平成29年9月15日東京新聞本社版夕刊
部員暴行の相撲部元顧問に罰金30万円 日大東北高

 日本大学東北高校(福島県郡山市)相撲部の顧問らが部員への暴力行為を繰り返していた問題で、郡山区検は顧問だった20代の元男性教諭を傷害罪で略式起訴し、郡山簡裁が罰金30万円の略式命令を出していたことが15日わかった。
 略式起訴は8月30日付で、略式命令は9月5日付。元教諭は昨年5月、当時1年生で部員だった男子生徒が稽古後に入浴中、尻をデッキブラシで突き、直腸粘膜を傷つける1週間のけがをさせたとして、今年5月に福島県警に書類送検されていた。
 同校によると、相撲部では昨年4月以降、指導者がこの生徒に暴力行為を繰り返していた。元教諭が生徒の頭をゴム製のハンマーでたたいたり、50代の非正規職員の男性元コーチが腕立て伏せをしている生徒の体の下に刃を上に向けた状態のノコギリを置いたりしていた。生徒は昨年7月、県外の高校に転校した。

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

平成29年8月26日中国新聞
罰でランニング部活の高1重体
  東京の特別支援学校

 東京都教育委員会は25日、知的障障害特別支援学校「都立永福学園」(杉並区)で高等部1年の男子生徒(15)がバスケットボール部の活動中、熱中症で意識不明の重体になったと発表した。顧問の教員が、指示した時間内に走れなかった罰として科した追加のランニング中に倒れたという。
 生徒の意識は回復しておらず、都教委は「長時間のランニングは体罰に当たり、不適切な指導だった」としている。
 都教委によると、生徒には軽度の知的障害がある。21日午後、顧問の男性教員(31)が生徒ら7人に校舎の外周約450びを1分25秒以内で走り、それを超えた秒数分、罰として外周を走るよう指示。全員が罰を受け、生徒は2分8秒だったため43周(約19♂)走ることになったが、21周走ったところで体調不良になり、練習を終えた。23日午後に残り22周を走っていた途中で倒れ、熱中症による脱水症状で救急搬送された。
 当時、杉並区の気温は32度で、2周ごとに休憩と水分を取るようにしていたという。

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

平成29年8月14日朝日新聞大阪本社版
サッカー部監督の校長、部員への体罰で辞職 奈良育英

 奈良育英中学・高校(奈良市法蓮町)の上間政彦学校長(57)が、自らが監督を務めるサッカー部で生徒に対する体罰があったとして、辞職していたことがわかった。7月31日付で、今月12日に保護者向けの説明会があった。
 説明会に出席した保護者によると、上間学校長らサッカー部の指導者は複数の部員に対し、胸ぐらをつかんで胸やほおを殴ったり、部員を的にしてボールを蹴って当てたりする行為があった、と学校側が説明した。保護者の一人は「上間前学校長の姿はなく、本人の謝罪が欲しかった」と話した。
 説明会後、取材に応じた同校教諭は「個別の取材には対応できません。後日、説明させていただく」と話した。
 同校は学校法人奈良育英学園が運営する中高一貫校。奈良育英中学校は1947年、奈良育英高校は48年にできた。
 サッカー部は全国高校サッカー選手権大会に13度出場。1994年度の第73回大会では、元サッカー日本代表ゴールキーパーの楢崎正剛選手を擁して全国ベスト4に入った。上間前学校長は三十数年間、監督を務めていた。(青山祥子)

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

平成29年6月1日朝日新聞
剣道合宿で「指導を逸脱した体罰」 元教諭らに賠償命令

私立普連土学園中学・高校(東京都港区)の剣道部の合宿中に体罰を受けたとして、元部員が部顧問だった元教諭や学園などを相手取り、約1280万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が31日、東京地裁であった。
朝倉佳秀裁判長は「教育的指導の範囲を逸脱した体罰で違法」と指導の一部を体罰と認め、元教諭ら2人と学園に慰謝料など計約91万円の支払いを命じた。
判決によると、元部員の女性は高校2年生だった2011年7月、剣道部の夏合宿で部顧問だった女性教諭に防具の胴部分を蹴られて転倒。男性コーチにも竹刀でのどを突かれ、首に2週間のけがをした。
判決はこれらが体罰に当たるとし、学園にも監督責任を認めたが、女性が主張した心的外傷後ストレス障害(PTSD)と体罰との因果関係は認めなかった。
学園は翌8月に暴行を把握してコーチを解雇。教諭は減給処分とされ、12年に自主退職した。学園は判決を受けて「コメントは差し控える」としている。(後藤遼太)

