龍野高部活訴訟 兵庫県への賠償命令確定へ
【12月17日付 神戸新聞】

兵庫県立龍野高校(たつの市)で2007年、テニス部の練習中に倒れ寝たきりになった
当時2年の女性(25)=兵庫県太子町=と両親が、安全配慮義務を怠ったとして県に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は16日までに、県の上告を棄却する決定をした。15日付。将来の介護費用などを含め約2億3千万円の支払いを命じた二審大阪高裁判決が確定する。
事故当時、顧問は出張のため不在だったが、危険を予見することができ、水分補給のための休憩時間を設けるなど適切に指導する義務があったと結論づけたことになる。
二審判決によると、テニス部主将だった女性は07年5月24日、正午の練習開始から約3時間後に熱中症で倒れた。寝たきりとなり現在も24時間態勢の介護が必要な状態にある。
当日、近くの兵庫県上郡町の最高気温は27度。中間試験の最終日で、11日ぶりの部活動だったが、顧問は出張のため開始から約30分で現場を離れた。女性は顧問の指示通りに練習を進めていた。
10年に県を提訴。一審神戸地裁判決は熱中症とは認めず、練習内容についても「過酷で厳しいとは言い難い」と請求を棄却したが、今年1月の二審判決は熱中症と認定した。(上田勇紀)
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【12月17日付 朝日新聞大阪本社版】
部活中の熱中症、県への2億4千万円賠償命令確定

兵庫県立龍野高校(同県たつの市)のテニス部員だった女性(25)が2007年に部活中に倒れ、重い障害が残ったとして、県に約4億円の損害賠償を求めた訴訟で、約2億4千万円の支払いを
命じた二審・大阪高裁判決が確定した。最高裁第三小法廷(岡部喜代子裁判長)が15日付の決定で、県の上告を退けた。
今年1月の二審・大阪高裁判決は、女性が熱中症にかかったと認めた上で、学校側には熱中症にならないように指導する義務があったと指摘。学校側の責任を認めず女性の請求を退けた一審・神戸地裁判決を変更する、逆転勝訴判決を言い渡していた。
——————————————————————————–【12月17日付 東京新聞本社版夕刊】
高校部活で障害に賠償 兵庫県、支払い確定 最高裁

テニス部の練習中に熱中症で倒れ、重い障害が残ったのは学校側の過失だったとして、兵庫県立龍野高校に通っていた女性(25)と両親が県に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は16日までに、県の上告を退ける決定をした。15日付。
女性側逆転勝訴とし、県に約2億3000万円の支払いを命じた2審大阪高裁判決が確定した。
2審判決によると、女性はテニス部で主将を務めていた2007年5月、練習中に突然倒れて心停止となり救急搬送された。低酸素脳症のため重い意識障害になり、現在も寝たきりで24時間の介護が必要な状態で生活している。
1審神戸地裁は、熱中症だったと認めず、練習内容も「過酷で厳しいものとは言い難い」として請求を全面的に退けた。
だが、2審は、熱中症だったとして学校側の注意義務違反を認定。顧問が出張で練習に立ち会えなかった点を「部員の体調の変化に応じた指導ができない以上、通常よりも軽い練習にとどめるなどの指示をする義務があった」と指摘し、1審判決を変更した。
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【NHK大阪放送局】

