平成30年3月31日付朝日新聞

いじめ「対応怠った学校、保身」沖縄小4自殺で第三者委

2015年10月に沖縄県豊見城(とみぐすく)市の小学4年の男児(当時9)が自殺したのは、繰り返されたいじめが主な要因とする調査報告書を、市教育委員会が設けた第三者委員会が30日、公表した。適切な対応を怠った学校側を「自らを正当化し、保身を図る行為。教育者としてあってはならない」と厳しく批判した。

男児は15年10月、自宅で自殺を図り、その後、亡くなった。両親が真相解明を強く要望。弁護士や精神科医ら6人で構成する第三者委は2年以上かけて報告書をまとめ、記者会見した。

報告書や会見によると、男児は15年5月から10月にかけて、ズボンを下ろされたり、服を引っ張られたりして泣かされるなど、少なくとも5件のいじめを受けていた。いずれも担任の教諭が把握していた。

自殺を図る2週間前の定期アンケートには「いじわるをされている。どうすればいいんですか」と書いていたが、学校は「トラブルであり、いじめではない」と判断し対応しなかった。

報告書は、児童の自殺後も「いじめの実相を真摯に調査しようという姿勢が全くみられなかった」と学校の姿勢を批判。市教委についても「学校と一枚岩になって、同校を守ることに腐心していた」と非難した。

第三者委委員長の天方徹弁護士は「学校と市教委は完全にタッグを組んで、学校や教員を擁護する対応に終始した」と述べた。

報告書を受け取った市教委も会見を開き、照屋堅二教育長が「真摯に受け止める。改めて遺族におわびする」と頭を下げた。だが、保身を図ったという批判には「資料はすべて提供した。保身というのは、我々の思いとは違う」と反論。適切な対応をしていれば自殺を防げた可能性があったとの指摘には、「結果論としては受け止める」と述べるにとどめた。

遺族は「報告書の内容は事実に沿ったもので評価したい。これまで学校や市教委から誠意のある対応はなかったが、今後の対応を待ちたい」とのコメントを出した。(山下龍一)

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平成30年3月31日付朝日新聞宮崎版

中1いじめ自殺「再調査不要」 宮崎市長に答申

宮崎市の中学1年の男子生徒が2016年8月、いじめを示唆する遺書を残して自殺した問題で、自殺といじめの因果関係を認めた市教委第三者委員会の調査結果について、市いじめ問題再調査委員会は「再調査の必要はない」とする答申を戸敷正市長に提出した。

再調査委は医師や弁護士ら有識者5人からなり、第三委の調査結果について、文部科学省が示すいじめ調査のガイドラインに沿って進められていたかを検証していた。

答申では、市教委が加害者とされる男子生徒に行った聞き取り調査や全校生徒へのアンケートなどの調査方法、第三者委の人選の公平性に問題はなかったと判断した。

答申は29日、戸敷市長に手渡された。戸敷市長は4月5日、再調査をするかどうかの最終判断を発表するとしている。(小出大貴)

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平成30年3月29日付東京新聞

葛飾中3自殺 いじめ、第三者委が否定 区教委認定覆す

葛飾中3

調査結果を話すいじめ調査委員会委員長の平尾潔弁護士(右)=28日、東京・葛飾区役所で

東京都葛飾区で二〇一四年に区立中学三年の男子生徒=当時(14)=が自殺した問題で、区の第三者調査委員会は二十八日、いじめ防止対策推進法が定めたいじめの定義を用いず、部活動で他の部員から受けた「ジャージーを下ろそうとした」などの行為は「社会通念上のいじめではない」とする報告書を区に提出した。部員らの行為を「いじめ」と判断した区教育委員会と正反対の結論になった。 (飯田克志)

報告書などによると、生徒は一四年四月九日、部活動中の話し合いで所属チームが決まらず、大会に出られなくなる可能性が高くなり、座り込んで動かない状態になった。部員たちから霧吹きで水を掛けられ、ジャージーを下ろされそうになるなどした後、学校からいなくなり自殺した。

調査委は、いじめ防止法の「児童生徒が心身に苦痛を感じているもの」とする定義で判断しなかった。調査委員長の平尾潔弁護士は会見で「防止法は早期発見のためいじめを広範囲に定義しており、社会通念上のいじめと懸け離れ、適切ではない」と説明した。遺族代理人の三坂彰彦弁護士は会見で「防止法に基づく調査委が法律の定義を当てはめないのは不当な判断。報告書の再考を求め、再考されない場合は文部科学省に指導を求めることも検討する」と批判した。

区教委は部員たちの行為を防止法の定義に基づき「いじめ」と判断したが、継続的ないじめや遺書が確認されなかったことから、「自殺との因果関係はない」とした。区が一六年四月、遺族の再調査の求めに応じて調査委を設けた。

