令和元年6月27日毎日新聞
再発防止委に遺族 奄美中1自殺、市教委方針
鹿児島県の奄美市立中1年の男子生徒が2015年に自殺した問題で、再発防止策をまとめる検討委員会を立ち上げた市教育委員会が24日、遺族を検討委員に加える方針を示した。遺族の要望を受け入れ、納得できる再発防止策づくりにつなげたいとしている。
この問題では昨年12月、元大学教授らでつくる市の第三者委員会が「担任の不適切な指導」を自殺原因とし、学校や市教委の対応にも問題があったとする報告書を公表。市教委は先月、「再発防止対策検討委員会」を設けた。
検討委のメンバーについて、市教委は当初、大学教授や市教育長、市立学校長ら10人を選び、第三者委のメンバーや遺族を含めなかった。人選に市議らから疑問の声が上がり、要田憲雄・市教育長は24日、遺族と第三者委のメンバーを加える方針を市議会で表明した。来月の検討委で委員追加を正式に決める見通し。
市教委は「遺族の強い要望を考慮した」。教育評論家の武田さち子さんは「遺族が委員になる例は聞いたことがない。誰よりも真剣なので、協議の形骸化防止になる」と話す。(外尾誠)