平成30年12月2日付朝日新聞

強豪校のバスケ部監督が体罰 「熱中症になれ」暴言も

私立富士学苑高校(山梨県富士吉田市)は1日、部員に体罰を加えたとして女子バスケットボール部の男性監督(63)を解任し、停職の懲戒処分にしたと発表した。

同部は全国高校選手権大会に23回出場した強豪校で、監督は1988年から指導にあたっていた。

学校によると、監督は2016~18年、練習試合でミスなどをした複数の部員の背中やすねを足で蹴ったり、「殺すぞ」と暴言を浴びせたりした。また、夏の屋外でのランニング中には「熱中症になれ」と発言したほか、練習時に至近距離からボールをぶつける行為もあったという。現在の部員は計24人。

11月に匿名の通報があり、調査したところ監督らは体罰を認めたという。臨時の保護者会で経緯を説明した後、記者会見した後藤茂校長は「体罰は許されるものではない。

大変申し訳ありません」と謝罪した。

野球部でも13年、監督(当時56)が体罰をしていたとして、日本学生野球協会から謹慎処分を受けている。(野口憲太)

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平成30年12月1日付河北新報

八戸高専生自殺図る 昨年6月 重い障害、調査委設置へ

八戸高専(八戸市)は30日、2017年6月に当時3年の男子学生が自殺を図り、重度の障害を負ったことを明らかにした。関係者によると、学生は「教員に裏切られた」といった趣旨の発言をしており、同校は自殺未遂の背景を調査する第三者委員会を本年度中に設置する見通し。  同校や運営する国立高専機構(東京)によると、学生は昨年6月28日、八戸市内の高さ約30メートルの橋から飛び降り、一命を取り留めたが下半身不随となった。

復学を目指していたが「授業を受けるのが困難」との理由で今年9月に自主退学した。  学生の母親から9月、自殺未遂についての調査を求める投書が機構に届いた。投書によると、学生は恋愛関係のトラブルを学校に相談したが、その対応に不信感を持ったという。投書で母親は「教員に裏切られた」「教員の心ない対応が自殺未遂につながった」などと主張している。  同校は保護者の求めに応じ、弁護士や精神科医などでつくる第三者委で調査する方針。  30日に記者会見を開いた同校の円山重直校長は「学生が自殺を図ろうとしたことは残念。事故前の本校の対応は適切だったと考えている。その是非は調査委員会に任せたい」と話した。

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平成30年11月29日付NHK

中学生自殺問題で調査部会初会合

東京・八王子市の中学2年の女子生徒が自殺した問題で、専門家で作る調査部会が初めての会合を開き、以前、部活動で起きたいじめについて聞き取りを行うなどして、自殺との因果関係の有無を調べる方針を確認しました。 東京・八王子市の中学2年生だった永石陽菜さん(13)はことし8月、電車にはねられて死亡し、現場の状況から自殺とみられています。 1年生のとき、同じ部活動の生徒からいじめを受けていたことがわかり、市の教育委員会は詳しい経緯を調べるため、弁護士など専門家による調査部会を設置していました。 28日夜は、調査部会の初めての会合が開かれ、今後、ほかの生徒や教員に聞き取りを行って、いじめの詳しい内容や自殺との因果関係の有無などを調べる方針を確認しました。 また、永石さんや保護者から相談を受けていながら、当初「いじめはなかった」としていた学校側の対応についても調査対象とすることになりました。 調査部会の部会長を務める松浦信平弁護士は「遺族の気持ちに寄り添いながら、何が起きたのかということをしっかりと明らかにしたうえで、今後に生かすべき教訓を見つけていきたい」と述べました。

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20181129/0021922.html

 

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平成30年11月28日付朝日新聞

松山商野球部の部長が暴行 部員15人に足蹴りや平手

愛媛県立松山商業高校(松山市)は27日、野球部長の男性教諭(28)が8月以降、部員15人に足蹴りなどの暴行を繰り返していたと明らかにした。同県高校野球連盟に報告し、教諭は部の指導から外れている。

記者会見した宮部隆彦校長によると、教諭は4月に部長に就任。8月初旬から11月上旬まで20回以上にわたり、部員を用具庫や部室に呼び出し、胸ぐらをつかんで押しつける▽足やひざでける▽平手打ちをするなどの暴力を振るった。部員にけがはなかったという。

