平成28年7月30日 山形新聞
天童・中1いじめ問題、解決金500万円で和解へ 市方針、議会議決経て成立へ
天童市の中学1年の女子生徒=当時(12)=が学校でいじめを受けて2014年に自殺した問題で、市は29日、解決金500万円を支払うことで遺族と和解する方針を明らかにした。双方は近く和解契約の手続きに入り、市議会9月定例会での議決を経て、正式に和解が成立する見通し。
同日開かれた市議会総務教育常任委員会で市教育委員会が説明した。市側と遺族側の代理人による4回の協議経過について市教委は、2回目の協議で遺族側から損害賠償請求があったのに対し、東京高裁における過去の類似判例2件を参考に賠償額の考えを示した、と説明。3回目の協議で「解決金による和解も一つの方法ではないか」と提案したという。 4回目の協議で遺族が提示した和解案は▽解決金500万円の支払い▽訴訟はしない▽市長の謝罪会見は条項に含めない―の内容。市教委は「遺族側の提案を受け入れ、和解する方向で進めたい」と述べた。解決金の額について市教委は「(独立行政法人日本スポーツ振興センターが運用する災害共済給付制度の)死亡見舞金(2800万円)に上乗せする額との意味合いもある」と説明。500万円は全国市長会の自治体が加入する学校災害賠償補償保険から支払われるという。
遺族側代理人の安孫子英彦弁護士は「まだ市から正式な話は聞いていないが、解決に向け前進したことはうれしい。発生からこれまで、(女子生徒の)お父さんが亡くなったこともあり、残された家族は非常につらい思いをしていた。ようやく一安心だろう」と話していた。