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

平成29年5月14日河北新報

<日大東北高暴力問題>元教員を書類送

 日大東北高(郡山市)の相撲部顧問だった男性教員らが男子部員に暴力を繰り返していた問題で、郡山署は13日までに、傷害の疑いで、20代の元男性教員を書類送検した。
 送検容疑は昨年5月25日、稽古後の入浴中、当時1年生の男子部員の尻をデッキブラシで突き、1週間のけがを負わせた疑い。捜査関係者によると、元教員は同署の任意の聴取に容疑を認めているという。
 相撲部では昨年12月、元教員と当時の50代男性コーチが指導名目で、この男子部員に暴力を振るっていたことが発覚。同校によると、元教員らは同じ部員の頭をゴム製ハンマーでたたいたり、腕立て伏せの際にのこぎりを下に置いたりしていた。
 部員は昨年7月に転校した。日大によると、元教員は今年1月、大学本部に異動し自宅謹慎中。

男性コーチは昨年9月に依願退職している。

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

平成29年3月30日朝日新聞大分版

柔道部の練習中に元顧問が平手打ち 中津東高

  中津市の中津東高校で昨年7月、当時柔道部の顧問をしていた男性教諭(当時61)が、2年生の男子生徒(当時16)の頰を平手で数回たたいていたことが29日わかった。生徒は頸椎をねんざするなどのけがをしたといい、中津署が傷害事件の可能性もあるとみて捜査している。

 県教委によると、7月21日午前10時半ごろ、同校の柔剣道場で柔道部の乱取り稽古中、生徒のこぶしが教諭の左頭部に当たり、教諭が右手で生徒の左頰を2、3回たたいたという。生徒は翌日、頭痛を訴え市内の病院を受診。8月には頸椎ねんざなどと診断され、約1カ月入院した。9月に脳脊髄液漏出症、中心性頸髄損傷と診断され、2月現在も通院しているという。

 学校側は生徒と保護者に謝罪し、教諭を柔道部顧問から解任した。教諭は体罰について「申し訳ない」と話しているという。県教委は体罰とみており、「警察の捜査結果を踏まえて教諭の処分を検討したい」としている。

(興野優平)

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

平成29年2月10日東京新聞本社夕刊

事故なき部活、母の誓い 滋賀・柔道部中1死亡、遺族らが団体

 村川くん1

長男康嗣さんからの手紙を読み返し、笑顔をみせる村川弘美さん=東京都八王子市

 村川くん2

中学校の入学祝いをもらって喜ぶ村川康嗣さん=2009年3月、弘美さん提供

 

 8年前に中学1年だった長男を柔道部の練習で亡くした女性が、部活動や体育での無理な練習による事故を防ごうと、他の遺族らと新たな団体を立ち上げた。長男は生きていれば先月、成人式を迎えたはずだった。

「生きていた証しをつくりたい」。そんな思いが女性の背中を押している。

 東京都八王子市の保育士、村川弘美さん(49)。自宅の棚にはいま、亡くなった康嗣(こうじ)さん(当時12)の写真のそばに、大学入試の受験票が置かれている。合格発表を待つ、康嗣さんの2歳年下の高校3年の妹(18)のものだ。村川さんは「『見守っててや』って手を合わせています」と話す。

 

 ■猛暑の中、長時間

 2009年7月29日のことだった。康嗣さんは通っていた滋賀県愛荘(あいしょう)町立秦荘(はたしょう)中学校で柔道部の練習をしていた。5月に入部したばかり。武道場は気温30度を超えていた。実戦形式で技をかけ合う「乱取り」で、上級生から約50分間技をかけられ続けた。その後、顧問に返し技をかけられて意識不明に。

約1カ月後、急性硬膜下血腫で息を引き取った。

 康嗣さんはぜんそくの持病があり、小学生の時はほとんど運動ができなかった。中学に進み、「運動部で体力をつけたい」と柔道部を選んだ。「クラスメートに誘われた」とうれしそうに話していた姿を村川さんは覚えている。

村川さんは「この子のペースでやらせて」と顧問に頼んでいたが、練習メニューは他の部員と同じだったという。

 妹を町の中学校に通わせたくないと、事故後に八王子市に引っ越した。「学校や顧問を責め、闘っていないとつらくて生きていられなかった」と振り返る村川さん。顧問は傷害致死容疑で書類送検されたが、不起訴処分に。

民事訴訟でも町の責任は認められたが、顧問の責任は退けられた。

 裁判が続くなか、同じように学校で子どもを亡くした遺族から連絡が来たり、遺族の集いに参加したりして仲間ができた。裁判が終わって目標を失った時、「まだやることがある」と励まされた。

