平成29年7月27日 河北新報
<会津女子高生自殺>当時の教頭、3教諭処分
福島県会津地方の県立高2年だった女子生徒が2015年9月、部活動でのいじめを苦に校内で自殺した問題で、県教委は26日、当時の教頭と教諭3人の計4人を訓告や厳重注意の処分とした。
退職した当時の校長について、県教委は「戒告の懲戒処分に該当する」と判断。県庁で記者会見した大沼博文県教育次長は「学校組織の問題としては懲戒相当と捉えている」と話した。
処分内容はいずれも当時の教頭と部活顧問が文書訓告、学年主任が口頭訓告、生徒指導主事が厳重注意。年齢、性別は非公表。
県教委によると、教頭はアンケートの実施などいじめ防止の体制を整えず、顧問はいじめを放置。他の2人は対応を顧問に一任し、職務怠慢だと判断した。
自殺といじめの直接的な因果関係について、県教委の第三者委員会は認めず、県の「いじめ問題調査委員会」が今年3月にまとめた報告書で認定。いじめを放置した「学校の不適切な対応」が自殺に追い込んだと結論付けた。
大沼次長は処分内容について「それぞれが本来取るべき対応を分析して判断した」と説明。「(懲戒ではないが)事の重大性を考慮して公表した」と語った。
県教委から26日朝に説明を受けた女子生徒の父親は取材に「処分が重いか軽いかは分からないが、いじめ防止につながるかどうかは疑問が残る。処分を受けた教職員は重く受け止めてほしい」と話した。
いじめを苦にした生徒の自殺を巡る処分では今年3月、岩手県教委が校長ら4人を減給や戒告、仙台市教委が校長を戒告のいずれも懲戒処分とした。