平成28年4月13日 河北新聞

<天童いじめ自殺>遺族側、市に賠償請求

 

 天童一中(山形県天童市)1年の女子生徒=当時(12)=が2014年1月にいじめを苦に自殺した問題で、遺族側は12日、天童市側に賠償金を請求した。非公開で行われた協議後、遺族側代理人が明らかにした。
 遺族側は具体額を明らかにしていないが、民事訴訟を起こした際の通常の算定額から、既に独立行政法人
「日本スポーツ振興センター」の災害共済給付制度から支払いを受けた2800万円を差し引いた額を損害賠償するよう求めたという。
 遺族はこれまでの市の対応に誠意を感じられなかったとして、山本信治天童市長が記者会見を開いて謝罪
することも要望した。
 遺族側代理人の安孫子英彦弁護士は「市側はそれなりの額を支払う姿勢は見せている。ただ、(協議次第では)
訴訟になるという可能性もある」と述べた。
 市は「代理人同士で話し合いを進めており、コメントできない」と話した。

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平成28年4月11日 神戸新聞

川西高2自殺 兵庫県も控訴せず

  兵庫県川西市の兵庫県立高校2年の男子生徒=当時(17)=の自殺を巡る損害賠償訴訟で、元同級生3人と県に計210万円の支払いを命じた先月30日の神戸地裁判決について、県が控訴しない方針を決めたことが11日、分かった。原告である生徒の両親は既に、控訴しないことを明らかにしている。

 生徒は2012年9月に自宅で自殺。判決は、生徒を「ムシ」と呼ぶなどした元同級生の行為をいじめと認定し、担任教諭らの安全配慮義務違反を指摘した。だが、自殺の予見は難しかったとして、賠償責任は生徒が受けた精神的苦痛にとどまるとした。

 県は「学校での安全配慮や生徒指導の瑕疵が認められ、ご遺族への配慮に欠けていたと指摘された点は、真摯に受け止める必要がある」として控訴しないことを決定。「引き続き、いじめの防止に取り組む」としている。(上田勇紀)

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平成28年4月10日 神戸新聞

川西高2いじめ自殺訴訟 遺族は控訴しない方針

  兵庫県川西市の県立高校2年の男子生徒=当時(17)=の自殺を巡る損害賠償訴訟で、元同級生3人と県に計210万円の支払いを命じた3月30日の神戸地裁判決について、原告の両親が9日、控訴しないことを明らかにした。控訴期限は13日。

 生徒は2012年9月に自宅で自殺。判決では、元同級生3人によるいじめがあったと認定、担任教諭らの安全配慮義務違反を指摘した。しかし、自殺の予見は難しかったとして、賠償責任の範囲は生徒が受けた精神的苦痛にとどまるとした。

 両親はコメントを発表。訴訟では教員らの個人の賠償責任も求めが、父親(64)は「退けられ、覆すのはほぼ不可能」とした。母親(57)は、元同級生3人が「ムシ」などと呼んだいじめと自殺の関連を認めた判決を踏まえ「言葉の暴力もいじめだということを認識してください」と呼び掛けた。

 県側の控訴の有無については、井戸敏三県知事が4日の会見で「まずは教育委員会が判断する」としている。

 

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平成28年4月5日 神戸新聞

川西・高2自殺 知事「学校の安全配慮に瑕疵」

  兵庫県川西市の兵庫県立高校2年の男子生徒=当時(17)=の自殺をめぐる先月30日の神戸地裁判決について、井戸敏三兵庫県知事は4日の会見で「学校における安全配慮や、生徒指導の在り方について瑕疵があったと認められた。学校運営上、きちんと受け止めていかなければならない」などと述べた。

 控訴するかどうかについては「まずは教育委員会が判断する」として、明言を避けた。

 男子生徒は2012年9月に自殺した。判決は、生徒を「ムシ」と呼ぶなどした元同級生の行為をいじめと認定したが、自殺の予見は難しかったと判断。賠償責任は生徒が受けた精神的苦痛にとどまるなどとし、元同級生3人と県に計210万円の支払いを命じた。(上田勇紀)