最高裁 兵庫県の上告退ける

8年前、兵庫県の県立高校で、部活動の練習中に倒れて重い障害が残った女子生徒と両親が、学校の安全管理に問題があったと訴えた裁判で、最高裁判所が兵庫県の上告を退け、およそ2億4000万円の賠償を命じた判決が確定しました。
平成19年5月、兵庫県立龍野高校で、テニス部のキャプテンだった2年生の女子生徒が部活動の練習中に倒れて意識不明になり、重い障害が残りました。
女子生徒と両親は、学校の安全管理に問題があったと訴え、1審の神戸地方裁判所は訴えを退けましたが、2審の大阪高等裁判所は、熱中症が原因と認めた上で、顧問の教師が長時間の練習を指示するなど、学校側に過失があったとして、兵庫県におよそ24000万円の賠償を命じました。
兵庫県はこれを不服として上告していましたが、最高裁判所第3小法廷の岡部喜代子裁判長は、17日までに上告を退ける決定を出し、兵庫県の敗訴が確定しました。
女子生徒の父親は「学校側に、生徒の安全に配慮する義務があったことが認められ、大変、喜んでいます。この決定を真摯に受け止めて、2度と同じような事故を起こさないように対策を徹底してほしい」と話していました。
一方、兵庫県教育委員会体育保健課は「今回のような事故が2度と起こらないよう、今後とも安全指導を徹底していく」としています。
http://www3.nhk.or.jp/kansainews/20151217/4377991.html
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【NHK神戸放送局】

学校側の過失認める判決 確定

兵庫県の県立高校で部活動の練習中に倒れて意識不明になった女子生徒と両親が学校の安全管理に問題があったと訴えた裁判で、最高裁判所は県の上告を退ける決定を出し、学校側の過失を認め賠償を命じた判決が確定しました。
平成19年5月、兵庫県立龍野高校でテニス部のキャプテンだった2年生の女子生徒が部活動の練習中に倒れて意識不明になり、生徒と両親は学校の安全管理に問題があったと訴えていました。
1審の神戸地方裁判所は訴えを退けましたが、2審の大阪高等裁判所は、熱中症が原因と認めた上で、顧問の教師が長時間の練習を指示するなど学校側の対応に過失があったと指摘し、兵庫県におよそ2億4000万円の賠償を命じました。
県はこれを不服として上告していましたが、最高裁判所第3小法廷の岡部喜代子裁判長は、15日付けで上告を退ける決定を出し、学校側の過失を認め賠償を命じた判決が確定しました。
女子生徒の父親は「学校側に生徒の安全に配慮する義務があったことが認められ、大変、喜んでいます。この決定を真摯に受け止めて2度と同じような事故をおこさないように対策を徹底してほしい」と話していました。
上告が退けられたことについて、兵庫県教育委員会体育保健課は「今回のような事故が2度と起こらないよう、今後とも安全指導を徹底していく」としています。
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/2024376761.html?t=1450342573564

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【12月16日付 朝日新聞】

鹿児島県出水市で2011年に自殺した市立中学2年の女子生徒(当時13)の遺族が、いじめの有無を学校が調べたアンケート結果の開示を市に求めた訴訟の判決が15日、鹿児島地裁であった。鎌野真敬裁判長は、結果の一部について市の不開示決定を違法と認め、個人情報を伏せて開示するよう命じる判決を言い渡した。
女子生徒は11年9月、市内の九州新幹線の跨線橋から飛び降りて死亡した。学校は全校生徒を対象にアンケートを実施。市教委は回答などをもとに「(自殺の)直接のきっかけとなる出来事は確認できなかった」と結論づけた。遺族は市の情報公開条例に基づいて2度、アンケート結果の開示を求めたが、いずれも不開示とされていた。
市側は、回答の一部でも開示すればインターネット上に生徒の実名が出るなどして個人のプライバシーや名誉が侵害される恐れがあると主張していた。
判決で鎌野裁判長は、回答を原文のまま転記した「アンケートまとめ」については、生徒の固有名詞や性別、部活動名などを除けば「公にしても特定の個人を識別することはできなくなる」と指摘。市条例の不開示事由には当たらないとの判断を示した。一方、手書きの回答用紙については、筆跡から回答者を特定できるなどとして開示を認めなかった。
判決後、記者会見した女子生徒の祖父で原告の中村幹年さん(65)は「真相に近づけず苦しみ続けてきたが、一筋の光が見えた。事件解決のスタートラインに立てた。さっそく墓前で孫に報告したい」と涙ながらに語った。
遺族への適切な情報提供を定めたいじめ防止対策推進法は、大津市立中学の男子生徒が自殺した問題をきっかけに13年6月に成立した。会見には男子生徒の父親(50)が同席し、同法と個人情報保護法のはざまで混乱が生じていると指摘。「国が具体的な基準を示すべきだ」と訴えた。
出水市教委の溝口省三教育長は「判決を重く受け止め、対応を検討する」と述べた。(鎌田悠)
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【NHK鹿児島放送局】

