平成30年1月18日神戸新聞

いじめアンケート、保護者と共有せず 加古川市教委が方針

兵庫県加古川市立中学校2年の女子生徒=当時(14)=が2016年9月にいじめが原因で自殺した問題に関連し、同市教育委員会は17日、学校生活への適応状況を児童生徒に尋ねるアンケートについて、回答そのものは今後も保護者と共有しない方針を示した。「児童生徒が素直な気持ちを書いてくれなくなる可能性がある」ことなどを理由とした。

同市議会常任委員会で答弁した。

女子生徒は、アンケートで「友だちにからかわれたり、バカにされる」などの複数の項目に「あてはまる」と回答。

学校側は何も対応せず、保護者と面談した際にも回答内容を伝えていなかった。

常任委で、委員側が「保護者に回答を知らせておけば、一緒に対応できたのではないか。自分の子の回答も教えてもらえないのはなぜか」と質問。市教委側は「アンケート結果などを踏まえて、総合的に保護者に伝えている。数値だけが独り歩きする危険性もある」などと答えた。

また市教委は、第三者委員会からの提言を受け、いじめ早期対応などのための5カ年計画を1月中にも策定する方針を示した。各小中学校は3月末までに、計画に基づいたプログラムを作る。さらに全教職員約1400人を対象に臨時の研修会を開き、いじめの認識などを共有し、アンケートを適切に活用するよう指示していることも明らかにした。(切貫滋巨)

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平成30年1月10日朝日新聞神戸版

加古川いじめ自殺巡り小中アンケート再確認へ

加古川市立中学2年の女子生徒(当時14)が一昨年9月に自殺し、市教委が設置した第三者委員会がいじめが原因と認定した問題で、市内の全小中学校は、昨年11月に児童・生徒を対象に実施した学校生活アンケートの回答内容を改めて確認する。

市教委が9日から始まった新学期に先立ち、5日に全40校の校長に方針を伝えていた。

アンケートを巡っては、女子生徒がいじめをうかがわせる内容の回答をしていたのに学校側は対応しなかった、と第三者委が批判していた。市教委はこれを受け、アンケートのなかで女子生徒のような回答を見逃していないか、再発防止の観点から小中学校に再確認してもらう。近く市内の全教職員を対象に開かれる研修会で、回答を確認する方法などについて具体的に指示する。

アンケートは2013年度、いじめや不登校などをなくすために導入された。15年度からは6、11月の年2回、市内全校の小3~中3を対象に実施されている。友人や教師との関係、学習など学校生活全般にわたって34の質問があり、「あてはまる」から「あてはまらない」まで5段階の回答を選択する。

第三者委によると、この女子生徒は、自殺する3カ月前の16年6月に実施したアンケートで「からかわれたり、バカにされることがある」「友達にいやなことをされることがある」など複数の問いに、いじめをうかがわせる回答を選んでいた。その結果、女子生徒は友人との関係などで「要支援状態」だったにもかかわらず、当時の担任らは質問ごとにどんな回答をしていたかは確認せず、個別に事情を聴くこともなかったとされる。

第三者委の調査結果の発表を受けて昨年12月に会見した市教委は、「回答を見れば、いじめに気づき自殺を防げた可能性がある」と認めた。女子生徒の父親も公表したコメントの中で「アンケートに託した娘のシグナルを無視した」と学校側の対応を批判していた。

(中村尚徳)

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平成29年12月28日NHK神戸放送局

加古川中学生自殺市教委が再点検

去年9月に自殺した加古川市の女子中学生が、いじめを訴えていたのに学校側が対応していなかった問題で、市の教育委員会はすべての小中学校で行っている児童・生徒へのアンケートを再点検し、いじめをうかがわせる内容はないか確認する作業を始めました。 去年9月、加古川市の中学2年で当時14歳の女子生徒が登校途中に自殺を図って死亡し、市が設けた第三者委員会は、教諭や生徒への調査結果などから「自殺の原因はいじめだ」と認定しました。 このなかで第三者委員会は、女子生徒が中学1年生の頃から仲間はずれなどのいじめを受け、学校のアンケートにも「友だちから無視される」と訴えていたにもかかわらず、学校側が対応しなかったと指摘しました。 これを受けて加古川市教育委員会は、4年前から市内のすべての小中学校で行っている学校生活に関するアンケートを再点検する作業を始めました。 このアンケートは、対人関係や学習の状況などについて「あてはまる」「あてはまらない」などと5つの選択肢から回答するもので、教育委員会は対人関係で問題を抱えている可能性のある児童・生徒について過去にさかのぼってアンケートを検証し、いじめをうかがわせる内容はないか確認することにしています。 教育委員会は、「よりきめ細かな対応をすることで、再発防止に全力を挙げたい」としています。

