【9月23日付 毎日新聞】
男子生徒の自殺した問題を受けて仙台市立学校の校長を対象に臨時研修が行われた
=仙台市宮城野区の市教育センターで2015年9月8日午後、山内真弓撮影

◇市教委は校名非公表 誰かが21日朝設置か
仙台市立中学1年の男子生徒が昨年秋、学校でいじめを受けて自殺した問題で、学校近くの公園に、誰かが男子生徒の死を悼むためとみられる献花台を設置した。市教委は「遺族が望んでいない」として学校名を公表せず、学校も生徒や保護者にいじめの事実を明らかにしていない。
複数の地元住民によると、献花台は21日朝に設置されたとみられる。幅約2メートルのテーブルに白いクロスがかけられ、花束や菓子が供えられていた。テーブルの上には「守ってあげられなくてごめんね。
安らかに眠って下さい」「あなたの死をムダにはしないからね」などと、訪れた人らが記したとみられる
書き置きもあった。
市教委は8月に男子生徒の自殺を公表したが、個人が特定される恐れのある情報は明らかにせず、在籍していた学校でも、いじめの関係生徒以外には「家の都合で転校した」と説明していた。
娘が男子生徒と同級生だったという地元の男性(51)は22日午前、献花に訪れた。「学校では彼が死んだことさえ『無かったこと』にされ、手を合わせる機会も、哀悼する場所もない。誰かが人間として当然のことをしてくれた」と話した。
一方、住民には「子どもの動揺を誘う」と献花台設置を疑問視する声もあるという。地元区役所の公園課は21日昼、住民の通報を受け、献花台そばに撤去を求める看板を置いた。担当者は「許可なく公共スペースに設置され、都市公園法に違反している。自主的な撤去をお願いしたい」と話している。
【伊藤直孝】

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【9月23日付 河北新報】
献花台に手を合わせ、男子生徒の死を悼む地元住民=22日午後0時30分ごろ

仙台市立中1年の男子生徒=当時(12)=が昨年9月下旬、いじめを苦に自殺した問題で、男子生徒の父親が22日、献花台が設置された中学校近くの公園を訪れ、周辺で1人静かに手を合わせた。
午前9時すぎ、人目を避けるように公園が見渡せる位置に立ち止まり、献花台に向かって静かに祈った。
午後には関係者を通じて供物もささげた。
父親は河北新報社の取材に「(献花台の設置を)ありがたく感じ、駆け付けた。一周忌を前に皆さまに手を合わせてもらい、息子も幸せだと思う」と話した。
献花台の設置者は不明。近所の男性(63)が21日午前、置かれているのを見つけた。22日も花束や
菓子などを手に住民が次々に訪れ、冥福を祈る姿が見られた。
夫婦で献花した近所の男性(65)は「今もきちんと事実を公表しない市教委や学校は、いじめ自殺をなかったことにしようとしているのではないか。地元住民として、亡くなった男子生徒を悼みたい」と語った。
献花台について公園を管理する区役所の担当課は21日、「不法占有に当たる」として、撤去を求める
張り紙を近くに掲げた。設置者が片付けない場合、週明けにも強制撤去するという。

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【9月21日付 河北新報】
全ての仙台市立学校を対象にした緊急調査結果が報告された市いじめ問題対策連絡協議会。
いじめ認知後の対処が問われている=10日、仙台市役所上杉分庁舎

◎(上)情報共有
仙台市立中1年の男子生徒=当時(12)=がいじめを苦に自殺した問題では、男子生徒のSOSを
くみ取れず、組織的な対応に至らなかった学校の課題が浮き彫りになった。教育現場はいじめ防止に
どう取り組み、解決にはどんな壁があるのか。宮城県内外の教師たちに学校の実情を聞いた。
(仙台・中1いじめ自殺問題取材班)