部員への定期的なアンケートの回答に暴力に関する記述があって判明。暴力を受けた部員や保護者らに謝罪した。宮部校長は「チームを甲子園に連れていきたいという強い思いがあり、思うようにいかないという焦りがあったのではないか」と推し量りつつ、「理由はどうであれ、やってはいけない行為」と話した。教諭は「指示内容と違うことを部員がしたり、

生徒の態度がよくなかったと感じたりしたときにやってしまった。深く反省している」と話しているという。

同校野球部は甲子園で春夏通算7回優勝している。(寺田実穂子)

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平成30年11月23日読売新聞

中3自殺未遂で第三者委、母「何一つ説明ない」

埼玉県川口市立中学校3年の男子生徒(15)が入学当初からいじめを受け、2017年4月に飛び降り自殺を図った問題で、市教育委員会が20日、記者会見し、対応の経緯を説明した。市教委指導課の岩田直代課長は、生徒が3度目の自殺未遂をした約半年後の同年11月に第三者調査委員会を設置し、母親(43)に伝えたと説明。

しかし母親や生徒は「『第三者委員会』という言葉さえ言われたことがない」とするなど、複数の食い違いが生じている。

生徒は16年4月の入学当初からいじめを受け、同年9、10月の2度、自宅で首つり自殺を図ったほか、17年4月には自宅近くのマンション3階から飛び降り、左大腿骨頸部を骨折するなどの重傷を負い、現在車いすで生活している。

読売新聞のこれまでの取材に対し、母親は、最初の自殺未遂をする前の16年9月初めから、生徒が自分でいじめの内容を記した手紙数枚を担任らに渡していたと証言。

しかし岩田課長は「保護者が副担任に一括して手渡した。担任が『しっかり見守っていくので大丈夫。安心して来るように』と生徒に話した」と説明した。母親は、「連絡が来たことはない」としている。

また、市教委は最初の自殺未遂で重大事態として第三者調査委員会を設置しなかった理由について、「校内調査の結果、いじめの事案が確認できなかったため」と説明。

山田浩一学校教育部長は16年10月に2回目の自殺を図った後も、「複合的な原因が考えられた」として重大事態としなかったとした。

市教委は第三者調査委員会の委員が、埼玉学園大学教授で臨床心理士の小山望委員長ら3人であると公表。しかし、委員の氏名を生徒側に伝えていないことも明らかにした。理由について「本人や保護者への聞き取りが必要となる時期に説明することから非公開としていた」と述べた。

山田部長は会見で「結果は誠に遺憾で申し訳ない」と述べたが、「学校、市教委は最善の方法を考えて対策していた」と対応の不手際は認めなかった。

一方、生徒の母親は20日、コメントを発表。「市教委は同時期に別のいじめ問題でも、文部科学省や県教育委員会から繰り返し指導されていたにもかかわらず、息子の件は何も対応はしなかった。最初の自殺未遂から重大事態として第三者委員会で調査をしていれば、車いすで生活することもなかった」とこれまでの市教委などの対応を批判した。

第三者調査委員会についても、「設置したとされた日から1年以上たち、何一つ説明や報告もされない。不可解なことばかりなので、何を言っても信じることなどできない」と不信感をあらわにしている。

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平成30年11月21日付NHK新潟放送局

自殺発生2年 高校で全校集会

新潟工業高校1年の男子生徒がいじめを受けて自殺してから21日で2年となり、高校で21日、全校集会が開かれました。 いじめを受けていた新潟工業高校1年の男子生徒は、2年前の11月21日の早朝、自宅近くで列車にはねられて亡くなりました。 高校では21日午後、全校集会が開かれ、全員で黙とうをして、亡くなった生徒を悼むとともにいじめの根絶を誓いました。 集会のあと、取材に応じた※シモ鳥孝幸校長は「われわれ教員が生徒の命を守れなかったことは、私自身は悔しい思いだ。生徒にはいじめが決してあってはいけないことだと話をした。そして同時に学校はしっかりと生徒を守る、命を守ると話をした」と述べました。 この自殺をめぐっては、先週、県教育委員会が、学校の対応が不十分だったとして、当時の学級担任ら4人を減給の懲戒処分としたほか、すでに退職した当時の校長に対し、減給に相当する金額を自主返納するよう求める決定をしました。 ※「シモ」は、「霜」の下の「相」の「目」の部分が「官」のうかんむりがないもの。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20181121/1030005860.html

