平成29年6月4日朝日新聞
男子バレーボール部、下級生に暴力 山形・米沢中央高

山形県米沢市の私立米沢中央高校の男子バレーボール部で、部員による下級生部員らに対する暴力があり、同校は一連の行為をいじめと判断して、行為に加わった3年生と2年生計6人を出席停止にして特別指導をしている。
同校によると、5月22日、2年生部員の1人が鼻血を出すなどしていることに同級生が気づき、職員に連絡。
学校側が聞き取り調査したところ、2、3年生部員計6人が、1、2年生部員計5人に対し、小突くなどの暴力をふるっていたという。また、鼻血を出した部員は2月にも同様の暴力を受けていたほか、パン代など飲食費を複数負担し、計2万円以上を支払ったという。
同校は、5月22日から29日まで部を活動停止としたほか、6人は部活動に参加させず、別室で反省文を書くなどの特別指導をしているという。被害を受けた5人は登校しているが、鼻血を出した1人は部活動を休んでいるという。
部は2日から始まった県高校総体には出場している。同校は「加害生徒は出していないが、被害生徒には出場する権利があり、連帯責任は取らせなかった」と説明している。

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平成29年6月3日河北新報
<仙台中学生自殺>児童生徒と個別面談へ

仙台中3いじめ

校長らにいじめや体罰の防止を呼び掛ける奥山市長

仙台市教委は2日、全市立学校などで夏休み前半までをめどに、担任教諭が児童生徒と個別面談する方針を明らかにした。宮城野区の市教育センターであった緊急合同校長会で各校長に指示した。
市内では、2年7カ月間に市立中学生3人がいじめ絡みで自殺する問題が相次いだ。個別面談は児童生徒と担任教諭が直接向き合い、いじめなどに適切に対応することで自殺防止を図るのが狙い。
合同校長会には今回初めて、奥山恵美子市長と文部科学省の担当者が出席した。奥山市長は講話で、4月下旬にいじめを訴えて自殺した青葉区折立中2年の男子生徒が教員による体罰も受けていた問題に言及。
「教員一人一人の在りようが問われている覚悟をもってほしい」と呼び掛けた。
折立中の問題で市教委は当初、いじめの重大事態に位置付けなかった。文科省の松林高樹生徒指導室長は「事実関係が確定した段階ではなく、『疑い』が生じた段階で重大事態として調査する必要がある」と強調した。

<宮城県議会>いじめ防止条例検討開始

県議会のいじめ・不登校等調査特別委員会が2日、県議会棟で開かれ、いじめを巡る防止対策の推進や自治体、学校、保護者の責務などを示した条例制定の検討を開始した。
仙台市で起きた中学生のいじめ自殺問題を踏まえ、委員からは「再発防止のため、実効性のある条例が必要」「条例制定でいじめを許さないという強いメッセージを発信するべきだ」などの意見が相次いだ。
一方、「既存の子育て条例を肉付けする形でも対応できるのではないか」と慎重な見方もあった。吉川寛康委員長は「条例制定は一つの選択肢。拙速に進めず、現場の実情を調査した上で効果的な対策を検討したい」との考えを示した。
いじめ防止などに関する条例を巡っては、北海道や東京など6都道県が独自の条例を制定している。

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平成29年6月2日朝日新聞

取手・中3自殺の調査委、解散へ 市長「心よりおわび」

茨城県取手市で2015年11月、市立中学校3年の中島菜保子さん(当時15)が自殺したことをめぐり、市教育委員会は1日、市の調査委員会を解散させる方針を公表した。調査委員会をめぐっては中島さんの両親が「中立性と公平性、遺族への配慮が欠けている」などと、解散を求めていた。
藤井信吾取手市長は1日の会見で「市教委の対応が遺族に寄り添ったものではなかったことについて、
心よりおわび申し上げる」と述べた。同席した矢作進教育長も「遺族との信頼関係を回復するにはスタートに立ち返り、(調査委員会を)解散する方向で考えていきたい」と話した。2日に開かれる市教委に解散を提案する方針という。
市教委は昨年3月「(自殺は)いじめによる重大事態に該当しない」と議決していた。しかし、先月30日にこの議決を撤回し、文部科学省からも調査の見直しの検討を指導されていた。31日には、矢作氏が両親に謝罪もしていた。(佐藤清孝)

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平成29年6月1日朝日新聞
剣道合宿で「指導を逸脱した体罰」 元教諭らに賠償命令

