平成30年2月20日付河北新報

<仙台中2自殺>遺族会見「早期の再調査再開を」

仙台市泉区の南中山中2年の男子生徒=当時(14)=が2016年2月に自殺した事案を再調査する市いじめ問題再調査委員会の議事が打ち切られた問題で、男子生徒の父親が19日、市役所で記者会見した。委員構成を維持した上で、村松敦子委員長の交代と、早期の再調査再開を要望した。  再調査委は17日、弁護士の村松氏と精神科医で遺族推薦の野田正彰委員との間で激しい発言の応酬があり、村松氏が「このメンバーでの審議継続は難しい」と議事を打ち切った。  父親は「委員を選び直すには時間がかかり、再調査がさらに遅れる」とする一方、「独断と偏見で打ち切りを決めた」と村松氏の交代を求め、正副委員長のどちらかに遺族推薦委員を就かせることを提案した。  17年3月に「いじめによる精神的苦痛が自殺の一因」と答申した市教委第三者委員会委員への聴取が実現していないことが、再調査が進まない原因だと強調した。会合で市教委や村松氏を繰り返し非難する野田氏を「言葉遣い(の問題)はあると思うが、指摘に間違いはない」と擁護した。  郡和子市長は取材に「委員の人選はベストだったと思う。村松氏からの報告を待ちたい」と語った。

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平成30年2月18日付河北新報

発言応酬で議事打ち切り いじめ再調査委員会、空中分解も 

仙台市は17日、いじめ防止対策推進法に基づくいじめ問題再調査委員会の第6回会合を市役所で開いた。弁護士の村松敦子委員長と、精神科医で遺族推薦委員の野田正彰氏の間で激しいやりとりがあり、村松氏が「このメンバーでの審議継続は難しい」と議事を打ち切った。

泉区の南中山中2年の男子生徒=当時(14)=が2016年2月に自殺した事案の再調査中に、委員会は空中分解寸前となった。  野田氏は1月20日の第5回会合で、市教委の第三者委員会が南中山中の事案に関する答申書をまとめた経緯を説明するため出席していた大越裕光教育長に「あなたたちが(男子生徒を)殺したんだよ」と発言した。  17日の会合で、村松氏が野田氏に「いじめ防止を目的とする本委員会にふさわしくない。相手を困惑させ、威嚇し、侮辱する発言は自重してほしい」と注意すると、野田氏は反発。進行を遮り、「決めたことを実行せず、うそばかりついている」などと村松氏を批判した。  議事の打ち切りに、出席した他の4委員から賛否双方の意見が出たが、村松氏が職権で決定した。村松氏は「委員の選任、解任を含め、郡和子市長に判断してほしい」と述べた。委員の去就に発展すれば、再調査が大幅に遅れる可能性がある。  会議終了後、男子生徒の父親は野田氏の発言を「一般の人には暴言に聞こえても、遺族の気持ちを代弁してくれた」と話した。傍聴者の1人は「委員会は誰かを断罪する場所ではないのでは」と首をかしげた。

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平成29年12月28日河北新報

<仙台中2自殺>調査手法また決まらず 再調査委、公開で会合

仙台市は27日、いじめ防止対策推進法に基づくいじめ問題再調査委員会(村松敦子委員長)の第4回会合を市役所で開いた。

泉区の南中山中2年の男子生徒=当時(14)=が2016年2月に自殺した事案の再調査の手法は決まらず、設置後3カ月がたっても実質的な調査に着手できない事態となっている。  会合は今回から原則公開され、男子生徒の遺族を含め約15人が傍聴した。当時在職していた教職員らへの聞き取り調査を行う方針は確認したものの、対象や聴取内容は決まらなかった。  再調査委は9月の初会合以降、市教委第三者委員会のいじめ問題専門委員会が3月に「いじめによる精神的苦痛が自殺の一因」とする答申書をまとめるまでの議論の経緯を確認するため、専門委員の出席を求めているが実現していない。  再調査委の1人は「答申書の不備な点について話をしないと進まない」と批判。市子供未来局は「合議体による結論で委員個人として答えにくいとのことだったが、改めて委員長らに出席を要請する」と述べた。  男子生徒の父親は会合で、「3カ月たつのに何も進んでいないように見える」と議論の加速を求めた。

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平成29年11月29日河北新報

仙台・南中山中生徒いじめ自殺 次回から会合公開

 

