平成30年7月4日 6:00神戸新聞NEXT

教諭の体罰で3人不登校 神戸の中学柔道部員ら平手打ち

神戸体罰不登校

神戸市教委が入る神戸市役所3号館=神戸市中央区加納町6

神戸市西区の市立中学校に勤める30代男性教諭が、昨年4月以降、顧問を務める柔道部や担任をするクラスの複数の男子生徒に対し、頭をたたくなどの体罰を十数回加えていたことが3日、市教育委員会などへの取材で分かった。保護者によると、同部に所属していた3人が不登校になっているという。市教委は、体罰を含む不適切な指導があったことを認めており、教諭の処分を検討している。

市教委によると、教諭は昨年4~9月、部活動で指導中、部員数人に対し、平手で顔や頭をたたく体罰を計7回加えた。また、担任をするクラスでも同5月~12月、生徒数人の頭を7回程度たたき、今年4月にも生徒の尻を蹴ったことがあったという。

被害を受けた生徒の保護者によると、部活動で技をかけるのに失敗したり、練習に遅れたりした生徒の頭やほおをたたいたという。

柔道部に所属し、不登校になった生徒の保護者が市教委に連絡して発覚。この保護者は「先生を信頼して子どもを預けていたのに、こんな事態になるなんて」と声を落とした。生徒は精神的に追い詰められている様子で「先生が怖くて学校に行けない」と話しているという。他にも、教諭から厳しい口調で問い詰められ、萎縮して何も答えられないと「記憶障害ではないか」ととがめられ、学校に通えなくなった生徒もいるという。

6月末に同校で開かれた保護者会では、校長は「教諭の行動に気づかず、指導が不十分だった」と陳謝。教諭は「体罰をし、自分の考えを一方的に押しつけてしまった」と保護者に謝罪したという。

不登校生徒の中には「もう一度学校に行きたい」と話す生徒もいるといい、学校は教諭を担任や顧問から外し、被害生徒の心のケアなどについて保護者と話し合っているという。市教委は「部活動で過度な指導をしないよう徹底してきたが、このような事態が起こり、申し訳ない。被害生徒のケアを第一に考える」としている。(井上 駿)

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平成30年6月29日 朝日新聞東京本社版

「サッカー部で暴行常態化」 国士舘高校側に賠償命令

国士舘高校(東京都世田谷区)のサッカー部で集団暴行を受けて退学を余儀なくされたとして、元部員の男性(21)と両親が学校法人の国士舘に約900万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁立川支部は28日、同法人に33万円の支払いを命じる判決を言い渡した。見米正裁判長は「部内で下級生に対する暴行が常態化していた」と認定し、学校側が注意義務を怠ったと判断した。

判決によると、男性は入学直後の2013年5月、10人ほどの上級生に取り囲まれ、このうち2人から平手打ちやひざ蹴りなどの暴行を受けた。2カ月後に急性難聴と診断されて不登校になり、同年12月に退学した。判決は、教職員が暴力行為を容易に認識できたのに実態を把握していなかったと指摘。「注意義務を尽くしていなかった」と学校側の賠償責任を認めた。元部員は暴行を加えた2人の上級生も訴えたが、原告側代理人によると今年3月に和解が成立したという。

判決後、会見した男性の父親(62)は「学校の対処の悪さが認められてほっとしている。暴行が二度と起こらないよう真剣に取り組んでもらい、深く反省して欲しい」と述べた。

学校法人国士舘は「現段階で判決文を見ておらず、コメントできない」と話した。(金山隆之介)

 

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平成30年5月26日付河北新報

<仙台市教委>頭たたく、腹部蹴る…体罰教員37人処分 全校アンケートで発覚

 仙台市教委

体罰をした教員の処分を発表し、陳謝する市教委幹部

仙台市教委は25日、児童や生徒をたたくなど体罰をしたとして、市立小中高の教員37人を同日付で処分したと発表した。このうち悪質性の高い2人を戒告の懲戒処分とし、16人を訓告や文書・口頭による厳重注意の措置、19人を市教委と校長による指導とした。  戒告処分は太白区の小学校の40代男性教諭、市立高校の50代男性教諭の2人。  40代教諭は泉区の小学校に勤務していた2016年12月、児童同士のけんかを止めるために2人の頭をつかんでぶつけた。17年5月には運動会の練習中にふざけた別の児童の頭を拳でたたき、11月にはさらに別の児童の言動を注意するため足の裏で腹部を蹴った。  50代教諭は17年8~9月、顧問を務めるバスケットボール部の複数の男子部員の胸を小突いたり、腹を手で押したりした。8月には部員1人の顔にボールをぶつけて鼻血を出させた。

