平成29年12月22日鹿児島版

高1自殺 知事が県教委に再調査要請

鹿児島いじめ自殺

記者会見で思いを語る男子生徒の母親

 

2014年8月に県立高1年の男子生徒(当時15歳)が自殺した問題で、三反園知事は21日、「いじめがあったとは断定できない」と結論づけた県教委の報告書は不十分として、県教委に再調査を要請した。県教委は再調査を行う方針。

生徒は夏季課外授業の期間中、自宅で首をつって自殺。遺書はなかった。遺族の申し立てを受け、県教委は第三者委員会を設置。

生徒へのアンケートなどを進め、今年3月に報告書を公表した。これに対し、遺族は今月5日、「調査は不十分」とする意見書を県教委に提出していた。

三反園知事は21日、古川仲二教育長に再調査を要請。その後、報道各社の取材に対し、「いじめの有無が断定されていないので、さらなる調査が必要。遺族の思いに寄り添う調査を要請した」と述べた。いじめ防止対策推進法では、知事に再調査の権限があるが、「教育行政を担うのは教育委員会だ」と話した。

古川教育長は「要請の趣旨を踏まえ、改めて丁寧な調査を行いたい」との談話を出した。

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平成29年12月22日河北新報

<仙台いじめ自殺>専門家会議 1月に1次提言方針

いじめ対策や体罰の実態を検証する仙台市の第三者機関「いじめ対策等検証専門家会議」は21日、第3回会合を開き、来年1月中旬に1次提言をまとめる方針を示した。市は来年度予算案の編成に間に合わせたい考えだが、これまで議論が十分に深まっているとは言い難く、実効性ある提言になるのかは不透明だ。  過去2回の会合は、市教委などのいじめ対策の紹介や、体罰アンケートの報告が主な内容。同日の会合では学校運営に住民らが参画するコミュニティースクールの在り方に時間が費やされ、市内の中学生3人のいじめ自殺を基にした突っ込んだ議論に至らなかった。  委員の1人は「仙台市は欠けているものはないぐらい対策をやっている。現在の施策を精査すべきで、絞り込みの発想が大切。

(この点を)この会合のスタートとして確認したい」と発言した。  同会議は、いじめ自殺のほか、自殺した中学生が教諭から体罰を加えられていたことを受けて設置された。体罰アンケートの結果は精査中だが、これまでの会合で体罰の議論はされておらず、先送りした形だ。  専門家会議は来年1月12日の第4回会合で、過去の議論を基に提言をまとめる。  議論の進め方について、会長の木村民男石巻専修大教授は終了後「個々の施策の良しあしだけにとらわれては前に進めず、際限がない。大枠の議論をした」と理解を求めた。

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平成29年12月21日朝日新聞本社版

中2自殺「捜査機関に委ねる必要」市民団体が担任らの刑事告発状提出

池田中刑事告訴

男子生徒が自殺した福井県池田町立池田中学校=同町

 

福井県池田町立池田中学校で今年3月、当時2年生の男子生徒が自殺した問題で、福井市の市民団体は21日、厳しい叱責などにより生徒を自殺させたとして、業務上過失致死容疑で当時の担任と副担任、責任者である校長に対する刑事告発の告発状を福井地検に提出した。

市民団体は同日、市内で会見し「生徒が亡くなった事実を無視することはできない。真相解明のためには権限を持つ捜査機関に委ねる必要があると考えた」と刑事告発の意義を語った。

告発したのは、犯罪や不当行為を弁護士とともに法的手段を駆使し解決を目指すボランティア団体「社会問題被害者救済センター」(本部・福井市)。会見した村内光晴センター代表と代理人の西村雄大弁護士(大阪)は「事件から9カ月がたち、報告書が公表されたが解決にはほど遠い。風化させてはいけない」と指摘。第三者による告発という手段については「遺族の心の傷は深いと思う。(告訴により)矢面に立たせることはできない」と述べた。

