平成29年12月24日毎日新聞

15歳自殺の大島商船高専 同室学生にも「いじめ」

大島商船高専(山口県周防大島町)の1年生の男子学生(当時15歳)が昨年5月に自殺した問題で、別の2年生の男子学生(17)が適応障害の状態と診断されていたことが、毎日新聞の取材で分かった。学生は自殺した学生と同級生で、自殺後に同じクラスのグループからいじめられたと訴え、調査した教員からも威圧的な聞き取りを受けたと証言。学校は25日にも第三者調査委員会を開く予定だ。

責任流布で適応障害

自殺した同級生の遺族も第三者委の設置を要請。いじめが連鎖した可能性もあり、同じ学校にいじめを調査する二つの第三者委設置が検討される異例の事態となりそうだ。

学生や保護者によると、昨年5月、学生と寮が同室の同級生が自殺した後からいじめが始まった。同級生グループから、自殺は学生のせいといううわさを校内に広められた。自殺した同級生の寮の机に性的な本が入れられた時、学生は同室に居合わせただけで、いじめに加担したことはなかった。

止められなかったことを同級生にわびたが、翌日、同級生は自殺した。同室だったのは2日間だけだった。

その後も、同級生グループからは写真を勝手に撮られて笑いものにされたり、触れると汚い物に触れられたかのような仕草でばい菌扱いされたりした。

2年生になった今年5月、学生が体調不良を訴え「死にたい」などと漏らしたため、学校が教員らによる「いじめ対策委員会」を設置し、調査を開始。

7月には学生が適応障害の状態と診断された。

しかし、教務主事ら対策委の教員は面談で「どうして君は先生の言うことを聞かないのか」と学生を威圧したうえで「授業中に寝ている」「寮の部屋が汚い」などと詰問口調でただした。「寮生活で人間関係もうまくできないし、それがトラブルの原因にもなっている。落ち着くまで寮を離れたらどうか」と学生にいじめられる原因があるかのように言われ、保護者は一時的な退寮を促されたと感じたという。

学生は「今もいじめが続き、つらい、先生にも追い詰められた。でも、船乗りの夢があり、耐えてでも学校に行かないといけない」と話し、吐き気や睡眠障害などと闘いながらも通学を続けている。保護者は「早く解決しないと命に関わる」と不安を訴える。

調査にあたった教員は毎日新聞の取材に対し「強い口調だったつもりはない。調査で疑義があったことを聞いただけだ」と答えた。

保護者らの投書を受けた文部科学省が11月に学校設置者の国立高等専門学校機構を通じて学校に第三者委の設置を求め、25日にも初会合が開かれる。【土田暁彦】

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平成29年12月23日毎日新聞

大島商船高専自殺 遺族が第三者調査委設置の要望書

昨年5月、大島商船高専(山口県周防大島町)の1年生の男子学生(当時15歳)が自殺し、遺族が校内のいじめが原因の疑いがあるとして、代理人弁護士を通じて22日、同校に第三者調査委員会を設置して調査するよう要望書を送付した。同校は学内の調査でいじめはなかったとしているが遺族側は不十分として改めて調査を求めた。

要望書などによると、男子学生は寮生活をしており、昨年5月21日未明、寮を抜け出し、校舎から飛び降り死亡した。遺書は見つからなかった。

遺族が調査を求め、同校は同級生への聞き取り調査やアンケートを実施したが、今年6月までにいじめはなく自殺の原因は不明と結論付けた。

遺族側は要望書で、同級生の証言などに基づき、男子学生が入学直後の4月下旬ごろから上級生からや、部活やクラス内で「殺人鬼」とのあだ名で呼ばれ、自殺の前日には寮の部屋の机に性的な本が入れられ、気付いた男子学生が怒って窓から投げ捨てたことがあったなどと主張。

その頃から手首を複数回カミソリで切る自傷行為も目撃されていたとしている。

一方、遺族は自殺の当日に学校を訪れた際、校長から他の教員がいる前で男子学生の尊厳を傷付けるような発言を受けたとして謝罪も求めた。

同校側は発言を否定している。遺族は要望書で「息子の死から1年半以上たっているのに、自殺の原因が分からない。事実を知りたい」と訴えている。

要望を受け、学校側は第三者委を設置する方針。番場葉一事務部長は「ご遺族には不信感があるのかもしれない。学校としては寄り添ったつもりだった」と話している。【土田暁彦】

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