仙台市は29日、いじめ防止対策推進法に基づくいじめ問題再調査委員会(村松敦子委員長)の第3回会合を市役所で開き、泉区の南中山中2年の男子生徒=当時(14)=が2016年2月に自殺した事案について、次回以降の会合を原則公開する方針を固めた。  第3回までの会合は全て冒頭だけ報道陣に公開された。男子生徒の遺族が29日、会合の公開を求める要望書を委員会に

提出したことを受けて協議した結果、生徒や関係者のプライバシーに配慮した上で一般に公開する方針に転換した。遺族の傍聴も認められる。  村松委員長は会合終了後、「いじめの問題を広く知ってほしいという遺族の見解を踏まえた」と述べた。  委員の身分を巡り、遺族推薦の臨時委員が常任委員との区別を疑問視した問題では、再調査のたびに適任者を選任する

制度に変えるため、条例改正を求める意見書を年内にも郡和子市長に提出することを決めた。

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平成29年8月29日河北新報
<仙台中2自殺>市いじめ再調査委 来月23日に初会合

 仙台市泉区の南中山中2年の男子生徒=当時(14)=が2016年2月に自殺した問題で、市は28日、いじめ防止対策推進法に基づき、市長が設置する第三者機関「市いじめ問題再調査委員会」の初会合を9月23日に開くと発表した。
 委員会のメンバーは、任期2年の常任委員が県内外の社会福祉士、大学教授、弁護士ら4人。このほか、男子生徒の遺族が推薦した県外の弁護士、精神科医、教育学者の3人が臨時委員として協議に加わる。
 委員会は初会合で正副委員長を互選し、郡和子市長から再調査の諮問を受ける。男子生徒の自殺を巡っては、奥山恵美子前市長が市教委の調査結果を受け、再調査の方針を決めていた。

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平成29年8月9日河北新報
<仙台中2自殺>奥山市長「再調査機関」諦めず

 仙台市泉区の南中山中2年の男子生徒=当時(14)=が昨年2月に自殺した問題の再調査機関の設置について、奥山恵美子市長は8日の定例記者会見で「今の時点で困難だとはっきり諦めたということではない」と述べ、21日までの任期中に設置する可能性に言及した。
 奥山氏は再調査機関の構成に当たり、遺族推薦のメンバーを反映させる方針。「最終的な人選は固まりつつある。
あとは書類上の確認作業などだ」とし、発足を急いでいる状況を説明した。
 新機関の初会合時期は次期市長の郡和子氏と週内に会い、意向を確認して判断する考えを示した。これまでの会見では「私の在任中にこだわるのがいいのか、新市長の下で始めるのがいいのか、立ち止まるべきだと思っている」と述べ、郡氏の就任後となる可能性を示唆している。

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平成29年7月26日河北新報
<仙台中2自殺>再調査は「新市長就任後」

 奥山恵美子仙台市長は25日の定例記者会見で、泉区の南中山中2年の男子生徒=当時(14)=が昨年2月に自殺した問題を再調査する新機関の初会合が、郡和子次期市長の就任後となる可能性を示唆した。
これまでは7月中にも再調査を始める意向を示していた。
 奥山氏は、郡氏が市長選でいじめ自殺への対応を最優先課題としたことを指摘した上で、初会合の時期は「私の在任中の日程にこだわるのがいいのか、長期的に進める新市長の下で始めるのがいいのか、選挙結果を受けて立ち止まるべきだと思っている」と述べた。
 再調査機関の構成は遺族が推薦するメンバーを反映させる方針だが、奥山氏は「相手方との連絡交渉に時間を要している」として、機関の設置が8月第1週になるとの見通しを示した。
 郡氏当選については「2代続けて女性市長が就任することは全国的に希有なことで大変うれしい。バス事業の経営難など、私が解決できなかった課題への具体策を見いだしてほしい」と期待。市長選では対立候補を支援したが、「郡さんに決まった以上、しっかりと受け止めて、バトンをつつがなく渡せるよう努めたい」と話した。

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平成29年7月5日河北新報
<仙台中2自殺>今月中にも再調査開始