<人事評価で萎縮>
男子生徒の自殺を調査した第三者委員会は、生徒が通っていた中学校内の情報共有や連携の
不十分さを指摘した。いじめの対応が担任ら一部教員にとどまり、学校を挙げての指導には結び
つかなかった。
「情報共有が図られるかどうかは、職員室の雰囲気や人間関係が大きい」
学校の現状をこう話すのは仙台市内の中学校の男性教諭(59)。管理職の中には、いじめの情報を
伝えても「担任の指導不足だ」と取り合おうとしない人もいるという。「人事評価を気にして、言うのを
やめておこうと萎縮することはあるだろう」と語る。
教諭によると、同じ学年の教師間では情報交換を密にしても、学年が異なるとおろそかになる
「学年セクト」も存在するという。
宮城県内の40代の女性講師は「報告しても無駄という雰囲気が強く、担任が1人で抱え込んでしまう」
と憂う。いじめを認知したら学年主任に報告するルールが勤務先の中学校にはあるが「傷害や暴行など
学校保険の対象となる事案でないと、校長や教頭には伝わらない。報告するようないじめがあれば(担任
らは)翌年、高い確率で転勤になる」と話す。

<抱え込む担任も>
岩手県矢巾町では7月、いじめを受けていた中学2年の男子生徒(13)が自殺した。
同県の中学校に勤める女性教諭によると、男子生徒の自殺以降、いじめ対応について情報共有を
心掛ける動きが広がっている。「なかなか言い出せない若手や、問題を抱えた生徒を任せられて多忙な
ベテランがおり、簡単なことではない。しっかり話ができる人間関係が重要だ」と風通しの良い職場づくり
の大切さを指摘する。
宮城県内の60代の元小学校長も「全職員と保護者、教育委員会の情報共有が何より大切だ」と強調。
「あるいじめ事案を担任が大したことないと判断しても、他の教師はそう思わない場合もある。担任が
1人で抱え込んでしまうところに落とし穴がある」と訴える。
仙台市教委は今回の問題を受け、いじめに組織的な対応をするよう全市立学校に指示した。12歳の
少年の悲劇を二度と繰り返さないためにも、情報共有を出発点にして学級や学年、立場の枠を超えた
「学校力」の結集が求められている。

いじめ問題へのご意見をお寄せください。宛先は河北新報社報道部「仙台・中1いじめ自殺問題」取材班。
ファクスは022(224)7947。メールアドレスはhoudou@po.kahoku.co.jp

<教師といじめ>多忙な教師、余裕なく

◎苦悩する教育現場/(下)疲弊

<家庭ないがしろ>
仙台市立中1年の男子生徒=当時(12)=がいじめを苦に自殺した問題をめぐり、市教委の第三者
委員会は報告書で学校対応の問題点を挙げる一方、当時の状況についてこう言及した。
「男子生徒の件以上に注意を要する生徒間トラブルがあった」
「教職員が置かれる多忙の中では優先順位を付けて対応することはやむを得ない面がある」
教師たちが、授業や部活動と並行して生徒指導に追われていた様子がうかがえる。
市教委の内部資料によると、2014年度に市立学校の教職員が勤務時間外に在校した時間は月平均で
小学校37時間、中学校67時間、高校46時間。いずれも増加傾向にあり、中学は突出して多い。
市内の中学校で学年主任を務める男性教諭(56)は「試験問題の作成や採点、評価を勤務時間内にする
余裕はなく、自宅に持ち込む。土日の休みは顧問を務める部活でつぶれる。家庭は正直ないがしろだ」と
こぼす。不登校の生徒も多いといい、「生徒や保護者への個別対応に膨大なエネルギーを使う」と打ち明ける。
市内の別の中学校の男性教諭(59)は「生徒指導が優先され、授業が軽んじられている」と自嘲気味に話す。
「時間的、精神的余裕をなくしている教師が生徒を追い詰めていないか心配だ」と顔を曇らせた。

<心の病 57人休職>
教育現場の疲弊は、病気休職した教職員数に表れている。14年度は市立小中学校と高校で計168人が
病休に入り、うち57人は心の病が原因だった。
小学校長の経験がある市内の60代男性は「いじめをめぐり、保護者からの苦情などを気に病む教師は
少なくない。(病休で)一人が倒れると他の教師にしわ寄せが及ぶ」と語り、多忙と疲弊の悪循環を指摘する。
事態の改善に向け、校長と教育委員会の奮起を促すのは市内の公立高校の男性校長。「校長に責任を取る
姿勢がなければ教頭以下の先生は混乱する。教委も命令するだけで責任を取ろうとしない。校長と教委の
責任の所在と範囲が明確になっていない」と言う。
今回の自殺では、遺族の意向を踏まえた市教委の判断で学校名などが非公表のままとなっている。前出の
男性教諭(56)は「当該校の教師は生徒にきちんと説明したいはずだ。その責任を果たせず、苦しんでいると思う」
とおもんぱかった。