両教諭は市教委の聞き取りに「指導の一環だった」と説明したという。  訓告や厳重注意、指導となった主な体罰は表の通り。他に管理監督責任を問い、処分された教員の上司に当たる校長4人を文書や口頭で厳重注意とした。  体罰は市教委と市が17年度に実施した全市立学校の児童生徒アンケートで49件が発覚し、教員46人の関与が判明。その後、3人による3件の体罰も分かった。  市教委は対象教員49人のうち既に退職したり処分したりしている12人を除く37人を今回処分した。体罰での一斉処分は55人が対象となった13年5月以来で、当時処分を受けた後も体罰を繰り返し、今回重い処分となった教員が3人いた。  市教委の谷田至史教育人事部長は記者会見で「暴力に頼らない指導を全教員が行えるように研修を続け、体罰根絶に向け意識の浸透を図りたい」と陳謝した。

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平成30年4月26日付毎日新聞

大分市立中 教諭が首つかみ生徒失神 市教委公表せず

 

大分市の市立中学校の50代男性教諭が、男子生徒の首をつかんで転倒させ、生徒が一時失神していたことが、市教委への取材で分かった。市教委は学校から報告を受けながらも、記者会見では失神について明らかにしなかった。市教委は「隠す意図はなく、公開する内容ではないと判断した」としている。

市教委が22日に「行き過ぎた指導」として開いた会見によると、教諭は20日午後7時ごろ、昇降口の前で話をしていた男子生徒らに早く帰るよう複数回注意。従わなかったため、自転車にまたがっていた1人の首をつかんで転倒させ、けがをさせた。教諭は柔道の有段者だという。

市教委は会見で「生徒は転倒したが、すぐに立ち上がった」と説明した。しかし、同校校長が21日に提出した報告書には「首をつかんだ際、数秒間意識を失った」とあった。24日には教諭が市教委に「胸をたたいて目を覚まさせた」と説明したが、市教委は会見内容を修正しなかった。

市教委は取材に対し「被害生徒からは事情を聞けておらず、詳細は調査中だ。会見で不確実なことは公表しなかった」と強調する。

しかし、市教委の会見に基づくニュースを見た両親は市に抗議しており、市教委は「事実を明らかにして再度説明したい」としている。【尾形有菜】

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平成30年4月26日付朝日新聞

相撲指導の夫婦がセクハラ 退部の生徒も 静岡の強豪校

静岡県沼津市の私立飛龍高で、ボランティアで相撲部を指導していた夫婦が部員へのセクハラを繰り返し、女子部員が休部や退部をしていたことが関係者への取材でわかった。同校はセクハラを認め、夫婦による指導をやめたうえで、被害者側に謝罪した。同校は相撲の強豪校として知られ、今年3月には全国大会の男子団体で優勝した。

同校によると、セクハラをしたのは同部OBで公務員の20代男性と、世界大会にも出場経験がある30代の妻。部の顧問に誘われ、昨年4月から週2回ほど練習に参加していたという。

関係者によると、男性は男子部員が着替えている際、体に巻いていたタオルを女子部員の前ではがし、妻は男子部員に「自分の胸を見たいか」などと発言した。こうした行為は練習中のほか、練習後にも繰り返し行われたという。

同部は当時、女子部員が2人いた。親族が昨年10月に様子がおかしいと感じ、女子部員に話を聞いて夫婦の行為が発覚。顧問に連絡し、学校側は同月から、夫婦の学校への出入りを禁止した。

校長と夫婦は今年2月になって2人に謝罪をしたが、「気持ち悪いという思いが消えない」として1人が退部、1人が休部した。セクハラに対しては、男子部員からも嫌がる声が上がっていたという。

同校の坂根英夫校長は朝日新聞の取材にセクハラがあったことを認め、「子どもたちが安心して学校生活を送れるようチェックをきちんと行い、二度とこういう問題を起こさないようにしたい」と話した。(増山祐史、宮川純一)

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平成30年4月20日付河北新報

口にテープ貼る 頭を平手打ち 性的な話 仙台市教委アンケート調査後も体罰や不適切指導6件

仙台体罰1

仙台市教委などが全市立学校に対するアンケートを実施した2017年夏以降も、生徒の口にテープを貼ったり、頭をたたいたりするなど教員による体罰や不適切指導が6件行われていたことが19日、分かった。市の第三者機関、いじめ対策等検証専門家会議で市教委が明らかにした。  市教委によると、17年9月~18年2月に小中学校で発生・発覚した。市立中学生の自殺が3件相次ぎ、調査を進める中での事態に、市教委幹部は「非常に重く受け止めている。教員が自覚を持って指導に当たるべきなのに、こういうことが起きてしまった」と反省の弁を述べた。  新たな体罰は3件あった。中学の男性教員が授業中に私語を続ける男子生徒2人の口に養生テープ(マスキングテープ)を貼ったほか、別の中学校では男性教員が教材を投げた男子生徒の頭を平手打ちした。  不適切な指導は3件。小学校の女性教員は17年10月の衆院選で授業中に選挙カーの音がうるさいとして「そのような候補者は好ましくない」と発言した。  別の女性教員は学級で教科と無関係な性的な話をした。中学の男性教員は生徒の自己評価カードの感想欄に「あ」「おー」など意味不明なコメントを書いた。

