平成31年4月16日神戸新聞NEXT

神戸・垂水中3女子自殺、いじめ行為を認定 再調査委

垂水いじめ認定

市立中学3年の女子生徒が自殺した問題で、報告書について会見する再調査委員会の吉田圭吾委員長(中央)=16日午前、神戸市役所(撮影・辰巳直之)

神戸市垂水区で2016年10月、市立中学3年の女子生徒=当時(14)=が自殺した問題で、同市がいじめと自殺の関係を明らかにするために設置した市いじめ問題再調査委員会は16日、いじめ行為が自殺の大きな要因とする調査結果を発表した。学級内での仲間外れや、インターネット上でのいじめ行為などを認定。学校内に居場所を失い、孤立化する中で足を引っ掛けられるなどして追い込まれ、自殺したと結論付けた。(井上 駿)

女子生徒の自殺を巡っては、市教育委員会がその直後、いじめ対策を考える付属機関の委員を横滑りさせ、非公表で第三者委員会を設置。第三者委の調査では、いじめ行為を認定したものの、要因の一つという評価だった。さらに、いじめ問題担当の首席指導主事が、いじめを証言した生徒らの聞き取りメモについて、提供を求めた遺族に対し、前校長に隠蔽(いんぺい)するよう指示した問題が発覚した。

遺族側は「事実関係が不明確で調査が不十分」とし、昨年4月に久元喜造市長に再調査を要望。久元市長は「『破棄された』とされていたメモが発見され、調査報告書の信頼を損なう結果となった」などとして再調査を決めた。

再調査委は、弁護士や学識経験者ら5人で構成。昨年7月から会合を重ね、第三者委が収集した資料の読み込みや生徒、教員らへの聞き取りを実施した。

その結果、ネット上の掲示板で女子生徒を中傷するいじめを認定。2年時に学級内でからかわれたり、無視や陰口を言われたりして孤立化した。3年時は担任の不適切な学級運営から生徒間の序列が生まれ、2学期に足を引っ掛けられたり、体育祭の練習中にからかわれたりするいじめを誘発。心理的にも追い込まれ、自殺したと結論付けた。

報告書では「いじめとして捉えていた教師は一人も存在しなかった。生徒に寄り添える教師が一人でもいれば、自死は防げた」と指摘。吉田圭吾委員長は「第三者委員会の調査はいじめを認定する力が弱く、自殺への影響も低く見積もっていた」と述べた。

報告書を受けた久元市長は「教育委員会の対応に大きな問題があったことが明らかになった。遺族と市民におわびする」とした。

【いじめ防止対策推進法に基づく再調査】子どもの生命や心身、財産に重大な被害が及ぶいじめ行為があった場合を「重大事態」と規定。教育委員会や学校に事実関係の調査や再発防止の提言を義務付け、弁護士や学識経験者らで構成する第三者委員会も設置できる。被害児童・生徒の保護者らは、第三者委の調査結果が地方公共団体の首長に報告される際、調査への不満などを意見書にして提出できる。首長が第三者委の調査が不十分と判断すれば、新たな調査組織を設置して再調査が実施できる。

■報告書のポイント

・自殺の大きな要因は中1から中3までのいじめ

・中1の時、インターネット上で中傷されるいじめを受けた

・中2では無視や陰口を受け完全に孤立し、絶望感を抱いていた

・中3では担任教諭の統制的な学級運営から生徒間の序列が生まれ、いじめが誘発された

・家庭には特段の問題点は見いだせなかった

・同級生らの証言メモが隠蔽され、遺族や生徒、保護者が深く傷ついた

・今回の提言を受けた対策が市教委と小中学校で講じられているか、市長部局に検証機関を設置すべきだ

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平成31年2月5日付神戸新聞

神戸中3自殺 メモ隠蔽で有識者会議が報告書提出

メモ隠蔽有識者

長田教育長

不祥事防止策をまとめた報告書を長田教育長(右)に手渡す山下座長=神戸市役所

 

