめをなくして』と訴えた娘の願いを受け取つてほしい」と話した。

写真の前で剛さんと面会した高樋憲黒石市長は「笑顔のりまさんが悩んでいたと思うと心が痛む。(展示が)いじめのない社会への一歩になってほしい」と語一つた。

写真は、りまさんが亡くなる10日前に黒石市内の祭りで踊りを披露する姿を青森市の男性が撮影した。市側は最高賞の市長賞を贈ることを内定したが、市長らが「賞の趣旨になじまない」などと難色を示し、授与を撤回。市に抗議が殺到し、市長は遺族に一連の対応を謝罪した。撮影者が受賞を辞退したため、遺族に賞を授与した。

 

 

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

平成28年11月9日青森新聞

中2自殺、見舞金申請「通学途中の事故」学校謝罪

  8月に自殺した青森市立中学2年の葛西りまさん(当時13)が通っていた学校の校長が、死亡見舞金の申請にあたり、遺族に「通学途中の事故にあたる」と説明していたことがわかった。死亡見舞金は通学途中の事故の場合は半額になるが、いじめと自殺の因果関係が認められると満額となる可能性がある。学校は7日、遺族に謝罪した。

 死亡見舞金は、学校側の申請により、独立行政法人「日本スポーツ振興センター」が最大2800万円を支払う。

校長は9月、遺族に手続きを説明した際、いじめとの関連には触れずに「通学途中の事故なら半額支給される」と説明。振り込み依頼書への押印を求め、遺族は手続きした。

 葛西さんの父剛さん(38)は後に仕組みを知り、4日の東京都内での記者会見で「不十分な説明だった」と不快感を示した。これを受け、学校側は7日に遺族宅を訪れて謝罪した。

 校長は朝日新聞の取材に、「手持ちの資料にいじめについての規定が書いておらず認識が甘かった」と釈明。市教育委員会の審議会の調査結果を待って申請したいとしている。剛さんは「私たちは校長を信頼するしかない状況だったので納得できない」と話した。

 

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

平成28年11月7日 朝日新聞社

いじめの可能性「きわめて濃厚」 中2自殺で審議会見解

青森市立中学2年の葛西りまさん(当時13)が8月にいじめを訴える遺書を残して自殺したことについて、有識者による市いじめ防止対策審議会(会長=櫛引素夫・青森大教授)は6日、「いじめがあった可能性がきわめて濃厚だ」との見解を示した。

記者会見した櫛引氏によると、葛西さんは1年のころから、他の生徒によって日常的に、学校やSNS上で「きもい」「死ね」「うざい」などと言われていた。在校生へのアンケートや聞き取り、遺族から提供を受けた葛西さんのSNS上のやりとりなどからわかったという。いじめと自殺との因果関係についてはなお「精査中」とした。

また、市教委は同日、インターネット上に投稿された葛西さんの名前が含まれた書き込みや葛西さんの写真について、サイト管理者に削除を依頼したことを明らかにした。専従の臨時職員らによるネットパトロールの一環という。

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

平成28年11月6日 朝日新聞青森版

「娘は必死に耐えていた」 自殺生徒の父が訴え

 写真・図版

青森市で今年8月上旬にあった「青森ねぶた祭」に友人と参加したときのりまさんの写真。母親がメッセージを寄せた=遺族提供

 写真・図版

娘のりまさんについて語る葛西剛さん=東京都港区

  青森市立中学2年の葛西りまさん(当時13)がいじめを訴える遺書を残して自殺した問題で、父の剛さん(38)が5日、都内であったシンポジウムで心境を語った。りまさんが同級生からSNSで「死んで」「学校に来るな」と言われていたと語り、「娘は一人で必死に耐えていた。いじめを学校に認識してもらい、厳しく取り上げてほしかったと思う」と話した。

 シンポジウムはいじめ問題に取り組むNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」(川崎市)が親の知る権利について考えようと開き、子どもを亡くした遺族や教育関係者、国会議員ら約80人が出席。剛さんは「いじめをなくすために、娘の置かれていた状況を知ってもらう必要がある」と参加した。

 剛さんによると、1年生の6月ごろ、りまさんと友人に対し、同級生から無視や暴言が始まった。次第にネット上でうわさを流されたり、SNSで「ブス」「キモい」「死んで」「学校に来るな」といった暴言を吐かれたりするようになったという。

 りまさんや両親は1年生時も2年生時も担任に相談し「相手の保護者に伝えてほしい」と頼んでいた。青森市教育委員会は学校が当時「よくあるトラブル」と認識していたことを明らかにしている。当時どのような指導をしていたか、学校からは遺族にまだ説明がないという。

 「いつも明るく、笑顔だったりま。ほとんど弱音を吐かず、逆に友達の悩みを一生懸命聞いて、解決する方法を考えていた」。剛さんは娘についてそう振り返った。「なぜ死ななければならなかったのか。その答えをずっと探していくと思います」と話した。

 会場にはりまさんが亡くなる約3週間前に友人と撮った青森ねぶた祭での写真や、国語の授業で書いた「幸せ」という詩が展示された。母(39)や姉(16)が「もっともっと、私の作ったご飯食べて欲しかった」「夢でもいいからりまちゃんと会いたい」などとメッセージを添えた。(榎本瑞希)

     ◇

 幸せ

             葛西りま

朝、眠い目をこすって起きて面倒臭いと言いながら学校に来て睡魔と戦って授業をして一日終わって楽しかったと家に帰って宿題して温かいごはんを食べてお風呂に入ってぐっすり眠ってこんないつもの生活が一番幸せ何だなとふと(し)た時感じる

(かっこ内は脱字を補足したもの)

 

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

平成28年11月5日 朝日新聞デジタル

自殺したりまさんの父が訴え 「いじめをなくしたい」

 写真・図版

上京し記者会見する、葛西りまさんの父・剛さん(左から2人目)ら=4日、文部科学省 

 いじめを訴える言葉を残し、8月に自殺した青森市の中学2年、葛西りまさん(当時13)の父親剛さん(38)が4日文部科学省を訪れ、いじめ問題に取り組むほかの遺族らとともに、再発防止を求める要望書を出した。

「学校ではまだいじめが続いていると聞く。いじめをなくしたい。それが娘の願いだ。少しでもできることがあれば」と会見で語った。

 要望書は、いじめ防止対策推進法の見直し議論が進む中、いじめで自殺した子の遺族らでつくるNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」がまとめた。いじめの発生後3日以内に全校生徒にアンケートをすることや、学校側が遺族と情報共有し、調査方法などに遺族の意見を積極的に取り入れること、いじめに特化した教員研修を義務づけることなどを求めている。

 青森市では第三者委員会が事実確認を進めているが、剛さんは、学校側の情報提供のあり方に不信感があるとして、「謝罪を求めているのではなく、何があったのかを知りたいだけだ」と訴えた。

 青森県黒石市の夏祭りの写真コンテストでは、生前にりまさんが写った作品が最高賞の市長賞に内定したが、取り消された。その後、剛さんは「娘の笑顔を世間に知ってもらい、いじめをなくしたい」とりまさんの写真や名前を公開。これを受けて市長は剛さんに謝罪し、「改めて市長賞を授与したい」と伝えた。(榎本瑞希、木村司)

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn