平成29年5月16日NHK大分放送局

剣道部生徒死亡事故の2審始まる 

8年前、大分県立竹田高校の生徒が、剣道の練習中に熱中症で倒れて死亡した事故の賠償をめぐる裁判の2審が始まり、生徒の母親は県に対し、賠償の一部を当時の顧問にも負担させるよう命じた1審判決を受け入れるよう求めました。
一方、県はあらためて争う方針を示しました。
8年前、大分県立竹田高校2年の工藤剣太さんが、部活動の剣道の練習中に熱中症で倒れて死亡し、両親は、当時、顧問だった教諭らにも賠償の一部を負担させるよう求め大分県を訴えています。
1審の大分地方裁判所は去年、「顧問の対応には重大な過失があった」として、賠償のうち100万円を顧問に負担させるよう県に命じ、県が控訴しました。
この裁判の2審が福岡高等裁判所で始まり、母親の奈美さんは「県は判決を真摯に受け止め再発防止に努めて改善することを考えてほしい」と述べ、1審判決を受け入れるよう求めました。
これに対し県側は「顧問に重大な過失はなかった。個人の賠償が認められれば、献身的に指導に取り組む教員が減り、部活動が成り立たなくなる」と主張し、あらためて争う方針を示しました。
次の裁判は7月13日に開かれる予定です。
裁判のあと、両親は記者会見し、父親の英士さんは「剣太の無念を晴らすとともに、これからの子どもたちを守るためにも1審判決を守っていきたい」と話しました。
また、両親はきょう福岡高等検察庁を訪れ、事故をめぐり当時の顧問らが不起訴になったことを不服として、再捜査を求める申し立てを行いました。

http://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/5073045191.html

 

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平成29年5月14日河北新報

<日大東北高暴力問題>元教員を書類送

 日大東北高(郡山市)の相撲部顧問だった男性教員らが男子部員に暴力を繰り返していた問題で、郡山署は13日までに、傷害の疑いで、20代の元男性教員を書類送検した。
 送検容疑は昨年5月25日、稽古後の入浴中、当時1年生の男子部員の尻をデッキブラシで突き、1週間のけがを負わせた疑い。捜査関係者によると、元教員は同署の任意の聴取に容疑を認めているという。
 相撲部では昨年12月、元教員と当時の50代男性コーチが指導名目で、この男子部員に暴力を振るっていたことが発覚。同校によると、元教員らは同じ部員の頭をゴム製ハンマーでたたいたり、腕立て伏せの際にのこぎりを下に置いたりしていた。
 部員は昨年7月に転校した。日大によると、元教員は今年1月、大学本部に異動し自宅謹慎中。

男性コーチは昨年9月に依願退職している。

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平成29年5月10日河北新報社説

仙台・中2自殺/危機管理の意識が足りない

 子どもを守るのは社会の責務なのに、またも中学生の尊い命が失われてしまった。悲憤を抑えきれない。
 仙台市青葉区で先月下旬、市立中2年男子(13)が、自宅近くのマンションから身を投げた。市立中生の自殺はこの3年間で3人目。教育関係者は、この異常事態を深刻に受け止めるべきだ。
 当初校長は「同級生とのトラブル」と表現し「その都度指導し解消した」と説明。しかし、数日して「いじめだった」と認めた。市教育長は「自死の直接原因かは不明」とし因果関係を調べるという。
 事が起きてから重大性に気付き、収拾に追われるパターンの繰り返しだ。どうしてこれまでの教訓が生かされないのか。学校や市教委の危機管理意識を問わざるを得ない。
 男子生徒は昨年6月と11月にあった学校などのアンケートで「いじめられている」と回答した。「無視される」「物を投げられる」とも記した。その後、机に「死ね」と書かれていたこともあった。
 国はいじめ対策で、当事者の訴えを幅広くすくい取り、速やかに対応する基本方針を明確にしている。
 いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」のガイドラインでは、「疑い」の段階であっても本人や保護者の申し立てを重視し「重大事態」とみなすよう学校側に求める。自殺など最悪の結果を招かないための防護線といえる。
 これに照らせば、学校は昨年のアンケートの段階で危険性を認識し、詳細調査に入るべきだったのだろう。