 仙台市泉区の南中山中2年の男子生徒=当時(14)=が昨年2月に自殺した問題を巡り、奥山恵美子市長は4日の定例記者会見で、いじめ防止対策推進法に基づく再調査を月内にも開始する意向を示した。
 奥山市長は「7月中を第1希望に鋭意(準備を)進めている」と述べ、再調査機関の構成員などについて遺族の要望を踏まえて検討していることを説明した。
 青葉区の折立中2年の男子生徒(13)が教諭に体罰を受けた上、生徒からのいじめを訴えて自殺した問題を調べる市教委第三者委員会については、「私の下でスタートさせたい」と、8月下旬の市長任期満了までに調査を始めるとした。
 体罰の実態などを調査するため、市長部局に新設する第三者機関にも言及し、「委員構成の具体案を詰めているが、まずは南中山中の事案の再調査を優先して進めたい」と述べた。

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平成29年6月6日朝日新聞宮城版

いじめ問題、専門家3人に聞く

3年で3人の男子中学生が自殺した仙台市の教育界には、どんな問題があり、解決の糸口はどこにあるのか。
いじめ問題について、専門家3人に聞いた。

仙台本田
■被害者より加害者の病理、深刻 本田秀夫さん(53) 信州大医学部付属病院子どものこころ診療部長 いじめで心に傷を負った子供たちの診察をしていると、必ずしも全ての学年を通じていじめられていたわけではない、ということに気づきます。つまり、いじめが起きにくいクラスがあるということ。先生らによって一人ひとりの個性を引き出す教育環境ができていれば、子供は他人のあら探しをして攻撃する必要がなくなるからです。
それとは反対に自殺した男子生徒が口に粘着テープを貼られたり、頭をたたかれたりしたのは、クラスになじめない子はいじめてもいいという雰囲気を、先生が率先して醸し出した可能性があります。
公立学校は「みんな仲良く」「みんな一緒に頑張ろう」という文化が強く、それがいじめの温床になりやすい。「みんな」という文化に入ってこないと異質だとみなすわけですから。
いじめ問題というのは実は、被害者より加害者の病理の方がより深刻です。自分の傷を癒やすために他人をいじめている場合も多く、精神医学的な対応が必要ですが、いじめをする子供たちは診療を受けには来ない。
別の子供との関係で虐げられているかもしれないし、親子間の虐待が他の子への攻撃性として出ているかもしれない。
ですが、ほとんどの親は自分の子がいじめをしていると気づいていません。
だから、いじめが分かったら双方の家庭を巻き込み、当事者全員に面接をして話し合わなければならない。その意味で、今回のケースでいじめた側の親に報告すらしなかったことは、とてもまずかった。当事者が認識を共有して一発で解決に導き、二度といじめを許さない雰囲気をつくらないと、いじめは水面下で陰湿化してしまいます。
中学生の各教科の習熟度は勉強が得意な子だと高校生並み、苦手な子は小学生レベルというケースもあります。
運動能力や社交性、性格も実に多様。「みんな一緒に」の理念だけで教室を運営するのは無理があります。本気でいじめ対策に取り組むのなら、日本の教育体制を根本的に見直す必要があります。(聞き手・森治文)

精神科医。著書に『自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体』など。

仙台香山

■いじめの対象、誰でもなりうる 香山リカさん(56) 精神科医
大人たちは「いじめが起こるのは、被害者と加害者との関係に何か問題あるからではないか」と原因と結果を論理立てて解釈しようとしますが、それは大きな間違い。残念ながら今の学校では、いじめは突然、何の前触れもなく、そして誰にでも起こります。
子供たちの話を聞いていて感じることは、今の子供は対人関係に非常に敏感だということです。自分がいま、「相手からどう思われているか」「私の言葉を相手がどう受け止めているか」を常に考えて行動し、言葉を発している。また、相手や周りから「何を期待されているか」「何を要求されているか」に過剰に気を使う。
子供はいつ何時、自分がいじめの対象になるかわからないということを、実によく知っています。いま、いじめられている子の次は自分がターゲットになるかも知れない。だから周りの微妙な空気の変化を察知することに全精力を使う。
学校関係者や保護者は、子供たちのちょっとしたしぐさ、そぶり、会話に注意して下さい。「うちの子は大丈夫」「我が家のしつけはしっかりしているから」とは思ってはだめ。繰り返しになりますが、いつでも、誰もが、被害者になり得るのです。
いじめの渦中にある時、自分に何が起こっているのか正確に把握できる子供なんて、まずいません。いじめている側も、いじめているという意識はありません。被害者は「いじめられているなんて思いたくない」と考えるし、加害者は「自分のやっていることは、よく話題になっているいじめなんかじゃない」と思いがちです。
これは学校関係者も同じかもしれません。子供たちが言い争いをしていても、「ふざけているんだろう」。追いかけっこをしていても、「活発な子供のことだから」と考えて、なるべく過小評価してしまいます。「うちのクラスでいじめがあるわけがない」と思い込もうとする。
まず、「これは、いじめだ」と早期に判断して対処を始めるべきです。そこから、すべてが始まります。(聞き手・石川雅彦)