告発状によると、担任、副担任は生徒を叱責する際、精神的打撃が大きくなりすぎないよう配慮する業務上の注意義務を怠り、限度を超えた厳しい叱責を繰り返した過失により、生徒を自殺に至らせたとしている。また、校長は担任や副担任の指導に問題がないか調査し、改善を図るなどの注意義務を怠った過失により、生徒を自殺に至らせたとしている。

町教育委員会が10月15日に公表した調査委員会の報告書によると、男子生徒は今年3月14日午前8時すぎ、池田中3階廊下の窓から飛び降りたとみられ、搬送先の病院で死亡が確認された。担任、副担任の厳しい叱責にさらされ続けた生徒は、孤立感、絶望感を深め、自死するに至ったと結論付けている。

告発は第三者が犯罪の疑いを捜査機関に申告し、処罰を求める手続き。これまでに生徒の家族と面会、告訴や民事訴訟は現時点で考えていないことを聞いた上で、市民団体として告発する方針を固めた。

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平成29年12月21日東京新聞茨木版

取手・中3自殺「丁寧に向き合って」 初会合で遺族訴え

取手いじめ遺族

取手市で二〇一五年十一月、市立中学三年生の中島菜保子さん=当時(15)=が「いじめられたくない」と書き残して自殺した問題で、県が設置した調査委員会の初会合が二十日、県庁で開かれた。自殺の背景、取手市教育委員会の対応などを調べる。出席した遺族は「娘の気持ちなどに丁寧に向き合っていただきたい」と訴えた。 (鈴木学)

菜保子さんが亡くなって二年。会合で、菜保子さんの父・孝宜さん(46)は委員らに対し「私たちが調べた内容以上に生徒たちの関係を掘り起こすことは難しいかもしれない。私たちができなかったことは、不適切な表現かもしれないが、加害生徒や先生への聞き取りだ。そういったことを総合的に捉え、一つ一つ丁寧に向き合っていただきたい」と訴えた。

大井川和彦知事は「ご遺族の気持ちに寄り添いながら誠実に調査を進め、結果を踏まえ県の教育環境の改善に努める」と述べた。

調査委のメンバーは市川須美子・独協大法学部教授(教育法)、蒲田孝代弁護士、栗山博史弁護士、臨床心理士の佐竹由利子さん、ソーシャルワーカーの竹村睦子さん、森嶋昭伸・日本体育大児童スポーツ教育学部教授(学校教育)

の六人。委員の任期は二年。知事のあいさつ後、会合は非公開で、今後の進め方などを協議した。

この問題で、取手市教委は、菜保子さんの自殺について「いじめによる重大事態に該当しない」と結論付けた上で第三者委を設置したが、両親の求めで今年六月に解散した。

両親は「市教委との信頼関係が完全に失われている」として、新たな調査委は県で設置するよう、県教委と市教委に申し入れた。それに応じ、県も異例の設置を決めた。

中島さん

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平成29年12月20日河北新報

日大東北・体操部顧問が生徒に体罰

日大東北高(郡山市)は19日、20代男性教員が顧問を務めていた体操部の生徒男女12人に対し、げんこつで殴るなどの体罰をしていたことを明らかにした。生徒にけがはなく、男性教員は10月、依願退職した。同校は福島県に報告した。  同校によると、男性教員は赴任直後の昨年4月から今年9月まで、12人に対してつねったり、火を付けていないライターを腕に押し付けたりした。9月上旬に実施した全生徒対象のアンケートで発覚。男性教員は「指導の一環だった。部を強くしようと思った」などと話したという。  同校は取材に「教職員向けの人権侵害防止研修や生徒に対する聞き取りなど、再発防止に向けた取り組みを強化する」と説明した。

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平成29年12月20日朝日新聞福井版

池田中2自殺で意見書を可決 県議会閉会

池田町立池田中学校で3月に2年の男子生徒が自殺した問題を受け、県議会は19日、学力偏重の教育を改めることや教員の多忙化を解消することなどにより、教育行政のあり方を根本的に見直すよう求める意見書を可決し、閉会した。

