【10月20日付 朝日新聞山形版】

◆ 調査報告書に遺族側意見書
天童市の市立中学校1年の女子生徒(当時12)が昨年1月に自殺した問題で、遺族側が19日、第三者委員会の調査報告書に対する意見書を市教育委員会に提出した。「いじめが自殺の主要な原因」とする結論を受け入れる一方、再発防止について、外観を取り繕うのではなく、実効性のある教育の内容・方法を検討して実践することを強く要望する、としている。
◆ 「外観取り繕うのではなく」 意見書は同日午前、遺族側の代理人を務める安孫子英彦弁護士が市教委に手渡した。意見書の中で遺族側は「報告書は、担任や部活動の顧問が(いじめに関する)十分な情報を得ながら過小評価して対応を怠り、学校として有効な対策がなされなかったと認定している」とし、「報告書で明らかにされたこれらの事実を受け入れたい」と記している。
また、学校と市教委に、報告書作成のために収集した資料をすべて開示することや、加害生徒と保護者を
速やかに指導することを求めている。
一方、再発防止策について、「対策を講じているような外観を取り繕うのではなく、本当にいじめを許さないという思いで、提言を実践してほしい」と要望。「教育の内容・方法についての突っ込みが不足している。
真に実効性のある教育の内容・方法を検討して公表し、実践することを強く要望する」と訴えている。
朝日新聞の取材に対し、安孫子弁護士は「報告書作成のために集められた資料が開示されていないため、結論以外に意見を述べることができない」と述べた。また、今回の問題について天童市の山本信治市長の考えを明らかにするよう求めたという。
報告書は今月5日、第三者委員会が市教委に提出。市教委は20日、報告書に遺族側の意見書を添えて山本市長に提出する予定だ。(井上潜)

◆ 小学校でいじめ認知件数 増加
県教育委員会は19日、県内の公立小・中・高校、特別支援学校で今年4~7月に認知したいじめ件数を発表した。小中高、特別支援学校計2629件で、前年度同期の2162件に比べて増加、特に小学校は1・5倍に増えた。
この日開かれた県いじめ問題審議会(会長・河野銀子・山形大教授)で県教委が報告した。
学校別では小学校1654件(前年度4~7月1074件)、中学校644件(同621件)、高校288件(同431件)、特別支援学校23件(同36件)。小学校ではすべての学年が増加し、特に5年生は前年度の117件から278件に増え、2・4倍近くになった。県教委は「全県統一アンケートや個別の面談によって、いじめを発見する学校側の感度が高まった結果」としている。
いじめの態様は、冷やかしやからかい、悪口など言葉によるいじめが6~7割を占め、前年度と同じ傾向だった。
審議会では、天童市の第三者委員会の調査報告書についても意見交換。部活動でのいじめ防止について、委員からは「部活動の目的は人格形成であって競争ではない。その認識を顧問の教員は持つべきだ」などの意見も出た。(米沢信義)

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【10月17日付 河北新報】

仙台市泉区の館中1年の男子生徒=当時(12)=が昨年9月下旬、いじめを苦に自殺した問題で、市教委は16日、原因究明に向けた追加調査を実施する方針を決めた。週明けにも、調査を行う第三者委員会に諮問する。
市教委は今月5日、男子生徒の校名を公表し、全校生徒や保護者に初めて説明したことを踏まえ、追加調査の環境が整ったと判断した。自殺の原因や背景分析のほか、学校と市教委対応の検証、再発防止に向けた提言を第三者委から求める方針。第三者委は11月にも全校生徒対象のアンケートを行い、結果をまとめ来年3月までに答申する予定。
大越裕光教育長は「自殺から1年以上経過後の調査になるが、一層の原因究明のためには実施すべきだと判断した」と述べた。
追加調査の方針は、市内であった臨時教育委員会で決定。委員からは「記憶が曖昧になった生徒も多いはず。十分配慮して調査してほしい」との意見が出た。
今回の問題で市教委は昨年11月、第三者委に調査を諮問。第三者委は、いじめに関わった生徒だけを対象に聞き取りして、ことし6月、いじめと自殺の関連性を認める答申を出した。
16日の委員会では、2学期初日の15日から館中に講師1人を増員したことも報告された。7日の保護者説明会で増員を求める声が上がっており、市教委は「教諭の負担を軽減したい」と説明した。
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【NHK仙台放送局】

調査委が生徒アンケート実施へ

仙台市の中学1年の男子生徒が去年、いじめを受けたあと自殺した問題で、仙台市教育委員会は全校生徒を対象にしたアンケート調査について、専門家からなる調査委員会に諮問することを決め、アンケートは調査委員会が実施することになりました。
この問題で仙台市教育委員会と男子生徒が通っていた中学校は、遺族の了解が得られたとして今月、中学校名を発表し、全校生徒や保護者に事実関係を説明しました。
これを受けて、仙台市教育委員会は、全校生徒を対象にしたアンケート調査を行うことにし、16日、臨時の教育委員会が開かれ意見が交わされました。
5人の教育委員からは「いじめが1年以上前のことなのでアンケートは慎重に行ってほしい」とか、「専門家に任せた方が良い」などの意見があがり、アンケート調査を専門家からなる調査委員会に諮問することを決めました。
今後、調査委員会がアンケートの方法や質問項目などを決めることになります。
仙台市教育委員会の大越裕光教育長は「いじめがあった結論が変わることはないと思うが、これまで分からなかった詳細が分かるかもしれない。遅すぎたことは否めないが、早急に調査を依頼したい」と話していました。
http://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20151016/5736651.html