http://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/2023953771.html

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平成29年12月27日神戸新聞

加古川・中2自殺 いじめアンケートの回答、再確認へ

加古川中2女子アンケート

いじめが原因で女子生徒が自殺した問題で、会見で頭を下げる田渕博之教育長(右から2人目)ら加古川市教育委員会の担当者ら

=23日午後、加古川市役所(撮影・辰巳直之)

加古川市立中学校2年の女子生徒=当時(14)=が昨年9月に自殺したのは、いじめが原因と第三者委員会が認定したことを受け、同市教育委員会は市内の全小中学校に対し、児童生徒へのアンケートの回答にいじめを示唆する内容がないかを、再確認するよう求める方針を決めた。

女子生徒は自殺を図る3カ月前、アンケートで「友だちにからかわれ、バカにされる」などと訴えていたが、学校側が対応していなかった。

アンケートは2013年度から小3~中3を対象に全校で実施。34項目の質問に「あてはまる」「あてはまらない」など5段階の選択肢から選んで回答する。「対人的適応」「学習的適応」などで数値化し、支援が必要かどうかを確認する。

女子生徒は「無視される」「仲間に入れてもらえない」など複数の項目に「あてはまる」と回答し、いじめを強く示唆していた。女子生徒のクラスの回答は、副担任が入力。担任は数値だけを見て実際の回答は確認しておらず、同市教委は「アンケートはいじめ発見のツールではない」と釈明していた。(切貫滋巨)

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平成29年12月26日読売新聞夕刊

「スクールカースト」の構図、中2自殺の背景に

兵庫県加古川市の市立中学2年の女子生徒(当時14歳)が昨年9月にいじめが原因で自殺した問題で、市教委が設置した第三者委員会は、クラスの生徒間で序列ができる「スクールカースト」の構図が、いじめの背景にあったことを指摘した。

担任ら学校側がこの構図の重要性を認識していなかったことが、女子生徒からのいじめの訴えを見過ごす要因だった可能性が高いという。

遺族側代理人の弁護士が明らかにした報告書の一部によると、1年生の時、女子生徒のニックネームをクラスのムードメーカーが繰り返しからかい、クラス内では、女子生徒に関わると同様にからかわれるのではないかという空気ができた。3学期になると、女子生徒はクラス内で無視され完全に孤立。無料通話アプリ「LINE」には、クラスメートが女子生徒を後ろから撮影した写真とニックネームがアップされた。部活動でも悪口を言われた。

報告書では、こうした日常的ないじめで自己否定感を強め、対人関係の極度な不安定さやいじめへの脆弱性が形成されていったとしている。

クラス替えした2年でも、別の生徒からの嫌がらせが続き、発言力のあるグループから無視されたり、からかわれたりした。

この間、女子生徒は担任と学校生活の悩みなどをやりとりする「生徒ノート」に、「きつい」「しんどい」などと書き、学校生活アンケートでもいじめに悩む様子をうかがわせる回答をしたが、学校側はいじめを認識せず、対応することはなかった。

第三者委はいじめ防止のために「スクールカーストの概念を理解して教室運営にあたるべきだ」と提言。吉田圭吾委員長は記者会見で「スクールカーストでは、発言力があり、面白くクラスを盛り上げる生徒の地位が高くなる。そういう生徒がいじめる側に回ると、誰も逆らえないという流れができ、教師からいじめが見えにくくなるのが特徴だ。地位が高い生徒こそ、いじめる側ではないかという視点が必要だ」と話した。

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平成29年12月26日毎日新聞

福島・中1自殺 いじめ定義、教員知らず 第三者委報告

福島県須賀川市で1月に市立中1年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、市教委が設置した第三者委員会は25日、自殺といじめの因果関係を認め、一部の教職員が「いじめ防止対策推進法」が定めるいじめの定義を理解していなかったことを明らかにした。この結果、いじめを「からかい」と軽視したり、多忙な同僚に迷惑を掛けまいと学校ぐるみの対処を見合わせたりして、問題を深刻化させたと指摘した。