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 平成28年4月2日 NHK福島放送局

 自殺生徒の両親が再調査を申立

去年9月、会津地方の県立高校で女子生徒が自殺した問題で、県教育委員会の委員会が学校でのいじめと自殺の因果関係について「認定できない」とする結果を公表したことを受けて、女子生徒の両親が調査結果に納得できないとして、県に対して再調査を申し立てたことがわかりました。
去年9月、会津地方の県立高校の校内で高校2年生の女子生徒が自殺しているのが見つかり、学校での
いじめの有無や自殺の要因を調査した県教育委員会の調査委員会は女子生徒がいじめを受けていたことを認めた上で「いじめと自殺との間の直接の因果関係を認定するまでには至らなかった」とする結果をことし2月に公表しました。
この調査結果について女子生徒の両親が「納得できない」として、先月28日、県教委に対し、再調査を求める
文書を提出していたことがわかりました。
県によりますと、両親は、女子生徒の心身の健康に関して医学的・心理学的な考察や検証が行われていない
ことや、高校入学以前の女子生徒の人間関係について考察されていないことを指摘しているということです。
県は「遺族の気持ちを考慮し、申し立て書の内容を精査した上ですみやかに再調査が必要かどうかを検討
したい」としています。

http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/6054180171.html?t=1459566396751

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平成28年4月2日 読売新聞福島版

高2自殺 いじめ再調査、両親求める

 ◆「因果関係認めず不十分」

 会津地方の県立高校2年の女子生徒が昨年9月中旬、校舎の女子トイレで首をつって自殺した問題で、県は1日、いじめを認定しながら自殺との因果関係を認めなかった県教育委員会の第三者委員会の調査結果は不十分だとし、生徒の両親が再調査を申し立てたと発表した。県が要否を検討し、必要性を認めれば、県が設置した別の調査委員会が再調査に入る。

 1日夜、読売新聞の取材に応じた父親は、「第三者委の調査には敬意を払いたいが、いじめと自死の因果関係はあったと考えている」と語った。今年2月に公表した調査結果で、第三者委は、欠席が多くなったことによる学業不振や、部活を休み居場所がなくなったことなどを挙げ、女子生徒には他にも悩みがあったと判断。自殺といじめとの因果関係を認めなかった。

 父親は、欠席なども「いじめと関係がある。同じことが起こらないために、納得できる結論を出してほしい」と述べた。

 申し立ての理由について、父親は〈1〉生徒が受けた精神的な苦痛について、精神科医など専門家の判断が含まれておらず不十分〈2〉教諭らの指導が適切に行われたか再検証が必要〈3〉生徒の人間像は第三者委の認定とは大きく異なり、小中学生時代も含めて再検証すべきだ――と説明している。

 調査結果によると、女子生徒は、部活動の先輩から練習中に厳しく叱責されたほか、辛辣な言葉をかけられ、無視されるなどした。

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平成28年4月2日 福島民友新聞

女子高生自殺「再発防止へ検証を」 遺族、再調査申し立て

  会津地方の県立高校で昨年9月に女子生徒(当時2年)が首をつって自殺した問題で、女子生徒の遺族は1日までに、県教委の第三者委員会の調査結果に納得できないなどとして、「いじめ防止対策推進法」に基づく再調査を県教委に申し立てた。今後、知事が再調査するか判断する。再調査が決まれば、知事が新たに招集する第三者委員会が調査する。申し立ては3月28日付。

 県によると、申し立てで遺族は、女子生徒の心身の状態についての医学的考察や高校入学前を含めた交友関係の調査がされていないと指摘。学校の対応が適切だったかどうかの調査も不足している、とした。

 女子生徒の父親は福島民友新聞社の取材に「いじめ問題に精通する専門家の見解なども踏まえ、さまざまな角度から考察してほしい」と述べ、「同じような問題が起きないよう検証してほしいだけ」とも語った。

 県教委は自殺後、大学教授らでつくる第三者委員会を設置し、女子生徒が所属していた部活動を中心に調査。今年2月に「いじめと自殺との間に直接の因果関係を認定するまでには至らない」とする結果をまとめ、遺族に説明していた。県の担当者は「真摯に受け止め、対応したい」と話した。

 

