平成30年11月28日付朝日新聞

松山商野球部の部長が暴行 部員15人に足蹴りや平手

愛媛県立松山商業高校(松山市)は27日、野球部長の男性教諭(28)が8月以降、部員15人に足蹴りなどの暴行を繰り返していたと明らかにした。同県高校野球連盟に報告し、教諭は部の指導から外れている。

記者会見した宮部隆彦校長によると、教諭は4月に部長に就任。8月初旬から11月上旬まで20回以上にわたり、部員を用具庫や部室に呼び出し、胸ぐらをつかんで押しつける▽足やひざでける▽平手打ちをするなどの暴力を振るった。部員にけがはなかったという。

部員への定期的なアンケートの回答に暴力に関する記述があって判明。暴力を受けた部員や保護者らに謝罪した。宮部校長は「チームを甲子園に連れていきたいという強い思いがあり、思うようにいかないという焦りがあったのではないか」と推し量りつつ、「理由はどうであれ、やってはいけない行為」と話した。教諭は「指示内容と違うことを部員がしたり、

生徒の態度がよくなかったと感じたりしたときにやってしまった。深く反省している」と話しているという。

同校野球部は甲子園で春夏通算7回優勝している。(寺田実穂子)

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平成30年11月16日朝日新聞岩手版 

部活動、精神論から脱却を 生徒の自殺に研究者は

県央部の県立高校に通うバレーボール部員の男子生徒(当時17)が自殺した問題で、遺族は16日、男子生徒の顔にボールを投げつけたとして、顧問の男性教諭(41)を暴行容疑で刑事告訴する。遺族側は行きすぎた指導が自殺につながったと主張しており、県教委は第三者委員会で調査する方針だ。体罰を根絶する動きが進む中、スポーツの現場でたびたび

問題が発覚する背景などを宮城教育大の神谷拓准教授(スポーツ教育学)に聞いた。

――どのような状況で体罰が起きるのでしょうか 体罰やハラスメントが起きる一因として、運動部に精神論を持ち出すことがあげられます。暴力で生徒たちが鼓舞されたり、励まされたりすると考える指導者は少なくありません。

最近の部活動は勝つことが目的化されがちです。公立校にも推薦入試が導入され、競技成績は志望校の合否を決める重要な要素になりました。この勝利至上主義的な環境が「気合を入れる」ための暴力を正当化する要因になるのです。

――なぜ精神論を持ち出すのでしょうか

学校の教科には「学習指導要領」があり、どの程度の時間で何を教えるのかが明記されています。ただ、部活動にはこれがありません。指導者は何をすればいいのかわからない状態で、自身の経験を参考にします。指導者が過去に体罰を受けていれば、生徒たちにも同じことをする可能性があります。

――どうすれば暴力に頼らない指導ができますか

部活動の指導内容を明確にする必要があります。部活動を行うために必要なことを「試合で使う戦術を決める」「用具の準備や管理をする」のように項目別に整理していきます。

顧問や外部指導者など大人が受け持っていたものでも、生徒たちで出来ることは話し合って任せます。定期的に活動を見直す機会を設ければ、部活動で身につけた能力を可視化できます。

――生徒たちと一緒に部活動を運営すれば、体罰はなくせるのでしょうか

具体的な達成項目を作れば、暴力に頼らない指導ができます。部活動は本来、競技の勝ち負けを目的にしたり、精神論をかざしたりするのではなく、生徒たちが組織の自治を経験

する場です。教師とは計画に沿って生徒たちに能力を身につけさせる専門家なのです。

――体罰を受けたらどうしたらいいでしょうか

スクールカウンセラーや自治体の窓口に相談してください。外部の人なのでしがらみはありません。体罰の実態を説明するため、体罰を受けた日を記録したり、その場面を録画・録音したりしておくのも有効です。体罰は絶対にあってはならないこと。決して1人で抱え込まないでください。(聞き手・御船紗子)

かみや・たく 1975年生まれ。宮城教育大准教授。専門はスポーツ教育学、体育科教育学。著書に「生徒が自分たちで強くなる部活動指導」(明治図書)など。

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平成30年10月27日付朝日新聞大阪本社版

掃除ばかり3カ月半、練習させず 金光大阪高サッカー部

大阪府高槻市の私立金光大阪高校で昨年、サッカー部監督の男性教諭(55)が部員の男子生徒に、懲戒名目で、約3カ月半にわたって部活動の時間中に掃除をさせていたことが同校への取材でわかった。その間、生徒は練習に参加できなかった。長いときで1日10時間を超えたこともあり、校長は「行き過ぎた指導」と認め、清掃による指導をやめたとしている。教諭は今年7月19日付で訓告処分を受けた。