神戸市垂水区で2016年10月、中学3年生の女子生徒=当時(14)=が自殺し、同級生らがいじめを証言したメモが隠蔽された問題で、神戸市教育委員会が設置した「組織風土改革のための有識者会議」が4日、不祥事防止の取りまとめを長田淳教育長に提出した。背景に教職員の多忙化やいびつな年代構成などが影響していると指摘し、研修の充実や働き方改革の推進などを求めた。(井上 駿)

メモ隠蔽問題と、後を絶たない不祥事の背景が共通しているとし、対策をまとめた。座長の山下晃一神戸大准教授から取りまとめを受け取った長田教育長は「アクションプランを策定し実行していく」と述べた。

取りまとめでは、14~18年度、教員の懲戒処分(66件)の約半数を50代が占め、節目の年次で定期的に総合的な研修をすることを提案。学校への啓発も事例の紹介や資料配布にとどまっているため現場の意識や理解が不十分とし、研修の充実や強化が必要とした。

また、不祥事の遠因になっている多忙化については、若手が多く、中堅が少ない年代構成も影響しており、管理職によるマネジメント強化など働き方改革を挙げた。ほかにも、風通しの良い職場環境づくり▽弁護士ら外部専門家の活用▽教職員の相談・通報窓口の充実-などを盛り込んだ。

また、校長間で教員の異動の調整をする市の人事慣行について山下座長は「異動希望が通りやすい側面もあるが、学校の伝統にとらわれて法令順守の意識が薄れやすい」と指摘した。

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平成31年1月12日付神戸新聞

神戸・中3自殺 市教委、調査メモ隠蔽で幹部5人を懲戒

メモ隠蔽

メモ隠蔽で幹部の処分を発表し、謝罪する神戸市教委幹部=11日夜、同市役所

2016年10月、神戸市垂水区の中学3年の女子生徒=当時(14)=が自殺し、いじめを証言した同級生らのメモが隠蔽された問題で、同市教育委員会は11日、遺族からの質問書にメモの存在を否定するよう前校長に指示したなどとして、首席指導主事=休職中=を停職3カ月にしたほか、当時の幹部4人を減給や戒告などの懲戒処分にした。

他の処分は、総務部担当部長(前学校教育部長)=減給10分の1(1カ月)▽教育次長、総務部長、総合教育センター担当課長(前学校教育課長)=戒告。保健福祉部担当部長(前学校教育課担当課長)は、懲戒には当たらない文書訓戒の処分とした。また、雪村新之助前教育長は調査を徹底しなかったとして、在職時の報酬月額の10分の1(3カ月)を自主返納。

前校長も同様の相当額を自主返納する意向という。

市教委は教職員26人を聴取。メモは公文書に当たらないとして、隠蔽は「不適切な事務処理」とした。17年2月の遺族の質問書は部署内で共有したが、メモの存在を認識しながら「ない」と回答したことを把握していたのは首席指導主事と前校長だけで、組織的関与はなかったと結論付けた。

同年8月、メモの存在が伝えられた教育次長や総務部長らは、その存在を積極的に確認しなかったが「メモへの具体的な認識がなく、組織的に隠蔽したとは認められなかった」とした。

女子生徒の遺族は「これまでの市教委の立場を踏襲したもので、組織的な隠蔽についての全容解明にはほど遠い」などとコメントした。(井上 駿、広畑千春)

2016年10月、神戸市垂水区の中学3年の女子生徒=当時(14)=が自殺し、いじめを証言した同級生らのメモが隠蔽された問題で、同市教育委員会が11日、幹部職員を懲戒処分したことなどに対し、女子生徒の遺族が文書でコメントした。全文は次の通り。

本日、神戸市教育委員会より、いわゆる「メモの隠蔽」問題などに関して6人の教職員に対する懲戒処分などについてご説明を受けました。

懲戒処分そのものについては教育委員会内部の人事に関する問題であり、その軽重を含めたコメントは差し控えたいと思います。

もっとも、メモの隠蔽に至る経緯については、首席指導主事が当時の校長に指示をしたというこれまでの教育委員会の立場を踏襲したものであり、組織的な隠蔽についての全容解明にはほど遠いものと言わざるを得ません。

