平成29年12月12日朝日新聞名古屋版

小学校教諭、児童7人に体罰 平手打ちなど計21件

愛知県半田市立小学校の50代の男性教諭が4~7月、担任する高学年の児童7人に計21件の体罰を加えたとして、市教育委員会が文書訓告処分にしたことが分かった。けがをした児童はいないという。

市教委によると、8月下旬に児童1人の保護者から体罰の訴えが市教委にあり、学級の全児童や保護者への聞き取りやアンケートを実施して、ほかの体罰も判明した。教諭は忘れ物を繰り返したり、友達をたたいたりした児童に、10センチほど離れたところから頭を平手やゲンコツでたたいたり、ほおを平手でたたいたりしたという。教諭は児童や保護者に謝罪して担任を続けているが、校長や教頭らが立ち会って2人態勢で授業をしているという。

市教委は県教委に報告し、11月15日付で教諭を処分。校長も口頭で厳重注意とした。いずれも懲戒処分に当たらないため、県教委の公表基準に基づいて公表しなかったという。加来正晴教育長は「教諭は深く反省しており、2度とこのようなことがないよう職員を指導したい」と話した。

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平成29年12月10日朝日新聞高知版

南国市教委幹部と遺族が面談 中3自殺

  南国市

市教委幹部との面談後、記者会見する川村正幸さん=南国市後免町2丁目

 

南国市立中学3年の川村嘉寛さん(当時15)が2015年9月に自殺した問題で、自殺の原因を調べた市教育委員会の第三者委員会報告書の内容を不服とする両親が9日、南国市役所で大野吉彦教育長ら市教委幹部と面談した。

市教委が昨年3月に公表した報告書では、自殺の原因は「複数の要因が関わった」とするにとどめていた。一方、両親は「いじめが直接の原因ではないか」と主張。第三者委の議事録が作成されず、議論の経緯も不明だと訴えてきた。

今年8月には、両親が市教委へ再調査を指導するよう求める要請書を文部科学省に提出。文科省側は「遺族への丁寧な説明がない」として遺族、市教委双方に話し合いを求めていた。

約2時間の面談後、嘉寛さんの父の正幸さん(49)が同市内で記者会見した。面談が実現したことは評価するとした上で、「報告書に不備があると認識してもらいたかったが、理解いただけなかった。遺族への寄り添いが軽い」と語った。

遺族側は面談で、生徒からの聞き取りで寄せられた「(嘉寛さんが)牛乳をかけられていた」などの情報の真偽や、学校の対応についての調査が報告書では不十分などと主張。「報告書で調査は尽くされている」との市教委側の回答に対し、正幸さんは「報告書が公正公平につくられたものではないという疑念が払拭できない」と話した。

正幸さんは「市教委はいつも受け身で、面談まで長い時間がかかった。ただ真実を教えてくださいというだけ。怒りや、やりきれない気持ちがある」とも話した。遺族側は今後、平山耕三市長と面談して再調査を求めたいとしている。

一方、市教委側は竹内信人教育次長が面談後に取材に応じ、「可能な限りの対応をしてきた」と振り返った。大野教育長は「今後も再発防止に向け、学校・家庭・地域・関係機関との連携をさらに図り、報告書の提言に基づいた取り組みを進める」と文書でコメントした。(菅沢百恵)

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平成29年12月8日京都新聞

中2男子死亡、第三者委が初会合 滋賀・守山

滋賀守山第三者委

第三者委員会の初会合であいさつする田代教育長(守山市役所)

 

11月30日未明に滋賀県守山市立中学校の敷地内で2年の男子生徒(14)が亡くなったことを受け、市教育委員会は7日、有識者による第三者委員会を設置し、市役所で初会合が開かれた。

市教委は自殺の可能性が高いと判断しており、第三者委はいじめなどトラブルの有無を含めた原因究明と再発防止策を探る。

大学教授や臨床心理士など5人で構成し、市教委は学校問題に詳しい渡邊徹弁護士を委員長に選んだ。

非公開で行われた会議は約3時間半に及んだ。委員が経緯を確認し、10月に同じ中学の女子生徒が自宅で自殺していたことも触れたという。渡邊委員長は「市には事実を全て開示していただき、われわれの中で検証し、必要な提言をしたい」とし「遺族の意向を確認してから進める」とした。