市教委によると、男子生徒は1月27日、自宅で首をつって自殺した。遺書などは確認されておらず、自殺の前日も登校していた。

第三者委(委員長・笠間善裕弁護士)は3月以降、教職員や生徒らから聞き取り調査を実施。その結果、男子生徒は学習面を中心に学校になじめず、ストレスを抱える状況の中、クラス内で男子生徒に触れると「菌」がつくといじめられたり、部活動でも「ゴミ〇〇」と呼ばれたりしていたことを把握した。

一方、学校は昨年7月の校内アンケートや同11月の三者面談などで男子生徒から3回にわたり「からかわれたりばかにされたりする」などの訴えを受けていた。関与したとされる生徒に指導し、いじめは解消されたと判断していた。

しかし、実際は一部の教員がいじめ防止対策推進法にある定義(心理・物理的な影響を与える行為で、対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じるもの)を理解していなかった。第三者委は「単なる『からかい』であり『いじめ』ではないと事態を軽視する教員が一定程度存在した」と指摘し、自殺は「いじめが大きな一因」と結論付けた。

この中学ではいじめを確認した場合、校長らでつくる常設の対策委員会に報告し、学校ぐるみで対処するルール。だが自殺した男子生徒の場合、1年生の担当教員らでつくる「学年会」での協議にとどまり、対策委には個別の対処でいじめは解消したと事後報告しただけだった。第三者委に担任は「自分のクラスのことで学校全体に迷惑を掛けたくなかった」という趣旨の説明をしたという。

ただ、学年会も週1回45分で、いじめに十分に対応できなかった。また第三者委が、対策委も兼ねる生徒指導委員会の記録を調べると、不登校についての議論が多い一方で、いじめについての議論は少なかったという。

笠間委員長は「教職員に対する負担が重すぎるのではないか。マンパワーが不足している」と指摘した。

教育評論家の尾木直樹氏も「教員は部活動や書類作成などで忙しく、子どもと向き合えない状態が続いている」としつつ、「いじめの定義を知らないのは言語道断だ。命に関わるいじめへの対処は最優先事項で、授業数を減らし教員に余裕を持たせる必要もある」と述べた。【曽根田和久、宮崎稔樹】

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平成29年12月24日朝日新聞

加古川中2女子自殺、第三者委が「いじめ原因」と認定

加古川中2女子

中学2年生女子の自殺原因を「いじめ」と認定した加古川市いじめ問題対策委員会の報告書(概要版)

兵庫県加古川市立中学2年の女子生徒(当時14)が昨年9月に自殺し、市教育委員会が設けた第三者委員会は23日、いじめが自殺の原因だったと認定する調査結果を発表した。女子生徒がいじめを訴え、学校が把握する機会が何度もあったのに、何も対応しなかったことが自殺につながったと結論づけた。

女子生徒は昨年9月12日に自殺を図り、8日後に死亡。自宅から「いじめ」をほのめかすメモが見つかった。市教委はいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」ととらえ、弁護士らによる第三者委を設置。第三者委は女子生徒の遺族や同級生、教職員への聞き取り調査などを実施した。

第三者委によると、女子生徒は中学1年生の時からクラス内や部活動で無視や仲間はずれ、嫌がるあだ名で呼ばれるなどのいじめを受けた。1年生の2学期、部活動で一緒にいじめられていた別の生徒の保護者がいじめを訴えたが、顧問は生徒同士のトラブル(けんか)と判断し、教職員間で共有されなかった。すると、1年生の3学期ごろからいじめがさらに激化し、2年生になっても続いた。

2年生の6月に実施された学校生活アンケートで、女子生徒がいじめられている旨の回答をしたが、学校はいじめと認識せず、何も対応しなかったという。

第三者委の非公表部分を含む調査報告書を読んだ遺族の代理人弁護士によると、アンケート結果について、中学2年の担任は部活内でのトラブルが原因と考えていたといい、学年主任も対策を指示していなかったという。

第三者委は調査報告書で「(アンケート時点で)学校が対応していれば、自死(自殺)行為をせずにすんだと考えるのが合理的」と指摘。いじめの理解と認識が教職員間で共有されず、組織的に対応されなかったなどの問題があると厳しく指摘した上で、市教委に改善のための全市的な5年計画の策定などを求めた。