生徒間の意識が変わるポイントになった可能性はある。
 ただ、いじめ防止は法が定めた単一的なマニュアルの上意下達だけでは実現されない。最終的に、現場の教員が個々のケースごとに生徒たちに向き合い、対応力を発揮してこそ法制度も機能する。
 学校は連休中、全校アンケートを実施、回収した。背景を調べることから検証を始める。市教委は第三者委員会による調査も行う。いじめとの関連という核心部分の解明は難しい作業となろう。
 今回の件は、過去のいじめ自殺の検証と再発防止の取り組みのさなかで起きた。これらを一連の問題として捉える視点も当然必要だろう。
 指導に構造的な問題がありはしないか。なぜ連鎖するように生徒が自ら命を絶たねばならなかったか。

遺族はもちろん、同級生たちにもしっかり聴き取りし、納得できる共通認識を探ってほしい。
 市教委は1月、今後5年間の教育プラン「第2期市教育振興基本計画」で、いじめ防止を最優先課題に掲げ、独自の施策をまとめた。処方箋はできつつあるのに、厳しい現実がそれを追い越していく。
 どうすれば、いじめを克服し、命を大切にする教育が実現できるのか。日々の実践の中からその道筋を見つけていくしかあるまい。

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平成29年5月10日埼玉新聞

<飛び降り中3死亡>顧問に「リーダー続ける」…決意の2日後に死亡

  川口市立中学3年の女子生徒(14)が歩道橋から飛び降りて死亡した問題で、生徒が通っていた中学の男性校長(55)が9日、埼玉新聞の取材に応じ、女子生徒が死亡の2日前に部活のことで顧問に相談していたことを明らかにした。女子生徒は「続ける」と決意した2日後の5日朝、部活の練習に向かう途中に死亡した。

 校長は女子生徒について「部活の中で人間関係のトラブルを抱えていたことは把握していたが、いじめとは認知していなかった」と述べ、「生徒の保護者に連日面会した結果、いじめがあったのかどうかを視野に入れた客観的な調査が必要と判断し、市教委に伝えた」と語った。

 校長によると、女子生徒は吹奏楽部の人間関係でトラブルを抱えていた。しばしば衝突があり、顧問教諭が話を聞いて和解を指導。その都度解決を図り、校長にも報告があった。このトラブルを学校として、いじめとは認識していなかった。

 しかし女子生徒の死亡後、校長が連日保護者と接触した際、保護者から「娘からいじめられた、と聞いていて、その都度学校に相談してきた」と強い訴えがあり、校長は客観的な調査が必要だと判断したという。

 女子生徒は打楽器のパートリーダーを務めてきたが3日、部活顧問の女性教諭に「このままリーダーを継続するかどうか」について相談した。顧問は、このまま続ける▽2年生部員に譲る▽ほかの3年生に譲る―のいずれかを選ぶように勧めた。女子生徒は10分近く考えている様子だったが「もう1回やります」と話した。顧問は「バックアップするよ」と激励したという。

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平成29年5月9日河北新報

<仙台中2自殺>市教委、市長へ遺族所見書

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奥山市長(右)に所見書を手渡す大越教育長=仙台市役所

 

 仙台市泉区の南中山中2年の男子生徒=当時(14)=が昨年2月に自殺した問題で、大越裕光市教育長は8日、市教委第三者委員会のいじめ問題専門委員会が調査結果をまとめた答申と、答申に対する遺族の所見書を奥山恵美子市長に提出した。遺族が望む新たな第三者委による再調査について、奥山市長は今月中にも可否を判断する考えを明らかにした。
 大越教育長は市教委がまとめた再発防止策も提出。特別な支援が必要な生徒を学校全体で把握することやスクールカウンセラーの活用、自殺予防教育の強化などの方針を奥山市長に説明した。
 報道陣に対し、奥山市長は「(再調査に関する)国の指針も参酌しながら可否を判断したい」と述べ、今後半月程度を目安として判断する意向を示した。
 答申は「いじめによる精神的苦痛が自殺の一因」としたが、いじめの具体的な態様や加害生徒は特定しなかった。

遺族は所見書で第三者委の刷新のほか、市長主宰の市総合教育会議で学校や関係教員の対応を検証するよう要望した。
 いじめ防止推進対策法は学校や教委がいじめの重大事案を調査後、首長の判断で再調査できると規定。

文部科学省が3月に策定した指針では、十分な調査が尽くされなかったり、調査委の人選の公平性や中立性に疑義があったりする場合、再調査を検討するよう求めている。

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平成29年5月9日埼玉新聞

女子中生、飛び降り死亡 顧問らに「部活やめたい」、母も相談/川口

  川口市立中の女子生徒(14)が歩道橋から飛び降りて死亡した問題で、女子生徒が今年1月「部活をやめたい」などと部活の顧問や担任教諭に相談していたことが8日、市教委の調査で分かった。

同じ時期、母親も校内の教育相談室に「娘が人間関係で悩んでいるようだ」と相談していたという。

 女子生徒は吹奏楽部に所属、打楽器部門を務めていた。しばらく部活を休んでいたがその後、女子生徒は「音楽は続けたい」と話し部活に戻ってきたため、担任や顧問は見守っていたという。

 市教委の井上清之教育部長(57)は「相談に乗っている最中のことであり、学校としては気に掛けていた生徒だった。それだけに生徒の死は学校にとっては大変つらいことだった。市教委としても女子生徒の死の背景について慎重に調べなくてはいけないと思う」と語った。

 今年4月の校内アンケート調査で、女子生徒は勉強のことや将来の進路、部活などで悩んでいると書いたが、いじめを受けたとは書いていなかった。

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平成29年5月1日河北新報

<仙台中学生自殺>「いじめ続いていた」遺族関係者

 仙台市青葉区の市立中2年の男子生徒(13)が自殺した問題で、遺族関係者が30日、取材に対し「いじめはずっと続いていた。トラブルが解消した事実はない」と証言した。校長は4月29日の記者会見で「生徒間で悪口を言い合うトラブルはあったが解消した」と説明。遺族関係者の認識と大きく異なっている。
 遺族関係者によると、同じクラスの複数の男子生徒からターゲットにされ、集団でからかわれたり、「臭い」「ばか」などと悪口を言われたりした。最近も「同級生にやられる」などと悩んでいたという。
 遺族関係者は「入学した直後から、ずっと同級生による嫌がらせに悩んでいた。トラブルが解消した事実はなく、学校側の説明に憤りを感じる」と話した。
 市教委によると、男子生徒は昨年6月と11月、全校生徒を対象にしたアンケートに「いじめられている」と回答。「無視される」「物を投げられる」などと書き込んでいた。
 校長は会見で「トラブルはその都度指導し、その後解消した。どちらが一方的という話ではない」との見方を示し、「いじめとは判断していない」と述べた。
 3月まで勤務した前校長は30日、取材に「全て市教委に伝えてある。何も話すことはない」と答えた。
 市教委によると、男子生徒は4月26日午前10時15分ごろ、自宅近くのマンションから飛び降り、死亡した。
 市内の中学校では2014年9月、泉区の館中1年の男子生徒=当時(12)=がいじめを苦に自殺。16年2月にも同区の南中山中2年の男子生徒=同(14)=が自殺し、市教委の第三者委が「いじめによる精神的苦痛が自殺の一因」と結論付けた。
 この2年7カ月で市内の中学生3人が自殺するという異常事態に、館中と南中山中生徒の父親2人は「息子の死が何ら教訓になっていない」と憤った。
 学校側は5月1日夜、初めて保護者説明会を開く。

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平成29年4月30日朝日新聞宮城版

いじめ調査「複数の同級生がからかう」 仙台の中2自殺

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記者会見で市立中2年の男子生徒が自殺したことを発表する仙台市教委の大越裕光教育長(左)=仙台市役所

  また、いじめが疑われる自殺が起きた。一つの自治体で3年足らずの間に、いじめが絡む中学生の自殺が2件発生。そして今回亡くなった仙台市立中学2年の男子生徒(13)もいじめを訴えていた。この異常な状況で浮き彫りになったのは、市教育委員会の問題意識の希薄さだった。

 29日午後に記者会見した大越裕光・市教育長と校長らは当初、「いじめというより、からかい」「『もう帰れ』『うざい』など、子どもが普通に使う言葉の言い合い」といった発言に終始。いずれも男子生徒と複数の同級生との「1対1の問題」とし、状況を深刻なものと捉えていない様子が随所に伺えた。

 ただ、約2時間続いた会見の後半で状況は一変する。1年生時に関わった同級生の数は「クラス12人の男子のうち半数」だったことが判明。さらに、いじめ調査のアンケートで、別の生徒から「男子生徒が複数の同級生にからかわれている」と指摘されていたことも明らかになった。

 この段階で「個人レベルのからかい」は「集団でのいじめ」という構図が色濃くなった。結果的に、男子生徒や別の生徒が訴えた「SOS」を、学校側が矮小化(わいしょうか)した格好だ。

 一方、同級生や地域での取材では、男子生徒がいじめで真剣に悩んでいたことが分かった。

 同級生の一人は「1年生の1学期に、クラスで『臭い』などと言われ『死んでも誰も悲しまない』という悩みを聞いた」と打ち明ける。ただ、その後は話を聞かなくなり、「落ち着いたのかと思っていた」。

 男子生徒を知る高校生も「クラス全体でいじるような状況が1年生の時からあったと聞いている」。その際、教員はただ見ていたようだという。

 3年生の生徒によると、今学期に入っても男子生徒の机に「死ね」と書かれたといううわさを聞いた。

「友だちとは『いじめで亡くなったんじゃないか』と言い合っている」と話す。在校生には28日に校内放送で伝えた。泣いて過呼吸になった生徒が何人もいたという。

 一方、「明るくていいやつで、いじめられていたとは分からなかった」「よく変顔をして笑わせてくれた」と話す生徒もいた。(山本逸生、矢田文、加藤秀彬)

 

■「恐れていたこと起きた」

 仙台市では2014年と16年にも、いじめを受けた市立中学生が自ら命を絶った。遺族らは、教訓が全く生かされていない現状に憤り、早期に他の生徒へアンケートをするよう求める。

 昨年2月に亡くなった2年の男子生徒の父親は「一番恐れていたことが起きた。本当にショック」と絶句する。

悲しむ遺族を増やしたくないと、別の遺族とともに市教委に再発防止を訴えてきた。自分たちの事案から、解決したように見えた後のフォローが大切との教訓が導き出されたはず――。「結局はひとごとで現場に危機感がない」

 真相を知るため、少しでも早いアンケートを強く訴える。「時間が経つと学校は守りに入る。連休の前にやらないと隠されてしまう」

 98年に15歳の一人娘をいじめによる自殺で亡くした川崎市のNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」理事の小森美登里さん(60)も「『亡くなった生徒について知っていることがあるか』など一日も早く全生徒に調査し、結果を遺族と教育委員会、学校が共有することが重要」と指摘する。

 いじめ防止対策推進法は、いじめで命を失うなどの重大事態が起こった疑いがあれば、学校がアンケートなどで事実関係を明らかにし、保護者らに情報提供するよう定めている。2人の中学生の死に触れ、「全く反省していない。これが重大事態でないというのなら、事実の誤解ではなく、曲解しようとしているとしか思えない」。

(中林加南子、山田雄介)

 

■問題意識の甘さ露呈

 複数の同級生による「いじめ」の疑いを市教委が知ったのは、29日の記者会見の場だった。

 男子生徒によるいじめ調査アンケートでの訴えを「1対1のトラブル」と言い張る学校側に、記者団が他の生徒の記述を確認するよう求めて初めて、こうした事実が明らかになった。

 「今知った」「我々は把握していない」。飛び出す発言の数々は市教委の問題認識の甘さを露呈した。

 クラスの男子半数とのトラブルを訴えた男子生徒。主に1対1の言い合いにせよ、相当な心の負担だったはずだ。

いじめ防止対策推進法は、いじめを「心身の苦痛を感じているもの」と定義する。

 心の問題であるいじめは当事者同士の表面的な言動だけでは気づかないことが多い。周囲の生徒らの話など客観的な情報も重要だ。今回は他の生徒の指摘さえ見過ごされた。これでは、勇気を出して問題を訴えた生徒の思いを踏みにじったに等しい。