<仙台市教委>体罰・不適切指導287件 児童生徒が負傷は6件 17年度・小中高調査

 仙台体罰2

教諭の体罰や不適切指導を公表し、陳謝する市教委幹部

仙台市教委と市は19日、昨年度に合同で行った体罰に関する全市立学校のアンケートの最終集計結果を公表し、教員による体罰と不適切な指導計287件を確認したことを明らかにした。このうち、体罰を受けて児童生徒が負傷したケースが6件あった。  体罰は小学校35件、中学校12件、高校2件の計49件あった。関与した教員は46人に上った。  小学校は「手でたたく」(9件)「手で突く、押す」(5件)などの行為を確認。体を引きずって擦り傷を負わせたり、体を床に押し付けて背中を打撲させたりして、児童がけがを負った事例が4件あった。  中学校は「手で突く、押す」(4件)「物でたたく」(3件)「胸ぐらをつかむ」(2件)など。高校は部活動中に教員が男子生徒の頭を平手打ちして髪を引っ張り、鼻血が出るケースがあった。  暴言や無視など不適切な指導は238件。内訳は小学校153件、中学校81件、高校2件、特別支援学校2件。「臭い」「気持ち悪い」「かわいくないから指導しても無駄」といった発言があった。  市の第三者機関「いじめ対策等検証専門家会議」で19日、報告された。最終集計段階で、児童生徒計1659人(回答者の4.7%)が「体罰を受けたり、見聞きしたりした経験がある」と答えたため、市教委と学校が事実を確認した。  市教委は体罰や不適切な指導に関与した教員に対し、5月中旬をめどに処分を含めた指導を行う方針。加藤邦治副教育長は「児童生徒、保護者に迷惑を掛けて申し訳ない」と陳謝した。

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平成30年4月17日毎日新聞

岐阜県教委 高校部活コーチが体罰、公表せず

岐阜県立益田清風高校(同県下呂市)で2014年、女子ハンドボール部のコーチだった非常勤講師の60代男性が部員に体罰を行い、依願退職していた。

16日、県教育委員会が明らかにした。県教委は男性を処分せず、体罰があったことも公表していなかった。

県教委によると、男性は14年5月、校内での練習中に部員3人の膝下を蹴り、うち1人に肉離れのけがをさせた。別の教諭が目撃して校長に指摘し、発覚した。男性は事実を認め依願退職した。

元同校教諭の男性は12年に定年退職後も非常勤講師として勤務し、部活動の指導に携わっていた。

非常勤講師退職後も「男性が学校外で部活動指導を続け、体罰があったのではないか」との情報が県教委に寄せられていた。県教委の調査に学校側は「男性は15年5月まで練習会場に姿を見せていた」と回答していた。

県教委はこれらの事実を把握したが、退職したため男性の処分を見送り、「処分しておらず公表基準に該当しない」として体罰行為も公表しなかった。

県教委は「調査の動きが遅いとの指摘は真摯に受け止める」として、当時の県教委や学校の対応も含め調査を進める考えを示した。【岡正勝】

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平成30年3月20日朝日新聞名古屋本社版夕刊

女児の頭を黒板に打ちつけた疑い、元教諭を書類送検

担任を務めていたクラスの小学2年生の児童に暴行を加えたとして、愛知県警は20日、同県豊橋市の元小学校教諭の男(43)を暴行の疑いで書類送検し、発表した。容疑を認めているという。

豊橋署によると、元教諭は昨年10月、勤務していた豊橋市内の小学校で、女子児童の髪をつかみ黒板に頭を打ち付けたほか、男子児童の頭を定規でたたいた疑いがある。今年2月、元教諭は体罰をしたとして同県教育委員会から停職6カ月の懲戒処分を受け、退職していた。

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平成30年3月9日付朝日新聞神奈川版

「暴力やめて」訴えても…殴る蹴る、児童に体罰2年

横浜市教育委員会の体罰審査委員会は8日、青葉区内の市立小学校の男性教諭(46)が児童をたたいたり蹴ったりする行為を繰り返しており、これらが体罰にあたると認定した。処分を検討する。市教委は、教諭が一昨年4月から、特定の男児に体罰を繰り返していたことも明らかにした。

市教委によると、教諭は5年生のクラス担任だった一昨年4月から、特定の男児を繰り返し注意。その際に背中をたたいたり、口ごもる男児に向かい「早く言いなさい」などと言ってひざ下を蹴ったりすることを繰り返した。