女子生徒の父親は代理人の弁護士を通じて「学校への不信は今も極限状態」としつつ、第三者委の調査結果について「いろんな意味で光明を見いだす画期的な内容だと思います。本当に感謝をしております」とコメントした。市教委の田渕博之教育長は会見で「尊い命が失われたことを極めて重く受け止めています。第三者委の提言を真摯に受け止めます」と話した。(中村尚徳、高橋孝二)

 

加古川市の女子生徒が亡くなった経緯

2015年度(中学1年)

2学期 一緒にいじめられていた生徒の保護者がいじめを訴えたが学校はトラブルと判断

3学期 いじめが最もひどくなる。からかいのターゲットにされ、クラス内で孤立化

2016年度(中学2年)

6月 女子生徒が学校生活アンケートでいじめられている旨の回答。学校は対応せず

9月 女子生徒が自死

11月 市教委が第三者委員会を設置

2017年度

12月 第三者委が調査報告書をまとめる

(※第三者委の調査報告書から)

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平成29年12月24日神戸新聞

加古川中2自殺いじめ認定 遺族のコメント全文

加古川いじめ認定

中2いじめ自殺に関する会見が開かれた加古川市役所=23日午後、加古川市加古川町北在家(撮影・辰巳直之)

昨年9月、兵庫県加古川市立中学2年の女子生徒=当時(14)が自殺した問題で、加古川市教育委員会が設置した第三者委員会

の報告書について、遺族が文書でコメントした。全文は次の通り。

あれから1年3カ月と月日はたちますが、私たち家族は、娘を亡くした絶望から、平穏な日常はありませんでした。

あの日より時間は止まったままで、地獄の日々を何とか耐えるのが精いっぱいでした。直後の学校側の言動・行動に不信感を抱いた私たちは、自分たちの力で真実を解明する強い決意と、それによる娘の名誉の回復のために命を懸ける思いで、私たちだけで、解明するために一つ一つの作業を、悲しみに苦しみに耐えながらやっておりましたが、学校というあまりにも大きな組織が立ちはだかって、力のない私たちには太刀打ちできないものだということが分かりました。

このような状況から、第三者委員会に頼らなければなりませんでした。この報告書を拝見しましたが、その内容はいろんな意味で光明を見いだす画期的な内容だと思います。

委員会の先生方は長期間にわたり粉骨砕身の調査と尽力・労力、そして娘の名誉回復に注力をしていただき、本当に感謝をしております。そして何よりも生徒たちが真剣に事案と向き合い勇気を持って真実を語ってくれたこと、そして理解をしていただいた保護者の皆さまの協力がなければ真実の解明ができなかったと思います。本当に感謝を申し上げる気持ちでいっぱいです。

報告書では、学校側の事後の対応について書かれていますが、私には娘の自死の原因を別の要因にすり替えようとしているとしか考えられませんでした。このようにして事実がねじ伏せられるものだ、と正直思った次第です。学校だけに調査を任せていれば、他の原因もしくはいじめの実態すら明らかにされない報告書になっていたかもしれません。私たちを救ってくれたのは、生徒たちであり、理解していただいた保護者の皆さまだったと思っています。

報告書に書かれた学校はどうでしょうか。事案と真剣に向き合った生徒たちに比べ、生前の娘に関わっていた教師たちは、いじめではないかという疑いすらないまま、単なるトラブルとして片付けたり、娘がアセスアンケートに託した「いじめによって絶望の中にいる」というシグナルを無視したりしたのでした。私たちが、この娘のアセスアンケートの存在を知ったのは、第三者委員会の調査です。

それまでは担任からも一切知らされませんでした。

自死の原因をすり替えようとした学校の対応に関しては決して許されるべきものではありませんし、アセスアンケートも隠ぺいするなどした学校に対し強い不信感とともに憤りを持っています。報告書を見る限り、娘は学校に殺されたものと同然と考えています。

なぜ、娘が生きているときに、娘の情報を私たち親に流してくれなかったのかと思うと悔しくてなりません。

また、少なくとも、学校が娘のことを全生徒に説明した後には、いじめ実態を確認できたはずです。その事実をなぜいち早く私たちに知らせてくれなかったのでしょうか。そして、いじめを見逃したことについて謝罪ができなかったのでしょうか。こうした学校の姿勢を実際に見た私たちは、学校が本当に事実に向き合おうとしたのかと不信を持たざるをえませんでした。学校としてあるいは教員として、教え子が亡くなったことに対し、どう思っているのか? 私たちは学校に裏切られ続けたとしか思えません。事案発生後学校から一切の謝罪はありませんし、今となっては、私たちは、謝罪されても受け入れるはずもないのです。