 生徒らの叫びが学校の一部にしか届かなかったことが、自殺という最悪の結果を招いた恐れもある。市教委は傍観者ではない。主体的に、問題の解決に関わる姿勢が問われる。(森治文)

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平成29年4月30日河北新報

<仙台中2自殺>昨年の調査 いじめ訴え

 仙台中2

自殺した男子生徒が通っていた仙台市青葉区の市立中

  仙台市教委は29日、青葉区の市立中2年の男子生徒(13)が26日に自殺したと正式に発表した。

学校や市教委が昨年実施したいじめに関するアンケートで、男子生徒が「無視される」「物を投げられる」などと訴えていたことも明らかにした。
 いじめと自殺の関連は不明としたが、学校と市教委は他の生徒らへの聞き取りやアンケートを実施し、男子生徒の学校での様子やいじめの有無を詳しく調べる方針。
 大越裕光教育長や校長らが市役所で記者会見した。市教委によると、男子生徒は26日午前10時15分ごろ、自宅近くのマンションから飛び降り、死亡した。1時限目の授業後、上履きのまま校外に出たとみられ、マンション近くのアパート駐車場に制服の上着と生徒手帳が残されていた。遺書は見つかっていない。
 いじめに関するアンケートは、全校生徒を対象に昨年6月と11月の2回実施。当時中1だった男子生徒は「冷やかしや悪口、無視される」「物を投げられる」などと回答した。
 その後、学校による同級生男子6人への聞き取りで「臭い」「ばか」といった男子生徒に対する悪口が確認されたが、校長は会見で「お互いに悪口を言い合う状態で、双方を指導して解消した」と強調した。
 校長によると、男子生徒はほとんど欠席もなく、26日も普段と変わらず登校した。自殺の事実は28日に全校放送で生徒に報告し、保護者向けの説明会を5月1日夜に開く。
 市内の中学校では2014年9月、泉区の館中1年の男子生徒=当時(12)=がいじめを苦に自殺。

16年2月にも同区の南中山中で2年の男子生徒=当時(14)=が自殺し、市教委の第三者委員会が「いじめによる精神的苦痛が自殺の一因」と結論付けた。
 大越教育長は相次ぐ自殺に「痛恨で言葉を失っている。自死につながらないよう、さらに対策を打ち出さなければならない」と語った。遺族は市教委を通じて「家族の現在の願いは、大切に育ててきた息子を安らかに見送ること」とのコメントを出した。

 

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平成29年4月28日河北新報

<仙台中2自殺>遺族が再調査求める所見書

 仙台市泉区の南中山中2年の男子生徒=当時(14)=が昨年2月に自殺した問題で、父親が27日、市教委第三者委員会のいじめ問題専門委員会が今年3月に出した答申に対する所見書を市教委に提出した。父親は「答申を全く受け入れられない」として、再調査と第三者委の刷新を求めた。
 所見書は奥山恵美子市長宛てで、答申がいじめについて「いつ、どこで、誰が、何をした」かを示さず、「なぜ自ら命を絶たなければならなかったのか」との疑問への答えがないと指摘。奥山市長が主宰する市総合教育会議で、学校や関係教員の対応を検証するよう要請した。
 遺族が昨年12月に求めた新たな第三者委による再調査が受け入れられなかったことにも不満を示し、「市寄りで公平・中立性のない専門委の調査や答申に納得できない」と強調。第三者委に遺族推薦の弁護士や有識者を入れるよう求めた。
 父親は提出後、報道陣の取材に対し「遺族をばかにした答申で怒りしかない。専門委の議事録を遺族にすら公開しない」と憤った。市教委の杉山勝真(かつなお)学校教育部長は「所見書は専門委の答申と再発防止策と共に、5月の早い時期に市長に報告する」と述べた。
 専門委は3月下旬、「いじめによる精神的苦痛が自殺の一因」とする答申書を市教委に提出。奥山市長は今月3日の記者会見で、再調査の可否は「答申に関する市教委の報告と遺族の所見を踏まえて判断する」との考えを示した。

 

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