平成29年12月28日河北新報

<仙台中2自殺>調査手法また決まらず 再調査委、公開で会合

仙台市は27日、いじめ防止対策推進法に基づくいじめ問題再調査委員会(村松敦子委員長)の第4回会合を市役所で開いた。

泉区の南中山中2年の男子生徒=当時(14)=が2016年2月に自殺した事案の再調査の手法は決まらず、設置後3カ月がたっても実質的な調査に着手できない事態となっている。  会合は今回から原則公開され、男子生徒の遺族を含め約15人が傍聴した。当時在職していた教職員らへの聞き取り調査を行う方針は確認したものの、対象や聴取内容は決まらなかった。  再調査委は9月の初会合以降、市教委第三者委員会のいじめ問題専門委員会が3月に「いじめによる精神的苦痛が自殺の一因」とする答申書をまとめるまでの議論の経緯を確認するため、専門委員の出席を求めているが実現していない。  再調査委の1人は「答申書の不備な点について話をしないと進まない」と批判。市子供未来局は「合議体による結論で委員個人として答えにくいとのことだったが、改めて委員長らに出席を要請する」と述べた。  男子生徒の父親は会合で、「3カ月たつのに何も進んでいないように見える」と議論の加速を求めた。

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平成29年12月28日朝日新聞

小6女児、いじめ受け自殺か SNSで同級生から悪口

埼玉県鶴ケ島市で11月、自宅敷地内で死亡しているのが見つかった小学6年の女児(11)が、いじめにあっていた可能性が高いことが市教委の調査でわかった。市教委は27日、いじめ問題調査審議会を設置し、第1回の会合を開いた。

女児は自宅2階から転落して自殺したとみられている。審議会は弁護士や小児科医ら5人で構成。会合後の会見によると、父親が学校側に提供した女児のスマートフォンの画像には、SNS上に書き込まれた同級生からの悪口などがあったという。児童らへのアンケートや聞き取りでも「いじめの疑いがある複数の事象」を把握したという。市教委はいじめられていた可能性が高いとみている。

父親は、女児がいじめられていたとの認識を学校側に伝え「事実を明らかにしてほしい」と求めているという。審議会は、いじめの有無を検証して死亡との関係を調べ、来年3月中に再発防止策の提言とともに報告書をまとめる予定。(西堀岳路)

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平成29年12月28日共同通信

山口の高2男子自殺、再調査決定 県知事が遺族に伝達

山口県周南市で昨年7月、県立高2年の男子生徒が自殺した問題で、村岡嗣政知事は27日、いじめが原因だったかどうかの再調査を実施する方針を決め、両親に伝えたと明らかにした。県庁で両親と面会後、記者団に語った。

県教育委員会は11月、他の生徒からのいじめがあったと認めたが「いじめのみを自殺の要因と考えることはできない」とする第三者委員会の調査報告書を公表。遺族側はいじめが原因として今月12日、知事宛ての再調査の要望書を送付した。要望書では第三者委の調査は不十分で、委員の人選も問題などと指摘している。

 自殺した男子生徒の両親から要望書を受け取る山口県の村岡嗣政知事=27日午前、山口県庁
 周南知事再調査
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平成29年12月27日神戸新聞

加古川・中2自殺 いじめアンケートの回答、再確認へ

加古川中2女子アンケート

いじめが原因で女子生徒が自殺した問題で、会見で頭を下げる田渕博之教育長(右から2人目)ら加古川市教育委員会の担当者ら

=23日午後、加古川市役所(撮影・辰巳直之)

加古川市立中学校2年の女子生徒=当時(14)=が昨年9月に自殺したのは、いじめが原因と第三者委員会が認定したことを受け、同市教育委員会は市内の全小中学校に対し、児童生徒へのアンケートの回答にいじめを示唆する内容がないかを、再確認するよう求める方針を決めた。

女子生徒は自殺を図る3カ月前、アンケートで「友だちにからかわれ、バカにされる」などと訴えていたが、学校側が対応していなかった。

アンケートは2013年度から小3~中3を対象に全校で実施。34項目の質問に「あてはまる」「あてはまらない」など5段階の選択肢から選んで回答する。「対人的適応」「学習的適応」などで数値化し、支援が必要かどうかを確認する。

女子生徒は「無視される」「仲間に入れてもらえない」など複数の項目に「あてはまる」と回答し、いじめを強く示唆していた。女子生徒のクラスの回答は、副担任が入力。担任は数値だけを見て実際の回答は確認しておらず、同市教委は「アンケートはいじめ発見のツールではない」と釈明していた。(切貫滋巨)

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平成29年12月27日神戸新聞

神戸中3自殺「追加調査せず」遺族が再調査要望へ

昨年10月、神戸市垂水区の市立中学3年生の女子生徒=当時(14)=が自殺した問題で、いじめの事実関係を調べる第三者委員会が、母親が求めていた追加調査の申し入れを拒否する旨の回答をしていたことが26日、関係者への取材で分かった。母親は「遺族に寄り添った対応ではない」とし、久元喜造市長に再調査を要望する方針。