同校によると、教諭は2017年3月末、他部の生徒とけんかしたとして、男子生徒に部の練習時間中に掃除するよう命じた。期間は示さず、校内のトイレや部室の清掃、学校敷地内の落ち葉拾いなどをさせた。1カ月後、さらに生徒が遠征先に携帯電話を持ち込んだルール違反をしたとして、7月下旬まで清掃を続けさせた。期間中生徒は練習に参加できなかった。

清掃は平日で約3時間。生徒が教諭の指示で書いた日誌には、昨年6月18日の日曜日に10時間半掃除した記録と、教諭が内容を了承した旨のサインがあった。

今年7月、生徒の保護者からの抗議で、学校が問題を把握した。清掃を命じられることは部内で「掃除部行き」と呼ばれ、常態化していた。西村公延(まさのぶ)校長は「長時間にわたる清掃は行き過ぎた指導で、体罰になるかもしれない」と説明した。再発防止のために研修などを開いたという。

文部科学省の13年3月の通知では、遅刻や規則違反などをした場合、教員が清掃させたり、部活に参加させず見学させたりするなどの懲戒を認めているが、「肉体的苦痛を与えるものでない限り」などとしている。スポーツ庁の担当者は「長期間、長時間の掃除は、体罰や行き過ぎた指導に当たる可能性がある」と話す。

体罰に詳しい東京女子体育大学の阿江美恵子教授(体育心理学)は「清掃などの懲戒は、生徒が意欲を持てるよう、事前に一定の期間などを決めてするべきだ。3カ月半という期間や1日10時間の清掃は懲戒の域を超えている」と指摘する。

教諭は保健体育科を担当。1985年にサッカー部の監督に就任し、全国高校総体に7回、全国選手権に2回出場している。卒業生にはJリーグの選手もいる。

(渡辺元史、楢崎貴司)

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平成30年10月25日付朝日新聞

仙台市教委、教員176人を処分や指導 体罰や暴言で

児童・生徒への体罰や暴言があったとして、仙台市教育委員会は24日、教員176人に指導や戒告処分をしたと発表した。いじめを受けた中学生の自殺が相次いだことを受け、すべての市立学校の子どもや保護者にアンケートする過程で、体罰などが判明した。

戒告処分となったのは、仙台市若林区の50代の男性中学教諭。今年9月、上履きのかかとをつぶして履いていた1年生の男子生徒の頭をほうきでたたき、頭突きをするなどの体罰をした。監督責任があるとして校長も文書厳重注意処分となった。

このほか174人が市教委や校長による指導を受けた。3人が体罰、171人が暴言や感情的な言動などの「不適切な指導」をしていた。体罰では、▽指導に従わない児童の服をつかんでひきずり、擦り傷を負わせた▽積極性のない生徒を注意しようと額を軽くたたいた、などがあった。不適切な指導では、▽落ち着きのない児童に「特別支援学級の先生に言うよ」と言った▽大声を出して机を蹴った▽部活動の練習試合で「このままだと1回戦も勝てず、負け組になるぞ」と発言した、などがあった。

仙台市では2014年以降、いじめを受けた中学生の自殺が3年間で3件続いた。このうち17年4月に亡くなった男子生徒は、教諭から粘着テープを口に貼られるなどの体罰も受けていたため、市内すべての市立小中高校、特別支援学校の児童・生徒、保護者を対象に、体罰の有無などをアンケートした。

市教委は今年5月、アンケートで体罰が分かった教員37人に対して処分や指導をしたが、今回は不適切な指導があった教員と、新たに体罰が判明した教員に処分などを下した。

市教委は、処分や指導を受けた教員に研修を実施し、感情のコントロールや子どもの特性に応じた指導の重要性を学ばせるとしている。

仙台市では3件のいじめについて第三者委員会による調査や再調査が続いている。郡和子市長はいじめ防止条例の骨子案を示しており、条例案を来年2月の市議会に提出する方針。(山田雄介)

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平成30年10月20日付河北新報

<岩手・不来方高バレー部員自殺>父親が暴力根絶を要請 文科省に全国調査求める

岩手県立不来方高(矢巾町)3年のバレーボール部の新谷翼さん=当時(17)=が7月に自殺した問題で、父親の聡さん(51)が19日、文部科学省を訪れ、スポーツ現場での暴力根絶に向けた取り組みについて全国調査を実施するよう要請書を提出した。指導者による暴力を根絶するため、具体的な対応を取ることも求めた。  要請書は柴山昌彦文科相と鈴木大地スポーツ庁長官宛て。新谷さんの遺族は、これまで翼さんを含め氏名を公表していなかったが、要請書の中で明らかにした。  聡さんは、顧問の男性教諭による行き過ぎた指導が原因だと主張している。岩手県教委のこれまでの調査では、顧問から生徒に「おまえはばかか」「脳みそ入っていないのか」といった発言があったと一部の部員が証言。「顧問にきつく言われて、追い詰められている感じはあった」との報告もあった。  聡さんは要請後、記者会見し「息子の遺書も読み上げたので、思いは受け止めてもらえたと思う。再発防止につながることを強く望む」と強調した。文科省児童生徒課の松木秀彰生徒指導室長は「要請を大変重く受け止めている。何ができるか考えていく」とした。

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平成30年10月17日朝日新聞大阪本社版夕刊

陸上部顧問が体罰、蹴られた部員骨折 京都・乙訓高校

京都府長岡京市の府立乙訓(おとくに)高校の陸上競技部顧問の50代の男性教諭が2年生の男子部員(17)を蹴り、左腕を骨折させたことが府教委や同校への取材でわかった。

生徒は現在も入院中。教諭は同校の調査に対し、練習に遅刻したことに腹を立てて蹴ったと認め、反省しているという。

同部は12~13日に京都府内の大学で合宿した。13日に現地で解散した直後、教諭はこの部員を呼び、練習時間に遅れたことを注意。部員を後ろ向きに立たせて尻を蹴ろうとしたところ、かばった左腕にあたり、骨折したという。教諭は病院に連れて行き、保護者に謝罪した。藤本悟史・副校長は「あってはならないことで、再発防止に努めたい」としている。府教委は

今後、処分内容を検討する。

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平成30年7月7月14日付京都新聞

「校舎80周走れ」生徒倒れ救急搬送 滋賀・中学部活顧問が指示

大津市の南郷中で、ソフトテニス部2年の男子生徒が部活動中に「校舎周囲を80周走れ」と顧問の教諭から指示され、途中で倒れて救急搬送されていたことが13日、同中や市教委への取材で分かった。生徒は熱中症と診断され、同中は「行き過ぎた指導だった」と謝罪した。

同中と市教委によると、生徒は12日午後の部活動中、練習中にミスが目立ったことなどを理由に、30代の男性顧問から「校舎周囲を80周走ってこい」と命じられた。午後5時10分ごろ、生徒が倒れているのを校内で作業をしていた工事業者が見つけた。生徒は救急搬送され、その日の夜に退院し、13日は学校を休んで静養したという。

生徒が走らされた校舎外周は1周約230メートルで、80周で18キロ超になる。生徒が倒れたのは9周目だったという。気象庁によると、大津市の12日午後5時の気温は30・1度だった。

同中は、13日夜に保護者説明会を開き、経緯を説明した。平松靖之教頭は「行き過ぎた不適切な指導で、保護者におわびする。すでに顧問を指導した。今後は、安心した学校生活が送れるよう努めていく」とコメントした。

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平成30年7月4日 6:00神戸新聞NEXT

教諭の体罰で3人不登校 神戸の中学柔道部員ら平手打ち

神戸体罰不登校

神戸市教委が入る神戸市役所3号館=神戸市中央区加納町6

神戸市西区の市立中学校に勤める30代男性教諭が、昨年4月以降、顧問を務める柔道部や担任をするクラスの複数の男子生徒に対し、頭をたたくなどの体罰を十数回加えていたことが3日、市教育委員会などへの取材で分かった。保護者によると、同部に所属していた3人が不登校になっているという。市教委は、体罰を含む不適切な指導があったことを認めており、教諭の処分を検討している。

市教委によると、教諭は昨年4~9月、部活動で指導中、部員数人に対し、平手で顔や頭をたたく体罰を計7回加えた。また、担任をするクラスでも同5月~12月、生徒数人の頭を7回程度たたき、今年4月にも生徒の尻を蹴ったことがあったという。

被害を受けた生徒の保護者によると、部活動で技をかけるのに失敗したり、練習に遅れたりした生徒の頭やほおをたたいたという。

柔道部に所属し、不登校になった生徒の保護者が市教委に連絡して発覚。この保護者は「先生を信頼して子どもを預けていたのに、こんな事態になるなんて」と声を落とした。生徒は精神的に追い詰められている様子で「先生が怖くて学校に行けない」と話しているという。他にも、教諭から厳しい口調で問い詰められ、萎縮して何も答えられないと「記憶障害ではないか」ととがめられ、学校に通えなくなった生徒もいるという。

6月末に同校で開かれた保護者会では、校長は「教諭の行動に気づかず、指導が不十分だった」と陳謝。教諭は「体罰をし、自分の考えを一方的に押しつけてしまった」と保護者に謝罪したという。

不登校生徒の中には「もう一度学校に行きたい」と話す生徒もいるといい、学校は教諭を担任や顧問から外し、被害生徒の心のケアなどについて保護者と話し合っているという。市教委は「部活動で過度な指導をしないよう徹底してきたが、このような事態が起こり、申し訳ない。被害生徒のケアを第一に考える」としている。(井上 駿)

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平成30年6月29日 朝日新聞東京本社版

「サッカー部で暴行常態化」 国士舘高校側に賠償命令

国士舘高校(東京都世田谷区)のサッカー部で集団暴行を受けて退学を余儀なくされたとして、元部員の男性(21)と両親が学校法人の国士舘に約900万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁立川支部は28日、同法人に33万円の支払いを命じる判決を言い渡した。見米正裁判長は「部内で下級生に対する暴行が常態化していた」と認定し、学校側が注意義務を怠ったと判断した。

判決によると、男性は入学直後の2013年5月、10人ほどの上級生に取り囲まれ、このうち2人から平手打ちやひざ蹴りなどの暴行を受けた。2カ月後に急性難聴と診断されて不登校になり、同年12月に退学した。判決は、教職員が暴力行為を容易に認識できたのに実態を把握していなかったと指摘。「注意義務を尽くしていなかった」と学校側の賠償責任を認めた。元部員は暴行を加えた2人の上級生も訴えたが、原告側代理人によると今年3月に和解が成立したという。

判決後、会見した男性の父親(62)は「学校の対処の悪さが認められてほっとしている。暴行が二度と起こらないよう真剣に取り組んでもらい、深く反省して欲しい」と述べた。

学校法人国士舘は「現段階で判決文を見ておらず、コメントできない」と話した。(金山隆之介)

 

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平成30年5月26日付河北新報

<仙台市教委>頭たたく、腹部蹴る…体罰教員37人処分 全校アンケートで発覚

 仙台市教委

体罰をした教員の処分を発表し、陳謝する市教委幹部

仙台市教委は25日、児童や生徒をたたくなど体罰をしたとして、市立小中高の教員37人を同日付で処分したと発表した。このうち悪質性の高い2人を戒告の懲戒処分とし、16人を訓告や文書・口頭による厳重注意の措置、19人を市教委と校長による指導とした。  戒告処分は太白区の小学校の40代男性教諭、市立高校の50代男性教諭の2人。  40代教諭は泉区の小学校に勤務していた2016年12月、児童同士のけんかを止めるために2人の頭をつかんでぶつけた。17年5月には運動会の練習中にふざけた別の児童の頭を拳でたたき、11月にはさらに別の児童の言動を注意するため足の裏で腹部を蹴った。  50代教諭は17年8~9月、顧問を務めるバスケットボール部の複数の男子部員の胸を小突いたり、腹を手で押したりした。8月には部員1人の顔にボールをぶつけて鼻血を出させた。

両教諭は市教委の聞き取りに「指導の一環だった」と説明したという。  訓告や厳重注意、指導となった主な体罰は表の通り。他に管理監督責任を問い、処分された教員の上司に当たる校長4人を文書や口頭で厳重注意とした。  体罰は市教委と市が17年度に実施した全市立学校の児童生徒アンケートで49件が発覚し、教員46人の関与が判明。その後、3人による3件の体罰も分かった。  市教委は対象教員49人のうち既に退職したり処分したりしている12人を除く37人を今回処分した。体罰での一斉処分は55人が対象となった13年5月以来で、当時処分を受けた後も体罰を繰り返し、今回重い処分となった教員が3人いた。  市教委の谷田至史教育人事部長は記者会見で「暴力に頼らない指導を全教員が行えるように研修を続け、体罰根絶に向け意識の浸透を図りたい」と陳謝した。

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