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【9月21日付 河北新報】
自殺した男子生徒が通っていた中学校近くの公園に置かれた献花台=21日午後5時ごろ、仙台市内

仙台市立中1年の男子生徒=当時(12)=が昨年9月下旬、いじめを苦に自殺した問題で、男子生徒が
通っていた中学校近くの公園に21日までに献花台が置かれた。設置者は不明だが、台上には追悼の花束が
手向けられていた。
献花台には花束やお菓子、ノートなどが置かれている。ノートには「守ってあげられなくごめんね」「安らかにねむってください」など、自殺した男子生徒に向けたとみられるメッセージが書かれている。
近所の男性(63)は21日午前8時半ごろに献花台があるのを確認した。関連ははっきりしないが、インターネット上の掲示板に同日早朝、「献花台を設置した」との匿名の書き込みがあった。献花台の設置を受け、公園を管理する市区役所の担当課は同日、不法占有に当たるとして、台のそばに撤去を求める張り紙を掲げた。

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平成27年9月20日 中国新聞

教員指導きっかけの子どもの自殺
「指導死」考えるシンポ

中区で30人参加 東広島の遺族報告

教員の指導をきっかけにした子どもの自殺「指導死」について考えるシンポジウムが19日、広島市中区の広島弁護士会館であった。
東広島市の遺族たち8人がマイクを握り、再発防止を訴えた。
主催した「『指導死』親の会」(東京)の大貫隆志代表世話人(58)は、平成以降に報道されただけで全国59件の指導死があると言及。精神的に追い詰める
言葉や重すぎる罰則、複数による長時間の指導などの問題を指摘し2012年に教員4人から指導を受けた直後に白殺した東広島市の市立中2年の男子生
徒=当時(14)=の両親もマイクを握った。父親(46)は「教員の指導は異常だった。死に追い詰めるケースが実際に起こっていることを知って」と訴えた。
両親が6月、市などを相手取り提訴に踏み切ったことを受け、同会が県内で初めて開いた。約30人が参加した。
2015年9月20日(森岡恭子)

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学校でのいじめや事故について考えるシンポジウム
「当事者から見た、学校事故・事件の事後対応」が31日、京都市左京区の
京都精華大であった。2012年7月に同区の養徳小プールで亡くなった当時6歳の女児の両親が自らの体験を語り、外部の視点で事故を検証する第三者委員会について「中立・公正の在り方に疑問を覚える。遺族とかけ離れている」と話した。
遺族たちでつくる「全国学校事故・事件を語る会」が京都では初めて開いた。
養徳小プール事故で亡くなった女児の両親は市教委の第三者委による事実認定について「根拠が曖昧」と不満を漏らした。第三者委の対応が両親との意見交換に次第に消極的になったといい、「説明責任を十分に果たしたとは言えない」とした。父親は「足りない部分を自分たちの手で検証していく」と涙ながらに決意を語った。
また、文部科学省が昨年発足させた学校事故の対応指針を策定する有識者会議について、メンバーである京都精華大の住友剛教授が基調報告で課題を述べた。学校で事故や事件が起きた後の検証作業に携わったことがないメンバーがほとんどといい、「実際に事後対応にあたった遺族や学校、行政の意見をもっと取り入れていく必要がある」と指摘した。
(6月1日京都新聞)
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学校で起きた事故や事件で子供を亡くした遺族らの集会が30日、京都市左京区の京都精華大で行われた。遺族らでつくる「全国学校事故・事件を語る会」が主催し、京都では初めて開催。遺族や関係者ら約50人が近況を報告し合うとともに、望ましい学校の事後対応のあり方などについて意見を交わした。
参加者らは、学内の事故で亡くなった子供の遺族▽教師による指導直後に自殺した子供の遺族▽いじめにより自殺した子供の遺族-などのグループに分かれて話し合った。
学内の事故で亡くなった子供の遺族の集まりでは、1988(昭和63)年3月に中国・上海で列車同士が衝突し、修学旅行中の高校生らが亡くなった事故の遺族も参加。事故から20年以上たって事故報告書を出すなど、不信感を募らせる対応を繰り返した学校側を改めて批判し「子供の命を守ることを考えていない学校もある」と強調した。
学内で起きた事故・事件や事後対応に詳しい小佐井良太・愛媛大准教授(法社会学)は「孤立しがちな遺族や被害者にとって、同じ立場の人と意見を共有することは救いにもなるのではないか」と話した。
31日には同じ会場でシンポジウムが開催され、遺族らによる事例報告や、大津市立中学校のいじめ自殺事件で第三者委員会の委員長を務めた横山厳弁護士による報告会も行われる。