母親や代理人弁護士によると、第三者委が8月にまとめた調査報告書は、容姿を中傷するなどのいじめ行為は認定しているが、いじめを生んだ背景や生徒間関係の記述はほとんどなく、自殺との因果関係は明確にしていなかった。

母親は11月20日、追加調査を要望。回答の文書は今月26日、市教育委員会を通じて渡されたといい、「第三者委の見解は報告書に記載したとおりで、これ以上の追加調査を行うことはない」としている。

文部科学省のガイドラインでは、再調査の要望など、調査結果への所見を首長に報告でき、首長は必要に応じて再調査ができる。

代理人の辰巳裕規弁護士は、「遺族の意向をくみ取れる委員構成での再調査を求めていく」としている。

母親は「加古川市の中2女子生徒の自殺事案を調べた同市教委の第三者委の報告書と全く違う。この報告書では受け入れられない」

と訴える。(井上 駿、広畑千春)

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平成29年12月26日読売新聞夕刊

中1、飛び込み自殺か…東武東上線で人身事故

26日午後0時55分頃、東京都板橋区の東武東上線上板橋駅で、私立中1年の男子生徒(13)が通過中の準急電車にはねられ、死亡した。

男子生徒がホームから線路に飛び込む姿が目撃されていて、警視庁板橋署は自殺とみて調べている。

同署幹部によると、冬休み中だったが、男子生徒は午前中から登校して勉強していた。その後、部活動に参加し、途中で下校したという。

この影響で、同線は上下線52本で運休した。

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平成29年12月26日読売新聞夕刊

「スクールカースト」の構図、中2自殺の背景に

兵庫県加古川市の市立中学2年の女子生徒(当時14歳)が昨年9月にいじめが原因で自殺した問題で、市教委が設置した第三者委員会は、クラスの生徒間で序列ができる「スクールカースト」の構図が、いじめの背景にあったことを指摘した。

担任ら学校側がこの構図の重要性を認識していなかったことが、女子生徒からのいじめの訴えを見過ごす要因だった可能性が高いという。

遺族側代理人の弁護士が明らかにした報告書の一部によると、1年生の時、女子生徒のニックネームをクラスのムードメーカーが繰り返しからかい、クラス内では、女子生徒に関わると同様にからかわれるのではないかという空気ができた。3学期になると、女子生徒はクラス内で無視され完全に孤立。無料通話アプリ「LINE」には、クラスメートが女子生徒を後ろから撮影した写真とニックネームがアップされた。部活動でも悪口を言われた。

報告書では、こうした日常的ないじめで自己否定感を強め、対人関係の極度な不安定さやいじめへの脆弱性が形成されていったとしている。

クラス替えした2年でも、別の生徒からの嫌がらせが続き、発言力のあるグループから無視されたり、からかわれたりした。

この間、女子生徒は担任と学校生活の悩みなどをやりとりする「生徒ノート」に、「きつい」「しんどい」などと書き、学校生活アンケートでもいじめに悩む様子をうかがわせる回答をしたが、学校側はいじめを認識せず、対応することはなかった。

第三者委はいじめ防止のために「スクールカーストの概念を理解して教室運営にあたるべきだ」と提言。吉田圭吾委員長は記者会見で「スクールカーストでは、発言力があり、面白くクラスを盛り上げる生徒の地位が高くなる。そういう生徒がいじめる側に回ると、誰も逆らえないという流れができ、教師からいじめが見えにくくなるのが特徴だ。地位が高い生徒こそ、いじめる側ではないかという視点が必要だ」と話した。

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平成29年12月26日神戸新聞夕刊

神戸の高1男子転落 市教委「比較的軽い指導だった」

神戸六甲アイランド軽い指導

記者会見する神戸市教育委員会の大谷真一学校教育部長(中央)ら=26日午前、神戸市役所(撮影・大森 武)

神戸市東灘区の六甲アイランド高校で1年の男子生徒が校舎5階から転落し、重体となっている問題で、市教育委員会の大谷真一学校教育部長らが26日、市役所で会見を開いた。市教委との一問一答は次の通り。

 

-男子生徒に対し、どのくらいの時間、どのような指導を行っていたのか 「21日は昼食などの休憩を含み、午前8時から午後3時半まで。22日は午前8時から午後4時45分まで。事実確認と指導のほか、それ以外は本人が状況を記した文章に基づいて反省文を書いたり、勉強をしたり」

-22日以降はどのような指導をする予定だったのか

「25日に、受けられなかった英語のテストと担任の面談、26日には冬休みの課題をしながら担任と面談。次のステップに進むために励ますような感じ。両日とも半日の予定だった」

-今回の指導には、複数の生徒に対してだったのか

「そうだ。何人かは明らかにできないが、それぞれ個別に指導していた」

-SNS上でのトラブルとは

「ツイッターに関するトラブルで、内容は個人的なことなので差し控える」

「ふざけ合いの程度で、いじめなどではない」

-トラブルに関する指導は全体で何分なのか

「教員の聞き取りや指導は21日が35分、22日は1時間程度」

-22日の男子生徒の様子は

「担任らによると、淡々としていた。変わった様子もなかった」

-転落と指導との因果関係をどう捉えているか

「非常に丁寧に配慮しながら対応していたと聞いている。このような結果になり重く受け止めている。本人が指導をどう受け止めたかは分からない。一日も早い回復を願っている」