 全日本柔道連盟は昨年9月、全国の中学や高校の柔道部で15年以降に3人の生徒が死亡していたことを公表した。「康嗣が亡くなってからも世の中は変わっていない」 他の遺族と「事故が起こる環境を変えなければ」と話し合った。昨年冬、遺族ら7人で任意団体「エンジェルズアーチ」を発足させた。「体育館の気温が危険な値になったら鳴るサイレンはないか」「一人ひとりの熱中症の危険度を測る機械は導入できないか」。大学の研究者に相談し、みなで話し合う。

 

 ■20歳の姿を思う

 村川さんは、康嗣さんからの手紙を大切に残している。小学6年のとき、母の日のころにもらった。

 「ぼくが大きくなったら絶対親こうこうしたい」「ぼくは、母が大好きです」 幼いころから、建築家になって母親に家を建てるのが夢だと語っていた。事故がなければ、20歳になっていた。

「今ごろ、大学で建築の勉強をしていたかな」。そうつぶやき、村川さんは続けた。「この子の犠牲の先に、学校が変わったと言える日が来てほしい」     ◇

 エンジェルズアーチは12日、「子どもやアスリートの重篤事故を防止するために!」と題したシンポジウムを世田谷区の昭和女子大学で開く。永島計・早稲田大教授と、南部さおり・日体大准教授が登壇。午後1~3時、資料代500円。申し込みは、netu.jikobousi@gmail.com(担当・宮脇)まで。(根津弥)

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

平成29年1月19日付朝日新聞千葉版

竹刀で女子生徒の頭たたきけが 千葉の中学教諭を停職

  千葉県鴨川市の市立中学校の男性教諭(39)が、顧問を務める剣道部の女子生徒の頭を竹刀でたたくなどして、けがを負わせていたことがわかった。県教育委員会は18日、この教諭を停職6カ月の懲戒処分に、体罰を防げなかったとして同校の男性校長(58)を戒告の懲戒処分にし、発表した。

 県教委によると、教諭は昨年11月、防具をつけていない2年生の女子生徒の頭を竹刀で少なくとも5、6回たたいたほか、のどもとを突くなどした。生徒は首や腰などにけがをし、33日間入院した。教諭は、生徒の集中力が欠けているように見えて「カッとなった」と話しているという。

 生徒の保護者が鴨川署に被害届を提出。教諭は傷害罪で略式起訴され、罰金50万円の略式命令を受けた。

 教諭は、2014年4月~昨年10月にも複数の生徒を竹刀でたたくなど体罰を繰り返していたという。

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

平成28年12月30日岩手日報 

 沿岸南部教育事務所管内の県立高校の男性教諭(38)が担任していた生徒への暴言や乱暴を繰り返し、男子生徒1人が不登校になっている問題で、県教委は29日、教諭を停職4カ月の懲戒処分にした。

管理監督責任を問い、同校の男性校長(60)も戒告処分とした。

 県教委によると教諭は2014年5月~16年5月、生徒を大声で怒鳴ったり黒板や教卓をたたいたりする威嚇的な行為や、他教員への中傷発言などを繰り返した。

 同3月には企業説明会を学級の約半数が無断欠席したことに激高し、「だからおまえたちはだめなんだ」「このばかども」と暴言を吐くなどした。

 教諭は男子生徒が1年生の時から担任。男子生徒は2年生の時の2者面談(15年秋)で強い指導を控えるよう教諭に伝えたが改善されず、16年4月から不登校になった。

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

平成28年12月27日 朝日新聞大阪本社版

  大阪府柏原市立堅下北中学校の男性教諭(39)が、顧問を務める部活動中に女子生徒の背中を無理に押し、全治3週間のけがを負わせていたことが関係者への取材で分かった。市教育委員会は教諭や学校側から事情を聴いている。教諭は昨年12月にも別の複数の生徒に体罰をしたとして、府教育委員会から6月に減給1カ月の懲戒処分を受けていた。

 市教委などによると、教諭は今月4日、運動部の練習で女子生徒に座って前屈のストレッチをさせた際、額が床につくよう背中を無理やり押した。女子生徒は痛がったが教諭はやめず、左足の筋肉を負傷させた。教諭は現在、部活動の指導を自粛しているという。

 市教委の松田成史学務課長は「(前回の処分から)半年にもかかわらず、生徒にけがをさせたことを重く受け止めている。大変申し訳なく、指導を徹底したい」と話した。(古庄暢)

 

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn