毎日新聞

熊本市中1自殺 市教委が第三者委設置へ 担任に39の不適切行為

 2019年4月に熊本市立中1年の男子生徒(当時13歳)が飛び降り自殺し、同市教育委員会が30日、第三者委員会を設置して事実関係などを調べる方針を示した。同日、両親に提出された市教委の基本調査報告書には自殺の原因についての記載が一切なかった。両親は「市立小6年時の担任の不適切指導が関連している」として詳しい調査を求めている。

 生徒は、入学直後の19年4月18日に命を絶った。両親によると、生徒は小6時に担任の男性教諭から同級生が体罰や暴言を受けたことに心を痛め「先生がうざい」と漏らしていた。命を絶つ約1カ月前には、小学校内で生徒のノートに「死」と書いてあるのを別の教諭が見つけたが、両親に報告しなかった。

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2019年10月30日付西日本新聞

別児童に体罰・暴言20件 熊本・中1自殺 小6時担任調査へ

熊本市の中学1年の男子生徒が4月、自宅マンションから飛び降りて死亡した事案を巡り、市教育委員会は29日に記者会見し、生徒が小学6年時の担任教師による別の児童への体罰や暴言が20件あったことを明らかにした。生徒が飛び降りたことへ影響を与えなかったか担任からも事情を聴くという。遠藤洋路教育長は「亡くなった背景の調査や遺族への説明が不十分で深く反省している」と陳謝した。

生徒の遺族や他の保護者は3月、担任が複数の児童の胸ぐらをつかむ体罰や「役に立たない」などの暴言を繰り返したとして、調査を求める嘆願書を提出。市教委は、生徒が担任の言動を「ストレスと感じていた」と判断したものの、死亡直後は担任については調査しなかったという。

文部科学省の指針は、児童生徒が自死した場合、遺族への速やかな調査報告を定めているが、市教委総合支援課長は西日本新聞の取材に「存在を把握していなかった」と答えていた。

この日の記者会見で、市教委は「課長が出張中で詳細は分からない。他の職員は指針を認識した上で調査し、文科省に5月に報告書を送った」と釈明。遠藤教育長は「指針に沿って中学校の調査をしたが、小学校も要望があれば調べるべきだった」と述べた。 (壇知里)

 

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2019年10月29日付西日本新聞

中1自殺、遺族へ調査報告拒む 熊本市教委「国の指針知らず」

熊本市の中学1年の男子生徒が4月、自宅マンションから飛び降りて死亡した事案を巡り、市教育委員会が原因などを調査した結果について、男子生徒の保護者への説明を拒否していたことが28日、分かった。文部科学省は自殺の背景調査に関する指針を定め、結果を遺族に説明するよう求めているが、市教委は「指針の存在を把握していなかった」と釈明している。

男子生徒が飛び降りたのは入学式の1週間後だった。熊本県警は「自殺の可能性が強い」と判断。市教委は、いじめやトラブルがなかったか、男子生徒が通っていた小学校も含めて教師や児童生徒に聞き取り調査し、5月に「原因は学校生活に関係するものではない」との結論を出していた。

男子生徒の母親は、「死」と記した小学6年時のノートが見つかったこと、当時の担任が別の複数の児童とトラブルを起こしていたことなどを市教委側に伝え、調査を要請。7月下旬に情報公開請求したところ、市教委は「自殺の原因は学校生活とは無関係と判断したため、調査資料は公開できない」と説明を拒否した。

文科省が2014年に全国の教委に通知した「子供の自殺が起きたときの背景調査の指針」では、児童生徒の自死事案が発生した場合、原因にかかわらず学校が調査し、結果を教委や遺族に報告・説明するよう定めている。学校生活は保護者から見えない点も多く、「遺族の知りたい気持ちに応えつつ、再発防止の観点がないか探ることが目的」(同省)という。

西日本新聞の取材に対し、市教委総合支援課は「取材を受けるまで指針の存在を把握していなかった」と釈明。文科省は毎年、会議などで周知するとしているが、同課は「情報の共有ができておらず、通知があった当時の担当者から引き継ぎもなかった」と答えた。

文科省児童生徒課は「熊本市教委の一連の対応は理解しがたい」とコメント。男子生徒の母親は「一人で調べるには限界があり、何度も調査をお願いした。市教委の対応は信じられない」と話した。 (壇知里)

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