私立普連土学園中学・高校(東京都港区)の剣道部の合宿中に体罰を受けたとして、元部員が部顧問だった元教諭や学園などを相手取り、約1280万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が31日、東京地裁であった。
朝倉佳秀裁判長は「教育的指導の範囲を逸脱した体罰で違法」と指導の一部を体罰と認め、元教諭ら2人と学園に慰謝料など計約91万円の支払いを命じた。
判決によると、元部員の女性は高校2年生だった2011年7月、剣道部の夏合宿で部顧問だった女性教諭に防具の胴部分を蹴られて転倒。男性コーチにも竹刀でのどを突かれ、首に2週間のけがをした。
判決はこれらが体罰に当たるとし、学園にも監督責任を認めたが、女性が主張した心的外傷後ストレス障害(PTSD)と体罰との因果関係は認めなかった。
学園は翌8月に暴行を把握してコーチを解雇。教諭は減給処分とされ、12年に自主退職した。学園は判決を受けて「コメントは差し控える」としている。(後藤遼太)

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平成29年5月31日朝日新聞
中3自殺「広義の意味でいじめあった」取手市教委認める

茨城県取手市で2015年11月、市立中学校3年の中島菜保子さん(当時15)が自殺したことをめぐり、市教育委員会は30日、臨時会を開き、中島さんへの広義の意味でのいじめはあったとして、「(自殺は)いじめによる重大事態に該当しない」とした昨年3月の議決を撤回すると決めた。
市教委が両親の要望を受けて第三者による調査委員会を設置すると決めた際に議決していた。臨時会後、記者会見した矢作進教育長は「当時の議決は妥当性や遺族側に対して配慮に欠けた判断だった」と述べた。
中島さんは、自宅で首をつって亡くなった。日記には「いじめられたくない」などと書かれ、両親はいじめがあったと訴えていた。
市教委はこれまで、「いじめは確認されなかった」との説明を繰り返していた。だがこの日、中島さんが亡くなった翌12月に全校生徒にアンケートした結果などから、からかいなどの広い意味でのいじめがあったことを把握していた、と明らかにした。
両親は「中立性と公平性、遺族への配慮が欠けている」として調査委の解散を求めているが、市教委は
「今後も全容解明に向けて調査を継続したい」とし、解散しない考えだ。(佐藤清孝、箱谷真司)

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平成29年5月30日河北新報

中3女子飛び降り大けが いじめ調査へ

仙台市立中3年の女子生徒(15)が太白区のマンションから転落し、脚などを骨折する大けがをしていたことが29日、分かった。市教委によると、27日午後7時ごろ、マンション4階から飛び降りたとみられる。
意識はあり、命に別条はないという。
市教委は29日午後に記者会見し、「調査が終了しておらず、いじめの可能性を完全に否定できない」として、いじめ防止対策推進法に基づく重大事態と捉えて調査する方針を明らかにした。
昨年度、学校が2回行ったアンケートには、いじめを示唆する回答はなかった。女子生徒はインフルエンザを除いて欠席したことはなく、飛び降りる前日まで普段通り登校していたという。
市教委は、いじめの重大事態とした理由について(1)今後の調査でいじめ被害が明らかになる可能性がある(2)中学生がマンションから飛び降りた事実-の2点を挙げた。
加藤邦治副教育長は、いじめ被害を訴えていた青葉区の折立中2年の男子生徒(13)が4月26日、マンションから飛び降り死亡した事案に触れ、「折立中の事案では当初、(いじめの有無で)判断を迷った部分もあり、その反省を踏まえた」と説明した。

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平成29年5月30日朝日新聞

「配慮が欠如」中3自殺の両親、調査委解散求め

茨木いじめ
調査委員会の解散を求めたことを説明する両親(右から2、3人目)=東京都千代田区

2015年11月に茨城県取手市の市立中学3年だった中島菜保子(なおこ)さん(当時15)が自殺したことをめぐり、「いじめ被害のためだった」と訴えている両親は29日に会見し、取手市教委の調査委員会が調査を中止し、解散するように同市教委に求めたことを明らかにした。両親は「調査委は中立性と公平性、遺族への配慮が欠けている」と主張している。
両親は、生徒の日記に人間関係の悩みや「いじめられたくない」との言葉が記されていたことなどから、いじめを訴えている。臨床心理士や精神科医らでつくる調査委は昨年7月から調査を始めた。しかし、両親によると今年3月になって、市教委が調査委の設置を決めた際に「いじめによる重大事態に該当しない」と議決をしていたことが分かったという。
調査委も、両親が集めた同級生らの証言などの資料を十分に確認していないという。文部科学省にも報告した父親(45)は「調査委にも訴えを受け止めてもらえず、さらに苦しんでいる。怒りでいっぱいだ」と語った。
取手市教委の担当者はいじめと自殺の関係性が不明なため、「該当しない」と議決したと説明。「申し入れを受け止め、解散するかはこれから検討する」と話した。(根岸拓朗)