事件直後にいじめの事実を勇気を持って告発した同級生の証言を記載したメモは大変貴重な資料であるはずですが、今なお、これを軽いものと扱っているように感じられて残念でなりません。

現在、神戸市長のもとで再調査が行われておりますが、時間の経過もあり、真実解明が困難になっているのではないかと大変心配をしております。事件発生直後の神戸市教育委員会のもとでの調査の段階で、積極的ないじめの事実調査と遺族に寄り添った情報公開がなされなかったことが悔やまれてなりません。

今回の処分を契機に、神戸市教育委員会や学校現場において、いじめ予防に対しても、いじめ発覚後の事実調査においても、いじめ防止対策推進法に基づいて、被害生徒やその保護者に寄り添った積極的な対応がなされる組織風土に変わることを願ってやみません。

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平成30年9月25日朝日新聞兵庫版

調査不足指摘 いじめメモ隠蔽問題

神戸市垂水区で2016年に市立中学3年の女子生徒が自殺し、いじめをうかがわせる他の生徒からの聞き取りメモが隠蔽された問題が、混迷の度を深めている。

「首席指導主事が指示し、前校長が了承した」とされるが、他の市教委幹部も昨夏の段階で隠蔽を認識していた疑いが浮上。有識者からも調査不足との指摘が相次いでいるためだ。だが、市教委は早くも幕引きの構えを見せている。

「事実関係がちゃんとしていないのに早すぎる」「なぜこんなに急ぐのか」 19日、神戸市議会文教こども委員会。居並ぶ市教委幹部を前に、複数の市議から厳しい質問が噴出した。

市議たちが問題にしたのは、市教委が設置した「組織風土改革のための有識者会議」の「中間とりまとめ」と市教委の対応だ。

有識者会議は「メモを巡る対応は首席指導主事と前校長の2人のみで行われ、他の職員からのチェックが働かなかった」との前提で3回議論し、「指揮命令系統の明確化」などを今月11日に提言した。

そのわずか3日後、市教委は生徒指導を専門に担う「児童生徒課」の新設を柱とする10月1日付の組織改革概要を発表した。「素早く組織をいじることで幕引きを狙っているように見える」(市立中学校のある校長)との声が上がるほどの手際の良さだった。

だが当の有識者会議でさえ、中間とりまとめの冒頭で「(隠蔽の)動機や経緯が非常に不合理で、詳細に解明されることが望ましい点が多く残されている」と釘を刺し、課題が山積していることを強調する。

「隠蔽は首席指導主事が指示し、前校長が従った」と認定したのは、市教委が委託した弁護士2人による6月1日付の調査報告書だ。だが、報告書の内容を否定したり、報告書に反映されていなかったりした新たな文書が最近、相次いで出てきた。

一つは、前校長が7月13日付で提出した陳述書だ。

調査報告書は、前校長が首席指導主事の指示に従った理由を「できればメモがないことにしてやり過ごしたいという思いを有していた模様である」とした。だが、前校長は「そんな発言はしていないし、そう思ったことも一度もない」と反論。「一にも二にも教育委員会から指示があったからだ」と主張した。

二つ目は、共産党の味口俊之市議の情報公開請求で開示された、現校長と学校教育課長との昨年8月23日の電話対応記録だ。

記録によれば、現校長は(1)メモは市教委の指示で廃棄されたと前校長から聞いた(2)メモは学校に残っている――の2点を伝え、メモが破棄されたと記された第三者委員会の報告書の訂正を求めた。だが、同課長は「遺族説明は終わっている」などとして拒否した。

記録は学校教育部長と総務部長にも共有されていた。つまり、複数の市教委幹部が昨年8月の時点で隠蔽が行われたとの認識を持ちながら、真相にふたをしようとしていたのではないか、との疑惑だ。

