【1月15日付 河北新報】
岩手県矢巾町の中学2年村松亮君=当時(13)=が昨年7月、いじめを苦に自殺した問題で、岩手県警は村松君に暴行したとして同級生の少年4人のうち当時14歳の1人を暴行の疑いで書類送検する方針を固めたことが14日、捜査関係者への取材で分かった。少年4人は村松君の父親(41)から暴行などの容疑で告訴されていた。
県警は残る3人について、当時13歳で刑事罰の対象とならない上、いじめへの関与が低いとみて、児童相談所への通告などを検討している。
村松君の父親は昨年7月、いじめに関わったとみられる4少年を暴行、強要、侮辱の3容疑で告訴した。
受理した県警は教職員や同級生に事情を聴くなど、いじめの実態を捜査してきた。
村松君は昨年7月5日、同町のJR矢幅駅で列車にひかれて死亡した。担任とやりとりした生活記録ノートには「づっと暴力、づっと悪口」などいじめの訴えや「ボクがいつ消えるか分かりません」など自殺をほのめかす記述が約3カ月にわたって残されていた。
学校は同26日に公表した調査報告書で、給食準備中に教科書を投げられた、頭を机に押し付けられた、
掃除中にほうきをぶつけられたなど6件をいじめと判断。いじめが自殺の一因であることを認め、断続的に
心身に苦痛を与え続けていたと結論付けた。
町教委は昨年9月、第三者委員会を設置。同12月に生徒や保護者、教職員への聞き取り調査に入った。
——————————————————————————–
【岩手日報】
同級生を月内にも書類送検 矢巾いじめ問題で県警
矢巾町の中学2年の男子生徒が昨年7月、いじめを苦に自殺した問題で、県警が早ければ月内にも、告訴された同級生の少年4人のうち14歳の1人を暴行の疑いで盛岡地検に書類送検する方針を固めたことが14日、捜査関係者への取材で分かった。他の3人のうち少なくとも当時13歳だった1人は児童相談所への通告を検討している。
捜査関係者によると、県警は男子生徒に対する行為は著しく悪質だったとは言い切れないと判断しているもよう。何人かは暴行などの容疑に当たる事実がなかったとする捜査結果を地検に書類送付する可能性もある。
男子生徒の父親(41)が昨年7月26日、暴行、強要、侮辱容疑で少年4人を告訴。県警は同級生や
教職員らから事情を聴いたほか、男子生徒が「ずっと暴力、ずっとずっと悪口」「死にたい」などと記した
生活記録ノートを分析。机に男子生徒の頭を押さえつけた行為などの裏付けを進めてきた。
男子生徒は矢巾町のJR矢幅駅で昨年7月5日夜、列車にはねられて亡くなった。学校は同26日、いじめ6件を認定し「自殺の一因と考えられる」とする調査報告書をまとめた。
——————————————————————————–
【NHK盛岡放送局】
“いじめ”同級生書類送検方針
去年7月、矢巾町で中学2年の男子生徒がいじめを苦に自殺したと見られる問題で、警察は、同級生の少年らが男子生徒に暴行を加えていたとして、このうち、14歳の少年1人を暴行の疑いで書類送検する方針を固めたことが、捜査関係者への取材でわかりました。
去年7月、岩手県矢巾町の当時13歳だった中学2年の男子生徒は、JR東北線の矢幅駅で列車にはねられ死亡し、担任の教諭とやりとりする生活記録ノートにいじめをうかがわせる内容を書き記していたことから、いじめを苦に自殺したと見られています。
警察は、男子生徒が暴行などのいじめを受けていたという父親からの告訴を受け、同級生や教職員から事情を聞くなどして捜査を進めてきました。
その結果、同級生の少年らが男子生徒に暴行を加えていたとして、このうち、14歳の少年1人を暴行の疑いで書類送検する方針を固めたことが捜査関係者への取材でわかりました。
また、当時13歳で刑事処分の対象とならない少なくとも1人の少年を児童相談所に通告する方針で捜査を進めています。
男子生徒が通っていた中学校は、去年7月、調査報告書をとりまとめ、「机に頭を押さえつける」など、6件の行為をいじめと認定し、「自殺の一因と考えられる」と結論づけています。