今後は学校や行政の課題、子どもを取り巻く環境変化への対応、地域との連携などについて議論を重ね、報告書をまとめる。

次回は17日に開く。

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平成29年12月7日毎日新聞

青森いじめ自殺 半年ぶり調査再開 後任を全員県外から

青森市立中2年の葛西りまさん(当時13歳)が昨年8月にいじめ被害を訴えて自殺した問題で、背景を調べる市教育委員会のいじめ防止対策審議会の会合が6日夜、東京都内であった。審議会は今春に報告書案をまとめたが遺族が不服を訴え、報告書を答申しないまま委員全員が5月末で退任。後任を全員県外から選び、約半年ぶりに調査を再開した。

新たな委員は弁護士や精神科医ら6人。会長に決まった野村武司弁護士(埼玉弁護士会)は「なるべくスピーディーに、しかし丁寧に審議したい」と述べ、葛西さんの同級生が卒業する今年度末までに報告書を完成させたいとの考えを示した。前の審議会の報告書案は「一つの資料にするが、一から審議する」とした。年内にも開く次の会合までに遺族の意向を確認する機会を設けるという。

葛西さんは昨年8月25日、いじめ被害を訴えるメモを残して命を絶った。前の審議会がまとめた報告書案は「思春期うつだった」などとする内容で、不信感を抱いた遺族が精神科医ら一部委員の解任を要望。しかし、市教委は解任はせず、任期満了で全委員7人(うち常任5人)が退任した。その後、新委員の選任に時間がかかり、半年以上調査が止まっていた。【一宮俊介】

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平成29年12月6日朝日新聞

鹿児島・高1自殺 いじめ否定に遺族「調査不十分」 

 

2014年8月に鹿児島市の県立高1年の男子生徒(当時15歳)が自殺した問題で、県教育委員会が設置した第三者委員会が報告書で「いじめがあったとは断定できない」と結論付けたことについて、遺族が5日、「生徒へのアンケートなどでいじめの事実が出てきたのに調査が不十分」と訴える意見書を県教委に提出した。

いじめ防止対策推進法は県教委の第三者委が結論を出した後も、知事が必要と認めれば再調査できると定めている。

遺族は「三反園訓知事に報告書のおかしさを知ってもらいたい」と話す。

男子生徒は14年8月20日、自宅で命を絶った。遺書はなかった。遺族の求めで学校が半年後、同学年の生徒や同じ部活動の生徒にアンケートを実施したところ「葬式の時に生徒がトイレで『ばれたらやばくない』と話していたのを聞いた」などの回答が複数あった。第三者委のアンケートや聞き取りでも同様の回答を得られた。

しかし第三者委は今年3月にまとめた報告書で、かばんの棚に未開封の納豆巻きが置いてあった▽隠されたスリッパがトイレから見つかった--などの事実を認定したが、葬式の時の生徒発言は「発言者や意図が不明」として「いじめがあったとは断定できない」と結論付けた。

これに対し遺族は意見書で、生徒発言の第三者委の評価について「自死に直結するいじめを推認させるのに、徹底調査をしていない」と指摘。「納豆」や「スリッパ」などの事実で「男子生徒は精神的苦痛を受けたと考えられ、いじめに当たる」と主張した。

さらに聞き取り調査は生徒は3人だったのに教職員は88人に上り、「教職員の回答をいじめを否定する方向で引用するなど公平性を欠いている」とした。

県教委高校教育課は5日、「報告書と意見書の内容を知事に報告したい」と話した。【樋口岳大、林壮一郎】

 

遺族が再調査を求める事例、全国で相次ぐ

教育委員会などが設置した第三者委の調査を不服として遺族が再調査を求める事例は全国で相次いでいる。

山口県周南市で昨年7月に県立高2年の男子生徒が自殺した問題では、県教委の第三者委が今年10月、学校生活の一部にいじめがあったことを認める報告書をまとめたが、部活の顧問による指導が適切だったかを判断しなかったため遺族が反発、知事に再調査を求める意向だ。

2015年に茨城県取手市立中3年の女子生徒がいじめを苦にする書き込みを日記に残して自殺した問題では、市教委設置の第三者委について、遺族が「中立性や遺族への配慮を欠く」として解散を求め、県が新たな第三者委の設置を決めた。