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平成30年11月21日付神戸新聞

加古川中2いじめ自殺 当時の校長を懲戒処分

加古川中2

会見する加古川市教委の(左から)大西隆博教育指導部長、山本照久教育指導部参事、神吉直哉学校教育課長=20日午後、加古川市役所

2016年9月、兵庫県加古川市立中学2年の女子生徒=当時(14)=がいじめを受け自殺した問題で、県教育委員会は20日、女子生徒が通っていた中学校の当時の校長(59)=現同市立小学校長=を戒告の懲戒処分にしたと発表した。女子生徒が亡くなった結果を重視したという。重大事態と認定されたいじめ問題を巡り、県教委が懲戒処分をしたのは初めて。

女子生徒へのいじめに気づかなかったとして、当時の担任と学年主任が訓告、部活顧問と1年時の担任は厳重注意。いずれも法律に基づく懲戒には当たらない内部処分となった。

この問題では、加古川市教委が重大事態と認定し、16年11月に第三者委員会を設置。17年12月に「生徒はいじめにより自殺に至った」とする報告書を発表した。

報告書は、女子生徒が亡くなる3カ月前のアンケートにいじめを示唆する書き込みをしたのに、学校側は見逃したと指摘。「この時点で気づいていれば、自殺は防げた」と結論付けた。1年時にも無視やからかいなどのいじめを受けたが、学校側は十分な対応を取らなかったとしている。

県教委は、報告書に基づき学校側の責任を検証。2年時の担任と学年主任は、16年6月に実施した学校生活アンケートで、「仲間外れを受けている」などいじめを示唆する女子生徒の回答を見過ごしたと指摘。1年時の担任は、生活ノートに記載されていた女子生徒のSOSを見逃し、部活顧問は、部活内のいじめ行為に対し、十分な対応を

取らなかったとした。

女子生徒の遺族代理人弁護士は「事前に気づいていれば自殺は防げた。かけがえのない命が失われている割に軽すぎる」と処分内容に疑問を投げ掛けた。

処分を受け、同市の田渕博之教育長は「教育委員会と全ての学校が子どもに寄り添った教育に全力を尽くし、信頼回復に努める」とのコメントを発表した。

(井上 駿、切貫滋巨)

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平成30年11月20日付神戸新聞

多可小5女児自殺 いじめとの関連再調査 第三者委が初会合

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多可町いじめ調査委員会の審議内容について記者会見する弁護士の吉田竜一委員長=19日夜、兵庫県多可町中区中村町、ベルディーホール

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多可町いじめ調査委員会で伝えた遺族の要望について、記者会見で答える遺族代理人の野口善國弁護士(左)と福田和美弁護士=19日夜、兵庫県多可町中区中村町、ベルディーホール

兵庫県多可町で昨年5月に小学5年の女児=当時(10)=が自殺した問題で、いじめとの関連を再調査する第三者委員会が19日、初会合を開いた。委員長に弁護士の吉田竜一氏を選び、遺族から再調査の目的や方法に関する思いを聞いた。来年3月を目標に再調査結果を報告する方針。

町教育委員会設置の第三者委が今年6月、いじめが自殺の要因とする報告書をまとめたが、遺族から「いじめの具体的行為が分かりにくい」などの訴えを受け、町は再調査を決めた。

遺族側は同級生の卒業を区切りにしたいと、前回調査を基にした迅速な再調査を希望。委員会では遺族代理人が、女児が同級生に受けた言動、女児の心理状態や性格について言及した報告書内容を抜粋し、重要とする事実の再確認を要望した。父親も含め約40分間、思いを伝えたという。

閉会後、吉田委員長は「遺族の気持ちに寄り添って事実を究明し、公正な調査に臨む」とし、既にあるアンケート結果などを精査し、年内3回の会合で同級生らへの再聴取なども検討するとした。(長嶺麻子)

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平成30年11月20日付朝日新聞鹿児島版

いじめ再調査 本人の「感じ方」重視

鹿児島市の県立高校1年生だった田中拓海さん(当時15)が自殺した問題で、県いじめ再調査委員会は18日、「いじめはあった」と認定した。前回、県教委による第三者委員会の調査結果と異なる判断に至ったのは、被害者がどう感じたのか、被害者側の視点に立って様々な事情をとらえ直したからだった。

「いじめはそれなりの頻度で繰り返されていた」。県庁であった記者会見で、甲木真哉委員長(福岡県弁護士会)はこう述べ、今後いじめと自殺の関連性や、学校の対応に問題がなかったのか、さらに調査する考えを示した。