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【10月16日付 朝日新聞大阪本社版】

2011年、大津市立中学2年の男子生徒(当時13)がいじめを受け自殺した問題を受け、市教育委員会は15日、子どもの心身に重大な被害をもたらしたいじめなどに関して学校が児童生徒に実施するアンケート結果について、被害者側に開示する基準案を策定し、明らかにした。いじめと確認すれば加害者名を被害者側に提供すると明記している。
市教委によると、いじめ防止対策推進法は被害者側への対応について「必要な情報を適切に提供」と規定しているが、提供する情報の範囲は定めず、これまで開示基準を定めた自治体もないという。文部科学省によると、各教委が個別のケースに応じて判断している。
市教委は、被害者側にとって加害者名を「事実に関する情報の要素として不可欠」と判断。
いじめを助長したと考えられる児童生徒の氏名も「必要な場合は伝える」とした。アンケートに答えた児童生徒の名前は原則提供せず、伝聞情報は事実確認できなければ伝えないとした。
中2の男子生徒が自殺した11年のいじめ問題で、全校生徒へのアンケート結果を情報公開請求した遺族に対し、市教委は大半を黒塗りで開示。遺族が市を相手取った損害賠償請求訴訟で、大津地裁は14年1月の判決で「個人情報保護条例の解釈を誤った違法性があった」と認定した。
開示基準は今月中に策定を終え、各校に周知する。(奥令)
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【京都新聞】

いじめ調査、被害者に開示へ 大津市教委、加害者名も

いじめなど重大事案が起きた場合に学校が子どもたちに実施する調査について、大津市教委は公表基準を新たに設ける。特に、被害者やその保護者などに対しては情報公開請求を受ける前に事実関係を伝えるほか、いじめなどの行為が確定すれば、被害者救済の観点から被害者に対し加害者氏名などの情報も開示する。
学校による調査結果は「今後の調査に支障が出る」などとして被害者に事実関係すら開示しないケースがあり、全国的に問題となっている。公表基準を設けるのは大津市が初めてで、近く決定し各学校に伝える。
公表基準案によると、公表対象は、いじめによる自殺や心身への被害、不登校などのほか、体罰や恐喝、学校内での事故など、重大事案についての調査結果。
被害者側に公表する範囲は、いじめなどの事案のあった時期や内容、加害者の氏名、学校の対応など、調査で明らかになった事実関係。被害者本人の個人情報なども伝える。伝聞などで事実を確認できなかった情報や、調査に回答した子どもの氏名は開示しない。
被害者側の意向に沿った調査とするため、調査前に調査実施の承諾や情報開示の範囲、公表時期などについて、被害者側と協議する。調査対象となる子どもの保護者にも情報開示の範囲などを事前に説明する。
2011年10月に市内の中学2年の男子生徒がいじめを苦に自殺し、大津市教委はその際の調査結果を
事実上非開示とした。遺族が情報開示を求めて訴え、大津地裁が14年1月に違法性を認定。市教委は「原因を知りたいという遺族の心情を損なった」と謝罪し、文部科学省も明確な公表基準を策定していない
ことなどから、公表基準づくりを進めていた。

■全国基準になり得る
大津いじめ事件で遺族の代理人を務める石田達也弁護士の話 公表範囲は全国的にばらつき、どこに住んでいるかで著しく差がある。大津市は開示できる最大限の範囲を示したといえ、意義は大きい。
文科省とも協議の上で作成したといい、全国基準になり得る。被害者救済の視点を入れたのも画期的だ。
被害者に加害者情報が開示されないと、被害者側は訴訟も、対応を求めることもできなかった。加害者情報
開示には慎重な声もあるかもしれないが、開示は加害者にとっても事実に向き合って内省し、更生する
きっかけになるはずだ。
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【NHK大津放送局】

大津市がいじめ調査公表基準案

大津市教育委員会は、いじめによる自殺など子どもたちに大きな影響が出た場合に行う調査について調査対象となる事案や結果の公表の基準などをまとめた案を示しました。
4年前、大津市で中学2年の男子生徒がいじめを苦に自殺した問題では、学校が全校生徒に行ったアンケートの結果を生徒の保護者に開示した際教育委員会がほとんどを黒塗りにするなどしたため遺族が精神的な苦痛を受けたなどとして賠償を求める訴えを起こし、市が敗訴しています。
また、生徒の自殺がきっかけとなって作られた「いじめ防止対策推進法」ではいじめによる自殺など子どもに重大な事態が起きた場合、学校などが調査を行い、事実関係を保護者や子どもに伝えることを義務づけています。
これらをふまえ、大津市教育委員会は、学校によって対応にばらつきがないよう調査の対象や結果を公表する際の基準を作り、その案を15日の教育総合会議で初めて示しました。
案では、調査の対象をいじめによる自殺だけでなく、暴行や恐喝、体罰それに、学校生活に関わる事故で原因がわからなくても子どもの命や心身に重大な影響が生じた疑いがある場合などに広く適用するとしています。
そして、結果については、個人情報を判別できないよう転記して資料の一覧を提供するなど極力、開示する仕組みにしたとしています。
教育委員会によりますとこうした基準の作成は、全国でも珍しいということです。
大津市教育委員会の井上佳子教育長は、「この基準を作ることで、どの学校でも同じレベルで公表できて
大変意義がある」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/lnews/otsu/2065662671.html?t=1444983894439