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平成28年4月1日 中国新聞

「機械的な指導に疑義」
府中町中3自殺第三者委が初会合

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会合の冒頭、黙とうする
第三者委員会の委員ら
 広島県府中町立府中緑ケ丘中3年男子生徒=当時(15)=昨年12月、誤った万引記録に基づく進路指導後に自殺した問題で、大学教授や弁護士ら5人でつくる第三者委員会が31日、同町で初会合を開いた。
冒頭、委員と事務局の町教委職員が黙とう。高杉良知教育長は「情報管理や進路指導など多くの課題を認識している。多角的な視点で調査し、提言を願う」とあいさつした。
非公開で約2時間あった会合では、委員長に広島大大学院の古賀一博教授(教育行政学)を互選。委員は、学校側がまとめた調査報告書や全校生徒のアンケート、亡くなった生徒の両親の聞き取り記録などをチェックし、疑問点をただした
り、追加資料を求めたりしたという。
第三者委は、進路指導の経緯や自殺に至った原因と学校の対応との関係などを検証し、再発防止策などもまとめる。今後、両親から直接聞き取りするなど月1回以上のベースで調査、審議する。次回は4月後半にも開く。
会合後、古賀委員長は「亡くなった生徒と両親に寄り添うスタンスで、スピード感を持って報告をまとめたい。委員からは早速、非行を理由とした機械的な進路指導や学校の組織態勢に対する疑義が出た」と話した。
両親は、代理人弁護士を通じ「なぜ未来ある受験間近の子が自ら死を選択せざるを得なかったのか、教育者として、大人としての見地からのみならず、15歳の目線からの検討を試みていただきたい」とのコメントを出した。
(田中伸武、浜村満大)
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平成28年3月31日 NHK 大阪放送局

“自殺予測できたと言い難い”

 4年前、兵庫県川西市の県立高校に通っていた男子生徒が自殺したことについて両親が、同級生のいじめが原因だったとして、賠償を求めた裁判で、神戸地方裁判所は30日、「いじめが原因だったが、自殺を具体的に予測できたとは言いがたい」として、同級生と兵庫県にあわせて210万円の支払いを命じました
平成24年、兵庫県川西市の県立高校に通っていた2年生の男子生徒が自宅で自殺したことについて、両親は、
同級生から1日に数十回「虫」と呼ばれるなどのいじめを受けたことが原因だったとして、同級生3人と当時の校長などの学校関係者、それに兵庫県に、およそ8900万円の賠償を求めていました。
裁判で、同級生は、「いじめではなく、からかうつもりだった」などと主張していました。
判決で神戸地方裁判所の伊良原恵吾裁判長は「いじめが自殺の原因だったことに疑いを挟む余地はないが、
男子生徒の自殺を具体的に予測できたとは言いがたい」として、同級生3人と兵庫県に、あわせて210万円の支払いを命じました。校長など学校関係者については、県が責任を負うべきだとして訴えを退けました。
男子生徒の自殺をめぐっては、県の教育委員会が設けた第三者委員会が、いじめがあったと認めた一方、
「自殺と直接関連づけるのは難しい」とする調査報告書をまとめています。
判決について、男子生徒の母親は「満足な判決ではありませんでしたが、一生懸命、闘った姿を息子が天国から
見ていてくれたと思います。今回の裁判をきっかけに、子どもたちが安心して学校に通えるようになってほしい」と話しました。
一方、兵庫県は「判決内容を検討し、今後の対応を考えたい」としています。

http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20160330/4034271.html

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平成28年3月31日 神戸新聞

川西高2いじめ訴訟判決 自殺との関連認める

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神戸地方裁判所に入る男子生徒の両親=30日午後、神戸市中央区

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 2012年9月、川西市の県立高校2年生男子が自殺し、両親が元同級生や県などを相手取り損害賠償を求めた裁判の判決公判が開かれた神戸地裁101号法廷=30日午後1時8分、神戸市中央区

 

 2012年9月、兵庫県川西市の県立高校2年の男子生徒=当時(17)=が自宅で自殺したのはいじめが原因として、両親が当時の同級生や担任教諭、校長ら6人と県を相手に計約8860万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、神戸地裁であった。伊良原恵吾裁判長はいじめと自殺の関連を認めたが、自殺の予見は難しかったとした。賠償責任は生徒が受けた精神的苦痛にとどまるなどとして同級生3人と