未解明の点はほかにもある。なぜ首席指導主事は上司に相談することなく独断で隠蔽をはかったのか。昨年8月にメモが学校にあることが分かり、教育長(当時)が調査を指示したのに、なぜ現物を確認することなく調査は立ち消えになったのか――などだ。

全容解明にほど遠い段階で組織改革を始めた市教委の姿勢に、遺族側は不信感を募らせる。今月18日、「仮に時間がかかったとしても徹底的な原因解明をまずは行うこと、その上で組織風土改革を検討することを求めたい」とする所感を有識者会議と市教委に出した。

だが、市教委は新たに調査するつもりはないという。後藤徹也・教育次長は取材に「我々に強制調査権がない中で、これ以上調べても事実解明には限界がある。

弁護士による調査報告書をもって区切りとしたい」と話した。(野平悠一、西見誠一)

 

  • 学校教育課長と現校長の昨年8月23日の電話対応記録(抜粋)

校長:具体的には、メモの廃棄についてである。これについて前校長は、委員会の指示であったといっている。(中略)実際にメモの一部は学校に存在している。

学校教育課長:第三者委員会の聞き取りからできた報告書であり、第三者委員会に意見をすることは難しい。

校長:第三者委員会の報告でも、誤った情報については訂正する必要があるだろう。また、事前に学校とのすり合わせがなされていない。杜撰である。

学校教育課長:すでに、遺族説明も終わっており報告書は固まっている。

※開示記録には伏せ字がありますが、一部を取材で補いました。

 

◇神戸の中3自殺問題

神戸市垂水区の市立中学生3年生自殺問題 市教委が設置した第三者委員会の調査報告書はいじめがあったと認定したが、自殺の原因は特定しなかった。

いじめメモ隠蔽問題を受け、久元喜造市長は今夏、市長部局に新たな調査委を立ち上げて自殺の経緯を調べている。

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平成30年9月20日朝日新聞

いじめメモの隠蔽、複数の市教委幹部が認識か 中3自殺

神戸市垂水区で2016年に市立中学3年の女子生徒が自殺し、いじめをうかがわせる他の生徒からの聞き取りメモが隠蔽された問題で、昨年8月、現校長が市教委の学校教育課長に「メモは学校にある」と電話で伝え、メモが破棄されたと記された第三者委員会の報告書の訂正を求めたのに、同課長が「遺族説明は終わっている」などと拒否していたことがわかった。

メモ隠蔽問題を調査した弁護士の報告書は、隠蔽は首席指導主事の指示だったと認定したが、他の市教委幹部も真相にふたをしようとした疑いが強まった。

昨年8月23日に現校長と学校教育課長が話した内容を一問一答形式で文書にした記録が市教委にあり、共産党の味口俊之市議が情報公開請求して開示された。

記録によると、現校長は①メモは市教委の指示で廃棄されたと前校長から聞いた②メモは学校に残っている――の2点を伝え、第三者委の報告書の訂正を求めた。

だが、同課長は「第三者委の聞き取りからできた報告書であり、意見することは難しい」「すでに、遺族説明も終わっており報告書は固まっている」と述べ、訂正を拒んだ。

この記録は上司の学校教育部長と総務部長にも共有された。

現校長とのやりとりについて、今年6月の市議会で問われた同課長は「どのような話をしたか覚えていない」などと答弁。学校教育部長も「報告を受けたが、何の話か分からなかった」と述べた後、「聞いたかどうかあいまい」と修正し、市教委が組織ぐるみで隠蔽した疑いを否定していた。

19日の市議会で、「現校長とのやりとりを文書で共有しながらなぜ『覚えていない』と答弁したのか」などと追及した味口市議に対し、同課長は「着任したばかりで事情が分からなかった」と釈明した。

市教委が設置した第三者委の調査報告書はいじめがあったと認定したが、自殺の原因は特定しなかった。メモの隠蔽問題を受け、久元喜造市長は今夏、市長部局に新たな調査委を立ち上げて自殺の経緯を調べている。(野平悠一、西見誠一)