再調査では、いじめ防止対策推進法の「いじめ」に当たるかを調査。同法上「いじめ」は心理的や物理的な影響を与える行為としたうえで「対象となった児童等が心身の苦痛を感じているもの」と定義する。

主に調査対象とされたのは自殺の約半年後、学校の調査で判明した「かばんに納豆が入れられていたらしい」、「スリッパを隠されていた」などの点。いずれも前回の県教委の第三者委の調査で「いじめをうかがわせるエピソード」とされるにとどまっていたからだ。

再調査では、さらに詳細なアンケートを実施したり、聞き取り対象を大幅に増やしたりした。

その結果、前回調査が納豆巻きを置かれた場所について「本人のかばん棚」としていたのに対し、「賞味期限切れのものをかばんの中に入れた」と踏み込んで認定。スリッパ隠しについても、一度探した男子トイレから後で発見された経緯を踏まえ、「意図的」と前回と異なる判断を示した。

異なる判断が示された理由の一つに、周囲の生徒たちが田中さんを心配していた事情を重くみたことがある。田中さんにとってこうした事情が「いじめ」の定義の「心身の苦痛を感じていた」と強く推認できると判断したからだ。

甲木委員長は「本件の特徴」として、いじめの「感じ方」や「とらえ方」を挙げた。多数の元生徒が「いじり」や「からかい」があったと明かしたのに、それを「遊びの延長」「いじめというほどのものではない」といった程度の認識だったという。「田中君の心理的苦痛を感じることができていない。いじめの範囲を狭くとらえてしまっている」と指摘した。

「次に生かされる提言出して」

母親は18日、記者会見を開き、中間まとめについて「丁寧な調査をしてもらった」と評価する一方で、「納豆巻きのやりとりやスリッパを探している拓海の姿が目に見えるようで、つらい」と思いを語った。

前回調査の結果が発表された後の昨年12月、母親は県教委に対し「生徒3人にしか聞き取りをしておらず調査は不十分」とする意見書を提出した。会見では、再調査の依頼を元生徒らに送る際、母親の手紙を同封してもらっていたことを明かした。聞き取り対象が元生徒17人と増えたことを踏まえ「協力してくれた生徒さんや保護者に感謝を伝えたい」

と時折、笑顔を見せる場面もあった。

いじめが認定されたことに対して「(拓海さんに)つらいことがあったことが明らかになった。複雑な気持ち」と涙をこらえてうつむいた。再調査委には「拓海の死が次に生かされるような提言を出してもらいたい」と述べた。(野崎智也)

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平成30年11月20日付朝日新聞滋賀版

大津いじめ 遺族が法改正求め国会議員に要望

2011年に大津市でいじめを受けて自殺した市立中学2年の男子生徒(当時13)の父親(53)と越直美市長が19日、東京都内で元文部科学相の馳浩衆院議員と面会し、いじめ防止対策推進法の改正を要望した。

馳議員は同法改正をにらんで、超党派でつくる勉強会の座長。同法は大津のいじめ事件をきっかけに、13年に施行された。いじめを定義し、いじめの有無やその背景を調査する組織の設置などを学校や教育委員会に求めている。

男子生徒の父親はこの日、馳議員に「いまだにいじめで自死する子どもたちがいる。実効性のある法律に変えていち早く子どもたちに届けたい」と述べ、同法の改正を要望した。

また、父親は越市長とともに、子どもの自殺の背景などを中立で公正に調査できるようにすることや、いじめ防止のための専任教員「いじめ対策主任」の配置などを改正法に盛り込むよう求めた。馳議員は「要望をしっかりと受け止めて対応していきたい」と応じた。

この日は衆院議員会館で勉強会も開かれ、父親と越市長も参加した。意見を問われた父親は、調査委員会の委員や調査員を選ぶにあたって、「中立性が保てていない」と指摘。

現行法では教育委員会と利害関係のない第三者から専任する規定がないと訴えた。調査委は学校もしくは教育委員会に置かれているが、首長部局への設置も被害者側が選択できるように求めた。

さらに、大津市ではいじめ防止や対処を担う専任の「いじめ対策担当教員」を配置していることを挙げて、全国の学校にも「いじめ対策主任」を配置するよう要望。そのために国が財政措置を講じるよう求めた。

父親らは20日、文部科学省初等中等教育局長を訪れ、法改正を要望する予定。(石川友恵)

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