県に計210万円の支払いを命じた。

 同級生3人は男子生徒を「ムシ」と呼び、椅子の上に虫を置いたことなどについて「からかいのつもりだった」としたが、伊良原裁判長は「人格を深く傷付け、大きな精神的苦痛を生じさせた」としていじめと断定した。

 「いじめではないと認識していた」とした担任教諭の主張に対しては、いじめが大勢の生徒の前で展開されたことなどから「漫然と発見する措置を講じなかった」と指摘。校長も「教諭を指導、助言した形跡がない」として2人の安全配慮義務違反を認めた。

 一連のいじめと自殺の関連については「合理的な疑いを挟む余地はない」とする一方、極端な暴行が伴ういじめではなかったとして自殺の予見は困難だったと判断。ただし、いじめは執ようで生徒への慰謝料が認められるとした。

 また生徒の自殺後、指導部長が在校生に対して「遺族は全然理解してくれない」と発言したことも不適切だったと指摘。担任教諭らのいじめの対応を含めて賠償責任は学校設置主の県にあるとした。

 両親は判決後の会見で「少しは息子の思いが伝わったが、満足できない」と語り、県教委は「判決内容を検討し、今後の対応を考えたい」とコメントした。

両親「息子にどう報告すれば…」 高2いじめ判決

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判決後、男子生徒の写真を手に会見に臨む両親=30日午後、神戸市中央区(撮影・大山伸一郎)

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 兵庫県川西市の県立高校2年の男子生徒=当時(17)=の自殺を巡る30日の神戸地裁判決は、元同級生3人の行為をいじめと認定したが、「いじめの内容は自殺を予測できるほどではなかった」と結論づけた。

判決後に記者会見した両親は、全国でいじめによるとみられる自殺が相次いでいることに触れ、「言葉の暴力が人を死に追い詰めることを、もっと考えてほしい」と厳しい表情で訴えた。

 会見で母親(57)は「息子にどう報告すればいいのか…」と戸惑った表情を見せた。

 息子を「ムシ」と呼び続け、「汚い」「エキスが付く」などといじめ続けた元同級生。そして、いじめを把握し、対応できたはずの元担任教諭。監督すべきだった元校長。判決は、彼らのいじめに対する責任を認めた。

 しかし、判決は暴力を伴わないいじめの内容などから、予見可能性は否定。母親は「高校生にもなって、クラスみんなの前で『ムシ』と呼ばれ続けることが、どれだけ傷つくことか」とハンカチで目頭を押さえた。

「きっと、殴られたり、お金を取られたりすることよりももっと、精神的に追い詰められただろう」と息子を思いやった。

 息子を亡くしてから3年半。朝は遺影に「おはよう」と声を掛け、夜は晩ご飯を供える。まだ、死を受け入れられない。時折、息子がいじめられている夢を見ることがあるという。

 男子生徒の自殺後、当時の生徒指導部長が「遺族は理解してくれない」と発言するなど、学校側の事後対応にも不信が募った。両親は「学校側が寄り添ってくれていれば、提訴することはなかった」と振り返る。

 父親(64)は今後の対応について、「判決文をしっかりと読んでから考えたい」と、疲れ切った様子で話した。

(上田勇紀)

 ■学校でのいじめや体罰などで子どもを失った遺族らでつくる「全国学校事故・事件を語る会」代表世話人 

内海千春さん(57)=兵庫県たつの市=の話

 いじめと自殺の関連を認めたことは評価できる。「いじめと自殺を関連づけることは困難」とした県教委の第三者委員会よりも一歩踏み込んだ。県教委は「いじめによる自殺」という事実を重く受け止めるべきだ。ただし、当時の同級生や担任が「自殺を予見できなかった」という判断は時代錯誤。全国で10代の自殺が相次いでおり、もはや自殺は特別なことではない。また、自殺の多くは肉体的苦痛よりも、精神的に追い詰められて起こる。暴力が伴わなかったからといって、予見できないというのはおかしい。

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