アンケート回答結果開示命じる

4年前、出水市の女子中学生が自殺し遺族が「いじめが原因の可能性がある」として出水市教育委員会が生徒を対象に行ったアンケートの開示を求めた裁判で、15日、裁判所は名前などを隠した上で回答結果をまとめた文書を開示するよう出水市に命じる判決を言い渡しました。
4年前の平成23年9月、出水市で中学2年生の中村真弥香さん(当時13歳)が九州新幹線にはねられて死亡し現場の状況から自殺と見られています。
出水市教育委員会は生徒へのアンケート調査などから「直接のきっかけとなる出来事は確認できなかった」とする報告書をまとめましたが、遺族は「いじめが原因の可能性がある」として名前などを隠した上でアンケートを開示するよう求めました。
しかし、出水市は「個人が特定されるおそれがある」として、回答用紙そのものや結果をまとめた文書などを一切開示しなかったため、去年4月、遺族が開示を求めて訴えていました。
15日の判決で鹿児島地方裁判所の鎌野真敬裁判長は「アンケートの回答用紙そのものは筆跡などから個人が特定されるおそれがあるため市が開示しなかったことは違法とは言えない」と述べました。
一方でアンケート結果をまとめた文書に関しては「名前や性別、それに学年や部活動などを隠せば個人を特定することはできなくなる」との判断を示し出水市に対して開示するよう命じる判決を言い渡しました。
判決が言い渡されたあと、祖父の中村幹年さんは裁判所の前で「これで何かを知ることができると思います。少しでも亡くなった孫に近づくことができるのではないかと思います」と目に涙を浮かべながら話していました。
また、その後の記者会見で「これまで4年3か月どうして孫がみずから命を絶たなければならなかったのか悩み苦しんできました。暗いトンネルの向こうに一筋の光が見えたように思います。出水市は控訴することなくただちに開示してもらいたい」と話していました。一方、出水市の渋谷俊彦市長は「亡くなった生徒のご冥福をお祈りします。判決を重く受け止めております。今後、判決文を精査した上で対応を検討してまいりたい」というコメントを出しました。
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/5054164141.html?t=1450218149545

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【12月10日付 山形新聞】
いじめ問題の責任に関し、議員の質問に答える山本信治市長=天童市・議場

天童市の中学1年の女子生徒が学校でいじめを受けて自殺した問題に絡み、9日の市議会12月定例会の一般質問で、山本信治市長と水戸部知之教育長の責任がただされ、両氏とも「再発防止に全力で取り組むことで責任を果たす」と述べ、減給や辞職を否定した。
質問に立った狩野佳和議員は、山本市長に対し、責任の取り方として給与の減額を提案したほか、多くのいじめ問題が訴訟に発展していることを踏まえ、「市独自に見舞金を支払って示談してはどうか」と質問。山本市長は「再発防止で責任を果たす」とし、見舞金に関しては「遺族に関係することなので答弁は控える」と述べた。
水戸部教育長に対しては、辞職した上で退職金を返納して見舞金に充てることを提案。水戸部教育長は
「事実を検証し、その結果を指導に生かすことが責任の取り方。それ以外のことは考えていない」と答えた。
一般質問の冒頭、狩野議員の質問内容に関し、ほかの議員から「事実と異なる発言があり、(辞職を促す
発言などは)議員としての立場を逸脱している」として緊急動議が出され、約50分にわたって休会となり、議会運営委員会で審議が行われる場面もあった。
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【12月10日付 河北新報】