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【10月13日付 神戸新聞NEXT】

2007年に兵庫県立龍野高校(たつの市)テニス部の練習中に倒れ、寝たきりとなった同県太子町の女性(25)と両親が県に損害賠償を求めた訴訟で、女性側は13日、県に介護費用など約2億3千万円の支払いを命じた大阪高裁の判決を不服として県が上告した最高裁を訪れ、上告棄却を求める要請書を提出した。
女性は梨沙さん。事故当時は同校2年の硬式テニス部キャプテンで、練習中に不整脈を発症し倒れた。
今年1月、二審の大阪高裁判決は、不整脈の原因を熱中症と認定し、顧問教諭には指導義務違反があったと指摘し、学校側の責任を認めた。県は2月に上告した。
両親らは判決の維持を求めるため、3万8425人分の署名を集め、最高裁に提出。東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、父の正則さん(52)は「今後、学校で同じような不幸な事故を出したくない」、母の弘美さん(53)は「県にはせめて当時何があったのか、どうすれば事故を防げるのかを考え、取り組んでもらいたかった」と話した。(藤森恵一郎)
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【NHK神戸放送局】

部活中事故 最高裁に署名提出

8年前、兵庫県の県立高校で部活動の練習中に倒れて重い障害が残り、県に賠償を求めている女子生徒と家族が、13日最高裁判所を訪れ、学校側の過失を認めた2審の判決を確定させるよう求める署名を提出しました。
この裁判は、平成19年5月、兵庫県立龍野高校で2年生の女子生徒がテニス部の練習中に倒れ、重い障害が残った事故をめぐり、本人と両親が学校の安全管理に問題があったと訴えているものです。
1審の神戸地方裁判所は訴えを退けましたが、2審の大阪高等裁判所は、熱中症が原因と認めた上で、顧問の教師が長時間の練習を指示するなど学校側の対応に過失があったと指摘し、兵庫県におよそ2億4000万円の賠償を命じました。
判決を受けて兵庫県は、「倒れた原因は熱中症ではなく、顧問の教師が熱中症を防ぐために練習を軽くする義務もない」などとして上告しています。
これについて、女子生徒と家族は、13日、最高裁判所を訪れ、兵庫県の上告を退けて2審の判決を確定させるよう求める3万8000人あまりの署名を提出しました。
このあと家族は、東京・霞が関で記者会見を開き、女子生徒も車いすに乗って同席しました。
母親は、「娘を守ってやれず無念でなりません。熱中症による学校の事故をなくすためにも最高裁判所には2審の判決を確定させてもらいたいです」と訴えました。
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/2025593341.html?t=1444740954815
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【読売テレビ】

熱中症訴訟 学校に責任…最高裁に申し入れ

8年前、兵庫県立高校の部活動中に倒れ、寝たきりとなった女性の両親らが「学校が安全配慮義務を怠ったため、娘は熱中症で倒れた」として、兵庫県と係争中の裁判で、家族は13日、学校側の責任を求めて最高裁判所へ申し入れを行った。この日、最高裁判所を訪れた家族。娘の梨沙さんは、兵庫県立龍野高校の2年生だった8年前の5月、テニス部の練習中に倒れ、一時、心肺停止の状態となった。
幸い、一命は取り留めたものの、脳に酸素が十分届かず、重度の障害が残った。父の正則さんは「目も見えない、話すこともできない、食べることも手足を動かすこともできない、残念ながらそういう状況です」と話す。当時、テニス部のキャプテンだった梨沙さん。本来、練習に付き添うはずの顧問が、その日は出張のため不在だった。練習最後のランニング中に梨沙さんは意識を失ったのだ。両親らは「学校側が安全に配慮する義務を怠ったため、梨沙さんが熱中症で倒れた」として兵庫県を提訴。
一審の神戸地裁では、訴えは棄却されたが、ことし1月の大阪高裁は、梨沙さんが熱中症に陥ったと認定。
将来の介護費用などおよそ2億3千万円の支払いを兵庫県に命じた。その後、兵庫県は大阪高裁判決を
不服として、最高裁に上告している。兵庫県教育委員会事務局体育保健課の船田一彦課長は「熱中症が
多発する時期ではない5月に、専門家でない顧問教諭が熱中症を予見するということは不可能」という。
「娘のような事故を、繰り返してほしくない」。両親は、最高裁判所でも学校側の責任が認められるよう署名活動を続けてきた。そして13日、梨沙さんと両親は集まったおよそ3万8千人分の署名を手に最高裁判所へ。
兵庫県の上告を棄却し、学校側の責任を認めるよう申し入れを行った。正則さんは、「何も変わらない、何も安全に対して考えていけない兵庫県には、我々が声を上げていかないと同じような事故が繰り返されてしまう。
同じような事故があってはならないという思いで、署名を提出させて頂きました。我々の主張が極めて当たり前だということを、最高裁には判断して頂きたいです」と訴える。8年前の部活動中に起きた事故の責任は誰にあるのか。梨沙さんと家族らは、最高裁の判断を待つ。
http://www.ytv.co.jp/press/kansai/D10596.html

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【10月12日付 京都新聞】

いじめを苦に男子生徒が自殺してから4年目の11日、黙とうをささげる桶谷教育委員長(右)や越市長(右から2人目)ら=大津市役所

大津市の中学に通う男子生徒=当時(13)=がいじめを苦に自殺してから、11日で4年となった。大津市役所では、市教委や市職員ら35人が集まり黙とうをささげ、いじめで苦しむ子どもをなくすため、徹底した対策に取り組む思いを新たにした。
市はこの日を「行政の重い責任をあらためて認識し、二度とこのような事件が起こらないよう取り組んでいく日」と位置付けている。黙とう後、越直美市長は「いじめ対策は当然、市や市教委、学校が行うが、市民の皆さんもいじめをなくす輪の中に入ってほしい」と、全市的に取り組む必要性を訴えた。
市や市教委はこの間、各学校にいじめ対策担当教員を配置するなど対策に力を入れてきた。いじめの相談、認知件数も年々増え、従来なら表に出なかったようなケースも把握できるようになってきているという。
桶谷守教育委員長は「一定の効果はあったが、まだ道半ば」と振り返り、越市長も「組織や制度は変わったが、最後は一人一人の意識が変わるまでやらないといけない。対策が子どもに届いているか、私たちが子どもの声を聴けているか、徹底して取り組む」と述べた。

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【10月10日 河北新報】

天童一中1年の女子生徒=当時(12)=が昨年1月に自殺した問題で、「いじめが主要な原因」と認定した第三者調査委員会の報告書を受け、当時の担任と部活動顧問らが初めて遺族に謝罪していたことが9日、遺族への取材で分かった。
同校の教頭とともに7日に遺族宅を訪問した。担任らは「かけがえのない命を守ることができなかった。
対応に不十分さがあった」と頭を下げたという。
母親は「学校にはいじめについて相談していたのに、なぜ対応してくれなかったのか」と訴えた。
山本信治天童市長もこの日焼香に訪れたが「学校の設置者として責任がある」と述べるにとどまったといい、遺族は「明確な謝罪の言葉がなかった」と疑問視した。山本市長は9日、取材に対し「責任があるという発言に謝罪の意も込めた。言葉足らずであったなら、遺族に大変申し訳ない」と話した。

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【10月10日付 京都新聞】

息子の自殺から間もなく4年を迎えるにあたり心境を語る父親(大津市役所)

いじめを苦に2011年に自殺した大津市の中学2年の男子生徒=当時(13)=の父親(50)が9日、大津市役所で会見した。男子生徒の死を受け、国はいじめ防止に向け法整備もしたが、依然としていじめが原因とみられる自殺が全国で相次ぐ。父親は「息子が亡くなった時と変わらない現状が今なお存在している」と、やりきれない胸の内を明かした。11日には、男子生徒の4回目の命日を迎える。
大津市の事件以降、国は13年にいじめ防止対策推進法を施行し、全国の自治体や教育委員会にいじめ防止基本方針の策定など対策を求めてきた。しかし、今年7月に男子中学生が自殺した岩手県矢巾町では、町教委が基本方針を策定したのに生かされないなど、いじめを防げず生徒が命を落としたとみられるケースが繰り返されている。
父親は同町をはじめ、事件の起きた各地の教育委員会と事件を防ぐため話し合いを続けている。
その中で「なぜかどこでも教師は事案を認識していたのに抱え込んでいたり、学校長や教育委員会の責任が問われないことが多い」と指摘。問題点として「いじめは発生してはならないという上からの圧力があるように強く感じた」という。そのうえで「いくら法整備が行われても、教育従事者の意識が変わらなければ生徒の命を救うことはできない」と訴えた。
会見には越直美市長らも出席。来年9月の同法見直し時期を見据え、遺族、市、市教委が連携し、国に対策の実効性を高めるため法改正などを求める方針も表明した。
事件をめぐっては、大津家裁が14年3月、いじめたとされる同級生3人のうち、2人を保護観察処分、
1人を不処分とした。民事裁判で損害賠償を求めた遺族は今年3月に市と和解したが、同級生側との訴訟は続いている。
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【朝日新聞滋賀版】

「法が形骸化」遺族が会見 いじめ自殺から4年

会見で心境を語る男子生徒の父親=大津市役所

いじめを受けた大津市立中学2年の男子生徒(当時13)が自殺して11日で4年になる。生徒の父親(50)が9日、越直美市長らと大津市役所で会見し、「いじめが原因で命を落とす子どもは後を絶たない。息子が亡くなった時と変わらない現状が今なお存在している」と思いを語った。
父親は、全国で起きるいじめ問題の現場に足を運び、遺族らと連携して教育委員会との交渉にあたるなどしている。
会見では生徒の自殺などを受けて2013年に成立した「いじめ防止対策推進法」に言及。今年7月、岩手県矢巾町でいじめを受けた中学2年の男子生徒が自殺した問題を挙げ、「法が命を守ってあげられなかった」「法と施策は簡単に形骸化することが明らかになった」と述べた。
また山形県天童市でいじめを受けた中学1年の女子生徒が14年1月に自殺した問題で、今月5日に第三者委員会の報告書がまとまったことに触れ、「第三者委が調査を終えるのは1年を超えるケースがほとんど」と指摘。国に対し、重大事案が起きたときの第三者委のすみやかな設置を求めていく方針を明らかにした。
「息子に背中を押されるように真相究明を求め、国への法整備を求めてきた」と4年を振り返り、「なぜ息子を救えなかったのか」と涙をぬぐう場面もあった。

■「徹底して子の声聞く」越市長
「組織や制度は変わったが、まだまだ、教員一人一人の意識が変わるまで徹底して子どもの声を聞く」。
越市長は会見で、引き続きいじめ対策を重要課題として取り組む決意を述べた。
市教委はいじめにつながる子どもの小さな変化を見落とさないように、13年度から市立小中学55校に
「いじめ対策担当教員」を配置した。忙しい学級担任をさせず、相談内容を市教委に伝えて助言を仰いだり、協議のまとめ役をしたりする。各校ではいじめ対策委員会を常設し、教員間で子どもの情報を共有している。
また、いじめ問題で市教委の事実究明が後手に回り批判を受けたことから、市長部局に「いじめ対策推進室」を設置。弁護士や臨床心理士ら5人が電話や手紙などによる相談にあたる。
市教委によると、市内の市立小中学校のいじめ認知件数は11年度からの4年で、60件から423件と増えた。
市と市教委は、教員の問題意識が高まったことや、子どもが相談しやすい環境になったことが増加の要因と
みている。会見に同席した市教委の桶谷守・教育委員長は「まだ道半ば。いじめ問題に組織で対応できる態勢をつくっていく」と述べた。(奥令)

〈大津いじめ問題〉
男子生徒の自殺から9カ月後の12年7月、中学が実施した全校生徒へのアンケートに「自殺の練習をさせられていた」との記述があったことが発覚。市の第三者調査委員会は13年1月、「いじめが自殺の直接的要因」とする報告書をまとめた。今年3月、遺族が市や元同級生側に損害賠償を求めた訴訟で、遺族側と市が和解。元同級生を相手取った裁判は現在も続いている。
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【読売新聞滋賀版】

大津中2自殺4年 いじめ、教育者が意識を ◇父親が会見「現状変わらず」

いじめを受けていた大津市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺し、11日で4年となるのを前に、男子生徒の父親(50)が越直美市長らと9日、市役所で記者会見し、再発防止に向けて教育現場の
意識強化と法制度の見直しを求めた。(池内亜希)
会見の冒頭、父親は「息子が亡くなってから『いじめで命を落とすのは僕を最後にしてほしい』と言われているような気がして、いじめの真相究明や国への働きかけをしてきた」と振り返った。
大津市の事件後も、いじめによる自殺は後を絶たず、父親は各地で遺族を支援してきた。いじめを訴えていた中学生が7月に自殺した岩手県矢巾町に赴いた際は、息子の死がきっかけで2013年9月に施行された「いじめ防止対策推進法」に基づく基本方針が、町や学校で作られていたにもかかわらず、悲劇が防げなかった現状を目の当たりにした。
会見では、「息子が亡くなった時と変わらない現状が今なお存在している。いくら法整備が行われ、素晴らしいマニュアルが作られても、教育者の意識が変わらなければ命は救えない」と強調。
文部科学省が結果を公表しているいじめに関する調査についても、「学校が『問題は解決した』と判断すれば、被害に遭っている子どもが『解決していない』と思っていても問題としてカウントされない」と指摘し、子どもたちのサインを見逃さず、校内や関係者間で問題を共有するよう求めた。
重大事案発生時、外部有識者らでつくる「第三者調査委員会」が、各地でスムーズに設置されていないことにも
言及。同法の見直しに向け、設置要綱のモデルを大津市と検討し、年内にも国へ示していく決意も語った。
市教委関係者らと会見に同席した越市長は「法整備後も、大津市の反省、教訓が生かされていない実態がある。
法改正の必要性を共に訴えていきたい」と述べた。
◇認知、最多1331件 「教員が発見」3割未満
文部科学省の児童生徒の問題行動調査(2013年12月現在)によると、県内の国公私立小中高、特別支援学校のいじめ認知件数は、過去最多の1331件(前年893件)、1000人あたりで7・8人(同5・3人)となっている。
調査では認知件数の95%で「問題が解消している」と報告されているが、認知されないまま深刻化する事態も考えられ、引き続き教委や学校、家庭などが連携した対応が必要だ。常に子どもたちが相談しやすい環境を整えることも重要になる。
県内では、いじめ発見のきっかけで、「教職員らが発見」が28・2%(全国68・1%)と低く、県教委は「早期にいじめの芽を摘むため、家庭などと連携し、更に子どもたちとの信頼関係を築いていきたい」としている。(猪股和也)
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【NHK大津放送局】

いじめ自殺4年で遺族が会見

大津市でいじめを受けた中学2年の男子生徒が自殺してから11日で、4年になります。
これを前に男子生徒の父親が会見し、全国でいじめが原因で子どもが亡くなる事案が絶えないことについて、「子どもの命を救うはずの法律や施策ができても、簡単に形骸化している」として、今後、大津市などとともに国に法律の見直しを要望していくことを明らかにしました。
いじめを受けた中学2年の男子生徒が自殺してから4年になるのを前に、9日、男子生徒の父親が、大津市
役所で会見を開きました。
この中で父親は、「4年がたちましたが、なぜ救えなかったのか、先生が伝えてくれていたら救えていたのではないかと今でも思い出します」と述べました。
また、おととし「いじめ防止対策推進法」が成立したにもかかわらず、いじめを受けた子どもの自殺が相次いでいることについて触れ、「息子が作った法律だと思いたいが、同じような状況は変わらずにあり、亡くなった子どもや遺族に申し訳ない気持ちです。同時に法律や施策が簡単に形骸化することが明らかになりました」と述べました。
その上で、「すばらしい方針が作られても教育従事者の意識の変化がなければ命を救うことはできず、命の
守られ方が地域によって違うのが実情です」と法律を生かせていない教育現場を批判し、市や市の教育委員会とともに、実効性のある法律への見直しや具体的なガイドラインを、国に提言していくことを明らかにしました。
http://www3.nhk.or.jp/lnews/otsu/2065384311.html?t=1444429653297

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【10月8日付 河北新報】

天童市は7日、河北新報社の情報公開請求に対し、天童一中1年の女子生徒=当時(12)=が昨年1月に自殺した問題について、「いじめが自殺の主要な原因」と明記した第三者調査委員会の報告書を開示した。市個人情報保護条例に基づき、氏名などの個人情報、教育的配慮からいじめの具体的行為は黒塗りにして伏せて公開した。
報告書はA4判134ページ。実質的に(1)いじめと自殺との因果関係(2)学校の対応(3)再発防止の提言(4)自殺後の学校と市教委の対応-で構成されている。
報告書は、いじめは身体的攻撃を伴わない集団での悪口や嫌がらせ、無視、仲間はずれなどで、多大な心理的苦痛が女子生徒を自殺に追い詰めたと認定した。
いじめはクラスと部活動で継続してあったが、教師は連携を怠り、部活動で対策を取る義務の認識が欠如していたと指摘。いじめに対する教師の理解と意欲を欠き、場当たり的対応にとどまったと強調した。
個々の教員が兆候となる情報を得ながら、学校で組織的に共有する意識にも欠け、対応する組織も機能しなかったと批判した。
事実認定を踏まえ、提言は8項目に及んだ。第三者委の野村武司委員長は5日、報告書提出後の記者会見で「二度といじめにより子どもの命が失われないように、検証内容と提言を防止対策に役立ててもらいたい」と述べた。
第三者委(委員6人)は昨年11月末の発足以降、28回の部門別会議、13回の委員会を開催して報告書をまとめた。

<天童いじめ自殺>第三者委報告書要旨
報告書の内容の要旨は次の通り。黒塗りされた部分を含め、文脈から判断して補った箇所はかっこ内で示した。

【いじめと自殺との因果関係】
(女子生徒)は2013年4月、当該中学に入学した。(女子生徒の)クラスでは(加害生徒らが)女子最大グループを形成。遠慮なく大声でしゃべるグループで、(加害生徒は)人の悪口を言うことで話題の中心になろうとした。(女子生徒は)クラスではおとなしく、1人でいたり小説を読んだりすることが多かった。
グループには異質な雰囲気に思え、気に食わなかった。反応が大人っぽくクールに見え、親しく話しかけても流される感じがあり、いら立ちを覚えたと見る生徒もいる。
(女子生徒の)ちょっとしたことを捉え、悪口もあった。発言に対し、あまり表情を変えなかったが、7月上旬ごろ「私何か言われている?」と尋ねたことがあり、気付いていたと思われる。対象は(女子生徒)だけでなかったが(女子生徒)への悪口が一番ひどくなり、週2~3回はあるようになった。担任は(女子生徒)への悪口を気に掛けており、信頼できる生徒に、悪口を見掛けたら「やめた方がいいと言ってくれ」と頼んだ。担任は「(加害生徒は)問いただすと言い訳する生徒で、確証が取れないことは指導できなかった」などと述べている。夏休みが明けて悪口は継続し、11月になると常態化。黒板に書くこともあり、嫌がらせは無視する働き掛けに変わっていった。
(女子生徒)が入部した(ソフトボール部)は、1年生が三つのグループに分かれた。部活動の雰囲気に影響力を持つグループが、(女子生徒に)悪口とともに対立的な態度を取るようになった。1年生の人数が奇数で、ペアで行う(キャッチボールなど)の練習時には1人になることが多かった。(女子生徒は)6月ごろ母親に「いじめ」という言葉を漏らし、母親は担任に相談した。
7月1日の部活動中に(女子生徒)の頭部に(バット)が当たる事故があった際、両親は部活動を辞めるよう提案したが、「内申書に響くから」と退部には至らなかった。7月24日の(担任との)2者面談で、母親は部活動やクラスでの様子が心配だと伝えたが、孤立した状況の改善は見られなかった。
部活動の顧問は、特定の部員に悪口を言い、部内の雰囲気が悪くなっているとして、9月に1年生だけのミーティングを開いた。顧問は思っていることを陰口でなくみんなの前で言うよう指示した。(加害生徒を含む部員が女子生徒に)不満を述べたり、自分を変えるよう発言。(女子生徒は)「仲間外れにしないでください」「明るくなります」と泣きながら話した。
3学期始業式当日の(14年)1月7日、(友人)と一緒に登校した(女子生徒)は途中で様子が変わり、線路の方に向かった。「学校に行きたくない」「死にたい」「学校・部活・嫌だ」と言いだし、(友人に)「先に行ってていいよ」「早く電車来ないかな」と発言、「バイバイ」と手を振った。その後、午前7時55分ごろ、(JR山形新幹線にひかれ)自殺した。
本事案のいじめは「身体的攻撃」はほとんど認められず、悪口や陰口といった「言語的攻撃」と集団からの排斥といった「社会的攻撃」を中心とした「集団いじめ」と判断できる。いじめは(加害生徒)のみで行われたものでは決してなく、いじめ行為を同調・助長・加担していった周囲の加害生徒、暴走を傍観した多数の生徒や教職員がいることを忘れてはならない。
「いじめ」の傍観者のみならず、直接の加害生徒ですら「いじめ」に対する当事者意識や内省が明らかに不足していることも特徴である。学校におけるいじめが続いていなければ、(女子生徒の)自殺が生じていた可能性は非常に低いと判断でき、いじめ被害を受けたことが自殺の主要な原因であると判断できる。