「死んだ子供には死んだ理由は聞けない。親としては自分の子供がどこでどう、なぜ死んだのか。その理由を知りたいだけだ」。命を預かるはずの学校現場で子供を亡くした遺族たちは口々にそう話し、涙を流した。
太平洋上で漁業実習中、船酔いで脱水症状となり死亡した男子高校生の母親は、県を相手に民事訴訟を起こし、実質勝訴した自身の体験を紹介。
「学校は隠すことから始める。相手を自分たちと同じだと思ったら駄目だ。
優しい気持ちでは闘えない」と厳しい口調で語った。
水泳の練習中に熱中症が疑われる症状で救急搬送され死亡した男性の両親は、指導者に損害賠償を求めて提訴し係争中。「『対応に問題はない。
子供に非がある』といわれ悔しかった。取れる責任は取ってほしい」と涙ながらに話した。
一方で、同じように民事訴訟で学校側と争いながら、徹底的な再発防止策を盛り込んだ和解を交わした遺族もあった。
バレーボール部の合宿中に急死した女子高校生の両親は、自身の娘の名を冠した球技大会の設置を学校側に要望。学校側は受け入れ、毎年大会前になぜ事故が起きたのかを生徒の前で説明しているという。
母親は「学校から目を離さないのは辛い面もあるが、学校が何をやっているか分からないよりはよかったと思う」と振り返る。
会を主催した「全国学校事故・事件を語る会」のメンバーで、自身もクラブ活動中の熱中症で息子を亡くした宮脇勝哉さん(57)は「事実を知りたいという願いはどの遺族も同じ。支え合っていきたい」と話した。
(5月31日付産経新聞大阪本社版

池田進一)

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学校事故・事件の遺族らがシンポ

学校での事故や体罰、いじめなどで子どもを亡くした遺族らが1日、神戸市中央区で「事後対応」について考えるシンポジウムを開いた。「第三者委員会のあり方」を論点に意見を交わし、いじめが原因で2011年に自殺した大津市の中2男子の遺族は「昨年のいじめ防止対策推進法施行後も、学校や教育委員会の対応は旧態依然だ」と語った。

遺族らでつくる「全国学校事故・事件を語る会」の主催。遺族や弁護士ら約100人が参加した。

中2男子の遺族は「同法では、学校・教委は被害者側に情報を適切に提供することになっているが、生徒アンケートの開示さえ思うようにならない。第三者委のメンバーも教委の人選で、『第三者』とは言えないものもある」と批判した。

また、同市の第三者委員会副委員長を務めた渡部吉泰弁護士が「被害者の権利と尊厳の回復のために第三者委はある。事実に基づいた再発防止策が実施されなければ、侵害された権利は浮かばれない」と主張した。

同会代表世話人で、1994年に小学生だった長男が担任からの体罰直後に自殺した内海千春さん(55)=たつの市=は「事実を調査せず、事態の沈静化を図る学校、教委の姿勢は20年以上前から変わっていない。第三者委は遺族に代わって闘う姿勢がなければ、真実に近づけない」と訴えた。
神戸新聞(森本尚樹)2014/6/1 21:59
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シンポジウムには、「星になった少年」の両親も参加した。父親が登壇し、「調査委員会は、遺族の質問に回答する義務はない。」、「根拠や過程を示す等の説明義務がなく、その理由開示の請求権が存在しない。」などとして、事実を明らかにされていないことや、調査委員会が調査したアンケートや聴取の記録が不存在となっていることを説明し「第三者調査委は事態の沈静化と事実の隠蔽、そして学校の責任回避を目的とするツールとして悪用されたと感じている」と訴えた。

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足立区の中3自殺、報告書全面開示、遺族に

2010年に足立区立中学3年の男子生徒がいじめで自殺した問題をめぐり、
区は21日、第三者調査委員会が昨年秋に公表した調査報告書を遺族に全面開示した。一部非開示だったため遺族側が不服として要望していた。
遺族側からは「当初から開示できていた内容ばかり」と開示の遅れを指摘する声もある。
近藤弥生区長が区長応接室で、黒塗りをすべてなくした調査報告書(A4判61ページ)を遺族に手渡した。
区や遺族の代理人によると、開示は遺族限定。昨年11月の公表時には、生徒が呼ばれていた「あだ名」などが非開示だった。遺族が「親であっても知ることができないことに違和感を覚える」と訴えていた。
区は個人情報の問題を理由にあげていたが、学識経験者や区民らでつくる区情報公開・個人情報保護審議会に諮問。審議会が昨年12月〜今年3月、非公開で3回議論し、多数決で全面開示を決定。答申を受けて区が判断した。
担当者は「遺族の知る権利を大事にした」と話す。
この日は報告書とともに、報告書の添付資料(5千ページ超)も初めて開示した。生徒や教員らへの聞き取り調査やアンケートの結果をまとめたものだが、生徒の氏名など個人が特定される部分は非開示という。
遺族は「思いに応えてくれて感謝する。今後は本人や遺族の気持ちをくみ上げた調査や情報提供が迅速になされることを願う」とのコメントを発表。
代理人は「当初から開示できた内容ばかり。全面開示は当然だ」と指摘した上で、「今後は客観的かつ公平な調査や情報開示を、教育委員会や区長ではなく学校現場で行ってほしい」と求めた。
平成26年4月22日 朝日新聞東京版(吉浜織恵)
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【コラム】
各地でアンケート開示をめぐる裁判が行われる中で、足立区情報公開・個人情報保護審議会は遺族の思いに寄り添った開示決定である
添付資料が無ければ調査報告書の事実根拠が明らかにならない
「星になった少年」のご両親も事実根拠の不明な調査報告書を受け取り、調査委員会の生徒・保護者・教員アンケート及び委員会議事録、レジメの開示請求を行っている。
開示請求に対する教育委員会の対応は、「調査委員会の求めに応じ引き渡したため不存在」[/と開示請求者である母へ通知を行っている。
委員会議事録、レジメ、アンケートの様式は調査の実施機関である教育委員会の公文書として維持管理が行われているが、調査委員会の生徒・保護者・教員アンケート及び聴取の記録は元調査委員長ある広島大学の教授が個人で維持管理している。ありえない行為だ、この事実解明に必要な情報が隠蔽され、漏洩、改ざん、紛失などの脅威にさらされている。東広島市教育委員会には調査を委託した責任をどう考えているのか。もっと、ご遺族に配慮した対応を願う。

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三原の学校いじめ・自殺対応不十分 子どもや保護者苦悩深く

いじめを受けた子どもの保護者や自殺した子どもの保護者が、学校の対応によって苦悩を深めるケースが三原市で相次いだ。学校のいじめ対応などに悩む保護者の支援団体は、同じような例は多いと指摘。子どもや保護者に寄り添って背景調査や原因解明を進めるよう、学校や教育委員会に求めている。         (鴻池尚)

三原市内の小学校を3月に卒業した女児は、4月に市外に転居した。同級生のいじめが原因だった。母親は 「学校がいじめについて早くきちんと対応してくれれば、転居せずにすんだかもしれない」と漏らす。

指導後に再び
女児は昨秋、十数人からいじめを受け、今年2月からほとんど登校できなくなった。学校は1月にいじめを把握し「いじめた児童に指導した」とする。しかし、いじめは2月上旬に再び確認された。学校が市教委に報告したのは2月中旬。保護者対象に説明会を開いたのは卒業間近の3月上旬だった。
女児の母親は「軽く考えて指導も不十分だったのではないか。中学でも続くかもしれないと不安になった」と転居を決めた理由を説明する。
校長は一連の対応について「当初は重大ないじめとの認識がなかった」と市教委に説明したという。今月18日の市議会全員協議会で瓜生八百実教育長もこの事案じ言及。市教委は「児童への指導の不十分さは否めない。丁寧な対応を欠いて不信感を抱かせたことは課題だ」と認めた。

不信募らせる
原因徹底解明寄り添う形で
市内の高校に通っていた「当時2年の息子を昨年7月に自殺で失った両親も、学校への不信感を募らせる。
両親は息子の死の直後、混乱の中で「学校は関係ない」と学校関係者に言ったものの、何らかの説明はあると考えていた。しかし、納得できる説明がないため、昨年12月、学校に調査を依頼。3月になり、自殺直後に学校が背景の初期調査をしていたのに何も伝えられていなかったことを知った。
学校側は「遺族の気持ちの変化に気付くことができなかった」と釈明する。現在、両親の依頼で実施した調査の結果を精査している。しかし両親は 「あまり期待できない」。
子どもがいじめを受けたり自殺したりした保護者を支援する、全国学校事故・事件を語る会の代表世話人の内海千春さん(55)=兵庫県たつの市=は→悩みのほとんどは学校側からの情報が少ないこと」という。学校や教育委員会はまず沈静化を図り、放置する傾向があるとし。 「責任回避の姿勢が透けて見える」と指摘する。
いじめへの対応などに詳しい広島大ハラスメント相談室の横山美栄子教授(社会学)は「子どもが置かれていた環境や原因を徹底的に解明することが重要。そうしないと再発防止につながらない」と話す。公平な観点で調査する仕組みが必要とした上で 「まず学校や教育委員会がいかに事案や保護者に正面から向き合うかが問われる」と強調する。

平成26年4月20日 中国新聞 尾三 (鴻池尚)
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「星になった少年」のご両親も学校・教育委員会の対応によって苦悩を深められている。学校、教育委員会、調査委員会も保護者に寄り添って背景調査や原因解明を進められていない。
まず、「星になった少年」が亡くなった翌日に、遺族と連携もなく教育委員会青少年育成課新谷課長は、詳しい調査をしていない段階で報道記者に対し説明を行っている。それにより、誤報が流れご遺族は二次被害を受けた。それはまさに人権侵害である。
このことについてご両親は東広島市に対して平成25年5月1日に書面によりクレームを申し立てているが今だに対応されていない。
東広島市教育委員会及び学校は文部科学省の「子どもの自殺が起きたときの緊急対応の手引き」や「児童生徒の自殺が起きたときの背景調査の在り方について(通知)」を無視した対応を行っている。
その教育委員会が設置した調査委員会もまた、事実を明らかにせず、遺族に説明義務はない。として、ご遺族の質問に答えず、調査が不十分なまま調査報告書をまとめている。ご両親は、藏田市長、東広島市議会、教育委員会に対し、いじめ防止対策推進法に準じた再調査を求めているが、今だに行われていない。また、ご両親は学校・教育委員会の事件に対する捉えの説明を求めているが行われていない。「星になった少年」の同級生の生徒さんやその保護者も学校の捉えの説明も受けないまま卒業式を迎えてた。
「星になった少年」のご遺族、同級生の生徒さんとその保護者、また、地域の方たちにも何があったのか、事実を明らかにし説明しないまま隠蔽が続いている。

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法は生かされるか 天童・中1死亡と「いじめ防止法」(下)全校アンケート
非開示、「適切に」を曲解 遺族が事実知る唯一の方法

1月15日の放課後、死亡した女子生徒(12)が通っていた中学校で全校生アンケートが行われた。質問は女子生徒に関して▽事実として知っていることがあったら教えてください▽気になることがあったら教えてください-の2項目。いじめについて13人が具体的に記載し、約130人が伝聞として言及した。
アンケートには「新校舎に来るな」など、心ない言葉を浴びせられていた状況が記されていた。遺族は実施翌日、学校内で回答用紙を閲覧したが、複写や提供は認められなかった。詳細を把握するため再開示を求めた。学校側は「開示はできない」と拒否した。
非開示の理由について水戸部知之教育長は「(いじめ防止対策推進など)法に従った対応がわれわれの仕事だ」と正当性を強調。その根拠に「適切な情報提供」「個人情報の保護」を挙げ「情報を適切に提供する」(同法第28条2項)。市教委はこの部分を引用し、「多くの伝聞や不確かな情報が含まれたアンケート結果を開示することは『適切』でない」とした。この解釈に遺族側は「不当行為だ」と憤る。
同法の付帯決議はアンケート結果について「保護者と適切に共有されるよう」と定義する。同法の立案に中心的に関わった小西洋之参院議員は著書 「いじめ防止対策推進法の解説と具体策」(WAVE出版)で「『適切に提供する』とは学校側の説明責任が最大限に全うされることを意味する」と指摘している。市教委は非開示のもう一つの理由に「個人情報の保護」を挙げた。しかし、文科省が示した同法の基本方針は「情報提供に当たっては、の生徒のプライバシー保護、関係者の個人情報に十分配慮し、適切に提供する。ただし、いたずらに個人情報保護を盾に説明を怠ってはならない」と明記している。
さらに、市教委は「アンケートは開示を前提として行っていない」と非開示の理由を補足した。文科省の基本方針には「アンケートについては、いじめられたいじめられた生徒、その保護者に提供する場合があることを念頭におき、調査に先立ち、その旨を説明するなどの措置が必要であることに留意する」とあり、市教委の主張はこれに則しているとは言い難い。
アンケート結果は実施後に遺族が一度閲覧しているが、再開示を拒む市教委は「そのこと自体、適切だったかどうか…」と解釈を後退させている。
高畠町の高畠高で2006年、同校2年の女子生徒=当時(16)=が自殺したのは校内でのいじめが原因として、両親が県に損害賠償を求めた訴訟の判決が先月11日、山形地裁で言い渡された。いじめが自殺の原因とは認定されず請求は棄却されたが、当時、県がアンケートの実施を多角的に検討したとは言えないとし、「調査が尽くされたかは疑問が残る」と指摘した。それでも両親は控訴を断念した。当時の調査は形式的に済まされ、時を経た今では、いじめの立証が困難なためだ。
滋賀県大津市で中2男子が自殺した問題では、市教委がアンケートに記載された「自殺の練習をさせられていた」との内容を明らかにせず調査を打ち切ったこ
とが問題化した。中2男子の父親(48)は「アンケートには事実を訴える生徒の勇気が込められており、遺族が真実を究明する唯一の手掛かりだ」とし、天童市教委の対応は法の趣旨の曲解だと批判する。