意見書では、学力向上を求めるあまり、教員が多忙化し、「精神的なゆとりを失っている」と指摘。県独自の学力テストの取り組みを学校の裁量に任せることや、部活動指導の軽減化を進めることなどを求めた。県教委の調査によると、県立高校での9月の超過勤務は、最長の教員で218時間に達したという。

閉会後、西川一誠知事は「十分議論しながら、色んなことを着実に良くしていきたい」と話した。(影山遼)

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平成29年12月19日朝日新聞大阪本社版

教諭、はさみで女子生徒7人の髪切る 「言葉遣い悪い」

 

香川県立坂出高校の女子カヌー部顧問の20代の女性教諭が今年8月、合宿中に言葉遣いなどが悪いことを理由に、同校を含む3高校の女子生徒6人と、中学の女子生徒1人の髪をはさみで切っていたことが、県教委などへの取材でわかった。同校は「不適切」だとして9月に顧問を外し、生徒や保護者に謝罪。県教委は今月7日に教諭を口頭で厳重注意した。

県教委などによると、教諭は8月に山梨県内であった国体強化選手の合宿に女子チームの責任者として参加。生徒らに「言葉遣いが悪い」などと注意し、「(ある言葉を)一度言うごとに、髪を1センチ切る」と決め、最終日に該当した生徒7人の髪を切った。その場で拒否した2人には「切っておくように」と指示し、2人は後に髪を切ったという。教諭は「お互いゲーム感覚だった。生徒の心を傷つけてしまった」と反省しているという。

一方、復帰を求める嘆願書が保護者らから提出されていることなどから、同校は近く顧問に復帰させる予定という。

(田中志乃)

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平成29年12月15日毎日新聞東京本社版

取手いじめ 友の自殺「学校は隠した」 元同級生が不信感

取手いじめ

美帆さん(仮名)は、誕生日に中島菜保子さんからプレゼントされたネックレスを大事に持っている。奥の写真は生前の菜保子さん

=茨城県取手市で、玉腰美那子撮影

 

2015年11月に茨城県取手市立中3年の中島菜保子さん(当時15歳)がいじめへの苦しみを日記に残して自殺した問題で、20日に開かれる県の第三者調査委員会を前に、同級生だった4人が毎日新聞の取材に応じた。学校や市教育委員会が当時、「受験への配慮」を理由に自殺の事実などを伏せたまま生徒らに調査した上で「いじめはなかった」と結論づけたことについて、「隠さず言ってほしかった」と異口同音に語った。2年が過ぎても、大人たちへの不信感を拭えないという。【玉腰美那子】

 

うわさあったのに

取材に応じたのは、菜保子さんと同級生だった友人の女子生徒4人で、いずれも現在は高校2年の17歳。

菜保子さんと中3で同じクラスだった令佳さん=仮名=は、亡くなった翌日の全校集会を鮮明に覚えている。生徒の間では「自殺した子がいる」とのうわさが流れていたが、校長は菜保子さんの自殺を「思いがけない突然の死」と伏せた。「受験に配慮したのかもしれないけど、隠されると気になる」と語り、友人として菜保子さんの死に向き合うため「きちんと言ってほしかった」と言う。

市教委の聞き取り調査は自殺から1~2カ月後にあったが、ここでも自殺を伏せての「カウンセリング」名目だった。自宅が近所の実香さん=仮名=は、「最近学校どう」「菜保子さん変わったことなかった」と遠回しに聞かれた。しかし、生徒たちの間では既に「いじめがあった」との空気が広がっていた。「いじめを認めたくないから隠したんだと思う。先生たちにもそう感じた」と語った。