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平成30年7月20日神戸新聞

神戸・中3自殺 市教委、隠蔽を中学の保護者会で謝罪

垂水中2自殺

神戸市垂水区で2016年10月、中学3年の女子生徒=当時(14)=が自殺し、いじめを証言した同級生らへの聞き取りメモが隠蔽された問題で、女子生徒が通っていた市立中学校で19日、保護者説明会が開かれた。市教育委員会が設置した第三者委員会の調査結果などが報告され、参加者からは「なぜ女子生徒が亡くなったのか釈然としない。学校で何があったのか、きちんと明らかにしてほしい」などの声が上がった。(井上 駿、広畑千春)

保護者向けの説明会は、女子生徒が亡くなった約10日後に行われた後はなかったといい、PTA会長らが市教委に要望し、この日の開催に至った。非公開で約1時間半あり、卒業生・在校生の保護者ら約250人が参加した。

冒頭、後藤徹也教育次長が、保護者への説明が遅れ、さらにこの問題で学校教育への信頼を損ねたことに対し謝罪。市教委によると、いじめを含む複合要因により女子生徒が自殺したという第三者委の見解▽市教委の首席指導主事によるメモ隠蔽の指示▽市こども家庭局の再調査への移行-などを説明したという。

第三者委の報告書は信頼性が失われ、再調査も決まっているため詳細は明らかにしなかった。保護者からは「再調査の結果を報告してほしい」という要望や、うわさの流布などによる生徒への負担を懸念する声もあったという。子どもが女子生徒と同学年だったという母親は「隠蔽問題の話が多く、2年近くたっているのにいじめについてほとんど説明がなかった。

処分を含め、市教委や学校は誠実に対応してほしい」と話した。

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平成30年7月19日付神戸新聞

神戸・中3自殺 生徒アンケに「いじめ」文言なし

神戸市垂水区で2016年10月、市立中学3年の女子生徒=当時(14)=が自殺し、いじめを証言した同級生らの聞き取りメモが隠蔽された問題で、学校側が生徒に実施したアンケート調査の質問に「いじめ」という文言が入っていなかったことが18日、同市教育委員会などへの取材で分かった。遺族の代理人弁護士は「いじめの情報を把握しながら、それを前提としないアンケートで不十分」と指摘している。

アンケートは、同級生らへの聞き取りの約1週間後に文部科学省の指針に基づき、在校生に実施した。市教委は女子生徒がいじめを受けていた可能性を明示せず、女子生徒の様子を尋ねたという。一方、同時期に発足した加古川市の第三者委では、第三者委がアンケートを作成し、いじめの有無を明確に尋ねる内容になっていた。

神戸市教委によると、アンケートでは、いじめられていたことを示す回答が含まれていたが、代理人は質問の趣旨にいじめが明示されていれば、より具体的な情報が多く得られたなどとしている。

市教委は「アンケートは文科省の指針にのっとり、有識者にも意見を聞いて実施した。対応が適切だったかどうかは、市の再調査委員会の判断に委ねたい」としている。(井上 駿)

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平成30年7月16日18:35 神戸新聞NEXT

神戸・中3自殺 再調査委で遺族が意見陳述/全文

垂水中3遺族意見陳述

再調査委員会の委員長に就任し、あいさつする吉田圭吾神戸大大学院教授(中央)=16日午前、神戸市役所

2016年10月、神戸市垂水区で市立中学3年の女子生徒=当時(14)=が自殺し、いじめを証言した同級生らの聞き取りメモが隠蔽(いんぺい)された問題で、16日に発足した神戸市の再調査委員会で、女子生徒の母親が意見陳述した。全文は次の通り。

「まず、各方面においてご活躍中でご多忙の皆さま方が再調査委員会の委員としてご就任をご承諾いただき、心から感謝を申し上げます。また、神戸市長さまにおかれましては再調査の決断をしていただいたこと、こども家庭局や弁護士の先生方には、再調査開始にむけての段取りにおいて遺族の意見に耳を傾け、丁寧な協議を積み重ねていただき、感謝しております。皆さま本当にありがとうございます。