【学校の対応】
本事案は、クラスと部活動の両者にまたがり起こった。当該中学は部活動を重視し、全員加入が原則で、3年間続けることを念頭に部活動を選択させる。学校生活で部活動が占める割合は大きい。部活動にもいじめ防止対策を含む安全義務がある。当該中学は、危険防止という意味の安全義務への配慮はあったが、生徒間の人間関係に起因するいじめ防止等対策義務が、意識されていたとはいえない。技術面のスキルを重視する一方、人間関係の問題は無方針で、当該中学のいじめ防止等対策の仕組みとの接合もなかった。
担任はクラスでの悪口が、部活動を含め(女子生徒に)及んでいることは容易に想像できたはずだが、相対的に情報を小さく評価し、顧問と連携したり中学全体の問題として共有したりしていない。6月中旬ごろ(女子生徒の)母親が、部活動でいじめられている、少なくとも孤立しているとの相談を担任にした。これは部活動の顧問に伝えられ、校内の教育相談・特別支援教育推進委員会に報告されたが、わずかな取り扱いだった。(母親は)7月24日の担任との2者面談で再度相談したが、担任と顧問が同委員会に報告した形跡はない。顧問らは(女子生徒が部活動で)1人になっている事実を把握しつつも大きなこととは考えず、有効な手だてを講じないまま、中途半端な指導をするだけだった。
9月の「こころの点検票」で(女子生徒は)「友達」について不安に思っているレベルを3から4に変更した。
「部活動で不安レベルが増し、友人関係で少し頑張れなくなり、とても不安」と自己評価したとうかがえる。担任は「4と出ているけど、何かあるのか」と聞いた。(女子生徒は)笑いながら「いや、大丈夫ですよ、先生」としたので、「何かあったら先生に言うように」「デイリーノートにも書いていいよ」と伝えたが、それ以上、具体的な対応は取らなかった。点検票は、問題を把握するせっかくの機会だったが、学年の教育相談主任、学年会で問題にされた形跡はない。レベルの程度に個人差があるとしても、変化には重要な情報が含まれていることは明らかで、問題を看過した理由にはなり得ない。一般に、いじめなど困難を抱えている生徒に対し「大丈夫です」との答えを引き出す問い掛けの問題点は指摘されている。「大丈夫か」と問い掛ければ、大丈夫でない場合でもあっても「大丈夫」と答えることは、今や常識。(女子生徒が)「大丈夫」と答えたことに対し、注意を要すると考えるべきだった。
【まとめ】 担任や顧問はいじめ等のリスクを評価し、起こりうる可能性等に注意を向ける必要があったが、表出した問題行動への場当たり的な対応にとどまり、その注意に欠けた。担任や顧問が(問題を)抱え込むのではなく、学校全体で共有し取り組む認識が各教員に浸透していなかった。顧問は結局、競技成績の向上を重視し、人間関係の問題に配慮せず、いじめ防止等対策が部活動でも主要課題との認識を欠いた。
(女子生徒は)謙虚に頑張るタイプで、頑張っている姿も、悩んでいる姿も表現するのが得手でなく、周囲に相談することも少なかった。それでも気になる兆候や様子など(学校が)対応をするに十分な情報が、保護者や他の生徒からの相談を含め担任、顧問、周囲の生徒等により把握されていた。しかし、情報は生かされることなく、結果的に見落とされ、いじめに対し有効な対応はなされなかった。

【提言】
(1)学校のいじめ防止等対策組織は名目的設置では足りず、防止対策などを学校全体の組織として情報を兆候事実を含めて集約し、実効性のある対応と措置ができる実質的内容を有するものでなければならない。
(2)部活動でもいじめは発生し温床となりやすいことを認識して、部活動を含む学校活動全体に対して組織的に防止対策を実施することが求められる。
(3)暴力を伴わないいじめ(心理的な嫌がらせなど)を過小評価せず、いじめが集団構造とその力関係の中で行われるものであり、日常的な悪口や嫌がらせでも被害生徒にとってはダメージが大きく深刻な事態を発生することを正しく認識した対応と措置を実践する必要がある。
(4)個別のいじめへの対応に際して、いじめの事実と兆候事実を認知した個々の教師が自分だけで情報価値の重みを判断し、取捨選択することなく全ての情報を共有すべきである。
(5)いじめを受けている子どもの中には周囲に相談せず、苦痛を表せず大丈夫だと振る舞う子どもがいること、人に伝えたときはいじめが進行していることを踏まえ、ささいな変化に留意し、子どもを守るための適切な対応を取ることが必要である。
(6)加害生徒への指導に当たっては、いじめであるかどうかに固執して認めさせ、単に叱責したり謝罪させたりするのではなく、自己の行為が相手に与える傷付きや苦しみを真に実感できるような認識に至るべく働き掛けることが重要。
(7)いじめについての相談、対応などを記録し、対策組織で共有し、対応が検証可能となるよう、記録を保管整理すべきだ。
(8)いじめの対応と解決を図る際には、いじめられた子どもの主体性と参加を重視し、適切な情報提供に努め、その意向を踏まえた対応が必要である。