中2の時に同じクラスだった美帆さん=仮名=は、菜保子さんから誕生日に贈られたネックレスを大切に持っている。自宅で自殺を図った11月10日、菜保子さんが学校で泣いているのを偶然見かけた。「どうしたの」と声を掛けたが、返事はなく、それが最後に見た姿となった。「(自殺を伏せた)市教委の聞き取りでは、いじめのことが思いつかなかった」と悔やんでいる。

幼なじみだった加奈さん=仮名=も「死んでしまうほど苦しんでいたとは」と自分を責めるように言った。加奈さんは思う。

「ああしていれば、こうしていればと考える。すごく悲しい」

 

取手市立中3女子生徒の自殺

茨城県取手市で2015年11月10日、市立中3年の中島菜保子さん(当時15歳)が自宅で自殺を図り、翌日死亡した。

市教委は「受験への配慮」を理由に自殺の事実を伏せて調査し、いじめ防止対策推進法の「重大事態」に該当しないと結論。

市教委は第三者調査委を設置したが、両親が「公平な調査を」と反発し、今年6月に第三者委は解散した。県が新たに第三者委を設置し、原因を調べる。

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平成29年12月13日NHK盛岡放送局

鼓膜破る体罰 教諭を停職2か月

 

ことし10月、県内の県立高校で、部活動中、顧問の男性教諭が男子生徒3人のほおをたたき、このうち1人の鼓膜を破るけがを負わせる体罰を加えていたことがわかりました。県教育委員会は、この男性教諭を停職2か月の懲戒処分にしました。 懲戒処分を受けたのは、盛岡市や滝沢市など8つの市と町を管轄する盛岡教育事務所管内の県立高校に勤務する40歳の男性教諭です。 県教育委員会によりますと、ことし10月、校内で運動部の部活動を行っていた際、顧問の男性教諭が1年生の男子生徒3人に対し、指示した練習メニューに従わなかったとして、ほおを平手で1回ずつたたいたということです。 このうち、1人の生徒は鼓膜が破れ、およそ1か月の通院を余儀なくされたということです。 教諭は、こうした事実を認め、県教育委員会は、12日付けで教諭を停職2か月の懲戒処分としました。 教諭は「生徒や保護者に対して、本当に申し訳ない。今後、このようなことを絶対に起こさないよう、自分自身を見つめ直していく」と話しているということです。 県教育委員会教職員課の永井榮一総括課長は「教育委員会として一丸となって体罰根絶に取り組んでいるが、県民の教育に対する信頼を損ねるような結果になりお詫びします。教員に対し研修を行うなど、再発防止に努めていきます」と述べました。

http://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/6043505681.html

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平成29年12月12日NHK水戸放送局

いじめ調査委 専門家6人選定へ

おととし、茨城県取手市の女子中学生が「いじめられたくない」と書き残して自殺した問題を受けて、茨城県が設置することになった新しい調査委員会の委員に、弁護士や大学教授など6人の専門家が選定される見通しとなったことがわかりました。 調査委員会の初めての会議は今月20日に開かれ、いじめの有無や自殺の背景などを調査することにしています。 おととし11月、「いじめられたくない」と書き残して自殺した取手市の中学3年生、中島菜保子さん(当時15)をめぐっては、市の第三者委員会が「いじめはなかった」という前提で調査を行うなど対応が問題となりました。 このため、遺族の要望を受けて特例として新しい調査委員会が茨城県に設置されることになり、必要な条例の整備や委員の選定を進めてきました。 その結果、調査委員会の委員には、遺族の要望を踏まえて2人の弁護士のほか、大学教授が2人、いじめに詳しい専門家と臨床心理士の2人の合わせて6人が選定される見通しとなったことがわかりました。 調査委員会では今後、いじめがあったかどうかや自殺に至った背景、それに学校や市の教育委員会の対応についても調査を進めることにしていて、初めての会議は今月20日に開かれる予定です。 これについて、中島さんの父親の考宜さんは「私たち遺族の思いが反映された委員会になり、安どしています。娘に向き合った公平な調査を慎重に進めてもらいたいです」と話しています。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20171212/1070001056.html

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