青森県立高2年の女子生徒が14年に自殺した問題のように、知事が実施を決めた再調査でいじめとの一定の因果関係が認められるなど結論が覆った例もある。

いじめ問題の調査に詳しい渡部吉泰弁護士(兵庫県弁護士会)は「第三者委には説明責任や独立性、被害者の視点に立った調査などが求められるが、それができていないから遺族が不満を持つ。遺族の『知りたい』という思いを最大限尊重する仕組み作りが重要だ」と指摘する。【樋口岳大】

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平成29年12月2日京都新聞

1カ月半で生徒2人自殺か 滋賀の中学、経緯説明

 

11月30日未明に敷地内で男子生徒が亡くなっているのが見つかった滋賀県守山市の市立中学校で30日夜、保護者説明会があり、校長が経緯を話した。同中学では10月にも女子生徒が自宅で自殺していたといい、保護者からは再発防止や生徒のケアを求める声が相次いだ。

説明会の冒頭、校長は1カ月半の間に生徒2人が亡くなったことに触れ「重く受け止め、(市が設置する)第三者を交えた委員会を通じて再発防止に取り組む」とした。保護者からは「先生へ相談できる環境づくりを」「不安を抱え登校しづらい子どもへのサポートはあるのか」との質問や意見が相次いだ。校長は「抜本的な学校活動の見直しを図り、スクールカウンセラーを常駐させる」と話した。

参加した1年生の保護者の男性は取材に「詳しいことは分からないとするが、どう対応するのかはっきりしてほしい」と話した。

1日は生徒約千人を集めた緊急の全校集会があり、男子生徒が亡くなった事実が伝えられた。その後各クラスで担任が各生徒と面談し、今回の事案に関していじめなどのトラブルがなかったかどうかなどを聞いた。

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平成29年12月1日京都新聞

滋賀・守山の中2自殺か 学校で発見、いじめ調査へ

滋賀県守山市立の中学校の敷地内で30日未明、この学校に通う2年の男子生徒(14)が亡くなっていたことが、市教育委員会への取材で分かった。市教委は自殺の可能性が高いとして第三者委員会を立ち上げ、校内でいじめなどのトラブルがなかったか調べる方針。

市教委によると、午前2時半ごろ、行方を捜していた教員が倒れている生徒を見つけ、119番した。現場で死亡が確認された。敷地内には一部が改修工事中の4階建て校舎と2階建ての仮設校舎、体育館などがある。これまでに学校で定期的に実施しているアンケートでいじめは確認していないという。

同中は30日は休校措置をとり、午後7時から保護者向けの説明会を開いた。1日に全校集会を開いて在校生に説明する。

市教委は学識経験者や弁護士などでつくる第三者委員会を立ち上げ、原因究明と再発防止策を検討する。田代弥三平教育長は「二度とこのようなことが起こらないよう、家庭、地域と連携し、万全を尽くして取り組む」とコメントした。

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平成29年12月1日東京新聞栃木版

足利工大付属高バレーボール部 男性コーチが体罰

バレーボール部で起きた体罰の経緯を説明する松下繁一校長(左)と馬場敏彦教頭=足利市で

足利大付体罰

足利市の足利工大付属高校のバレーボール部で、男性コーチ(66)が生徒を蹴ってけがをさせるなどの体罰をしていたことが三十日、分かった。同校バレー部は全国大会優勝経験もある強豪。

記者会見で松下繁一校長は「理由のいかんを問わず不適切な指導だった。大変申し訳ない」と陳謝した。

同校によると、コーチは三月末に教諭を定年退職するまでバレー部監督だった。その後は体育指導員としてコーチを務めていた。六月二十九日、女子マネジャーと交際を始めた二年生の男子生徒(17)を部活の練習中に呼び出し、正座をさせたまま胸などを蹴り、けがを負わせた。

部内では女子マネジャーとの交際を禁止していたといい、コーチは校内の調査に「指導の過程でかっとなってしまった。

反省している」と暴力を認めた。学校法人から七月に厳重注意と、部活動の指導停止十日間の処分を受けた。同校のバレー部では二〇〇八年、部員が下級生を殴ったり熱湯をかけてやけどを負わせたりする問題が発覚した。