加害者・加担者に対しては、何らの情報もなく、現在語るべきではないものと判断しコメントは申し上げることはありません。

繰り返しますが、この報告書は、事実をねじ曲げようとした学校に対し、生徒たちおよびその保護者そして第三者委員会の専心の思いで娘の名誉回復につなげた調査結果だったと思っています。また、全国の類似案件で苦境に追い込まれているご遺族の一助になるのではないかと考えています。

教育委員会および学校・教師はこの報告書をどのように受け取っているのか、あるべき姿についてどのように考えているのか、子どもの命を預かっていることを理解しているのか、と問いたい気持ちです。学校・教師だけでなく、教育委員会こそが改善しないとこの学校の未来はないものと思います。

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平成28年12月27日 神戸新聞 

いじめ問題調査のため開かれた加古川市教委の第三者委員会初会合=23日、加古川市役所

いじめ問題調査のため開かれた加古川市教委の第三者委員会初会合=23日、加古川市役所

  神戸市と加古川市の中学生自殺をめぐり、両市の第三者委員会がいじめの疑いについて調査している問題で、前年度までに実施されたいじめの有無や悩みに関する生徒アンケートが保管されていないことが26日、分かった。

国は保管期限を定めていないが、有識者からは「自殺予防や事後検証のため、少なくとも卒業までは原本を残しておくべきだ」との批判も出ている。(上田勇紀、小林隆宏、土井秀人)

 神戸市垂水区で10月、市立中3年の女子生徒=当時(14)=が川で倒れているのが見つかった。首をつって自殺したとみられ、第三者委がいじめの有無や自殺との関連を調べている。

 市教育委員会によると、同校は学期ごとに、生徒に生活状況のアンケートを実施している。ところが、この女子生徒の学年で保管されていたのは、3年時の結果だけで、1、2年時の分は学校が学期ごとに廃棄していた。

市教委は「問題のある記述は教員が記録するなどして把握している。第三者委の調査であらためて生徒にアンケートもしており、支障はない」とする。

 また、加古川市で9月、市立中2年の女子生徒=当時(14)=が自殺し、いじめが疑われる事案でも、学校が1年時のアンケート結果を廃棄。同市教委は「問題のある記述は記録し、保存している」としつつ、原本の保管について「スペースが限られ、物理的に難しい」と説明する。

 一方、宝塚市で今月、市立中2年の女子生徒=当時(14)=が自殺したとみられる事案について同市教委は「1年時のアンケート結果を保管しているかどうか不明」としている。

 文部科学省によると、アンケート結果の保管に統一ルールはない。2011年、中2男子生徒がいじめを苦に自殺した大津市も「保管期限は各校に委ねている」とする。

 同市第三者委の副委員長を務めた兵庫県弁護士会の渡部吉泰弁護士は「原本があれば当時の対応を検証できるが、『問題がなかったので破棄した』と説明されても証明できない。卒業まで蓄積しておけば変化を捉え、問題の早期発見にもつながる」と指摘。「各校が保管期限を判断すること自体おかしい」と話す。

 神戸市垂水区の女子生徒の母親は、亡くなった背景にいじめがあったと訴えており、「後から見返して気付くこともあるはず。1、2年分も残しておいてほしかった」と話す。

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平成28年12月24日 神戸新聞 

 今年9月、加古川市立中学2年の女子生徒=当時(14)=が自殺した問題で、有識者らがいじめの有無などを調査する第三者委員会が23日、同市役所で初会合を開いた。非公開で行われ、弁護士や精神科医ら委員5人が経緯の説明を受けた。次回から学校の調査内容を確認する。

 委員長に選ばれた臨床心理士で神戸大の吉田圭吾教授(57)は会議後に会見し「亡くなった生徒のためにも、何があったのか真実を解明する」と述べた。

 女子生徒は自宅近くで自殺を図り、約1週間後に死亡。自宅から、いじめがあったことをほのめかすメモが見つかり、市教委は11月、いじめ防止対策推進法に基づき、第三者委を設置した。

 次回会合は来年1月14日に開く予定。(小林隆宏)

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