【9月30日 河北新報】

◎在校生へ説明なし「再発防止できない」

仙台市議会9月定例会は、市立中1年の男子生徒のいじめ自殺が8月21日の市議会委員会で報告されてから初の本会議となる。29日の代表質疑では生徒が通っていた学校名を公表せず、いまだに在校生や保護者に説明していない市教委と市の対応に批判が相次いだ。
自民党の斎藤範夫氏は「学校名は既に公知の事実だ。(自分の学校で)起きたことを説明しないと再発防止はできない」と強調し、公表を迫った。
市民フォーラム仙台の岡本章子氏は学校が男子生徒の自殺後、在校生に「転校した」と虚偽の説明したことに言及。「大人はうそをつく、ごまかすという思いが子どもたちに生じかねない」と指摘した。
奥山恵美子市長は「非公表は遺族の意向。現時点で意向は変わっていないと聞いている」と従来通りの釈明に終始。学校の現状に関しては「率直に踏み込んで子どもと向き合う状況にはなっていない」と認めた。
大越裕光教育長は校名の非公表に「混乱を生じさせている」と陳謝。「遺族に状況を伝え、当該校でどんな対応が必要かを検討する」と語り、遺族と協議する意向を明らかにした。
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【朝日新聞宮城版】

仙台いじめ自殺、対応に批判続出

仙台市立中学1年の男子生徒が昨秋、いじめを受けて自殺した問題への市教委や学校の対応について、29日の市議会代表質問で批判が相次いだ。
男子生徒が通った中学校は現在も自殺の事実などを生徒に伝えていない。自民党の斎藤範夫議員は「市教委は(非公表を望む)遺族を説得して生徒に説明し、いじめについて考えさせることが再発防止になる」と指摘した。市民フォーラム仙台の岡本あき子議員は「多くの生徒が自分たちの学校のことだとわかっている。大人はうそをつくと子どもたちが思っても不思議ではない」と批判した。
奥山恵美子市長は「再発防止のために、原則公表するべきだ」としたうえで、「遺族の意向があり、子どもたちと学校が向き合う状況になっていない。遺族との協議を続けたい」と述べるにとどまった。

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【9月29日 朝日新聞宮城版】

ビニールシートの上に花束やジュースが置かれ、箱の中に手紙などがおさめられていた=仙台市内

いじめを受けて昨秋に自殺した仙台市立中学1年の男子生徒への献花が、台が撤去された後も続いている。台があった市内の公園には28日、花束の下に敷くビニールシートが新たに設けられた。
管理する市は「台がなければ不法占用ではない」として、撤去は求めない方針だ。
21日に設けられたとみられる献花台は、24日夜から25日朝の間に撤去された。誰が設置し、撤去したかはわかっていないが、撤去後も献花したり、手を合わせたりする住民らが途絶えない。
公園がある区の区役所公園課は、献花台が設けられたときは公有地の不法占用にあたると判断したが、28日に課長らが公園を確認。現状では不法占用にあたらないため、今後も定期的に点検して様子を見ることにした。

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【9月29日 河北新報】

◎悲劇をなくすには(上)NPO法人ジェントルハートプロジェクト(川崎市)理事 小森美登里さん(58)

仙台市立中1年の男子生徒=当時(12)=がいじめを苦に自ら命を絶ってから1年が過ぎた。
悲劇を生んだいじめをなくすには、学校や児童生徒、保護者がどう対応すればいいのか。少年の苦しみから何を学び取ればいいのか。いじめ自殺で子どもを亡くした親や、弁護士、研究者の3人に聞いた。
(仙台・中1いじめ自殺問題取材班)

<市教委判断誤り>
-仙台市のいじめ自殺問題をどう受け止めるか。
「公表に1年も費やした市教委の判断は間違っている。最初にすべきは遺族のケア。それと速やかな公表に向けた説得だった。高校1年の娘をいじめ自殺で亡くした私の場合もそうだったが、親は悲しみに打ちひしがれ、冷静な判断ができない。市教委が遺族に寄り添い、予見できる混乱を丁寧に説明すべきだった」

-遺族は非公表を望んでいる。
「真実を明らかにするには公表が必要なプロセスだと伝えれば応じるはずだ。親が公表しろと言えば公にし、事実を伏せろと言えば隠すようでは、いじめ自殺の対応にばらつきが出る。悲劇を繰り返さないためにも、一貫性のない対応は絶対に避けるべきだ」