 ◆3年前にも別の生徒平手打ち、厳重注意 「指導」生かされず

足利工大付属高校は、男性コーチが二〇一四年四月の授業中にも別の生徒を平手打ちし、当時の校長から厳重注意を受けていたことを明らかにした。

同校によると、当時教諭だったコーチは、授業で教室の黒板を消していなかったことから、一人の男子生徒を注意。その際、生徒の態度が悪かったとして腹を立てて、生徒の顔を一~二回、たたいた。

コーチから「感情的になってしまった」と報告を受けた同校は学校法人本部に連絡。「体罰はいけないと繰り返し指導してきている。二度と起こさないように」と当時の校長が注意し、コーチは「気を付けます」と応じたという。

今回の件では、コーチは教官室で生徒を正座させて「これは体罰だよな」と自らの行為の問題性を自覚したかのように言い、生徒が「自分が悪いので、これは体罰ではありません」と返答した後に暴力をふるったという。松下校長は「教員の資質に欠けるところがあったのかなと思う。三年前に平手打ちして指導を受けているのに本人の反省が足りなかった」と述べた。

コーチは厳重注意と出勤停止十日間の処分を受けた後、十月末まで指導を続けていた。松下校長は「厳しいところはあるが、

熱意があり、実力ある指導者として生徒たちはとらえていた」と弁明した。

コーチの処分を決めた学校法人の長江仁一・法人事務局長は「過去の事案に照らして判断した。このようなことが起きないように早急に対策を検討したい」と話した。

松下校長は「部員たちには非がない」として来年一月の全国大会に出場させると明言。コーチの体育指導員の契約を一七年度で打ち切る考えを示した。

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平成29年12月1日朝日新聞

中1自殺、いじめアンケを破棄 中学「問題ないと判断」

青森県東北町で昨年8月、町立中学1年の男子生徒(当時12)がいじめを訴える遺書を残して自殺した問題で、通っていた中学校が全校生徒を対象に、自殺の3カ月前に実施したいじめに関するアンケートの結果を破棄していたことが分かった。破棄した時期は不明という。

文部科学省が2013年に定めた「いじめ防止基本方針」は、いじめ問題の指導記録の保存を学校に求めている。

自殺について調べている同町の調査委員会は11月30日、学校側の対応に不備があったとする調査結果を、自殺した生徒の母親らに説明した。母親は「学校の不備がきちんと認められて納得した」と話した。

調査委などによると、破棄されたのは、昨年5月に行われたアンケート。母親によると、生徒は「からかいを受けている」

などと回答し、6月には担任教諭との面談で、特定の同級生にいすを蹴られることを「嫌がらせ」と訴えていた。生徒は昨年8月、「いじめがなければもっと生きていたのにね」と書いたメモを残して自殺した。

今年9月、調査委が中学校にアンケートの提出を求めたところ、中学校は「時期はわからないが、破棄した」と回答。

「アンケートでいじめを訴えた生徒がいなかったため、問題がないと判断した」と説明しているという。

文科省は指導記録の保存期間は明示しておらず、町教委もアンケートの管理は学校に任せていた。文科省は今年3月の「いじめ重大事態の調査に関するガイドライン」では、新たに「少なくとも5年間保存することが望ましい」としている。

(山本知佳)

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平成29年11月29日河北新報

仙台・南中山中生徒いじめ自殺 次回から会合公開

 

仙台市は29日、いじめ防止対策推進法に基づくいじめ問題再調査委員会(村松敦子委員長)の第3回会合を市役所で開き、泉区の南中山中2年の男子生徒=当時(14)=が2016年2月に自殺した事案について、次回以降の会合を原則公開する方針を固めた。  第3回までの会合は全て冒頭だけ報道陣に公開された。男子生徒の遺族が29日、会合の公開を求める要望書を委員会に

提出したことを受けて協議した結果、生徒や関係者のプライバシーに配慮した上で一般に公開する方針に転換した。遺族の傍聴も認められる。  村松委員長は会合終了後、「いじめの問題を広く知ってほしいという遺族の見解を踏まえた」と述べた。  委員の身分を巡り、遺族推薦の臨時委員が常任委員との区別を疑問視した問題では、再調査のたびに適任者を選任する

制度に変えるため、条例改正を求める意見書を年内にも郡和子市長に提出することを決めた。

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