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平成29年5月29日河北新報
<青森中2自殺>いじめ以外も要因 市審議会見解

青森市浪岡中2年の葛西りまさん=当時(13)=が昨年8月にいじめ被害を訴えて自殺した問題で、
市いじめ防止対策審議会は28日、「いじめを含むさまざまな要因が関わった死」との見解を示した。
審議会委員は今月末の任期満了に伴い退任し、新委員が調査を引き継ぐ。現委員が作成した報告書案の扱いは未定。
審議会は葛西さんの自殺に影響したいじめが、1年の夏から2年の初夏にかけて4件あったと判断。
一方で「いじめ以外の要因がないと断言できる情報などは得られなかった」とした。
記者会見した櫛引素夫会長(青森大教授)は「事実関係の調査は一定の水準で、中立性も問題ない。
一日も早い答申を目指していたので残念だ」と語った。
審議会は3月26日、報告書案を遺族に説明。遺族側は「納得できない」として一部の委員解任などを求める要望書を出した。市教委は応じないと回答したが、今月23日に全委員が月末で退任し、信頼性・中立性を高めるため、後任を県外から選ぶと明らかにした。

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平成29年5月29日NHK
青森 女子中学生自殺 報告書最終案「背景にいじめ」

去年、青森市の女子中学生がいじめを苦に自殺したと見られる問題で、市の教育委員会が設置した審議会は28日、記者会見を開き、自殺といじめの因果関係について「直接的な引き金が何かは判断できないが、自殺の背景にいじめが関わっていた」とする報告書の最終案を明らかにしました。
青森市の中学2年生だった葛西りまさん(当時13)は去年8月、列車にはねられて死亡し、スマートフォンにはいじめの被害を訴えるメモが残されていました。
青森市教育委員会は、いじめを苦に自殺したと見て、専門家による審議会を設け調査を進めてきましたが、審議会が先月、「いじめとの因果関係は解明できない」などとする見解を示したのに対し、遺族から反発の声が上がるなどし、調査が継続されることが決まっていました。
現在の審議会の委員は今月末で任期が切れるため、それに先立って28日、記者会見を開きました。
この中で、審議会の会長を務めてきた青森大学の櫛引素夫教授は、葛西さんへのいじめが4件確認された
としたうえで、「直接的な引き金が何かは判断できないが、自殺の背景にいじめが関わっていた」とする報告書の最終案を明らかにしました。
一方で、遺族側が納得できないとしていた「葛西さんは思春期に特有のうつ症状だった」とするこれまでの審議会の見解については、「最終案の中で根拠を示したつもりだ」と述べるにとどまりました。
審議会は、来月以降も新たな委員のもとで調査を続け、報告書をまとめることにしています。
会見で櫛引会長は「新しい委員たちにはより正確な報告書を完成してもらいたい」と話しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170529/k10010998421000.html

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平成29年5月28日朝日新聞
5年前の高2自殺、原因はいじめか 学校側が追加報告書

2012年に兵庫県川西市の県立高校2年の男子生徒(当時17)が自殺した問題で、同校が、自殺といじめの因果関係を事実上認める内容の追加報告書を県教委に提出していたことがわかった。当初は認めておらず、生徒の両親が報告書の訂正を求めていた。両親は取材に「息子の無念を少しは晴らすことはできたと思う」
と話した。
男子生徒は12年9月2日に自宅で命を絶った。学校は同20日付の報告書で、「背景にいじめがあったことは確認された」とする一方、「暴力的行為や金品の要求はなかった」として、自殺との関連性は「現時点ではあるともないとも判断できない」としていた。
遺族は13年12月、同級生と県側を相手取り、損害賠償を求めて提訴。昨年3月、神戸地裁は判決でいじめを認定し、慰謝料の支払いを命じた。
追加の報告書は今月25日付で、A4判3枚。因果関係についての学校側の直接的な言及はないが、神戸地裁判決を引用。生徒が「ムシ」と呼ばれ、虫の死骸を教室の椅子の上に置かれるなどの行為がいじめと認定されたことを説明し、自殺の原因がいじめだとみることに「合理的な疑いを挟む余地はない」とした判決内容を記した。
また、独立行政法人「日本スポーツ振興センター」(東京)が、死亡見舞金の支給の決定通知で「(自殺の)主たる原因は学校の管理下でのいじめ」と認定したことも盛り込んだ。

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