立教大学現代心理学部教授。著書に『いじめるな!』(共著)、『若者の法則』など。

尾木

■先生の子供観がゆがんでいる 尾木直樹さん(70) 教育評論家
今回、仙台市で体罰をした2人の先生は、ごく普通の先生だったのだと思いますよ。教育熱心な、生徒に慕われている先生かもしれない。ただ、そんな先生が何げなく拳でたたいたり、口に粘着テープを貼ったりするようなことをしてしまう点に、仙台の異常さがあると思います。
そもそも、先生の子供観にゆがみがあるのではないでしょうか。授業中に周囲の雰囲気にかかわらずしゃべり続けたり、立ち上がって歩き回ったりする子供は、現代の教室では珍しくはありません。いまの教育現場は、クラスにそんな子もいることを前提に、教育活動をしていくことが常識となっているんです。
その子を「変な子」と異端視せずに、まず同じ目線になって「私はあなたの仲間よ」と伝え、その子の気持ちを理解しようとする。そこから、すべての指導が始まるんです。
今回の体罰に使われた拳や粘着テープは、「よそ者扱い」の典型的な例です。教育の基本原理・原則である「個に寄り添う」という理念を行政や現場が理解・共有できていないと思います。仙台の遅れは、そこです。まずは教師の側が子供の人権やいじめに対する感性を高めなければ、子供を守ることはできません。いま、しっかり、そこにメスを入れるべきです。
私はいろいろな教育現場を回っていますが、現場には素晴らしい志や能力を持つ先生がたくさんいて、日々頑張っている。
ただ、その本心を声に出すことができない、あるいは、彼らの声がなかなか実践に反映されていないような雰囲気がある。
これは仙台市だけの問題ではありません。
その原因の一つとして、教職員の過重労働問題があります。疲れ切っている先生たちは、正常で健全な心を持ち続けることが難しくなっているのでしょう。命の大切さやいじめが重大な問題であることは頭では理解している。しかし、その健全な正義感や問題意識、感受性が発揮できないところまで追い込まれているのかもしれません。そのような状況で真っ当な教育ができるわけはありません。(聞き手・石川雅彦)

法政大特任教授。著書に『いじめ問題をどう克服するか』『取り残される日本の教育』など。

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平成29年5月9日河北新報

<仙台中2自殺>市教委、市長へ遺族所見書

仙台中23 

奥山市長(右)に所見書を手渡す大越教育長=仙台市役所

 

 仙台市泉区の南中山中2年の男子生徒=当時(14)=が昨年2月に自殺した問題で、大越裕光市教育長は8日、市教委第三者委員会のいじめ問題専門委員会が調査結果をまとめた答申と、答申に対する遺族の所見書を奥山恵美子市長に提出した。遺族が望む新たな第三者委による再調査について、奥山市長は今月中にも可否を判断する考えを明らかにした。
 大越教育長は市教委がまとめた再発防止策も提出。特別な支援が必要な生徒を学校全体で把握することやスクールカウンセラーの活用、自殺予防教育の強化などの方針を奥山市長に説明した。
 報道陣に対し、奥山市長は「(再調査に関する)国の指針も参酌しながら可否を判断したい」と述べ、今後半月程度を目安として判断する意向を示した。
 答申は「いじめによる精神的苦痛が自殺の一因」としたが、いじめの具体的な態様や加害生徒は特定しなかった。

遺族は所見書で第三者委の刷新のほか、市長主宰の市総合教育会議で学校や関係教員の対応を検証するよう要望した。
 いじめ防止推進対策法は学校や教委がいじめの重大事案を調査後、首長の判断で再調査できると規定。

文部科学省が3月に策定した指針では、十分な調査が尽くされなかったり、調査委の人選の公平性や中立性に疑義があったりする場合、再調査を検討するよう求めている。

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