<天童いじめ自殺>市長、防止あらためて強調

天童市の山本信治市長は9日、天童一中1年の女子生徒=当時(12)=が昨年1月にいじめを苦に自殺した問題に関し、「遺族におわびしたい。二度とこのような事案が起こらないようにするのが私の責任の取り方だ」と述べ、これまでの姿勢をあらためて示した。市議会12月定例会の一般質問に答えた。
独立行政法人「日本スポーツ振興センター」の災害共済給付制度に基づく死亡見舞金とは別に、市単独の賠償については「遺族との関係もあり、答弁は差し控えたい」と答えた。
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【毎日新聞山形版】

[b]天童の中1自殺いじめ未然防止、早期発見に全力 山本市長[/b]

天童市立第一中1年の女子生徒が昨年1月、いじめに遭っていると書き残して自殺した問題で、山本信治市長は9日の市議会一般質問で、「二度と生じないように、市教委と共にいじめの未然防止、早期発見に全力を尽くすことで責任を果たしたい」と述べた。
狩野佳和市議の質問に答えた。狩野市議は当初の記者会見における市教委の発言を踏まえ、「いじめはないと言っていた学校、市教委側の責任は重大。任期途中で身を引き、退職金も返納して見舞金として支払うべきだ」と迫った。水戸部知之教育長は「再発防止への提言を踏まえ、しっかりと取り組むことが私の責任の取り方だ」と述べるにとどめた。
一方、狩野市議が第三者調査委員会の報告書で自殺の主たる原因がいじめによるものと「断定」されたと発言したことを巡り、他の市議が「判断できるという記述だ」と指摘。狩野市議の発言撤回と謝罪を求める緊急動議を提出し、協議の末、撤回が決まった一幕もあった。【野間口陽】

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【11月29日付 朝日新聞東京本社版「声」】

[b][size=large]罰則科す指導法に実効性あるか[/size][/b]
元中学校教員 原昌弘(福岡県 56)

大阪市教委が来年度から導入する「学校安心ルール」という指導法に、大きな危惧を抱いている。
段階に応じて罰則を定めた行動規範を子供に示し、破ったら罰則を科す「ゼロトレランス」(寛容度ゼロ)という米国の生徒指導法がヒントだという。
日々解決策を模索している教員にとって、この指導法は一見、魅惑的だが、実効性はあるのか疑問だ。
例えば、問題生徒は別室で指導するという一項がある。私の勤め先では別室指導を拒み、学校に来なくなる子もいた。親からは「授業に出さないのは教育の放棄だ」と言われた。 一律に罰則を科したら、生徒との信頼関係が崩れ、根本的な解決にならない。また、出席停止にしたとしても、親が仕事を休んで我が子と向き合えるのかという問題もある。
画一的指導の危うさを学校現場は見抜かなければならない。そもそも教育に寛容度ゼロなどありえない。

[b][size=large]いじめは犯罪、罪と罰の教育を[/size][/b]
無職 小山透(山形県 63)

いじめが社会問題になってから、幾年が経過しただろうか。毎年のように子どもの自殺者が出る現状を見ると、学校だけに根本的な対処を求めることは、もはや限界になっているのではないか。
学校だけでなく、家庭や地域にも大きな期待はできない。そんな状況をみると、社会ぐるみで子どもたちに「いじめの内容によっては犯罪。罰せられる」とストレートに、しっかり教育していくことこそ、陰湿ないじめに対抗する唯一の方法ではなかろうか。
殴ったり、傷つけたりすれば暴行罪や傷害罪になる。脅せば脅迫罪になる。そう教え、実際にそういう行為をすれば、法に則してきちんと罰するべきだ。子どもだからといって甘くしてはならない。
「徒党を組んでいじめれば誰がやったか分からないし、自分の責任は軽くなる」「見て見ぬふりをする」といった態度に、けじめをつけたい。
とにかく、いじめで追い詰められた子どもが自分の命を絶つのは、とても悲しいことだ。命を守るために、「罪と罰」の教育が求められる。