いじめ防止対策推進法(抜粋)

第28条2項 学校の設置者または学校が規定による調査を行ったときは、当該調査に係るいじめを受けた児童その保護者に対し、重大事態の事実関係、その他の必要な情報を適切に提供するものとする。

付帯決議(参議院)
いじめが起きた際の質問票を用いる調査の結果について、いじめを受けた児童らの保護者と適切に共有されるよう、必要に応じて専門的な知識、経験者の意見を踏まえながら対応すること

(この企画は天童支社・野村健太郎が担当しました)

4月7日 山形新聞
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アンケート開示についても、天童市と東広島市の教育委員会の対応は同じだ。
学校は、「星になった少年」について、2度のアンケートによる情報収集を行っている。
平成24年10月30日には、全校生徒に対し、真っ白の紙に「星になった少年について知っていることを書いてください。」と生徒に文章で書かせ、その後で、個人面談を行っている。
平成24年11月22日には、心のケアに関するアンケート(第3回)情報提供 教師の発問(「星になった少年」が亡くなったことについて、知っていることがあれば書いてください)として全校生徒に対しアンケートをしている。
ご両親は、アンケートの集計したものや生徒さんが書いたアンケートの原本を個人情報開示請求しているが不開示となっている。
「星になった少年」の両親は、生徒の個人名のみ黒塗りにしての裁量的開示を求めているが教育委員会が応じない。
「星になった少年」の調査を行った生徒の死亡にかかる調査委員会と呼ばれていた市教委に設置された調査委員会も同級生の生徒、全校生徒の保護者、教員に対してアンケートを行っているが、これについても開示しない状況である。
両親は、アンケート、議事録の開示を調査委員会に対し当初から文章をまとめ提出している。いじめ対策推進法では、いじめられた生徒とその保護者に提供する場合があることを調査に先立ち、その旨を説明するなどの措置が必要であると述べている。
東広島市の生徒の死亡にかかる調査委員会は、アンケート結果は調査委員会以外の人が見ることはありません。と質問紙に説明文章として記述している。これは、隠蔽行為ともとれる行為である。
調査委員会は、昨年12月4日に解散しているが、その委員長がアンケートの原本及びアンケートを集計したもの、「星になった少年」の個人情報を個人管理していると教育委員会は言う。調査を委託した実施機関として、個人情報を適切に管理する責任があるのではないでしょうか・・・。
東広島市で作成された調査委員会のアンケート集計(公文書)が調査報告書が提出された後に、調査委員会の求めに応じ引き渡したと調査の実施機関である教育委員会は個人情報開示請求の不開示理由にしている。
その結果、教育委員会と遺族が事件の情報について共有できなくなっている。ご両親は、東広島市の公文書として調査報告書と一緒に適切に管理するよう求めている。

(ご遺族からの話より)

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