昨年7月ごろには男児をクリップボードで殴った。男児はけがをしたと訴えたが、教諭はけがの有無を確認しなかった。

昨年9月には、掃除について注意する際に、体育館のマットレスの上で男児に覆いかぶさり、体重をかけて圧迫した。

この男児は「何度も暴力をやめてほしいと言ったのに聞いてもらえなかった」と説明。暴力がおさまらないため、男児の保護者が昨年12月に北部学校教育事務所に連絡した。

これを受けて同じクラスの児童に聞き取りをしたところ、教諭が他の児童にも体罰を繰り返していたことがわかった。

時期が特定できた範囲では、昨年7月以降に体罰が増えており、「所持品を壊された」との女児の訴えを聞いて、名指しされた男児をその場で蹴りつけたこともあった。実際に壊したのは別の男児だったという。

この教諭は「自分のやっている行為が体罰という認識がなかった」と説明し、現在は反省を示しているという。体調不良を理由に、出勤していない。

市教委が8日に明らかにしたところでは、年間の体罰認定件数は、2012年度15件▽13年度16件▽14年度4件▽15年度1件▽16年度4件。17年度は今回で5件になった。

市教委の半沢俊和・担当部長は「体罰は人権を侵害する重大な行為で、決してあってはならない。学校や教員に繰り返し伝えていきたい」と説明した。

(太田泉生)

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平成30年3月6日付東京新聞

親の体罰・暴言で脳変形 両親間のDV目撃も影響

体罰・暴言で脳変形

デリケートな子どもの脳は幼少期に厳格な体罰や暴言などを受けることで変形し、発達の遅れや記憶力低下につながってしまう-。そんな脳科学の研究に注目が集まっている。厚生労働省も研究データを基に「体罰は百害あって一利なし」として、注意喚起を促している。(細川暁子)

「日常的に親から暴力や暴言を受けて育った子どもの脳は萎縮したり、変形したりして発達が損なわれてしまう。それが原因となり、子どもは将来生きづらさを抱える可能性がある」。小児精神科医で、昨年「子どもの脳を傷つける親たち」(NHK出版)を出版した福井大子どものこころの発達研究センター・友田明美教授は話す。

友田教授は二〇〇三年、留学先の米ハーバード大で、十八~二十五歳の男女約千五百人に聞き取りを行い、その中からほおへの平手打ちやベルトで尻をたたかれるなど子ども時代に厳格な体罰を受けた二十三人を抽出。磁気共鳴画像装置(MRI)で脳を解析し、暴力を受けたことがない人たちと比較したところ、感情や思考をコントロールする脳の「前頭前野」の容積が平均して19・1%少なく、萎縮していた。

暴力を受けた人は、体から大脳に感覚を伝える神経回路が細い傾向も見られた。痛みに鈍感になるために、脳が自ら変形したことが考えられるという。

「前頭前野は、萎縮することで危険や恐怖を常に感じやすくなる。感情をコントロールするため犯罪抑止力にも関わる部位で、正常に発達しないと問題行動を起こしやすく、うつ病に似た症状も出やすい」と友田教授は指摘する。

また約千五百人の中から、身体や性的被害はないものの言葉による暴力を受けてきた別の二十一人を調査。「おまえなんて生まれなければよかった」「死ねばいい」などの暴言を受けていた人は、そうでない人と比べて会話機能をつかさどる脳の「聴覚野」の容積が平均して14・1%多かった。

聴覚野の中で興奮を伝える神経細胞の接合部「シナプス」の密度が増えたことが原因として考えられるという。正常な状態では、シナプスはある一定量まで増えると刈り込まれる仕組みだが、暴言を受けることで脳機能が壊れコントロールがきかなくなって増えすぎてしまう。すると会話する際に脳に負荷がかかって心因性難聴につながったり、耳が聞こえにくいため人と関わることを恐れたりするようになる。

調査では、両親間のドメスティックバイオレンス(DV)を平均四・一年目撃してきた二十二人の脳も解析した。日常的に目撃していた人は、そうでない人と比べて視覚をつかさどる脳の「視覚野」の容積が平均6・1%減少。顔を認識する部分が小さくなるなどの影響が出て、記憶力低下などにつながっていた。

厚生労働省は昨年五月、友田教授の研究結果を引用しながら体罰や暴言による子どもへの影響をまとめ「愛のむちゼロ作戦」と銘打った啓発パンフレットを作成。体罰によらない子育てを推進している。国内外の研究では、患者と医師らが信頼関係を築く中で心をケアする「認知行動療法」などにより、萎縮した脳の容積が回復した例も報告されている。

友田教授は「子育てに真剣になるあまり、怒鳴ったり、子どもの頭をたたいたりしてしまう可能性はどんな親でもある。大事なのは、親自身がそうした行為は誤りだと認めて、一刻も早く改めること」と諭す。

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