【女子生徒自殺後の学校と市教委の対応】
市教委と学校は遺族から求められて情報開示と説明を行う受動的な対応が多く、遺族への情報提供の重要性に対する認識不足が感じられる。遺族に対し早期の段階で、いじめの調査や生徒アンケートの実施方針や結果報告の方法を示すべきだった。
市教委と学校は(自殺2日後の1月9日)、いじめの可能性が見えたら第三者委員会を設置する意識があり、原因を決めつけず対応したのは適切だった。いじめの存在を疑わせる警察情報や、いじめが記載されたノートの存在が指摘され、1月15日に第三者委設置に向けて具体的に動きだした対応は問題ない。
設置の際は遺族の意向を反映させる必要があるが、意見聴取の時間的余裕が与えられていたかは疑問が残る。
市教委は第三者委の要綱、委員の人選について、遺族が意見を1回でまとめて提案できるよう詳細に説明するなど、遺族とともに調査を進める姿勢を鮮明にすべきだった。結果的に遺族から要綱改定の要求が複数回出され、委員会活動が開始されるまで(自殺から)11カ月を要した。

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【10月7日付 河北新報】

天童市教委(山形県)は6日、天童一中1年の女子生徒=当時(12)=が昨年1月に自殺した問題に関する第三者調査委員会の報告書について、第三者委の要請を受けて個人情報に加え、いじめの具体的な行為を記載した部分を黒塗りにした状態で、7日に公開する方針を明らかにした。
天童市内の16の小中学校にも配布する。
第三者委の野村武司委員長は5日の記者会見で(加害生徒の中には)今でもあまり重大ないじめを行っていたわけではないという認識の生徒もいるかもしれない」と指摘。具体的な事実は先生から直接話をすべきで「報道を通じて内容が伝わることは、ふさわしいとは思わない」と述べ、生徒への指導を優先させる重要性を強調した。
野村委員長は加害生徒が本年度で卒業することを踏まえ、在学中の指導に役立てるため、報告書の提出時期を決めたことも明らかにしていた。
市教委は提案に沿って、報告書134ページのうち黒塗りする部分を決めた。市学校教育課の長岡佳孝課長は「いじめがあった流れは理解できるようにする。具体的な行為を示すことが再発防止につながるとの観点から、時期をみて黒塗りを外す部分も考える」と述べた。
指導のタイミングについて、市教委は5日の記者会見で「遅くとも11月末までにはいじめに関係した生徒、保護者への指導を終えたい」と説明していた。

<天童いじめ自殺>情報共有の徹底指示

情報共有の徹底などを指示した水戸部天童市教育長

天童一中(山形県天童市)1年の女子生徒の自殺はいじめが主要な原因と認定した第三者調査委員会の報告書提出を受け、天童市教委は6日、臨時の小中学校校長会議を開き、いじめの未然防止や教員同士での情報共有の徹底を指示した。
水戸部知之教育長は16校の校長に対し「各校で認知したいじめ行為をする児童生徒に対しては、継続して十分な注意を払い指導をしてほしい。未然防止、早期発見に向けて組織体制の充実を図る必要がある」と強調した。
市教委が報告書に基づいて、いじめの事実関係や自殺との因果関係を説明した。冒頭、出席者は亡くなった女子生徒に黙とうした。

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【10月7日付 朝日新聞宮城版】

仙台市泉区の市立館中学校1年の男子生徒が昨秋、いじめを受けて自殺した問題で、中学校は6日、全校集会を開き、在校生に初めて事実を説明した。「男子生徒は転校した」と事実と異なる説明をしていたことなどについて謝罪した。
全校集会は午前9時前から、体育館で非公開で開かれた。集会後に記者会見した菅原光博校長によると、
校長が男子生徒の名前を明らかにしたうえで、亡くなった経緯を説明し、「本人が苦しく心を痛めていたことに、学校が十分に対応できず申し訳なかった」と話したという。
遺族の要望で、これまで事実を伏せていたことや、「転校した」と伝えたことについても謝罪。生徒たちは静かに聞き、涙ぐむ子や「具合が悪い」と訴える子もいたという。
館中では今後、校舎の一角に献花台を設け、生徒や保護者が手を合わせられる場所にする。道徳の授業やスクールカウンセラーを交えた取り組みの内容をこれまで以上に深め、生徒会でもいじめ問題に取り組むという。
ただ、今回の事案を授業などでどうとり上げるかについては、「検討中」と述べるにとどめた。
集会に参加した3年の女子生徒(15)は、自分たちの学校だといううわさが広がっても、説明しない学校に不信感があった。「もう少し早ければよかったけど、遺族の意向なら仕方ない」別の3年の女子生徒(15)も「遺族の人が嫌と言っているものを無理やり公開できない」と学校に理解を示した。
「学校全体が二度とこんなことを起こしてはいけないという空気になれた」と話す3年の男子生徒(15)もいた。
一方、2年の男子生徒(14)は、用意した紙を読み上げる校長の姿に違和感を覚えたという。「本当に反省していたら覚えてくるはず。『遺族の意向』と連発するのも、責任逃れのように感じた」と納得できない様子だった。
2年の女子生徒(14)のクラスでは、「隠していた学校はおかしい」と担任に問いただす生徒もいたという。女子生徒の母親は「うそをついても謝ればいいという態度は、子どもがまねをする。今さら受け入れられない」と憤った。

■いじめ自殺と公表をめぐる動き
<2014年>
5月 いじめを受けた男子生徒が休みがちになる
9月 男子生徒が自殺
11月 第三者委員会が調査を開始
<2015年>
6月 第三者委が仙台市教育委員会に調査結果を答申
8月21日 市教委が記者会見し、男子生徒の自殺を公表。その後、学校が同級生に「転校した」と説明していた
ことが判明
9月 市議会で、学校内での公表を求める声が相次ぐ。遺族も校長に公表を要望。
10月3日 教育長や校長が遺族と会い、公表で同意
6日 全校集会で生徒に説明

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