-公表に時間がかかったことによる弊害は何か。
「真相を究明する機会を逸した。いじめた子どもと教師、保護者だけに聞き取りをしても、状況を正確に
把握できない。直後にクラスメートや同じ部活の子どもたちに話を聞かないと、真実にはたどり着けない」
「保身に走りがちな学校は『子どもの言うことは曖昧で信用できない』との論法を好む。学校の内部事情
を知らない専門家より、事実を見聞きしていた子どもの方がよほど信頼できる。むしろ早く聞き取らないと
さまざまなうわさが広がり、真実がかすんでしまう」

<生徒ら傷付いた>
-今も事実を伏せられ、学校や教師を信じられない子どもも少なくない。
「いじめ自殺を『無かったこと』にされた結果、どれだけ多くの友人たちが傷付いたか、周りの大人たちは想像できるだろうか。真実に向き合えなければ立ち直りへのケアもできない。必要なのは学校全体で事実を受け止め、悼み、思い切り泣くことだ」
「加害者が反省する機会を逃した可能性もある。加害者から本音を聞き出せるのは、いじめ自殺の発覚からせいぜい3日。加害者の親、教師は『いじめられた子にも原因があった』などと誤った弁護の仕方をしがちだ。更生する機会を奪われたとすれば、彼らは大人の事情が生み出した第二の被害者だ」

<こもり・みどり>98年7月、一人娘で高校1年の香澄さん=当時(15)=をいじめ自殺で亡くした。03年、いじめのない社会づくりを目指すNPO法人「ジェントルハート プロジェクト」を夫や支援者らと設立。理事を務める。12年、文科省いじめ問題アドバイザーを務めた。

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【9月28日 朝日新聞福島版】

記者会見で、自殺した生徒や遺族、県民への「おわび」をする菅野誠・教育次長(左)と
大沼博文・高校教育課長=県庁

●生徒自殺 第三者委設置へ
会津地方の県立高校で自殺した女子生徒は、部活動で人間関係のトラブルを訴えていた。県教育委員会は来週にも専門家を交えた委員会を設置し、いじめがあったかなどを調べる。なぜ女子生徒は死を選んだのか。
県教委と学校によると、女子生徒の遺体がトイレで見つかったのは19日午前4時。机に残された私物の中にはメモ書きが残されていた。書かれていたのは自分に対するつぶやきや、部活の友人にあてた思い。自殺を示唆する内容はなかったという。
学校が23日、生徒が所属する部活の約60人にアンケートをしたところ、7人が女子生徒について「部活で人間関係のトラブルがあった」という趣旨の回答をしたという。県教委の大沼博文・高校教育課長は、いじめをうかがわせる表現はなかったとして「いじめではないととらえている」と述べた。
学校は女子生徒のトラブルは把握していた。
今年4月に、担任が面談したところ、女子生徒は部活でのトラブルを打ち明けたという。その後、トラブルに関わったとされる複数の生徒には部活の顧問が注意した。女子生徒は担任に勧められて6月上旬から休部し、8月にいったん復帰したものの、9月から再び部活を休んでいた。
県教委と一緒に記者会見した校長によると、女子生徒の一件は同学年の教員、校長、教頭で共有していたが、県教委には報告していなかった。校長は「教室では笑顔も見えて、修学旅行の準備にも喜々として取り組んでいた。よい方向に向かっていると思った」と話した。
これに先立ち、生徒は昨年度にも計20日間ほど学校を休み、とくに昨年9月以降は欠席が目立った。校長は「体調不良と聞いていて、当時は問題に気付かなかった」と話す。
自殺を受けて、学校は校内でのトラブルを把握するため、24、25日に全校生徒にアンケートを実施した。
女子生徒のトラブルを証言した7人を含む生徒たちからヒアリングし、自殺の原因を調べる方針だ。県教委は来週にも、心理学や法律などの専門家を交えた「第三者委員会」を設置する。
生徒と同じ部活に所属する男子生徒は「学校からは亡くなったとだけ聞いた。気持ちの整理がつかない」。
女子生徒の父親は、朝日新聞の取材に対し「委員会の調査を見守りたい」と話した。

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【読売新聞福島版】

高2自殺、知事「しっかり整理して」
◆県教委記者会見の遅れに
会津地方の県立高校2年の女子生徒が校舎内で自殺した問題で、県教育委員会が19日未明に遺体を発見しながら26日午後まで記者会見しなかったことについて、内堀知事は28日の定例記者会見で、県民への情報発信や説明が適切だったかどうか検証するよう県教委に促した。
内堀知事は記者会見で、「情報公開のあり方は絶えず私どもの課題。県教委は今回の対応がどうだった
のか、しっかりと整理していただきたい」と述べた。県教委は、学校施設内で生徒が命を絶った重大な問題にもかかわらず、何日も記者会見を開かなかった理由について「遺族に説明していた」などと話している。