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【11月17日付 朝日新聞】

名古屋市西区の市立中学1年の男子生徒(12)が自殺した問題で、この生徒が部活動で「弱いのによくそこに立ってるな」となじられたり、体形について悪口を言われたりしていたことがわかった。生徒は友人に「部活でいじめられている」「嫌な先輩がいる」とも相談していた。市教育委員会が16日、部員らへの聞き取りの結果を発表した。
市教委は、同じクラスの生徒、所属していた卓球部員ら計97人から聞き取った。11人がいじめを「直接見た」、3人が「本人から聞いた」と答えた。
部活では「カスい」とけなされたり、試合の際、「弱いのに、よくそこに立ってるな」と言われたりしていたのが目撃されていた。「下手だな」と言われ、涙ぐんでいるのを見た部員もいた。上級生にピンポン球を貸して、返ってこないこともあった。
10月中旬、男子生徒から「もうだめかもしれない」と打ち明けられた1年生部員はその際、「部活で
いじめられているんだよね」と言われた。「大丈夫か」と聞くと、生徒は「冗談。気にしなくていいよ」と話したという。男子生徒は、部活以外でも、体形をからかわれるなどしていた。
市教委は、調査結果を18日に初会合がある第三者機関「市いじめ対策検討会議」に報告。検討会議は、学校の対応に問題がなかったかなどを検証する。 (小若理恵、岡戸佑樹)
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【中日新聞】

市教委「いじめと受け止め」 名古屋・中1自殺、聞き取り調査報告

名古屋市西区の市立中学1年の男子生徒(12)がいじめを訴える遺書を残して自殺した問題で、市教委は16日、生徒が所属していた運動部で「弱い」と言われたり、学校生活で体形をからかわれたりしたことを計13人の生徒が「直接見た」「本人から聞いた」と証言した聞き取り調査結果を公表した。
同日の市教委臨時会で「いじめがあったと受け止めざるを得ない」との見解を示した。
市教委は18日、有識者による「市いじめ対策検討会議」に報告し、同会議が詳細な事実関係や、自殺との因果関係などの解明を進める。
市教委の無記名アンケートでは生徒20人が「いじめを見た」、3人が「相談を受けた」と回答。これを
受け、6~16日に同級生や同じ部活動などの生徒計97人に聞き取りした。いじめにかかわる場面について、計13人が「直接見た」または「直接聞いた」と答えた。
このうち1人は10月中旬の下校時、生徒から「部活でいじめられているんだよね。もう駄目かもしれない」と聞いた。「大丈夫」と心配すると「冗談だけどね。気にしなくていいよ」と返答があったという。
部活動に関しては、「おまえ弱いのに、よくそこに立っているな」と言われていたとの証言もあった。
学級では「体形をからかわれていた」との場面が目撃されていたほか、生徒の弁当を別の生徒が食べていたとの複数の証言があった。ただ「おかずをあげており、奪われたとの印象を受けなかった」との指摘も。担任は「(この生徒が)弁当を分け与えるようなことがあったので、食べ物のやりとりは駄目だと注意した」と話したという。
生徒は今月1日、西区の地下鉄駅構内で電車にはねられ死亡。自宅のノートに「学校や部活でいじめが多かった。部活では『弱いな』と言われていた。もう耐えきれない」と書き残していた。

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【11月17日付 毎日新聞】

札幌市内の私立中学校で、1年生の男子生徒12)が複数のクラスメートから無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使った嫌がらせなどのいじめを受け、10月末に退学していたことが16日、分かった。男子生徒は公立中学校に転校した。私立学校側は、いじめ防止対策推進法や道条例に基づく「重大事態」の疑いがあるとして道に連絡した。来週中にも報告書を提出する。
私立中によると、今年9月17日、被害生徒の母親から「子どもの様子がおかしい」と相談があり、クラスメートの男子がLINEで「こ・ろ・す・ぞ・し・ね」と送ったことを確認した。学校は9月下旬、メッセージを送った生徒を1週間、自宅謹慎させた。
母親は学校に対し、生徒が入学以来、複数の男女のクラスメートから継続的にたたかれたり、嫌がらせをされたりするなどのいじめを受けたと説明しているという。生徒は体調不良で病院で診察を受けた。母親が学校に相談した翌日の9月18日から不登校になった。
学校側は生徒が継続的にいじめを受けたとみられると認めたが「詳細は調査中」としている。校長は「教職員によるいじめ対策委員会で詳しく調査している。生徒が退学したことに至らなさを感じている」と話した。
道は同法に準じていじめ防止条例を2014年4月に施行しており、条例に基づく重大事態として報告されたのは今回で4件目。【千々部一好】
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【北海道新聞】

いじめで中1退学、札幌の私立中 学校、事実認め謝罪

札幌市内の私立中学校で1年生の男子生徒(12)が複数の同級生から、無料通信アプリLINE(ライン)で「こ・ろ・す・ぞ しね」とメッセージを送られるなどのいじめを受けた結果、10月末に退学したことが分かった。
同校はいじめ防止対策推進法に基づき、今回のいじめを報告。重大な人権侵害の疑いがあるとして、札幌法務局も調査に乗り出している。同校は16日、記者会見を開き、いじめの事実を認め、謝罪した。
同校の校長によると、男子生徒へのいじめが始まったのは6月ごろ。同じクラスの複数人からラインで脅迫のメッセージが送られたほか、たたかれたり、言葉による嫌がらせを受けたという。その後、男子生徒からいじめを打ち明けられた担任は、いじめを主導した男子生徒らを注意したが、いじめは収まらなかった。
その結果、男子生徒は9月中旬に不登校となり、男子生徒の母親が同校に相談。同校は、担任や生徒からの聞き取りでいじめを確認し、中心人物の男子生徒を1週間の自宅謹慎処分としたほか、複数の生徒を注意した。
さらに母親は10月中旬、いじめなどにより、不眠などの症状が出ているとする男子生徒の診断書を同校にメールで送付。同校は、生徒の生命や身体に重大な被害が生じるいじめがあったと判断し、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」として同月20日付で、道に報告した。札幌法務局も母親から相談を受け、調査を行っている。
男子生徒は10月末に退学し、別の学校に転校した。校長は会見で「誠意を持って対応したが、届かなかった。
学校の至らなさを感じ、申し訳なく思っている」と謝罪した。詳細については「精査中なので公表できない」と説明した。
道によると、重大事態の報告義務が道条例で定められた昨年4月以降、道内の道立、私立の小中高校と
特別支援学校から道政策局に報告があったのは4校4件という。

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【11月17日付 河北新報】

仙台市泉区の館中1年の男子生徒=当時(12)=が昨年9月下旬、いじめを苦に自殺した問題で、市が独立行政法人「日本スポーツ振興センター」の災害共済給付制度に基づき死亡見舞金を請求し、遺族に見舞金2800万円が支払われていたことが、16日、市教委への取材で分かった。
市は1月下旬にセンターに請求。3月下旬に審査会の判断を経て支給が決まり、4月にセンターから遺族に支払われた。
災害共済給付制度は、学校管理下で児童生徒がけがや死亡した場合などに、医療費や死亡見舞金が支払われる仕組み。文部科学省は2007年、自殺の場所にかかわらず、いじめや体罰が原因で自殺した場合にも死亡見舞金の給付対象となるよう制度を変更した。
市教委の第三者委員会が男子生徒の自殺といじめとの関連性を認める報告書を出したのは6月下旬だった。市教委教育相談課は「制度があるので、少しでも早く遺族のためになればと思い請求した」と話している。

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【11月12日付 河北新報】

山形県天童市の中1女子自殺問題で、山本信治市長は11日までに、第三者調査委員会の報告書への遺族側意見書に対し回答書を送付した。学校と教師の落ち度への見解には「心からおわび申し上げます」と記した。
遺族代理人の安孫子英彦弁護士によると、学校の対応については「いじめに関する情報が共有化されず、対応する組織も機能を果たすことができなかった」と謝罪した。遺族への具体的責任の取り方には「いじめの未然防止、早期発見、対応に全力を尽くしたい」と記載するにとどまった。
市教委も回答書を同封し、第三者委の収集した資料は「永年保存」で管理することを明記した。校長が
生徒や保護者との面談を通して、繰り返し指導を続けることも強調、結果などは遺族に報告するとした。
安孫子弁護士は「遺族の願いでもある再発防止策を徹底していくことを期待したい」と話した。

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【11月15日付 朝日新聞デジタル】

被害生徒が担任教諭に提出した連絡帳には、「ぼうげん、ぼう力がすぎます」「先生のしらないところでこっそりとぼくをつねったり」などといじめを訴える文言が並んだ=被害生徒の母親提供

札幌市内の私立中学校の1年の男子生徒(12)が入学直後から半年間にわたって複数のクラスメートからいじめを受け、退学したことがわかった。同校もいじめを認め、いじめ防止対策推進法の「重大事態」として北海道庁に近く報告するとしている。
同校や被害生徒の母親(50)によると、生徒は今年4月に入学し、その直後から同じクラスの男女の生徒数人から繰り返しいじめを受けるようになった。殴られたり蹴られたりするなどの暴力に加え、無料通信アプリ「LINE」で、「こ・ろ・す・ぞ」などのメッセージが送られてきたという。
被害生徒は9月中旬、登校できなくなり、母親にいじめを明かした。母親から相談された同校は加害生徒らへの聞き取りなどを進め、いじめがあったと判断した。
同校によると、加害生徒らは謝罪の意思を示しているほか、同校もいじめを見抜けなかったなどとして謝る方針。主導した生徒を停学処分にし、ほかに関与した生徒らとともに指導するという。
被害生徒は不登校になったころ、自殺をほのめかすなど精神的に不安定な状態が続き、病院で神経症の疑いがあるなどと診断された。10月末に退学し、公立中学への転校手続きを済ませたという。
校長は「担任はふざけているのだと思い、いじめだと考えなかった。生徒と母親には申し訳ない」と話した。
母親は「学校の助けがなく、転校を余儀なくされたことに憤りを感じる」と話した。

■執拗に暴力、担任にSOS出したが
札幌市内の私立中学校で発覚したいじめは、半年もの間、複数のクラスメートによって執拗に続けられた。
被害生徒は担任に「SOS」を出しており、学校側の対応が問題になりそうだ。
被害生徒の母親によると、息子からいじめの存在を打ち明けられたのは9月17日の夜。この日も学校でいじめを受けていた。朝、いじめを主導した男子生徒から背中を強くたたかれ、昼休みには水筒の茶を勝手に飲まれ、顔に吐きかけられた。音楽の授業中、女子生徒からシャープペンシルで何度も太ももを刺されたという。
翌日から被害生徒は頭や腹の痛みを訴えて学校を休んだ。母親はこの日、いじめの存在を学校に知らせた。
母親が聞かされたいじめの実態は壮絶だった。入学式の翌日、すぐ前の座席だった男子生徒から「小学校の時からいじめをやっていた。お前に決めた」と言われ、いじめが始まった。別の生徒もけしかけ、少なくとも男女計8人の生徒がいじめに加担したという。
被害生徒は加害生徒らから殴られるなどしたほか、床に押しつけられて一本ずつ髪の毛を抜かれたこともあった。筆箱を逆さまにして中の筆記用具を床に落とされることが繰り返され、新品の消しゴムを粉々にされたという。
主導した生徒からは「下の下の人間」「(お前は)俺のおもちゃだ」などと言われ、LINEで同じ画像を100回以上送信される嫌がらせも受けたという。
被害生徒は7月、担任教諭に「SOS」を出した。教諭に提出した連絡帳の中で、加害生徒の一人を名指しし、「3回強くたたかれた」「何回もやられているのではっきり言っていいかげんやめて欲しい」「先生のしらないところでこっそりとぼくをつねったり足をふんでみたり」などと訴えた。担任からは「少し厳しく個人的に話します」などのコメントが書かれて返却されたが、いじめは激化したという。
母親は「息子が連絡帳で訴えたのに、担任はなぜいじめを防げなかったのか。相談から2カ月もたつが、学校からは調査結果も知らされていない」と憤る。母親は仕事を辞めて生徒に付きっきりの状態になっているが、被害生徒は精神的に不安定なままだという。(関根和弘)

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【11月14日付 河北新報】

天童一中1年の女子生徒=当時(12)=が昨年1月にいじめを苦に自殺した問題で、同校は13日、当時同じクラスと運動部に所属していた生徒約40人に、いじめに関する個別指導をしていることを明らかにした。来週をめどに終了し、生徒らは遺族に謝罪する。
校長によると、第三者調査委員会が「いじめが自殺の主要な原因」と認定した報告書などを元に、卒業生を含め、いじめをしていたと名前が挙がった生徒と、傍観していたとみられる生徒に対し、校長が保護者を同席させて面談してきた。
指導では、悪口や嫌がらせなどのいじめが、亡くなった女子生徒に著しい苦痛を与えたことの重み、傍観せず教師らに事実を伝える大切さなどを理解させているという。
遺族には、生徒らが教員に付き添われ、今月下旬から謝罪に出向くことを伝えている。
校長は「生徒は事実を受け止めて深く反省し、素直に遺族らに気持ちを伝えてほしい」と話した。
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【11月13日付 山形新聞】

天童・中1自殺、同級生ら40人を指導 校長、いじめの重大さ諭す

天童市の中学1年の女子生徒が学校でいじめを受けて自殺した問題で、学校側が当時の全クラスメートのほか、同じ部活の同学年生と卒業生の一部約40人を対象に指導したことが12日、分かった。指導は個別面談で行われてほぼ終了し、今後は生徒らが個別に遺族への謝罪や弔問を行うという。
女子生徒が通っていた学校によると指導対象は同級生だった30人、当時1年生の部員10人前後と先輩で既に卒業した生徒の一部。対象範囲について同校は「調査報告書で(いじめに関与して)名前が挙がった生徒以外については傍観者の線引きが難しく、関係の度合いではなく、周囲のみんなで今回の問題に向き合うために選んだ」という。
指導は、校長が保護者同伴の上で全生徒と個別に面談。報告書に名前が挙がった生徒に対しては、それぞれのいじめ行為を確認した上で、自分が行った行為の重大さ、相手に与えた影響などを理解させ、「当時を振り返った気持ちを相手(遺族)に表すように」と諭した。いじめを見ていた生徒らについては「大人でも悪い人を制するのが難しい場面もある」などとしながら、見て見ぬふりをしない勇気や周囲に知らせることの大切さを伝えた。
指導に当たった校長は「頭ごなしに叱れば生徒は殻に閉じこもる。甘いかもしれないが、気持ちを解きほぐして、生徒が亡くなった重大さと責任を感じてほしかった」とし、多くの生徒が涙を流すなど反省した様子だったという。
遺族への謝罪は強制せず、学校が仲介しながら個別に進められる。

遺族への見舞金、市教委が給付請求
天童市の中学1年の女子生徒が学校でのいじめで自殺した問題で市教育委員会は12日までに、独立行政法人日本スポーツ振興センターが運用する災害共済給付制度に基づき、同センターに死亡
見舞金を請求した。
市教委によると「第三者委員会の報告書で女子生徒の死亡といじめの因果関係が示されたことを受け、先月中に請求手続きを行った」という。今回のケースは「学校管理下の事由による死亡」に当たり、同センターの審査会で認定されれば、規定の2800万円が遺族に支払われるという。同制度は児童生徒らの共済掛け金で運用され、学校管理下での負傷、疾病などに医療費や見舞金が支払われる。

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