葛飾中31

調査委は、当日のチーム決めの話し合いは平穏に行われていたうえ、部員たちの行為は「日常的なふざけ」という共通認識があり、男子生徒を覚せいさせるためだったとして、いじめではないと結論づけた。自殺は「チームが決まらなかったことが原因となり、衝動的に及んだ」と推定している。

<いじめの定義> 文部省(当時)は1986年度、「自分より弱い者に対して、一方的に、身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じている」をいじめと定めた。2006年度には「一方的」「継続的」「深刻な」を削除して対象を広げた。11年に大津市で中2男子がいじめを苦に自殺したことから、いじめ防止対策推進法が13年に成立。広くいじめを認定するため「心理的または物理的な影響を与える行為で、対象の児童生徒が心身の苦痛を感じているもの」と定義している。

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平成30年3月28日付毎日新聞

埼玉・鶴ケ島の小6自殺 「いじめ」 市第三者審が報告書

埼玉県鶴ケ島市で昨年11月、小学6年生の女児(当時11歳)が自宅で死亡しているのが見つかった問題で、市の第三者審議会は27日、「(同級生からの)いじめが自殺の契機となったと推認できる」との報告書をまとめ、市教育委員会に答申した。昨年10月以降、主に同級生2人が女児に悪口を言ったり、カラオケ料金などを支払わせたりしていたという。

県警によると、女児は昨年11月17日、自宅敷地内で亡くなっているのが見つかった。2階の窓から飛び降りたとみられる。

報告書によると、同15日、「自殺したい」と話した女児に、この同級生が無料通信アプリ「LINE(ライン)」で自殺に追い込むようなやり取りがあったことが確認された。コンビニエンスストアでお菓子を買わされる様子を不審に思った店員が声を掛けると、女児は「いじめられている」と話したという。

学校についても「児童らとの信頼関係を築けず、いじめを把握できなかった責任がある」と指摘した。【仲村隆】

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平成30年3月21日読売新聞

校内のトイレで中1男子自殺か…埼玉・新座

埼玉県新座市の市立中学校で19日、1年生の男子生徒(13)が首をつって死亡していたことが、消防や学校などへの取材で分かった。

自殺とみられる。

消防などによると、同日午後3時半頃、男性教員が校内のトイレで男子生徒が首をつっているのを発見、119番した。男子生徒は病院に搬送されたが死亡した。教頭によると、男子生徒に変わった様子はなく、欠席も少なかったという。2月末に行ったアンケートでは、いじめをうかがわせるような記述もなかったという。教頭は「悩みがあったのなら、なぜ気付いてあげられなかったのかと責任を感じる」と話している。

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平成30年3月20日朝日新聞名古屋本社版夕刊

女児の頭を黒板に打ちつけた疑い、元教諭を書類送検

担任を務めていたクラスの小学2年生の児童に暴行を加えたとして、愛知県警は20日、同県豊橋市の元小学校教諭の男(43)を暴行の疑いで書類送検し、発表した。容疑を認めているという。

豊橋署によると、元教諭は昨年10月、勤務していた豊橋市内の小学校で、女子児童の髪をつかみ黒板に頭を打ち付けたほか、男子児童の頭を定規でたたいた疑いがある。今年2月、元教諭は体罰をしたとして同県教育委員会から停職6カ月の懲戒処分を受け、退職していた。

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平成30年3月20日読売新聞大阪本社版

中1男子自殺か、いじめ調査へ…大阪

大阪市の吉村洋文市長は19日、1月に市立中1年の男子生徒が自宅マンションから転落死し、自殺とみられることから、いじめの有無を調査する第三者委員会を設置する方針を示した。吉村市長は「よほどのことがなければ、命を絶たない。徹底的に検証したい」と述べた。

市教委によると、男子生徒は1月下旬の深夜、自宅マンションのそばで倒れているのが見つかった。9階の自宅ベランダから飛び降り、自殺したとみられる。

昨年5月、学校が行ったアンケートに生徒は、いじめられたことが「ある」と回答。教員が確認すると「小学校のときのことで、今は大丈夫」と説明した。2学期のアンケートには、いじめられているとは回答しなかった。生徒が亡くなった後、校内で行ったアンケートや聞き取りでも、いじめは確認されていないという。

市議会教育こども委員会で、議員が男子生徒の転落死への対応を質問。吉村市長は「簡単に『いじめは確認できていない』という学校や教委の態度は解せない。任せられない」と答え、弁護士らによる第三者委を早急に設置するとした。