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【9月27日 朝日新聞】
福島県会津地方の県立高校で2年生の女子生徒が首をつって死亡していたことがわかり、県教育委員会は26日、自殺だったと発表した。部活動で人間関係のトラブルを抱えていたといい、県教委は近く専門家を交えた第三者委員会を立ち上げ、いじめの有無などを調査する。
県教委などによると、女子生徒が18日夜になっても学校から帰宅しなかったため、保護者が県警に捜索願を提出。19日午前4時ごろ、女子トイレで教員が遺体を見つけた。
学校は23日、女子生徒と同じ文化部に所属する約60人に実名でアンケートを実施。「他者からの言動が精神的負担となっていたのでは」といった部活内での複数のトラブルについて計7人が回答したという。
学校によると、女子生徒は昨年9月から学校を休みがちになった。欠席が続いた今年4月、担任との面談で部活での悩みを打ち明けたため、部の顧問が複数の生徒を注意したという。女子生徒は6月上旬に休部した後、8月に復帰。9月から再び部活を休んでいた。
女子生徒が通っていた学校の校長は会見で「トラブルは把握していたが、いじめとの認識は薄く、県教委には報告していなかった」と述べた。女子生徒の父親は朝日新聞の取材に対し「第三者委員会の調査を見守りたい」と話した。
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【共同通信】

女子高生自殺、部活トラブル指摘 生徒アンケートで、福島

福島県会津地方の県立高校の女子生徒が校内で自殺した問題で、県教育庁は26日午後、記者会見を開き、女子生徒が所属する部活動の生徒を対象にアンケートした結果、部活内での人間関係のトラブルを指摘する回答が7人からあったと明らかにした。
教育庁は、生徒の遺族もこの人間関係のトラブルが自殺の一因ではないかと考えていることから、専門家を含む第三者委員会を立ち上げ、事実関係を明らかにする方針。
家族の捜索願を受け、教員らが校内を捜し、19日午前4時ごろ、女子トイレで首をつっている女子生徒を発見した。
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【河北新報】

会津方の県立高女子生徒が自殺

福島県教委は26日、同県会津地方の県立高校の女子生徒が校内で自殺しているのが19日に見つかったと発表した。部活動をともにする生徒7人が人間関係のトラブルを指摘しており、県教委は近く弁護士や臨床心理士など専門家らを交えた第三者委員会を設置し、いじめがなかったかどうか原因究明を急ぐ。
記者会見した県教委の担当者と高校の校長によると、女子生徒は18日、登校後に帰宅せず、保護者が県警に捜索願を出した。教員が校内を捜したところ、19日午前4時ごろ、女子トイレ内で首をつっているのが見つかった。遺書はなかった。18日の放課後、教室で他の生徒7人と未提出の学習課題に取り組む様子が確認されていた。
高校が23日、同じ文化系の部に所属する約60人に記名アンケートを行った結果、7人が「精神的負担になるような他者からの言動を見聞きした」などと回答した。
女子生徒は昨年9月ごろから欠席が目立つようになり、ことし4月に担任が面談を行ったところ、部活動をめぐる人間関係で悩みを抱えていることが分かり、6月から休部した。8月に復帰し、教室でも明るく振る舞っていたことから、学校側はトラブルは解決したとみていた。9月は部活動に参加していなかった。
25日夜、校長らの訪問を受けた遺族が「いじめが原因ではないか。真相を究明してほしい」と要請。遺族の了解を得て公表した。
高校は24~25日、全校生徒を対象に無記名のアンケートを実施。来週にも同じ部の生徒を中心に聞き取り調査を行うという。

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【NHK福島放送局】

女子高生自殺で県教委が調査

福島県の会津地方にある県立高校の校内で、今月19日、女子生徒が自殺しているのが見つかったと県の教育委員会が明らかにしました。高校が、他の生徒にアンケートを実施したところ、部活動での人間関係のトラブルをうかがわせる内容があったということで、県教委は今後、調査委員会を立ち上げて自殺の原因を調べることにしています。
福島県教育委員会などによりますと、この女子生徒は今月18日に高校に登校したあと帰宅しなかったため、保護者が警察に捜索願を出しました。
このため、女子生徒が通う高校の教師が校内を探したところ、翌日の今月19日午前3時半ごろ、女子生徒がトイレで首をつっているのを発見したということです。
見つかったとき、女子生徒はすでに心肺停止の状態だったということです。
これを受けて高校は、女子生徒と同じ文化系の部活動の60人程度の生徒にアンケートを実施し、いじめがなかったか、などについて調査しました。
その結果、人間関係のトラブルをうかがわせる内容があったということで、県教委は来週にも、外部の有識者を交えた調査委員会を立ち上げて、自殺の原因を調べるということです。
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/6055210211.html?t=1443304113030

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【9月26日付 共同通信】
鳥取市教育委員会は25日、鳥取市立中の男子生徒が24日夜、校舎内で意識不明の状態で見つかり、搬送先の病院で間もなく死亡したと発表した。
関係者によると、男子生徒は1年生で首つり自殺を図ったとみられる。
鳥取県警によると、遺書のようなものは見つかっていないが、何らかの悩みを抱えていたとみて調べている。
市教委によると、24日午後6時50分ごろ、巡回中の女性教諭が男子生徒を発見した。居合わせた教職員が救命措置を施し、病院に救急搬送したが、午後8時ごろ死亡が確認された。
男子生徒はクラスのリーダー的存在だった。運動部に所属し、24日も練習に参加したという。

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【9月26日付 河北新報】
献花台が置いてあった場所を調べる仙台市の区役所職員と地域住民=25日午前9時30分ごろ、仙台市内

自殺した男子生徒が通っていた中学校近くの公園に置かれた献花台=21日午後5時ごろ

昨年9月下旬にいじめを苦に自殺した仙台市立中1年の男子生徒=当時(12)=を追悼しようと、学校近くの公園に設置された献花台が25日朝までに撤去されていたことが分かった。献花台は21日朝までに誰かが設置した。連日、大勢の人が訪れ、花を手向け、手を合わせていた。

◎設置者名乗る匿名ファクス「迷惑考え撤去」
地元住民が25日午前8時半ごろ、花束を雨から守ろうと現地を訪れ、献花台のテーブルと白いクロスなどがなくなっていることに気付いた。24日夜には花束約50束とお菓子やジュースが供えられていたが、花束の一部と男子生徒向けのメッセージや手紙を除き、ほとんどなくなっていた。
公園を管理する仙台市の区役所は21日、献花台の側に「不法占用に当たる」との告知板を設置。
自主撤去の要請に応じない場合、強制撤去する方針を示していた。今回、撤去したのは区役所ではないという。
近所の男性(75)は「子どもの死を悼もうと勇気を持って設置された献花台が突然、撤去された。こんなことは許されない」と話した。
一方、25日朝、「献花台設置者」を名乗る人物から河北新報社に「これ以上、放置すると区役所と遺族に迷惑になるため、撤去した。手紙類は遺族に届けてほしい」という匿名のファクスが届いた。

<仙台いじめ自殺>仙台市献花台撤去方針に文科相が苦言
いじめを苦に自殺した仙台市立中1年の男子生徒=当時(12)=が通っていた学校近くの公園に献花台が設置されたことについて、下村博文文部科学相は25日、「遺族の思いや、冥福を祈りたいと訪れる人たちの心情を受け止める必要がある」との認識を示した。同日朝の閣議後の記者会見で述べた。
献花台は25日朝までに誰かが撤去したが、公園を管理する仙台市は「不法占用に当たる」との告知板を置き、週明けにも強制撤去する方針を示していた。
下村氏は「行政的には不法占拠かもしれないが、人生これからという子どもが自ら命を絶ったことへの哀悼の思いをしっかり受け止める必要がある」と市の方針に苦言を呈した。

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【9月26日付 毎日新聞】
福島県会津若松市内の県立高校で、2年生の女子生徒が校内の女子トイレで首をつって死亡していたことが25日、分かった。県教育委員会などによると、今月19日未明に教員が見つけた。県警は自殺とみている。保護者が「いじめがあったのではないか」と申し出ており、学校側は24、25日に生徒を対象にアンケート調査を実施。24日に在校生、25日に保護者らに状況を説明したという。
県警などによると、女子生徒が18日に帰宅しないため保護者が県警に捜索願を出し、県警が学校に連絡。
教員が校内を見回り、19日午前3時ごろに遺体を発見した。
県教委は「保護者の意向もあり、詳しいことは今は明らかにできない。26日に記者会見する」としている。
【喜浦遊、土江洋範】