私の娘は、動物や絵を描くことや手芸が大好きな、素直で穏やかな心の優しい子でした。また優しさだけではなく、人に流されない自分の考えをしっかりもっていた強さもありました。

そんな娘が一昨年の10月6日の朝、いつものように『行ってきます』と家を出たまま、登校途中に自宅近くを流れる小川で自らの命を絶ってしまいました。私たちは、学校から、娘が登校していないとの連絡を受け必死に探しましたが、自宅のすぐそばである現場の近くまで行きながら見つけてあげることはできませんでした。

娘に対しては本当に申し訳なく思っております。

娘の死後、どうしてこんなことになってしまったか訳がわからず、現実のこととして受け止めきれず涙もでなかったのですが、娘の同級生たちからいじめがあったことを聞いた時は本当に驚きました。

たくさんの聞いたこともない生徒の名前、男子生徒の名前、担任の先生のパワハラ、学校におけるスクールカーストの話。

娘が生きている時に気付いてあげることができなくて本当に娘には申し訳なかったです。

それから私はいろいろな立場の生徒から、高校受験を控える中何度も足を運んでもらい、たくさん話を聞かせてもらいました。

娘がつらかった様子、いじめの話を聞くことは親として本当に言葉では言い表すことができないくらい、悲しく、悔しく、つらいことでしたが、それでも私は『娘に何があったかを知りたい』一心で聞き取りをしました。

その一方で第三者委員会も立ち上がり、私も当初はきちんと調査をしてくれるものと期待しておりました。

しかし、第三者委員会とさまざまなやりとりを重ねるうちにだんだんと不信感に変わっていきました。それでも私が聞き取ったようないじめに関することは第三者委員会も把握できているはずとの思いで昨年8月に受け取った報告書は、いじめの事実をいくつかは認めているものの、いじめの背景もわからない、いじめの広がりについてもふれられていない、自殺といじめの関係も明らかにしない、などいろいろな点において納得できるものではありませんでした。

また、その後の追加調査に応じないという第三者委員会の消極的な対応や、教育委員会によるメモの隠蔽など信じられないこともたくさんありましたが、今回、再調査という機会を与えていただきました。

新しい調査委員会の方々にお願いがあります。

娘の同級生によると、娘へのいじめは仲間はずれや陰口など陰湿でわかりにくく、周りの雰囲気や態度によるいじめと言っていました。分かりやすい暴力とかではないので、娘に対するいじめは、なかなか分かりにくいかもしれませんが、陰口や仲間はずれなどの陰湿ないじめによって精神的に追い詰められるつらさをいじめられる子の立場になって考えていただきたい、また親が思うように『何があったのか知りたい』という思いで調査をしていただきたいと願っております。

また、2年生の時の仲間はずれ・悪口・陰口といういじめは既に他の同級生・部活・男子生徒にまで広がっていたのではないか、それが3年生になった後にも継続し、さらに広がっていったのではないか、そして容姿中傷発言や身体的攻撃にまでつながっていったのではないか、を深く調査してほしいと思います。

2年次のいじめの一部は当時学校の知るところとなっていましたが、特定の生徒とのクラス分けで対応が終わってしまっています。この時に、いじめの広がりを学校がきちんと把握していれば、3年次にいじめが継続し、娘を苦しめ、絶望に追いやることはなかったのではないか、と悔やまれてなりません。2年次から、いじめ防止対策推進法や神戸市・学校のいじめ対策の指針に基づいた対策が取られていなかったことが、3年次のいじめの継続・広がりを招き、娘の自殺につながっていったのではないか、学校の対応の問題点も明らかにしていただきたいと思います。

私も娘の自死に対しては反省や後悔はたくさんあり、娘には申し訳ない思いでいっぱいです。しかしどんなに考えても、いじめがなかったらこんなことにはならなかったという考えにたどり着きます。

早いものでもう娘の死から1年9カ月が過ぎ、関係者はそれぞれの道を歩んでいる中で再調査の運びとなり、また事情を知っている生徒の記憶もあいまいになってきたりして、難しい面もあると思います。

しかし私は、もう二度と娘のようないじめに苦しむ子をだしてほしくはないです。

本件の再調査の事例が全国で同じようないじめで苦しんでいる人たちへのいじめ対策の一考となり、いじめの解決に少しでも寄与できればと願っております。

再発防止策につながる報告書となるよう、委員会におかれましては、娘に対して、どのようないじめがなぜ行われたのか、その背景を含めて、明確にしていただくとともに、娘がなぜ自ら命を絶つことになったのかを明らかにしていただくように切にお願い申し上げます。

以上よろしくお願い申し上げます」

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平成30年7月16日18:35神戸新聞NEXT

神戸・中3自殺 市設置の再調査委が発足、初会合

垂水中3遺族意見陳述

再調査委員会の委員長に就任し、あいさつする吉田圭吾神戸大大学院教授(中央)=16日午前、神戸市役所

2016年10月、神戸市垂水区で市立中学3年の女子生徒=当時(14)=が自殺し、いじめを証言した同級生らの聞き取りメモが隠蔽された問題で、市が設置した再調査委員会の初会合が16日、同市役所であった。黙とうの後、意見陳述した女子生徒の母親は「娘に対してどのようないじめが行われたのか、なぜ娘が命を絶つことになったのかを明らかにしてほしい」と訴えた。

いじめ防止対策推進法に基づく再調査で、市教育委員会の設置した第三者委員会は昨年8月、容姿中傷発言などをいじめと認定する調査報告書をまとめたが、今年4月、遺族は自殺との関連など調査が不十分として久元喜造市長に再調査を申し入れた。その後、第三者委が「破棄」と扱っていた聞き取りメモの隠蔽が発覚。久元市長が再調査を決め、弁護士、精神科医ら委員5人を選任した。

会合では、久元市長が「いじめへの学校の対応や、事案発生後の学校・教育委員会の対応の問題点を明らかにし、具体的な再発防止策を提言してほしい」とあいさつ。委員長には吉田圭吾・神戸大大学院教授(臨床心理学)が選ばれた。

生徒の母親は意見陳述で悪口や仲間外れなど第三者委が認定したいじめについて、関連性や広がりを生徒間の関係や学校の対応など背景を含めて調べるよう求めた。

吉田委員長は会見で「遺族の気持ちに寄り添いつつ、公平中立な調査を進めたい」と述べた。今後、弁護士ら数人を補助委員に任命し、関係者への聞き取り調査などを行い、年内にも報告書をまとめる。(井上 駿、広畑千春)

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平成30年7月12日 神戸新聞

神戸・中3自殺 いじめ再調査委16日発足

2016年10月、神戸市垂水区で市立中学3年の女子生徒=当時(14)=が自殺し、同級生らの聞き取りメモが隠蔽された問題で、神戸市は11日、いじめと自殺との関連などを調べる再調査委員会を16日に発足させると発表した。委員には、加古川市のいじめ自殺問題で第三者委員会委員長を務めた吉田圭吾・神戸大大学院教授(臨床心理士)ら5人を選定。初回会合では遺族も意見陳述し、年内の取りまとめを目指す。

再調査は、いじめ防止対策推進法に基づく。市こども家庭局が委員会を設け、吉田教授ら有識者2人、弁護士2人、精神科医1人の計5人で調べる。

神戸の自殺を巡っては、市教育委員会が遺族に非公表で第三者委を開催。第三者委は昨年8月、女子生徒へのいじめを認める報告書をまとめた。しかし遺族は自殺との関連の調査が不十分として今年4月、久元喜造市長に再調査を申し入れた。直後にメモの隠蔽が発覚し、久元市長は再調査を決定。市が遺族の意向を踏まえ人選を進めてきた。

久元市長は、11日の定例会見で「市教委の第三者委は必ずしも遺族の信頼が得られる形ではなかった」と指摘。「いじめへの対応を調べる中で、市教委や学校のあり方も問われるだろう」と述べた。(広畑千春)

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