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平成30年3月19日NHK

座間市のJR踏切で高校生自殺か

18日夕方、神奈川県座間市のJRの踏切で18歳の高校生が電車にはねられ死亡しました。 警察は、現場の状況などから高校生が自殺を図ったとみて詳しく調べています。 18日午後4時前、神奈川県座間市座間のJR相模線の踏切で、市内に住む高校3年の18歳の男子生徒が線路内に進入し電車にはねられました。 男子生徒は全身を強く打っていて、死亡しました。 警察によりますと、男子生徒は警笛がなる中、踏切をくぐって線路内に入っていったということです。 現場はJR入谷駅からおよそ600メートル北にある住宅街の中の踏切で、警察は、男子生徒が自殺を図ったとみて動機などを詳しく調べています。

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20180319/0009383.html

 

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平成30年3月19日付毎日新聞東京本社版夕刊

取手中3自殺 「いじめ隠蔽」、市教委謝罪へ 保護者会で

取手中3いじめ

大井川和彦知事(手前)に徹底した調査を依頼する中島菜保子さんの両親=水戸市笠原町の県庁で2017年11月6日午後2時30分、玉腰美那子撮影

茨城県取手市で2015年11月、市立中学3年の中島菜保子さん(当時15歳)がいじめを苦にする書き込みを日記に残して自殺した問題で、市教育委員会が24日、当時の同学年の生徒を対象に2年ぶりの保護者会を開く。市教委側が当初、自殺を隠して調査し、「いじめはなかった」とした対応を謝罪する予定

だが、「プライバシー保護」を理由に報道公開しない方針で、遺族は「何も期待できない」と話している。

保護者会は同日午後7時から、市役所藤代庁舎1階で開く。同学年だった元生徒約140人も出席できる。

市教委によると、県設置の第三者調査委員会が元生徒らへの聞き取りを行うことから、これまでの経緯を改めて説明し、謝罪するという。矢作進教育長のほか、当時の校長や教頭も出席予定。

報道公開しない方針について、市教委の小林幸典教育参事は「生徒のプライバシー保護のほか、質疑応答でさまざまな意見が出ることが予想され、(公開して報道されれば)一方的な印象を与えてしまう」と説明した。保護者会の後、報道陣に対応するかは不明。

毎日新聞が情報公開請求で入手した市教委の資料や菜保子さんの両親によると、市教委と学校は自殺直後、「受験を控えた生徒たちへの配慮」を理由に、自殺の事実を隠して「突然死」と生徒らに説明。保護者会は16年3月、卒業の2日前に開かれ、学校側は「いじめはなかった」と説明し、紛糾した。

再度の保護者会開催を求めてきた菜保子さんの父考宜さん(46)は、出席の意向を示したうえで「これまでの経緯もあるので公開すべきだとは思うが、今更何も期待できないとも感じる」と諦めの声を漏らした。【安味伸一、玉腰美那子】

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平成30年3月17日 東京新聞

川口いじめ放置 調査委、自傷の5カ月後

「認識に甘さがあり、いたずらに時を過ごしてしまった」。埼玉県川口市立戸塚中学校の三年男子生徒(15)の不登校はいじめが原因と認定した第三者調査委員会の報告を受け、川口市教委の井上清之学校教育部長は十六日、会見で反省の弁を述べた。いじめを直視せず「不登校の解消が先」という姿勢を続けた学校や市教委。いじめ自殺の遺族は「氷山の一角。教育現場は全く変わっていない」と指摘している。

男子生徒が入学間もなくから所属するサッカー部でいじめを受けて以来、母親は度々、部活顧問や校17長らに相談。二〇一六年九月に生徒が自傷行為をした後は市教委にも相談したが、市教委は「まずは不登校状態の解消が先。登校させた上で人間関係を修復する」という方針だった。サッカー部員の保護者会でも、男子生徒を登校させるための協力を呼びかけていた。

いじめ防止対策推進法では、命や財産を損なうような事案を「重大事態」とし、学校が速やかに調査し、被害者の要望で市教委が調査委を設置するよう求めている。生徒の自傷行為の後、母親から相談された県教委や文部科学省は再三、「法律をしっかり認識しているか。重大事態ではないか」と指導したが、市教委は「まずは不登校の改善を目指す」と回答し続けた。一昨年十二月下旬、文科省から市教委が呼ばれ、井上部長は「不登校解消といじめ解決は同時にやらなければならないということが分かった」という。

一七年二月の調査委設置後も、いじめについて「社会通念上で判断する」という独自の見解を母親に説明。中間報告では、いじめ行為として検討したうち、二項目しか認めなかった。これも県教委の指導を受け、最終的に七項目を認める結果になった。

いじめ自殺遺族で、いじめ防止に取り組むNPO法人「ジェントルハート プロジェクト」の小森美登里理事は「法律ができても学校現場は変わっていない」と嘆く。「文科省の指針やガイドラインを、ほとんどの学校は勉強していない。いじめが起きるとどうしていいか分からず認めない方向へ逃げる」と指摘している。

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