-学校側の責任は

「男子生徒から聞き取りができていないので、現時点では申し上げられない」

-21日の7時間半、22日の8時間45分という指導は長いのか

「実質的な指導は35分と1時間。ほかは反省文を書かせるなど、自主的な学習の時間。比較的軽い指導と考えている」

-ほかの生徒や教員への聞き取りは

「現在行っている」

-今回以外にも自殺未遂などが起きているが

「学校と連携しながらいろいろやっている。取り組みを進める中で今回のことは重く受け止める」

-ほかに指導を受けた生徒は何か話しているのか

「(教員から)語気強く言われた、という生徒は1人いた」

-22日の指導を終えてから転落するまでは

「保護者に男子生徒を引き渡すために待機させていた」

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平成29年12月26日朝日新聞大阪本社版

神戸市立高 指導後に高1飛び降り 2日連続面談、自習

神戸市立六甲アイランド高校(同市東灘区)で22日夕、同校1年の男子生徒(16)が校舎5階から転落し、意識不明の重体になっていることが26日わかった。ネット上での生徒間トラブルについて、前日から転落直前まで2日間にわたり教員から指導を受けており、市教委が関連を調べている。

兵庫県警東灘署などによると、22日午後5時ごろ、同校から「敷地で男子生徒が倒れている」と119番があった。校舎5階の窓が開いており、自ら飛び降りたとみられる。

市教委によると、今月、短文投稿サイト「ツイッター」で、特定の生徒を対象にした書き込みからトラブルに発展。指導は教員3人が複数の生徒を対象に、2日間にわたり実施された。21日は7時間半、22日は8時間半かけ、教員の面談による事実確認・指導は各30分~1時間で、残りの時間は反省文の作成や自習をさせた。25、26日は面談の予定だった。生徒が転落したのは、22日の指導終了後、保護者の迎えを待つ間だった。

市教委は「こういう事態になったことを重く受け止めている」と陳謝。「大半が自習や反省文の作成で、指導時間が長いとは考えておらず、転落との因果関係はわからない」とし、保護者の意見も聞きながら今後の調査を検討する。【栗田亨】

 

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平成29年12月26日毎日新聞

福島・中1自殺 いじめ定義、教員知らず 第三者委報告

福島県須賀川市で1月に市立中1年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、市教委が設置した第三者委員会は25日、自殺といじめの因果関係を認め、一部の教職員が「いじめ防止対策推進法」が定めるいじめの定義を理解していなかったことを明らかにした。この結果、いじめを「からかい」と軽視したり、多忙な同僚に迷惑を掛けまいと学校ぐるみの対処を見合わせたりして、問題を深刻化させたと指摘した。

市教委によると、男子生徒は1月27日、自宅で首をつって自殺した。遺書などは確認されておらず、自殺の前日も登校していた。

第三者委(委員長・笠間善裕弁護士)は3月以降、教職員や生徒らから聞き取り調査を実施。その結果、男子生徒は学習面を中心に学校になじめず、ストレスを抱える状況の中、クラス内で男子生徒に触れると「菌」がつくといじめられたり、部活動でも「ゴミ〇〇」と呼ばれたりしていたことを把握した。

一方、学校は昨年7月の校内アンケートや同11月の三者面談などで男子生徒から3回にわたり「からかわれたりばかにされたりする」などの訴えを受けていた。関与したとされる生徒に指導し、いじめは解消されたと判断していた。

しかし、実際は一部の教員がいじめ防止対策推進法にある定義(心理・物理的な影響を与える行為で、対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じるもの)を理解していなかった。第三者委は「単なる『からかい』であり『いじめ』ではないと事態を軽視する教員が一定程度存在した」と指摘し、自殺は「いじめが大きな一因」と結論付けた。

この中学ではいじめを確認した場合、校長らでつくる常設の対策委員会に報告し、学校ぐるみで対処するルール。だが自殺した男子生徒の場合、1年生の担当教員らでつくる「学年会」での協議にとどまり、対策委には個別の対処でいじめは解消したと事後報告しただけだった。第三者委に担任は「自分のクラスのことで学校全体に迷惑を掛けたくなかった」という趣旨の説明をしたという。

ただ、学年会も週1回45分で、いじめに十分に対応できなかった。また第三者委が、対策委も兼ねる生徒指導委員会の記録を調べると、不登校についての議論が多い一方で、いじめについての議論は少なかったという。

笠間委員長は「教職員に対する負担が重すぎるのではないか。マンパワーが不足している」と指摘した。

教育評論家の尾木直樹氏も「教員は部活動や書類作成などで忙しく、子どもと向き合えない状態が続いている」としつつ、「いじめの定義を知らないのは言語道断だ。命に関わるいじめへの対処は最優先事項で、授業数を減らし教員に余裕を持たせる必要もある」と述べた。【曽根田和久、宮崎稔樹】

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