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【9月26日付 共同通信】
福島県教育委員会は25日、同県会津地方の県立高校で女子生徒が首をつって自殺しているのが19日に
見つかったと明らかにした。県教委は自殺した原因を詳しく調べている。
県教委などによると、女子生徒は18日に登校したが帰宅しなかったため、保護者が県警に捜索願を出した。
捜索願を受け教員が校内を捜し、19日午前3時ごろ、女子トイレで首をつっている女子生徒を発見した。
発見時は心肺停止状態だったという。
県教委は25日夜、女子生徒の自宅を訪問。生徒の両親から「いじめがあったのではないか」との指摘が
あったという。

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【9月26日付 毎日新聞】
総合教育会議でいじめ対策などについて話し合う越市長(左から2人目)と教育委員ら(7月下旬、大津市で)

改正地方教育行政法が4月に施行され、約60年ぶりに教育委員会制度が見直されて半年近くがたった。
大津市のいじめ自殺問題をきっかけに行われた改革で、教委は変わったのか。各地の現状を追う。
異例の頻度
2011年、いじめを受けていた市立中学2年の男子生徒が自殺し、重要資料を公開しないなど市教委の姿勢が批判を浴びた大津市。新制度で設置が義務づけられた総合教育会議を、ほぼ2週間に1回の頻度で開催している。年に2~3回を予定する自治体が多い中、異例だ。
7月下旬、今年度8回目となる総合教育会議が市役所で開かれた。その約半月前に岩手県矢巾町でいじめ被害を訴えていた中学生が自殺した問題について、教育委員が「校長が報告を受けていなかったというが、言える環境がつくれていなかったことが問題」と指摘。別の委員が「大津市のいじめ対応もまだ完成していない」と市内での対策の必要性を訴えた。越直美市長(40)が「教員1人ではなく、チーム、学校でしっかりと対応してほしい」と述べ、教員だけが抱え込まず、市立学校で組織的な対応を徹底していくことになった。
大津市では、制度改正前から市長と教委の協議の場を独自に設け、昨年度は約20回議論。その積み重ねをもとに、法改正で首長が策定することになった「大綱」を今年7月末に完成させ、いじめ克服や英語教育の強化を掲げた。
越市長は「会議を重ねるごとに、市長対教委という図式ではなく、一人一人が意見を述べ合う形になってきた」と手応えを感じている。

教育長人事難航
一方、新制度で誕生した新「教育長」に、大津市ではまだ移行していない。
これまでの制度では、教育行政の事務局の責任者である教育長(常勤)と、合議制の執行機関である教委の代表者の教育委員長(非常勤)がおり、「2人の『長』がいると、誰が責任者かわかりにくい」と批判があった。
新教育長が就任すると、教育委員長は廃止される。
現在の教育長は、越市長の秘書課長も務めた元市職員の井上佳子さん(54)。昨年3月、前教育長が体調不良を理由に突然辞任、後任人事が難航し、同11月に抜てきされた。教育委員長は桶谷守・京都教育大教授(64)。「教員の経験もあり井上教育長をサポートできる」(市教委幹部)と当面、今年4月時点で教育長が任期途中の場合移行を猶予される経過措置を利用することになった。
桶谷教育委員長は「教育の専門知識と行政経験の両方を持つ常勤の責任者を見つけるのは難しい」と新制度の課題を指摘。その上で、「市長と教委が一体となり教育行政を進めていくことで補っていきたい」と話す。
亡くなった大津市の男子生徒の父親(50)は5月、総合教育会議に招かれ、「教育行政の透明化を図ってほしい」と訴えた。父親はこの約半年を振り返り、「制度ができてもいじめ自殺がなくならず、首長と教委の連携による速やかな対応もできていない。教委は首長に常に情報を明らかにし、首長も何か問題があったときに知らなかったではすまされないと自覚する必要がある」と語った。

首長の意見反映させる仕組み

地方教育行政法の改正で大きく変わった点は、教育委員会で担ってきた教育行政に、首長の意見を反映させるための仕組みができたことだ。教育委員会と首長が教育施策について議論する総合教育会議の義務化のほか、教委を代表するとともに事務局の指揮・監督もする新教育長についても首長が任命する。
ただ、総合教育会議の頻度などは定められておらず、教育行政にどこまで首長が関与するかは裁量に任されている。文部科学省の調査では、6月1日時点で総合教育会議をすでに開いていた自治体は都道府県・政令市の68.7%、区市町村では39.8%。一方で、開催未定とした自治体は全体の21.8%であった。
新教育長についても、任期途中の教育長が辞任して新教育長が就任した自治体もある一方で、経過措置を利用して旧体制のままの自治体もある。同調査では、新教育長が誕生したのは都道府県・政令市で38.8%、区市町村で19.4%だった。

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